媚香調教04・春姫淪落
冷気の沁みた石床の上。身を隠す物もなく、ハルヒは床の上に自らの体を放り出し、倒れている。
辺りの空気が温い。ハルヒは自分の肌から上がる熱気がどこから来るとも知らず、自らの芯が燃えているよう錯覚した。
男は石床に転ぶハルヒを抱き起こすと、だらしなく開いた口に吸い付いた。
それがハルヒの初めての口づけ。
だが、男のかさついた唇がハルヒの口を塞ぎ、舌が口内の唾液をかき混ぜるかの如く暴れるが抵抗の様子はない。
むしろ、拙いながらも男の舌の動きを真似るように、音を立てながらハルヒは自分の舌を絡めてきた。
男は気分よくその慕情に応えたが、ハルヒの目は男を捉えていない。
我を忘れたかのようにハルヒの目は現実を映さない。
己が内に燻っていた仄暗い欲望が目の前の人物にディアーナを重ね、ハルヒを惑わせている。
その口づけも甘く。やっと受入れられてもらえたというハルヒ自身にも不可解な満足感がとろけるように甘い。
今自分が受けている物はディアーナの口づけ。そう思い込むだけでハルヒの胸から幸福が溢れ出た。
そんなハルヒをよそに、男はふいに口を離す。
ハルヒはさらに口づけを求めて男にねだるように抱き寄せるが、抱き寄せられた男の唇はハルヒの唇の下に当たった。
男の唇がそこから雫が垂れるような道筋で首筋まで這うと、
その感触にハルヒの身体が敏感に弾け、のけぞろうとする度に男は抱き寄せて時折強く吸い付きながらなぞっていく。
鎖骨、胸、乳首。脇腹まで差し掛かると自然にハルヒの身体を押し倒す格好となった。
そこから先はハルヒの未だ知らない領域。
「…なに、するの?……ひぅ!」
男はぶしつけに舌を尖らせるとハルヒの秘所へと押し込んだ。
それの意味の分からぬハルヒだったが、短く悲鳴を上げながらも愛する人へ体の全てを委ねたという背徳に興奮している。
舌を押し付けると、それは未熟であるに関わらず、ズブズブと呑み込んでいく。
山水の如く溢れ続ける愛液が熱い。男は次の標的に陰核を選んだ。
「あ、ふぁ、……ひぃイッッ!」
興奮からか、包皮が剥け、空気に晒されるほど勃起した陰核。
男が口をすぼめてそれをくわえると、ハルヒは頭を振り、涙も振りまいて喘いだ。
くわえられた陰核がリズミカルに唇で搾り取られ、その度にハルヒは大声で喘ぎながらヨダレを振り撒いている。
「…く、あぁ……ひぅッ……アァ……ひっ、うッ、ああッ!」
ハルヒの叫びが段々と短く、強くなっていく。達するのは近い。
男はすぐさまそれを見越してハルヒの陰核を解放する。
「…あ……」
絶頂寸前の解放。これが逆にハルヒを支配する。もはやハルヒの思考は完全に性欲に征服されている。
だがハルヒには男に更なる快楽をねだる余裕もなく、呼吸を荒げてなすがままにされるのみ。
一息ついた男はハルヒの股部を再度指で確認すると、二本の指をたやすく呑み込み、広げられたハルヒの奥から不格好な音が漏れた。
男は全てを整ったとばかりに、ハルヒの前に自らの陰茎を晒す。
未だハルヒは夢、幻の中にいる。
男の指はディアーナの指。男の唇はディアーナの唇。
だが目の前に現れたのは身も知らぬ人体の部品。ハルヒは朧げながら、疑問の表情を浮かべた。
(…な、に…これ……)
男は底意地の悪そうな笑みを浮かべると、
ハルヒの白く長い両足を持ち上げると、亀頭の先っぽをハルヒの局部に触れさせた。
「んっ…」
亀頭の感触に、ハルヒは快楽に震えながら喜びに打たれた。
徐々に徐々に増していく悦楽。ハルヒの心はもはや虜である。
相手が何をしているかは理解出来ずとも、それがハルヒに更なる快楽を呼ぶ事を理解していた。
だが。その予感はすぐに打ち砕かれる。
男はハルヒにのしかかるように全ての体重をそれに載せると、
ハルヒの身体を串刺しにするかのように貫いた。
「…ヒッ! ああぐぅッ!」
濡れぞうきんを叩いたような鈍い水の音。ブチリと処女膜の裂ける音。
そして、激痛を伴った貫通にハルヒの声にもならぬ絶叫が室内に反響した。
痺れ霞み、混濁した意識。それを痛みが現実に引き戻す。
眼前のディアーナの幻が涙と共に流れ落ち、醜悪なギルドの男の姿を見て、ハルヒはようやく理解した。
相手をしていたのはディアーナなどではなく、見知らぬ男。
その男に組み敷かれ、己の純血が今、散らされた事。
全て遅かった。奪われた全てを取り戻す。それもまた無理な事だったが、なによりも。
もはや抜け出せないほどに、ハルヒの体は男に染められていた。
「……あ…ぁ…」
「ようやくお目覚めかい、お姫様」
「……痛…ぃ…ひぃ…」
「ハハハ、直に良くなるから頑張って腰振りな」
「…うぐ、ぅ」
苦痛の表情で咽び泣くハルヒだったが男の言う事が事実である事を身を以て体感していた。
鉄の門のように強固だったハルヒの膣は、媚香と男の手で熱せられ、軽々と男の異物を受入れ容易く形を変えていく。
男は中座とばかりにハルヒから陰茎を抜くと、内側からめくられるような感触にハルヒの口から短い悲鳴が漏れた。
さらに男は揚々とハルヒをうつ伏せに寝かせると、まるで獣の交尾のような体位を取った。
細い腰をつかまれ、これから訪れる衝撃を待ち受けるように強張る身体。
処女喪失の激しい痛みはいつのまにか消えかけ、代わりに男の挿入を許した膣はハルヒの思惑とは裏腹に劇的に変わっていた。
「…もう入れないで…お願、…いィ…」
「まだだ。俺が完全に大人の女にしてやる」
「…や、だァ。もうこんな…に、され…あぁッ!」
男の物が抜けたハルヒの性器はまるで空洞のように開いている。
そこへ自分の物だと主張するように、熱く剛直な肉が再びハルヒの穴にピッタリとハマっていく。
こすられ、ねじられ、押し付けられ、反り返ったカリが膣を引っ掻く度にハルヒは耐えるように石床を引っ掻いた。
だが次第にその力も失せ、かろうじて残ったハルヒの心。
ハルヒの心は、救いを求めた。
「…あっあっああ、あひぃ」
(……ディアーナさん…ディアーナさん…)
「ゆ、ゆるして、ユルひてェエ!」
(……ディアーナ…ディア…)
「へ、はあ…あっくぅ…」
(…なん、で助けに来てくれないの…)
「んっ、ふっ、うう、あっあっあつい、あついよぉ」
(…や…だ…早く……はやくゥ…)
「これ以上、されひゃらぁあ!」
(……も……)
「……あ、ぁぁあああァッ!!!」
その絶頂を最後にハルヒはガクンと弛緩し,床に突っ伏した。
あれほど荒々しく達した反動か、全身はまるで死体のように動かない。
流石に男も戸惑いを隠せない様子でハルヒを呼びかける。
「…おい……おい!」
「………」
「お姫さん! ハルヒ!」
「……はい」
暫時の沈黙から、ようやくハルヒは応えた。
男が動きを止めている間にハルヒの息は整っていた。
ハルヒは、ムクリと起き上がると、男のモノを膣に挿入したままグルリと身を返し、
泣き濡れ、潤んだ瞳でじっと男の目を見つめる。
ハルヒは華奢な両腕を男の後ろで組み、唇を惜しげもなくギルドの男に押し付け、言った。
「……ハルヒは大丈夫です。だから、もっと、…もっとください.勇者さま…」
いくら助けを呼んでもディアーナは来ない。
いくら足掻いても。いくら叫んでも。いくら求めても。
純潔が散らされ、冒険者としての気概も消え、勇者を、ディアーナを慕う事すら無駄に思えた。
いつまでも終わらぬ地獄に、遂にハルヒは事切れた。
彼女の中に息づいていた「勇者さま」
その姿は狂いそうになるほどの快楽の後、霧散していく。
散って、消え去った物。ハルヒの中に空洞が出来た。
それを埋めるかのようにハルヒは目の前の者にその姿を求めた。
勇者という言葉の意味を忘れ、ただの愛しい人。
その感情のみがその言葉の意味になった。
男に抱きつき、腰を振る。足を絡め、その口に吸い付く姿は、
かつて痴れたほどに明るかった姫君の面影はない。
「…はァ、あぅア……にっ、ひぃ……も、っと奥……に…奥にィ…」
男もそのあまりの変化に面食らったが、
女が壊れてしまった事を悟ると、最後にハルヒの膣を染めあげるように射精した。
「…あッッ…!」
初めての挿入に、初めての射精。
膣の中で弾けたように広がる精に、ハルヒの意識がさらに焼かれていく。
「……あ、…あつ…いィ……」
「これが精液の味だ。今後お前はこれを出してもらう為に俺らに奉仕するんだぞ」
「…は、はぃ。せいえ、き。精液……ハルヒに、精液……出してください…勇者さまァ…」
「よしよし、その調子だ。言う事聞いてればもっと出してやるぞ」
「あ、ありがとうございますッ…勇者さま…なんでも聞きます…だから…だからァッ!」
「今度は後ろだ。ケツを上げろ、ハルヒ」
「…はいッ!」
男に言われるまま。ハルヒはおずおずと尻を上げる。
さっき出された精液が膣からゴプリと音を立てて流れ落ちた。
ハルヒは、堕ちた。
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媚香調教05・「春姫淫堕」