(欄外) <早朝…、フィレアの部屋…> フィレア:……(すぅ…、すぅ…) 狼少王:…(肩肘を付き、隣の新しい「后」の寝顔を見つめている…)  影 :……陛下(低い声) 狼少王:(そのままの姿勢で)今日は…、大丈夫だったんだろうな…?  影 :は、BF様も、健やかにお休みのご様子… 狼少王:そうか…、ご苦労…  影 :は…(消える気配…) フィレア:ん…(苦しそうに眉を潜める…) 狼少王:(フィレアの頭を抱き…)ここにいる(優しく髪を撫でる) フィレア:…(少し表情が和らぎ…、再び、静かに寝息を立て始める) <朝…、「宿屋」の食堂(貸切)…> 狼少王:まあ…、と言うわけで、今度、フィレアが新しく「后」に入ることになった。 フィレア:皆さん、おはようございます(ぺこりっ)その…、今回、「后」となったフィレアです、 よろしくお願いいたします(少し緊張した面持ちで挨拶) シーナ:はは、そんな肩の力入れなくて良いよ(笑) リリア:(凄く嬉しそうに)フィレアさんもわたし達と同じ「家族」になったんだ☆ 太・北:こちらこそよろしくお願いします(ぺこりっ) 和 也:草薙和也です、宜しく(にこ) 孔・濡:始めまして、第3公女の孔・濡ですわ☆ 狼少王:リリアと太・北、それと今ここにはいないが白・湯、この3人はフィレアと同じで俺の「后」 だ。仲良くしてくれ。 リリア・太・北:宜しくね☆ フィレア:あ…、はい☆ 狼少王:あと、今、ここにはいないが、和也の妻の瑞樹、部下のクラムハップ・ガボス、それと、 若干名の大事な客人が同居している。まあ、おいおい、会うごとに紹介していこう。 フィレア:はい☆分かりました☆ <朝…、大大陸グレートガイアのある港町。ある宿屋の一室…> 暗・仁:どう、体の調子は? メェル:はい…、昨日よりは…、随分とましになりました…(ベッドの上で…、既に臨月かと言う 大きなお腹を抱えて寝ている…) 暗・仁:(頭を掻き掻き…)…やっぱり、船を遅らせたほうが良かったかな…? メェル:気にしないで下さい…、望んだのは…、私ですから… 暗・仁:だけど…(それにしたって…、私の約束(グレートガイアまでは同行)を気遣ってのこと …、でしょ…?)…まあ、何も無くて、良かったけど。 メェル:はい…☆(にこっ)それはそうと…、花・立(カー・シュン)さんは…、どうされたんで すか…? 暗・仁:また、「仕入れ」とかなんとかだ…、って、どうかしたの? メェル:いえ…、頑張ってくださいね…(クス…) 暗・仁:あ…、いや…、その…、船の上でチラッと会話しただけで…(真っ赤…)ま…、とにかく さ、落ち着くまでは一緒にいるから…(額をちょん、と突ついて)…そんな私のことなんか 気にしないで、ゆっくり休んで… メェル:あうっ…、はい…、…ありがとうございます(にこ) (解説者紹介) リリア:「反魔」の能力者で「剥奪姫」の異名を持つグレンデン伯の「秘蔵っ子」。 明るく優しい印象だが、影のある過去も・・・。今は狼少王の后として同居中。 フィレア:エウルラシア神聖王国の第一王女にして、狼少王の新しい「后」。 逆臣ドーリガンに心身ともに汚し尽くされた過去に今だ引き摺られることがある。 クラムハップ:巨大な本を携えた11〜12歳ほどの栗毛色の髪の少女。 「公国」から、次期王「ター・チェ」の護衛のため、派遣されたらしい。 狼少王:本名は太・莱(ター・イェン)中央ゲルマ公国公王にして、「ゲルマ」半島の覇者。 「人材探し」に奔走する「お盛んな47歳」。 リリア:みんな、元気?今日の解説は、わたし、リリアと☆ フィレア:始めまして、今度新しく狼少王様の「后」となったフィレアです。宜しくお願いします☆ クラムハップ:クラムハップね。 狼少王:狼少王だ。 リリア:以上、4名でお送りします☆ 狼少王:さて…、今日の試合は4F…、ディンとサーカイルの試合だな…。 フィレア:お客さん…、いつもより、ちょっと少なかったですね…。 狼少王:昨日の今日の「爆弾騒ぎ」だからな…。 クラムハップ:対爆風用魔道防壁の設置は完了した言うけど、仕方ないね…。 リリア:うん…。で、肝心の試合だけど、先攻したのはサーカイルさん。風を纏わせた雷撃をワン、 ツーで叩きこんだんだけど。 フィレア:「浅かった」…ですね。攻撃後離脱し、再攻撃を狙おうとしたんですが、その目の前で、 ディンさんの必殺の「爆弾」が炸裂…。 狼少王:ああ…、魔道防壁の効力か観客席には全く影響が無かったが…、試合場は閃光で包まれ、 この一瞬で決したな…。 クラムハップ:これでディン嬢は2連勝…。明日は、人工精霊を操るリート嬢と5階で戦うね。 リリア:あ…、それじゃ…、今日のリポートはこれでおしまい☆ フィレア:え、これで、終わりなんですか? 狼少王:ああ…、ま、それじゃ、みんな、またな。 (参考)爆弾娘ディン嬢VSソーサレスエンジニアサーカイル嬢=履歴4F−2 爆弾娘ディン嬢VS人工精霊使いリート嬢=履歴5F−1 (欄外) <夜…、大大陸グレートガイアの港町。メェルと暗・仁が泊まっている宿屋の一室…> メェル:(クス…)そうだったんですか…(にこにこ) 暗・仁:そーそー、ホント、その時は参った…、ん?(耳を澄ます)…食事の準備が出来たみたい だね。 メェル:あ…、行って下さい。私は、大丈夫ですから。 暗・仁:そうは行かないよ。すぐ、取ってくるから、一緒に食べよう(にこ) メェル:…はい☆ 暗・仁:(トレイに二人分の食事を乗せ、部屋の前に)メェル、ちょっとドア開けてくれない? メェル:アー・ジュ…、…さん?(苦しそうな声…、血の匂い…) 暗・仁:っ?!!(慌ててトレイを落とすとドアを開ける) メェル:(お腹を押さえうめいている…)ぁぐ…、ぅ…(羊水が床に…) 暗・仁:メェル!!! <夜…、BFの部屋…> B F:………(ぼ〜…、と天上を見つめている…) リリア:(「お盆」を持った影と一緒に部屋に入ってくる)晩ご飯持ってきたよ☆ B F:…ありがとう…ございます(複雑な表情) リリア:ううん☆(にこにこ) B F:…?(食事が二つあるのに気が付いて…)これは…?まさか…、あの… リリア:たまには、私も一緒に食べようかな…、って☆ B F:……… リリア:わたしと一緒じゃ…、いや?(心配げに) B F:ううん(首を振り、優しい微笑みを浮かべる) <夜…、大大陸グレートガイアの港町。メェルと暗・仁が泊まっている宿屋の一室…> 数人の男の冒険者達:(部屋の前の廊下…)ざわざわ…(あーだこうだと話している) 旅の剣士(男):(ドアに向かって)大丈夫か? 魔法使い(女):ああっ、もう、うるさいっ!それよりも産婆さんは?! 旅の剣士(男):(びくっ)そ、それが…、マルダーが呼びに行ってるはずだが… 商人風の男:あ…、すいません、関係者なんですが、通してもらえますか? メェル:ん…、くう……、はあっ…、ふうっ…(汗びっしりで苦しそうに…) 暗・仁:(メェルの手を握って…)そう…、息をゆっくり、吐いて、そして、吸って…。「お湯」は? 拳士(女):(たらいに湯を入れながら)待って!今、持っていくから! 暗・仁:ほら…、もう少し…、もう少しだから頑張って… メェル:はい…、あ…、はぅ… 商人風の男:…アー・ジュさん…慣れてますね…(ふむ…) 暗・仁:まぁ…、里じゃ、何度か、手伝ったことあるし…(メェルの額を拭いながら)  間 :………………………………………………………………… 暗・仁:カー・シュン?(顔をひくっとさせ、改めて振り返る) 商人風の男(花・立):ボクでお手伝いできることがあれば手伝います(腕まくり) 暗・仁:……(にこっ) 暗・仁:でてけ!(どかんっ) 商人風の男(花・立):うわわわわわっ!(ごろごろごろごろっ)ひ…、酷いなぁ…(にこにこ) 暗・仁:酷いなぁ、じゃないっ!! 商人風の男(花・立):キミとボクの関係じゃないか…、そう荒げなくても… 暗・仁:(かぁ…)な…、何を!!とにかく!!今からでも「医者」か「産婆」さんを… 商人風の男(花・立):今、クルーが捜している…、もうすぐ来るはずだ(落ち着いた表情) 暗・仁:………そ メェル:あうっ…、うっ、うーーーーーーーーーーーっ!! 魔法使い(女):赤ちゃんの…、頭が…出て来てっ…(悲鳴) 暗・仁:待って、今行く!!(ドアを閉めながら)とにかくっ、ただ…待ってて…。 商人風の男(花・立):…分かった…(にこ) 医師:(廊下で)身体が無理をした後ですので…、暫くは安静にしておいてください… 拳士(女):(髪の毛もぼさぼさの状態で)…はい、ありがとうございました…(へろへろ) 産婆:(廊下に出て)じゃあ…、私も帰るよ…、大してすることは無かったけどね… 商人風の男(花・立):いえ…、ありがとうございました… 数人の男の冒険者達:ざわざわざわ… 魔法使い(女):(部屋の隅で寝こんでいる)…スー…、スー… 暗・仁:…お疲れ様…(メェルのベッドの 脇で) メェル:(産後の疲れきった様子ながら、子を抱き、幸せそうに)ええ… メェルの子:(灰色の髪、灰色の翼…)ん…(指をにぎにぎ…、口が少し動く) 暗・仁:…可愛い…、良い子じゃないか… メェル:ええ…(抱きしめる腕から温もりが伝わってくる…) 数人の男の冒険者達:(廊下から声)おめでただおめでただ!旦那さんを担ぎ出せ! 商人風の男(花・立):(同じく廊下から声)いや、ボクは旦那と言うわけじゃ… 拳士(女):…全く…、男たちは、なんて言うか…(頭を掻きながら入ってくる) 魔法使い(女):すぅ…、すぅ… 暗・仁:騒がしい出産になっちゃったね…(苦笑) メェルの子:ん…(お母さんの服をちっちゃな手が握り締める) メェル:(じわ…)…ええ…(涙が、一筋、二筋、頬を伝う…) 暗・仁:…?(ちょっと驚いた表情) メェル:(赤ちゃんを優しく抱きしめたまま…)うん…、ただ…、「あったかい」な…、って…(涙 が止まらず零れていく) 暗・仁:…メェル…(思わず貰い泣きしかけた涙を拭うと、横に座って肩を抱く…)