媚香調教03・春姫開発
ディアーナの調教が始まる数日前の事である。
迷宮の一角。その通路はギルドが捕まえた冒険者を調教する為の部屋で連なっていた。
しきりに女の叫び声と男達の笑い声が響き、静寂の迷宮の中でもひときわ異常な雰囲気を放っている。
そこにまた一人。性奴隷に堕とされるべく連れてこられた、少女。
少女はハルヒ。彼女は勇者に憧れて国を飛び出し、冒険者になったという変わり種の姫君である。
だがその様子はやや他の冒険者と違っていた。
ここに運び込まれる冒険者は皆、一様にその表情は暗い。
だが、ハルヒは早々に服も脱がされて一糸まとわぬ姿にされても、その目に宿る希望の灯は消えない。
実はハルヒには一度、同じようなところに運び込まれた経験がある。
その時は恐怖に振るえて身動き一つできず、あわやギルドの毒牙にかからんとしたその時、
颯爽と現れてハルヒを救出してくれたのが白竜将。竜騎士のディアーナだった。
(大丈夫。ディアーナさんはきっとあたしを助けに来てくれるもの)
どんな状況でもディアーナが助けに来てくれる。確信じみた思いがハルヒを一人にしない。
冷たく重い扉が完全に締めきられ、部屋にはハルヒとあの媚香のみが置かれた。
壁面に埋め込まれた鉄錠で両手を少し吊るような形で拘束されているがそれほど辛くはない。
暗闇の中、ハルヒはディアーナがどんな形で助けにくるのか。今か今かと胸を躍らせいた。
そうしている間に、ハルヒの体にもあの煙が染み込んでいく。
――翌日。外から反響する足音に目を覚ましたハルヒ。
だがハルヒの思惑とは裏腹に開いた扉から現れたのはディアーナではなく、ギルドの男だった。
ハルヒに性知識は欠片もないが、服を脱がされた事で何かしらの恥辱が待っている事は察する事が出来ていたらしく、
半ば覚悟はしていたのか、ハルヒは男の顔を見ると唇を噛み締めて耐える事を選んだ。
虹彩のはっきり見える大きな瞳を男からそらす事無く睨み続ける。
その姿はまるで今にも破裂しそうな爆弾のようで、男も出来るだけ刺激を避けて無言で作業にとりかかる事にした。
男はハルヒの後ろに座り込むとそっと体に指を這わせる。
「…はっ、あは、あははははは!」
ハルヒは男の愛撫に堪えきれず、笑い出した。
未熟なハルヒの身体には男の愛撫がただのくすぐりとしか感じられない。こそばゆさに大口を開けて笑っている。
男も既にこうなる事を理解していたのか、「こうも勝手が違うか」と内心愚痴りながらも、
ケタケタと笑い続けるハルヒを無視し、不毛とも思えるほど愚直に彼女の身体を開発すべく指を這わせ続けた。
煙は魔法に耐性のある人間には効きが悪い。おそらくハルヒもその類いの人間なのだろう。
「や、やめてよ! くすぐったいよ! あはっ! あははは!」
しかし、あくまで効きにくいというだけで、その効果が体に回るのは時間の問題である。
媚香は男性から出る臭いや汗に混じるとその性質を変え、女を焦らす香から女を絶頂に導く香へと姿を変える。
男もそれを重々承知しており、ため息をつきながらも半ば事務的にハルヒの体をまさぐっていく。
男に少女趣味はない。ハルヒのような未成熟な体を快感を感じるまでに開発するには手もかかる。
豊満な、成熟しきった肉体を好む男はハルヒの調教にあまり乗り気ではなかったと言える。
だが、嫌悪でこわばっていたハルヒの緊張が次第に解け、
その手が小ぶりながらも形のいい胸に差し掛かると男の表情が変わった。
「ひっひぃ! あはっ!……やめ…ひひっ…!」
やや痩せた体ではあるがその胸は触ると弾力がよく、思いのほか肉付きは良い。
餓える事無く食生活に恵まれた王族の娘ならではの醍醐味か。
改めてハルヒの首筋を眺めると、転婆な生活をくり返して来たわりに肌に大きな傷はない。
きめは細かく若さも手伝って、触るとすぐにでも陰茎をこすりつけたくなるほどの程よい感触が返ってくる。
「…あ、はっ…あ……や……」
気がつけば、先ほどまでのかしましい笑い声は収まり、ハルヒは興奮からか胸の張りがにわかに増してきていた。
くすぐりの余韻か、ハルヒの腹部がひくついている。その挙動は徐々に胸に這う男の指の動きと連動する。
片手に収まる程のその胸は容易く男に全てを掌握され、こねる度にハルヒの口から喘ぎが漏れ始めた。
「……はァ…あぁ……」
「ようやく気持ちよくなって来たか?」
「…やぁ…やだ…」
「どうなんだよ」
「ひっ!」
男は尖りだしたハルヒの乳首を乱暴に押しつぶすと、ハルヒは身を震わせて男の性戯に悶えた。
ハルヒにはそれが快感である事も理解出来ず、目は宙を泳いでいる。
だが次第にそれの元凶が男である事を察すると、ハルヒの視線は揉まれ続ける胸に戻った。
自分の体が変えられていく。そんな予感がよぎり、戸惑いと恐怖からハルヒの瞳に涙が溜まっていく。
男はその様子に上機嫌で胸を揉みしだき続ける。
全く経験の無い体を開発するには手がかかる。
だが、最初の体験だからこそ、その性体験が甘美であれば甘美であるほど女が狂っていく事を男は熟知していた。
痛みは与えず、休む間もなくハルヒの身体に快楽を刻み込んでいく。
「…あ…ん……や…」
「どうだ、気持ちいいだろ」
「……やだよ。こんな……ん…なん、で……んっ…」
返事の最中。ハルヒの体が痺れたように身震いした。
男はその前兆を見逃さない。
「ほー、お前初めてなのに胸だけでイキそうのか」
「……い、く……ど……え?…は…あっ…」
「ははは! 初めての癖に胸だけでイクなんて淫乱な姫様だな」
「…い、いんらん…?」
「お前みたいにスケベな女の事だよ」
「ち、違う……あたしは……あたし…」
「ほれ」
「…ひぃっ!」
もはやハルヒの身体は男のなすがままだった。
我慢しようにも、男が乳房を揉む度に身をよじらせ、男に撫でられる度に身が震え応えてしまう。
勿論、処女であるはずのハルヒがここまで狂うのは平常ではありえない。
部屋を漂う媚香。これを吸った女は否応なく皮膚感覚が尖り、
頭に霧がかかったように何も考えられず、されるがままになる。
そんな状態で愛撫を受けようものならどんな女であろうとも大差はない。
厳格な軍人も、貴品溢れる淑女も、異能の才女も、無垢な少女も。
その人物の本分は空白にされ、そこに止めどなく快楽のみが流れ込んでいくのである。
しかし、ハルヒがそんな事を知るはずも無く、しとしとと火照り来る体への戸惑いは頂点に達し、
ついには、堰を切ったように大声で泣き出した。
「…やだっ!…やだァ!!」
子供のように泣きわめくハルヒ。両腕両足を縛る鉄錠を鳴らしながら身をよじらせる。
男はすぐさま暴れて逃れようとするハルヒの足に上から足を絡めて動きを封じると、
自らの抵抗が無力である事を悟ったハルヒは深呼吸し、今度はあらん限りの大声で助けを呼んだ。
「助けてっっ! たすけてェっ!」
ジタバタと手足をばたつかせるが鎖で繋がれた体は男の愛撫から逃れる術を持たない。
だが男は焦っていた。ハルヒが半狂乱になったせいで空白にされた意識に何かが混じりつつある。
集中が完全に途切れている。このままでは芳しい結果が得られない事は明白だった。
「…やぁ…たす…け……ディアーナさん……助けて……」
ハルヒの口からついて出たディアーナの名。
男は渡りに船とばかりにその名を利用する。
「ハルヒちゃん、ハルヒちゃん」
「……うえ…ヒック……たすけてぇ…」
「おっぱい気持ちいいだろ? もしあのディアーナにこんな風に揉んでもらったらもっと気持ち良いだろうなあ」
半狂乱の中、もやのかかったハルヒの意識に男の声だけが響いた。
『ディアーナ』 その単語が持つ意味はハルヒの中でも特別である。
濃色に輝く髪。凛とした鼻。張りつめた瞳に、薄く化粧された唇。
清廉な白い鎧。その中にある豊満な肢体。ハルヒの知る、最も強く、美しい女性。
(……ディアーナさんに…)
ハルヒの頭。その言葉が反射するように繰り返し幾度も幾度も響いていく。
その声に誘導されるように、ハルヒの中で胸を這う男の指がディアーナの端麗な白指へ置き換わって。
耳にかかる男の湿った息がディアーナの吐息と重なり、ハルヒは極まって瞳を閉じた。
涙がピタリと止み、ハルヒは自らの中でスイッチが切り替わったように感じた。
「……え?」
ドクンと、鼓動が脈打った。
散漫だった意識がその指に集中する。指の一本一本。乳房を掬い,埋まり、歪め、こすり上げる。
その動作に、もはや嫌悪感は無い。
「…あ、ぁ……」
ボロボロとこぼれた涙は胸に落ち、男の指の間でそれが潤滑油となってさらにハルヒを責める。
涙と汗がハルヒの乳房の上で混じり、まるで男の指が吸い付くように乳房に粘る。
内で何かが迫ってくる。ハルヒはそう感じた。
「あっ…あ…っ……なに…か、く…る……」
「そう言うときは『イク』って言うんだ」
男のかすれた声も、今のハルヒにはディアーナの優しい声になり、耳をかする。
陶酔しきった虚ろな目で、ハルヒは懸命にその命令に答えた。
「…は、はぃ……ディアー、ナさん…い、イキそうです……」
男はその言葉に機を得たりと、より早く、より乱暴に胸を揉みしだく。
ハルヒの鼓動、呼吸がそれに合わさるように加速していく。
「…へっ…はっ…はぁ……あっあっ、あっ…」
頃合いを見て、男の指がハルヒの尖りきった乳首を軽くつまむと、
まるで陰茎でもこするようにハルヒの両方の乳首をこすりあげた。
男の腕の中。ハルヒの身体が反り返る。
「…ひっ…いひィ…はっ、あっ、んっ、んっ…」
迫り来る未知のもの。ハルヒの中にもはや恐怖はない。
愛する人の腕の中。導かれるようにハルヒはそれを受入れる覚悟をした。
男はトドメとばかりに乳首をつまみあげると、まるでハルヒの乳房を持ち上げるように引っ張った。
「よし、イっちまえ」
「…ぎィっ! あぁっ…ああああッッ!」
痛烈な刺激と達する快感が境界なく混ざり押し寄せて、ハルヒの身体を貫いた。
ハルヒの身体は鉄錠を鳴らしながら二度跳ね、男の腕の中に落ちた。
体の骨が全て砕けたように男に体を預け、初めての絶頂の余韻の中にいるハルヒ。
その様子にこの上なく満足そうにせせら笑う男。
男はハルヒの鉄錠を外すと、支えを無くしたハルヒは冷たい石床の上にその身を放り出す。
両腕には暴れた際に鉄錠との摩擦で出来た痛々しい痣があったが、それを心配してくれる者はここにはいない。
ハルヒの膝が濡れている。
腿の付け根から溢れ、滴り伸びた愛液。それが既に膝にまで達していた事に気付いた男は、
ついにハルヒの調教を開始した。
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媚香調教04・「春姫淪落」