Bブロック第五試合

「・・・・・・・・・・・・・・」
sayaka<>

vs
「…強いんですね。
私が貴女の立場だったら…初戦の組み合わせの不運を嘆いているだけだったかもしれない」

yunis<>

 


 

1turn
サヤカ    −−−−  (1回戦時の3ターン目「焼却」のペナルティ負け)
ユーニス  −−−−  (自動勝利)
yunis Win!!
2turn
サヤカ   水水水水 魔法発動『洪水』 AP→1+4=5 DP→0+4=5
ユーニス 風風水水 魔法発動『雷撃』 AP→13+2=15 DP→3+2=5 
yunis Win!!
3turn
サヤカ   風風水水 魔法発動『雷撃』 AP→13+2=15 DP→3+2=5 
ユーニス  地水火風 魔法発動『中和』 AP→0 DP→∞
draw

勝者 ユーニス・ユグノート!

「でも、今の私は泣いていられない。
 初めて、自分の力で…幸せを手に入れるの」

敗者 サヤカ!

(くくくくく)
 サヤカは、冷たいコロシアムの石畳に横たわったアマールの姿に、思わず笑みがこぼれそうになる。
 ――優勝候補と言われるアマールをこの手で屠った。
 この時点で、「最強」の名がサヤカに渡ったと言っても過言ではない。
 「最強」の二文字を欲するが故に、「確実に勝つ」戦法を取った。
 次の試合は確実に不利になるが、そもそも「優勝」に興味などなかった。自分の力を世間に知らしめる事ができれば――もう、現在の地位にいる必要もない。
 サヤカは観客席の上段で観戦していた主人を、冷めた目で睨みつけた。
 ふんぞり返るコート姿の奴は微笑を見せ、サヤカに大仰な拍手を贈っている。
(その傲慢な態度が気に入らない)
「修行」を兼ねて上流貴族である彼に仕えていたが、満足の行く仕事は与えられていなかった。
 大部分が、襲われる危険性のない主人のボディーガードだ。
 サヤカは当の昔に、奴がいつも自分を傍らに置いておきたいと望んでいる事に気付いていた。
 彼女の美貌を考えれば、奴がそう願う事も無理はない。
(あいつは私の「実力」ではなく、「容姿」を買っているのだ――)
 だから、この大会への参加を勧められた時には、正直耳を疑った。
 実際、裏がある可能性も否定できなかったが、自分の実力をこの男に見せつけるにはいい機会だ。
 その後なら、いくらでも別の場所から引き抜きがあるはず――
 サヤカはこの男に屈辱と後悔の念を与えるが故に、大会への参加を承諾した。
(私を過小評価した事を呪うがいい)
 サヤカは肩にかかった長髪を腕でかき上げ、放心状態のアマールに一瞥をくれコロシアムを去る。
 しかし、異変に気付いて出口の前で足を止めた。
 観客席から客が一斉に下りて来て、アマールに近づく。
(何だ……?)
 サヤカはしばらく、その光景を眺めていた。
 ――始まったのは、凄惨な凌辱劇。
 サヤカはとっさに、餓鬼腹の主人を見上げた。
 彼もサヤカの視線に気付き、嫌味に満ちたその顔で不気味な笑みを浮かべる。
 彼女は怒りと憎しみに大きく体を震わせ、大股で出口へ消えて行った。
(ふざけるな!)

 勝たなければ。
 サヤカは思った。
 あいつは、絶対自分に賭けている筈だ。
 あんな男に自分の純潔をくれてやる気はない。
 あんな――アマールの二の舞になる気もない。
 その為には――勝つしかない。

 ――だが、アマールとの試合で「確実に勝つ」戦法を取った事が仇となり、サヤカは二回戦で破れた。

(こうなるのか――)
 敗戦を半ば覚悟していたとは言え、いざ目の前にその事実を突き付けられると、サヤカの胸に後悔の念が吹き荒れる。
 もし、敗者の末路を事前に知っていたなら――
 だが、いくら過去を足掻いた所で未来が変わるはずもない。
「がんばりなさい……」
 横を通り過ぎて行くユーニスに、自嘲的な笑みを見せてサヤカは呟いた。
 負けたのは大会に関して熟知していなかった自分の責任、そして――
 サヤカはユーニスを責めなかった。彼女に――罪は無い。
 ユーニスがコロシアムから姿を消した頃には、サヤカに賭けていた観客が彼女の周囲を取り巻いていた。
 半端な数ではない。
 前回優勝者のアマールを破ったのだから。
 優勝候補の筆頭に立ってしまったサヤカに、観客が彼女の痴態を望むのは至極当然だった。
 サヤカは、苦い顔で舌打ちした。
 この結果は――自分で生み出してしまったのだから。

「……っ!?」
 サヤカに賭けていた観客達は、問答無用で彼女を取り押さえる。
 サヤカは声にならない悲鳴を上げて必死に抵抗するが、男多数に女一人、得意の魔法も封じられては成す術もない。
 いとも簡単に両手両足を封じられ、上着のホックが引き千切られる。程好いサイズの胸が露わになり、サヤカの頬が赤く染まった。
 次に手前の男がスカートをめくり上げ、女の大切な部分を忍ばせてある下着を外しにかかる。サヤカは足をばたつかせて抵抗を試みるが、あっけなく下着は剥ぎ取られた。
 全く使いこまれていないサヤカの性器が、顔も名も知らぬ男達に晒される。
 嘲笑を見せる男達の中で、誰かの軽い口笛が聞こえた。
 後ろの男に両胸を鷲掴みにされ、乱暴に揉みしだかれる。
 男の指の中で踊る薄桃色の乳輪は、サヤカの意志とは関係なく男の愛撫に答え、少しづつ尖り始めた。サヤカの肩が上下に揺れ、息遣いが荒くなってゆく。
「ひうっ……!!」
 喉に詰まった声を上げ、サヤカの体が突然弓なりに跳ねた。
 別の男が彼女の股下に潜り込み、未発達の秘所に吸い付いている。
 男はその長い舌で中を割り、貪るようにヴァギナを舐め回す。
 乱れ始めたサヤカの肢体に、取り巻く男達は興奮し、次々に自らの獣の部分を取り出す。皆、いつ暴発してもおかしくないほどに蠢いている。
 見慣れないグロテスクな一物に、サヤカは本能的な恐怖を覚えた。――と同時に、男達が自分の裸体で勃起している事実が、彼女の高慢なプライドを刺激した。
 男達の愛撫が激しくなるにつれ、口元から甘い吐息が漏れる。
(声は上げない、絶対に――)
 しかしサヤカは、必死に我慢した。
 無意味な抵抗が、逆に男達の嗜好の的になるのは目に見えているから。
 ――それが自身の誇りを保つ為の、唯一の手段だった。
「さーて、そろそろ頂くとするか、優勝候補の身体をよ」
 サヤカの花弁が愛液を潤み、男を受け入れる準備を整えたのを確認すると、男の一人が先端をゆっくりと挿入した。サヤカの脊髄に、例え様のない感覚が電流の如く駆け抜ける。
 その時――
「待て!」
 その声に彼女を取り巻く集団が二つに割れ、道が生まれる。
(……!!)
 サヤカは視線の先の男を凝視し、歯軋りした。
「……貴様は……」
「どうかね?名前を売る恰好の機会になっただろう?」
 豪勢なコートに身を包んだ主人――サヤカはもう、その名称で呼ぶつもりは毛頭ないが――が、心底嬉しそうに口元を歪曲させる。
「……予想以上に、ね」
 全身を取り押さえられていなければ、有無を言わさず飛びかかっているところだ。
 奴を囲む数人のボディーガードが、麻袋をサヤカの周りの男達に掴ませた。中の貨幣が擦れ合って心地良い音を立てる。
 男達は満足げに頷き、サヤカを蹂躙するのを止め、彼女を無理矢理立たせて羽交い締めにする。
「私は卑下されるのが嫌いでね」
 奴が脱いだコートの下から、餓鬼腹の身体が現れた。
 どす黒く染まった男根は華奢な体つきとは裏腹に、どの男達よりも長く、太い。
 サヤカは自分の身に降りかかる悲劇を想像し、大きく唾を飲み込んだ。
「離せ、離せっ!!」
 火事場の馬鹿力で男達を振り解こうとするサヤカの腹に、ボディーガードの一人が容赦なく蹴りを入れる。全身から急激に力が抜け、サヤカは膝をつく。
 男達はそうはさせじと腕を引っ張り、男を受け入れ易いように彼女の股を開いて持ち上げた。
「貴様なんかに……」
 サヤカの目に、涙が浮かんだ。
 蹴られた痛みのせいか、それとも、悔し涙か――
「その反抗的な目が気に食わないな」
 奴はサヤカの顎を上に向け、唇が当たる寸前まで顔を近づけてくる。
 サヤカはその不気味な顔めがけ、唾を吐きかけた。――今の彼女に出来る、ささやかな反抗だった。
 しかし奴は、恨みのこもったその唾を長い指で拭き取り、美味そうに舐め上げた。
 サヤカの全身に悪寒が走り、喉元まで熱いものがせり上がって来る。
「んぐ……っ!」
 男の厚い唇がサヤカの唇を塞ぎ、舌をねじ込んで口内を犯す。
 流し込まれる男の唾液を吐き出す術もなく、サヤカは咽(むせ)ながらそれを飲んだ。
 涎と男の唾液が混じり、顎を伝う。
「あぐっ……げほ、がはっ……」
「出来れば、君を私だけのものにしたかったな」
 男は少し名残惜しそうに呟いて、一気に子宮の奥深くまで怒張を突き入れた。
「ひ……ああああああっ!!」
 処女膜を突き破られた激痛に、サヤカは我慢できずに悲鳴を上げる。
 大粒の涙を目に貯めのた打ち回るサヤカに、奴は構わず腰を動かした。きついほどの締め付けが、脳髄を刺激する。
 ――二種類の液体が、彼女の膣から石畳に滴り落ちた。
 やがて処女の痛みが女の悦楽へすり変わるのを、サヤカは火照った全身で感じていた。
「君へのプレゼントだ。雌(おんな)になった事を記念してね」
 男が一番奥まで突き刺すと同時に、自分の分身をサヤカの膣内で発射する。
 ペニスが脈打ち熱いものが注ぎ込まれる度、サヤカは肩を小刻みに震わせた。

「では、そろそろ見物に回る事にしよう。期待してるよ」
 その言葉を合図に前戯は終わりを告げ、いよいよ本番が開演する。

 数時間前まで男の体など知らなかったサヤカの白い裸身は、今や男共の欲望で完全に穢れ切っている。
 精液の三つの挿入口は絶え間無く塞がれ、髪の匂いを嗅ぐ者、よがり狂う彼女の姿で自慰にふける者、彼女のしなやかな指で絶頂を迎える者、彼女の顔に精液をかけ征服欲に浸る者――それぞれが好き放題に、サヤカを犯し尽くす。
 サヤカも今では男共の欲望に応じ、自ら進んで次なる快楽を求めている。
 彼女の高慢なプライドが、これだけの人数の男を支配している事に対して疼き、意志とは関係無しに身体を動かす。。
 ――だが、決して嬌声は上げなかった。
 堕ちたサヤカの虚ろな目に映るのは、雌の悦びを与えてくれる雄の群れ。
 唯一、欲望の海に呑まれる性奴隷と化しつつある彼女の理性を繋ぎ止めているものは、決して枯れる事のない奴への憎悪の芽だった。
 コロシアムの片隅で、乱れるサヤカの姿を愉しんでいる男――
(貴様のせいで……!!)
 今の境遇に陥れた、あの男が憎かった。
 男達の隙間から奴と目が合う度に、殺意のこもった視線を浴びせる。
「……殺してやる……絶対に、殺してやる……。絶対……」
 激しく渦巻く快楽と憎悪の炎に身を焦がす中で、サヤカはひたすら呪いの言葉を繰り返した……

TEXT BY 四季