「・・・・・・・!!」
 凄まじい魔力の撃ち合いの末、魔女の両肩にあった宝玉が閃光と轟音と共にその台座ごと粉々に吹き飛んだ。客席が、いや、会場全てが罵りと悲鳴に満ちる。
 そして、目を閉じた上から焼きつける閃光がおさまった後に、そこにあったものは…。
 魔女と闘った者の中の一人が、倒されていた。
 だが、それ以上の光景が、そこにあった。
 それは粉々になった宝玉の欠片に包まれ、血の滲む腕を押さえ跪く魔女の姿であった。
 
 黒い魔女が敗北する。
 
 あまりにも衝撃的な出来事に、誰もが息を呑み、事態の展開を見失う。
 異様な沈黙が、辺りを包む。
 …突然、風景がコマ落しになる。
 黒髪がふわりと宙に散る。魔女が両膝を落し崩れ落ち倒れ伏す。両腕を支えにし、丁度四つん這いの格好になり、地に落ちた黒髪から白いうなじが、肩の線が覗く。
 荒い呼吸で上下する肩は、意外な程華奢で、透けるような白い肌は黒髪と黒いドレスに良く映えた。
 おどろに乱れた髪と、その姿勢は、限り無く…………凌辱を予感させた。

 彼女を嬲りものにしようと、観客が次々と試合会場に降りる。その大半は彼女の勝利に賭けていなかった。
 誰も彼女が敗北するなど、凌辱できるなどと、思いもよらなかったからだ。
 しかし、打ちのめされた「魔女」の姿に、魅入られた様に男達は近付く。
 紅い宝玉の欠片と黒絹のドレスに包まれた魔女の姿は、さながら巨大な毒花のようであり、その中心で蠢く魔女の肢体は、まるで毒花の雌蘂のようであった。

 …魔女が気配に気付き顔を上げた時、既に男達に彼女は見下ろされる形になっていた。
 四つん這いの姿勢からの上目遣い。男達はそれに嗜虐的な笑みで答えた。
「俺は、あんたに賭けていたんだがな………。」
 言うや否や男が、豊かな黒髪を掴んで無理矢理彼女−イシュタルを立ち上がらせる。そして、悲鳴をあげさせる間もなく無理矢理紅いルージュの曳かれた唇を奪い、舌をねじ込もうとする。イシュタルはそれに嫌悪の表情を浮かべ、きつく唇を結んで侵入を拒否するが、鼻を押さえられ息が詰まった隙を突かれ男の舌を受け入れてしまう。
「・・・ぎゃあああああ!!」
 突如上がる悲鳴。
 イシュタルの乱れたルージュの端から、紅い血が滴っている。侵入してきた男の舌を噛んだのだ。
 ほつれた黒髪がまとわりつき、血を滴らせた凄艶な表情で男を睨み付ける。

「………Sie spassen wohl?……gemeine Sau!!」
(御冗談でしょう? この豚野郎!!)

 しかし、抵抗はそこまでだった。
 両脇から男にがっちりと腕を掴まれて、拘束される。
 魔法も使えない魔女に、それに抗う力はなかった。
 しかし、それでも腕を振り払おうとするイシュタル。
 その顔に平手打ちが数発飛ぶ。
「……………………!?」
 怒気も見せない、呆気にとられた表情でイシュタルは自分を打った男を見た。
 何がおこったのか、おこっているのか、イシュタルは理解していない。
 そんな表情を見せたのが、男の怒りにさらに火をつけた。イシュタルを打った男は、彼女が持っていたロッドを手にしていた。口からは血が滴っている。
 その怒り狂った男に何度も腹をロッドで殴られる。その度に、イシュタルの身体がびくん、と跳ね、胸に詰まった空気を押し出すような声にならない悲鳴をあげる。男は自分の息があがるまで執拗にイシュタルを痛めつける。先程流れていた血より、どす黒い血が口から漏れる。誰も止めようとしない。
「魔女」なのだから。
 恐れられはしない、蔑まれるだけの魔女。
 いや、魔女という名前の、玩具。
「…おい、こいつなんか言ってるぜ?」
 力無くうなだれるイシュタルの口から幽かに声が漏れるのに男が気付くころには、地面に血溜まりすら出来ていた。やっと終わった暴力に、うわごとの様な呟きを、整わない呼吸で、しかし、単調に続ける。
「……erbitten…………Sie…………begnadigen…………………」
 男達は、ケタケタと笑いながら、そんなイシュタルの行動を見ていた。
 呼吸が整わないだけではない震えが、イシュタルの腕を掴んでいる男に伝わる。
 いくら強がっても、もう無駄だった。
 男達は、思い思いにイシュタルの身体をまさぐりはじめる。
「こいつ、震えてやがるぜ…?」指先を嘗めながら。
「案外、温かいんだな…。」うなじを撫でながら。
「香水、少しきついな…。」髪の毛を弄んで。
「こいつ、何いってるんだ?」唇に指を這わせて。
「……まぁ、何いってるかの見当はつくがな…………立場、わかってないなこの女?」頬を撫でながら。
「なら、身体で言うこと聞かすか?」ドレスのスカートをとめるリボンに手がかかる。
 絹擦れの音と共に、イシュタルの下半身が露になる。
 思いのほか脚のラインも細身だったのが、男達の喚声を誘った。
「へえ………高慢ちきな性格のわりに、案外細身なんだな………?」
 誰にもさらしたことのないラインが、男達の手で次々と暴かれる。
 よってたかって、むしり取られる。
 黒いドレス、黒い下着の向こうに隠されていた白い肌が露になる。
 身を飾っていた全てを剥ぎ取られたイシュタルの線の細さは、より一層男達の嗜虐心をそそる。
 そして線が細い理由は、全てを剥ぎ取られたイシュタルに隠すことはできなかった。
 薄いヘアに申し訳程度で隠された彼女のそれは、度重なる男の異様な接触で濡れていたが、その口はまるで貝殻の様であった。
「く、くくくくくく……そうか、そういうことか! このレズ売女!!」
 髪を掴んでイシュタルの頭を振り回しながら、男は叫んだ。
 そのまま、紅い裏地を見せている、まるでシーツの様に広がったスカートの上にイシュタルを引き倒す。
「散々やることやっといて、お前自身はロクに遊んで無い様だな!? 処女だったら見物だぜ!」
 卑猥な言葉を吐きながら、男がイシュタルにのしかかる。
 イシュタルは身をよじってそれを避けようとするが、もはやたった一人の男すら彼女は抗えなかった。紅い布地の上でもがく彼女の姿は、まるで蜘蛛の巣にかかった黒揚羽の様でもあった。
 回りの男が、ことの成りゆきを卑猥な笑いを浮かべながら見ている。
 そんな中、イシュタルは男に脚を捕まれ、ついに股間が割り開かれてさらされ、固く閉じられた秘裂に肉棒をつきあてられてしまった。
 そこに、男が一気に割り入ろうとする。

「嫌ぁ! お願い、やめて!! それだけは………っ!!」
 初めて彼女から、男達にも分かる言葉が紡ぎ出された。
「お願い、それだけは………許して……」
 必死に彼女は哀願する。もう、そこには魔女としてのプライドなど、何処にもなかった。人を見下した笑いを浮かべていた彼女の顔は、ぐしゃぐしゃに涙を浮かべて乱れている。
「てめえ、ちゃんとしゃべれたのかよ!」
「馬鹿にしやがって、この女………今さら許して、だと? てめえの格好考えて言ってんのか!?」
「頭抜けてんじゃねえのか?! ああ!?」
 次々に罵声が飛ぶ。彼女はひたすら赦しを請う。
「ごめんなさい…………お願い………ゆるして……」
 時に低く、時に高くなる哀願の声。
「…………可愛い声だな案外………もうちょっと、切羽詰まらせてみるか?」
 それは、彼女にとっては死刑宣告にも等しい一言だった。
 イシュタルにのしかかっていた男が、その言葉を聞くや否や、肉棒を一気に突きこんできた。
「きゃああああああああ!!」
 途端に漏れる悲鳴、みちみちと肉が引き裂ける音、そして、鮮血。
「……おい、こいつ、やっぱり処女だったぜ!?」
 身を引き裂かれる苦痛にのたうつイシュタルを眼下に、男が得意気に叫ぶ。
「おい、どうした、なんかいったらどうだ!? ええ!? 初めて男とやった気分はどうなんだ!? この淫乱レズ女!?」
 言いながら男は腰をぐりぐりと動かす。
「あああああ! 嫌ぁ!! やめて!! 痛い………痛いぃ!!」
 悲鳴をあげながら、イシュタルは男の肉棒から逃れようとずり下がるように身体を動かす。
「おらっ! 腰を動かす方向が逆だろう!?」
「ひいぃいいいいっ!!」
 途端に、引き戻され、その分長くなったストロークで肉棒を打ち込まれる。
「うああああああ…………やだ、もうやめて! お願い! 痛いぃ!!」
「痛いか!? 痛いのか!? そりゃ痛いだろうさ!! これだけキツい締め付けなんだからな!!」
 男はイシュタルの訴えにかまわず、執拗に腰を振り続ける。
 それほど大きくもない胸が、それでも、動きの激しさにつられて震え、血が混じった愛液が、じゅぷじゅぷといやらしい音をたてて泡立ち、滴る。
「もっと濡らせよ! これから何人にヤられると思ってるんだ!? 回りよく見ろよ!!」
「……ひっ! 嫌ぁ! そんなぁ!!」
 すでに、彼女の回りには、男達が壁のように連なり、屹立した肉棒をさらしていた。ガチガチに固くなったそれらの穂先は全てイシュタルに向けられている。
 先端がぬらつくそれを、男達は思い思いにしごいていた。
「まぁ、てめぇに賭けていたのは俺くらいなもんだからな、処女はじっくり俺が味わってやるよ…。」
 ゆっくりと長く、肉棒を膣口まで引き抜く。
 イシュタルは啜り泣く。
「だがな、その後は、ここにいる男全員に輪姦されるのさ! 覚悟しておきな!!」
「いやぁ! やだ! これ以上なんて………ああああああ!」
 唯一自由になっている頭を振りかぶり泣きじゃくる。耳障りな程にかん高い悲鳴があたりにに響く。
「煩いな……まぁ、ちゃんと男で感じられるようにもしてやっからよ!」
 そう言い放つと男は、前後のストロークに緩急を加えながら、イシュタルのクリトリスを摘み、その包皮を剥いて刺激する。
「!?……うあっ!? あああああっ!?」
 痛みしかもたらさない肉棒による凌辱に加え、知った快感の急所を責められてイシュタルは戸惑った様な裏声で喘ぐ。
 その声を聞いた男は、肉棒の突き込みを緩め、クリトリスを丹念に責める。溢れた透明な蜜をすくい、すっかり充血して大きくなったそれに塗りたくり、指の腹で転がすようにして弄ぶ。
「う……ふぁ……あ………あン……」
 先ほどまでの悲鳴じみた金切り声とは違う、甘い響きを含んだ低い喘ぎがイシュタルの口からもれる。
 押さえ込んでいる形になっている脚も、すっかり萎えたように力が抜け、彼女の中も、きつく絞めるだけでなく、かすかにわななくようになる。
 痛みのあまりに、ぜえぜえと咳き込む様だった味気ない息遣いが、はふはふと、まるで犬の様だが切ない甘さをもったものに変わる。
 ころ合いが良くなった。そう判断した男は、脚を押さえ込んでいた手を離し、さほど大きくはないが、型くずれしない張りをもった乳房をなぶり出す。
 潤cらかさより張りが強いそれを、手のひらで包み込んで丹念に揉み、固くなった乳首を軽く摘む。
 鎖骨からうなじにかけての微妙なラインに舌を這わせる。後れ毛の生え際が唾液でてらつく。
「ひあ……っ! あ…あん………」
 慣らされた敏感な部分を責めあげられ、イシュタルは凌辱の痛みを快楽に摺り替えられつつあった。
 悔し涙を流し、痛みを歪む表情に、女ならどうしようもない感覚に支配されている朱が混じり、喘ぎっぱなしの口から涎がたれてくる。ただ激しく拒否するだけに捩っていた身体の動きに、なんともいえない媚態が加わる。突き入れ一つごとに、びくん、と身体が跳ね、背筋が綺麗なカーブを描く。
 だが、これが続くようなことはなかった。
 イシュタルが程よくほぐれたのなら、どこにも彼女に優しくする必要などなかった。
「ひぎぃ! ぎ……ああああああああっ!! あああああん!!」
 また悲鳴混じりの喘ぎがあがる。
 責められている箇所はかわらないが、その激しさは前のとは比べ物にならなかった。
 クリトリスはちぎれんばかりにきつく摘まれ、乳房は引きちぎられる様に揉みしだかれ、肉棒の突き込みはより一層激しくなった。
「あがっ! あああああ! もっと……やさしく………ひぁああああん!!」
「おいおい、注文つけてくる位には感じてるのかよ!?」
「……うう……そんな……こと………あン……ああああああああ!」

 ぐちゃ…ぬちゃ…ヌチャ…。
 淫猥な音が自分の中から響いてくる。
 もう、訳がわからなかった。
 身体の中深くまで蹂躙され、ひっかきまわされ、節くれだった手にまさぐられている荒々しい感覚が、痛みなのかなんなのか…。
 息が苦しい、胸が切ない、身体が熱い、頭が痺れる。
 ただ一つ「犯されている」ことだけ、分かる。
 自分の中で蠢いている熱く煮えたぎる感触。
 押し入れられれば息がつまる、引き抜かれれば喪失感に切なくなる。
「くぅぅう……うう…………うぁ……あン………」
 激しい凌辱と裏腹の、睦言の様な喘ぎ。
 もう、どうだっていい。
 どうしようもないんだから。
 どれほど強がっても、所詮受け入れるだけの性。
 気付いたとたんに、芯から蕩けた。
「うン………んあ、あ、ああ、ああン……ああああッ」
 声が一層甘く、切なくなる。
 引っ掻き回されている肉壷から、白く濁った蜜が溢れ出す。
 ぐじゅ…ぐじゅ…ぐちょ…ぐちゃ…
 肉壷がかき回される。
 ぱん…ぱん…ぱん…ぱん…
 肉がぶつかる音。
 男のものと混ざった汗が、ひどく粘つく。
「くっ! そろそろ出すぞ!! おらぁ!! 中に出してやる!!」
 自分の中で、男のモノが広がっていくのが分かる。びくびくいってる。奥まで入ってくる。
 中に出すって?
「ひあああああああああっっ!!」
 熱い! 身体の中に熱いのが広がってくる!! 溶ける! 蕩ける!! 犯されてる!!
「うあ!? ひぁああああああ!! うン あああああン!!」
 やだ! こんなとこまで入ってくる!! お腹の中全部、入ってくる!!
 熱くて痺れる!! うわぁ! 何、何コレぇ!!
「いひいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃっっっ……………………!!」

 イシュタルの身体がびくんと弓なりに跳ねる。激しい嬌声。
 きゅうっ、と肉壷が男を締め付けると、ぶしゃぶしゃと潮が飛び散る。
 声がフェードアウトするに従い、締め付けがひくひくと頼り無いものになるが、その余韻が処女を味わった男にはなんともいえない。
 固く閉じられた秘裂が、初めての男に蹂躙されつくされ、赤く充血して広がっている様を落ち着いてみると、底意地の悪い満足感を男は感じた。
 その様子がよく見えるように、肉棒の先端で彼女を浅く数度抉ってから、全てを引き抜く。
「………………ふあっ……!」
 引き抜かれると、彼女の中に溜まっていたおびただしい量の精液と愛液の混合物が、処女血と混ざってゴポッと音を立てて溢れ出した。
 ドロドロと粘りながら溢れる濃厚な液が、泉のように広がる。
「…たまんねぇ姿だな………………くうっ!!」
 イシュタルの媚態を見ていた男達が、次々にイシュタルの身体めがけて精液を放つ。
 びゅるるっっ!! びゆっ!!
 絶頂で朱が差した肌が白く染めあげられていく。胸に、顔に、体中に…。
「…はっ! これじゃあ『黒の魔女』も形なしだな………白い精液でベトベトだ、ハハハハッ!!」
「いくらでも出るぜ! おい! 嬉しいか!?」
「どうだ!? まともに『女』になった感想はよ!?」
 絶頂の余韻で軽く痙攣するイシュタルに、精液と共に卑猥な言葉が次々に浴びせられる。
 それに、ゼンマイ仕掛けの人形の様にイシュタルが反応する。肯定かどうか定かではない動作。
「ぎゃははははははは!! おい!! 嬉しいってよ!?」
 男達はすっかり調子づいて、イシュタルを言葉で嬲る。
「おらおら!! 口ン中に入ったのは飲みやがれ!!」
 その言葉に反応してか、イシュタルは舌でそれを拭うと、口の中のものを嚥下した。
「おい、こいつ、本当に飲んだ、飲みやがった!!」
「……………くくくく、本当にプライド捨てたな、こいつ。」
「もう、魔女じゃねえな、こいつ………………雌犬だ………!」
 そういわれながら、イシュタルは身体にかけられた粘液の感触を楽しむように、その身をくねらせている。
 その度に、乱れた黒髪が肌にまとわりつく。
 髪を払う仕種が、精液に絡んで、まるで自らの身体に男の精を刷り込んでいる様になる。
 にちゃにちゃと粘液が擦れる音をたてながら、細い指で自らの身体を犯すような風情の行為を、イシュタルは誰に言われるとなく続ける。

「そうだ…………いい事を思い付いた……。」
 そういうと、男がイシュタルの髪を掴んで無理矢理引き起こし、立ち上がらせる。イシュタルの顔がまたも苦痛に歪むが、気にせず男はその耳のそばで、しかし、他の人間にも聞こえるように言い放つ。
「さっき、俺達をさんざんわけのわからない言葉で馬鹿にしてくれたな……? その言葉で、求めてみろよ?   いやらしく、メス犬らしくな!!」
 イシュタルの顔が、耳まで真っ赤になる。
 顔を背けて、しかし、涙と嗚咽がもれる。
「おいおい、いまさら何かわいこぶってるんだよ!! てめぇの乱れっぷりに、いまさら後悔したか!?」
 言いながら、男がイシュタルの股間に指を突き刺してぐりぐりとかき回す。
「ひあっっ!!」
 まだ膣内に残っていた精液がかき出され、ボタボタと落ちる。膝ががくがく震え、力が入らなくなったまま男にもたれる。丁度、男に抱きかかる形になる。
 精液まみれのぬるぬるした感触に顔をしかめながら、男が再び問う。
「…どうした? 気持ちよくしてやるぜ?」
「..............................................................mehr.......................mehr............Heischen.........」
 小声で、イシュタルが囁く。
「大声で!」
「・・・・mehr! Heischen!! Ich bumse Sie・・・mehr!!」
 腕を男の首に巻き付けて抱き締め、腰をみだらにくねらせて、息継ぎも無しに叫ぶ。
 男が、口の端だけを釣り上げて笑う。
「誰が身体で示せといった? 本当にメス犬になりさがったな!!」
 男がイシュタルを一旦引き剥がず。それから、濃密なキスをイシュタルに迫る。
 ぐちゃ、ぐちゃ……
 今度はイシュタルの方から積極的に舌を這わせた。鼻で息をしながら、舌を絡める感触を味わう。
「んふ………ふああ…………うん……」
 深緑の瞳から、氷砂糖の様に甘い涙を流しながら、陶然とした表情で舌を絡める。男から注ぎ込まれた唾液を咽をならして飲み込む。
 華奢な身体を、男に密着させて、その量感を楽しむ。男の胸板の間で、胸の形が潰れる。
 まるで、奔放な恋人同士の様な絡み合い。
 …しばらくそうしていたが、男が突然イシュタルを突き飛ばした。
「きゃっ!!」
 さらに、何発か蹴りを入れる。
「ぐあっっ!…あがっっ!! …………………な、なんで………………?!」
 信じられない、といった顔を再び浮かべてイシュタルは男を見る。
「俺らを誘うつもりなら、淫乱にふるまうなよ…………もっと、泣叫ぶんだよ!!」
 そういう男の手には、あのイシュタルのロッドが握られている。
「!? いやぁ………何、何をするつもりなの!?」
 歯をガチガチ鳴らして、イシュタルは男から逃げようとする。
 だが、腰に力が入らない。
 しかも、他の男達にまたも拘束されてしまう。
「何って? お前がいままでしてきたことさ…………こいつをてめぇのアソコにぶちこむんだよ!!」
「いやぁああああああ! お願い! やめて!! それだけはっっっ!!」
 恐怖にひきつるイシュタル。まるで兎の様に震えている。
 その様子が、男達の腕から伝わってくる。そんなイシュタルの反応に、男達が下卑た笑いを漏らす。
「ほぉら、今度はあんたが子猫ちゃんだ!! これであんたも、あんたがヤった娘と穴姉妹ってわけだ!!」
「無理よ! そんなの!! 絶対はいらない!! やだ!! 何でも、何でもするからお願いやめてぇ!!」 
 かつて、彼女の前で繰り返された哀訴の言葉、それを無意識に彼女自信が紡ぎ出す。
 しかし、その結果はいつも同じだった。そして、今回も。
 哀れな獲物の訴えを無視して、冷たく、鈍く光る凶悪なロッド。赤く充血した秘裂に、その螺旋状の刻みがついた先端があてがわれれる。
「………………いやだね!!」
 言うなり、力づくでねじ込む。
「あがあああああああああああああああああっっっっっ!!!」
 肉が裂け、鮮血と悲鳴が溢れ出す。
 何度もイシュタルの身体が跳ね上がり、口からごぼごぼと泡まじりの涎がしたたる。
「痛いか? 痛いのか? そうか………………もっと苦しめ!! ぎゃはははははははは!!」
 もはや、イシュタルから人間らしい反応は帰ってこなかった。
 咽にひっかかるような、しゅうしゅうという掠れる息遣いが無気味に流れる。

 だが、それでも、狂った宴は終わらなかった………………………。


TEXT BY MUSKA


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