闇猫

 

by MORIGUMA


場末の、酒場兼ストリップ小屋「闇猫」。
夜になると、ほとんど最低の客たちが、集まり、騒ぎ、みみっちい欲望を満たしていく。
台の上では、年増か崩れかけた身体をした女たちが、生白い身体を、のろのろと動かし、男たちの罵声を浴びる。
だが、たまに奇跡と言うやつは起こるらしい。

薄いカーテンが上がり、たまたま期待の薄い視線を向けていた客は、目がひきつった。
程よく女の脂が乗った、長い脚が、細いヒールの赤い靴を履いて、表れる。
ぐっと形良く突き出した腰が、くびれきったウェストと結び合う。
赤い下品な下着に、かぶりつきたくなるような乳房が、今にもこぼれそうに包まれ、すんなりとした腕が、わずかに肉付きがいい肩につながる。
相当な美貌を、妖しく半分を黒く塗り、赤や金でまゆやアイシャドウを入れて、ピエロのような顔にしていた。目まで金色で、妖しさが強烈に引き立つ。
緑の豊かな髪が、場違いに輝く。

腰をくねらせ、いやらしく出てくる女に、客たちは呆然としていた。
「あらあら、どうしたのよ、拍手は、拍手!」
ちょっとハスキーだが、つやめいた声に、客たちはどっと歓声と、拍手を送る。
女は台にかがみ、手をついて、ネコのような伸びをする。
「にゃあお」
いたずらっぽい声に、客が笑った。
その格好が、たっぷりとした乳を強調し、腰や脚のラインを派手に見せ、台に詰め寄る男たちで、むんむんしてくる。

身体をぐいぐいとくねらせ、その場で、男の上に跨っているかのように、腰を動かし、白い肌がダイナミックに躍動する。
わずかな布切れがじゃまで、興奮が盛り上がってくる。
くいっと身体を上向け、後ろに反り返る。
肉付きのいい腿が広がり、赤いしまの下着に隠された秘所が、薄い布の下に透ける。
既に濡れているそこは、痛いほどの視線を浴び、さらに濡れてくる。

ぷつり、
後ろに回された手が、ブラを外し、動きにずれて、落ちていく。
ぷるん
量感たっぷりの乳が、乳首をピンクに光らせ、震えた。
おおーっ!
その乳房を振り回すように、身体を振り、台の上で見せつけるように踊り、くねる。
豊かで形良く切れ上がった尻が、わずかな布に隠れて、突き出される。
女も、歓声と拍手に興奮しているようだ。
最後の一枚、仰向けになると、ゆっくりと小さな布切れを外し、爪先に引っ掛け、ふるふると振り回す。
ぱっと、それが手で投げるように、足先をくねらせ、客席に投げた。
肉弾戦の取り合いになった。
が、すぐやむ。
ぴったりと閉じられた脚が、ゆっくりと広がる。
女の色香を凝縮したような脚線美が、次第に真一文字に広がっていく。
ご開帳である。
前の男たちが、そろって鼻血を吹き、押し寄せた男たちに圧死されかける。

艶やかでしっとりした白い肌の上、
鮮やかなエメラルドグリーンの茂みが、ふさふさと繁り、
いやらしく開きかけた秘肉が、潤んで息づく。
こなれた色の襞が、奥に幾重にもありそうな、ふっくらした恥丘、
薄茶のすぼまりが、その下に小さく広がっている。

うおおおおーーーーっ
けだものじみた雄叫びと、我慢できずしごきだす野郎ども。

のびやかな身体を、蛇のようにくねらせ、
ぶるんと動く豊満な乳房。
客席に突き出された顔が、にっと白い歯並びを見せる。
金色の猫のような目が、妖しく光る。
恥ずかしげも無くしごいていた男を、むんずと掴み、べろおぉりと舌を大胆に絡ませる。
陰嚢あたりから、裏筋を一気に嘗め上げられた男は、白目を向いて腰を痙攣させた。
どっと噴出したザーメンが、顔を汚すが、それすら淫乱な表情を浮かべていた。

台はさほど高くなく、腰あたりなのだから、騒然となる。
ペニスが押し寄せ、女は嬉々とした顔で、つかみ、嘗めまわしだす。
台に飛び乗るのも出てきたが、それは、いつのまにか来ていた店の主人が、
「おっと、姦りたけりゃ、こっちは金だしな。1回10G(三千円程)だぜ。」
はっきり言って安い。

ポケットから金をつかみ出し、一番目に後ろから迫った男は、女が相当な大柄である事にびっくりした。
凄くスタイルがいいので分からなかったが、ケツもでかい。
それがいやらしくくねり、あそこが濡れだして光っていた。
指を当て、もぐらせてみると、入りはすんなり、奥はかなり狭い。

「ああん、はやくうう、」
ぬるぬるの指をしゃぶり、極上の香りと味に興奮して、突き入れる。
「はああうっ!」
飢えきった声を上げ、女は腰を震わせた。
そったペニスが、めりこみ、幾重にも狭まった肉洞の中を、何度も引っかかりながら、突き進む。

カリと狭まりが、何度も絡み、ぶつかって、粘膜が極上の快感をこすりだす。
快感に染まり、肌が鮮やかに染まる。
興奮と快感に陶然となり、喉まで飲み込み、しゃぶりまくる。
たまりかねたほとばしりが、次々と顔を濡らし、身体を汚す。
腰と腰がぶつかり合い、ぬめった音が、激しく泡立つ。
痛いほど締めつける中を、欲望に脈打つペニスが、深く、律動を繰り返し、叩きつける。

「ぐっ、いきそうだっ!」
引き抜こうとする男を、ぎゅっと締め付け、絞り上げる。
たまりかねた男が、ありったけのエキスを搾り出し、ほとばしらせた。
「あふううううううっ!!」
どびゅううっ、どびゅううっ、どびゅううっ、
「いいのお、中で、いっぱい、もっと、もっときてえええっ!」
いやらしく腰をくねらせ、豊満な乳に、いきり立つペニスをこすりつけながら、
酔い痴れたような声を上げる。
あふれた精液が、ぼとぼとと滴り落ちた。

「ああああんっ!」
入れ代わり、突き入れる物に、うっとりしながら、はしたなく声を上げた。
女は大柄なのに、あそこの締まりはすごいものがあり、幾重にもくびれた粘膜が、ぐいぐい締め上げ、搾り出させる。
色っぽく艶やかな唇は、がっつくようにペニスを咥え、嘗め尽くすばかりに舌で男の味をしゃぶっていく。
豊満な乳房が、激しく動く。
後ろから突きまくる動きが、さらに大きくなる。
手が掴み、揉みしだき、
細いが強い指が、掴んだ男をしごきまくる。
「んっ!、んーっ!、んっ!、んっ!、んうっ!、うっ!、ううーっ!」
声を立て、身体をくねらせ、律動する男根に淫らに色づき、
台の上で淫乱なダンスが繰り返される。

絡み合う身体がわななき、打ち付ける肌が蕩ける。
喉深く飲み込んだペニスが、どっと噴き上げ、
深くねじ込まれた男根が、腹の底深くめり込み、凶悪な噴出が、彼女をのけぞらせる。
繰り返し、ねじ込み、
ありったけの精をぶちまけて、快感でふぬけにされてしまう。

「な、なあ、アヌスもいっていいか?!」
女は跨った男から、強烈に突き上げられながら、
「いいのっ、好きにしてっ、どこでも、好きなだけしてえっ!」
女は、髪を打ち振り、突き上げる欲望に熔けていく。
肉感のいい腰をふり、見事なバストを、胸板にすりつけ、
肉を食い尽くされる快感に、興奮しきっている。

律動する肉牙が、脳天まで響く。
後ろから揺れる尻を掴み、広げ、こじ開け、女の一番欲しい物を、突き刺した。
「あぐっ!、ぐっ!、おっ、おおっ!」
呆けた目を開き、さまよわせ、
みりみりと食い込む物に、がすがすと突き上げる物に、
乳を振り乱し、喘がせ、
のめり込む亀頭が、潜り抜けていく、
よだれすら垂らし、化粧が落ちるほどの射精を浴びて、
深く、突き抜かれてしまう。

「あひいいいいっ!」
両穴が、痛いほど締めつけ、絞り上げる襞に締められ、肉感あふれる裸身の奥へ、引きずり込まれる。
口に深く押し込まれる、後ろから同時に突き上げて。
前後から、上下から、狂おしく突き入れてくる物が、
食い込み、喰らいつき、食いちぎる。

「うっ!、うっ!、ううっ!、うっ!、うーっ!、うっ!、ううっ!、んううっ!」

ぶつかり合う肉音、
濡そぼった肉柱が、繰り返しめり込み、突き上げる。
高ぶりが、狂乱が、白い肉体全てを犯し、嬲り、貪り尽くす。
女が望んだままに。

「う!、ん!、ん!、んうーーーーーっ!!んーーーーーーっ!!!!」
アヌスの絞り上げに、絡みつく腸管に、吸い付く白い肌に、
耐えかねて、のめり込み、ありったけを暴発させる。
蕩けた顔が、ふるふると震え、
飲み込んだ喘ぎが、舌先が、ざらりと、ざわりと、絡み付いて、吸出した。
栓が抜けたように、我慢が切れて、細い喉の奥へ、いっぱいに押し込み、
ありったけを飲み込ませる。
白い喉が鳴り、飲み干していく。
螺旋を描くように絞り上げる、
凄絶な快感が、陰茎を吸い尽くし、痙攣させた。
膣底へ、子宮口へ、
めり込ませ、えぐり込ませ、
女のわななきを捕らえ、のけぞるほどに射精する。

「んんっ!、んううっ!、うっ!、んふーっ!、ふううっ!、んぐっ!」
いっせいに、同時に、どろどろの溶鉱炉のようになり、身体中が蕩け尽くし、
女は、凄艶な笑みを浮かべ、脈動に白い裸身を全て晒し尽くしていく。

狂い猛る男たちは、ありったけの金を投げ出し、淫乱な肉体に押し寄せた。

「あんっ!、はんっ!、はっ!、ああっ!、すごっ!、いいっ!、んぐううっ!」
無数の手が嬲り、無数の肉茎がこすり、しごき、入ってくる。
突き動く快感に、為すがままに身を任せ、白い肌を広げ、粘膜をさらけ出す。
顔に、胸に、尻に、脚に、身体中にかけられ、浴びせられて、白く濁ったドロドロにまみれ尽くしていく。
入れ代わり、立ち代り、貫かれ、突き上げられ、掻き回されて、中にあふれ尽くす。
開ききった脚が、閉じる事を忘れ、
形の良い顎が、外れそうにひろげられ、次々と見知らぬ、違った男たちが、
アヌスに、口に、膣にめり込んでくる。
「んっ!、んうっ!、んううっ!」
腰が砕けるほど突き上げ、
「ふーっ!、んっ!、んうっ!、んふうっ!」
尻が裂けるばかりにえぐられ、
「ひっ!、あっ!、んっ!、んぶっ!、うううっ!!」
胸に痕がつきそうにしごかされる。

化粧などとうに落ち、粘液にまみれ尽くしたまま、快楽に溺れきっていた。


明け方近く、誰も彼も、横たわり、いびきをかき、あるいは帰っていった。
女は、満足げに惚け、脚も身体も投げ出し、腹に詰め込まれた精液が、あふれて池を作るほど滴る。
ストリップ小屋の老人が薄いガウンを持ってくると、女はむくりと身を起こした。
「ほお、もう起きれるのか。湯でも用意させようかの。」
「いーわよ、それより酒ない?。」
左手に持っていた安酒を渡すと、女はぐいっと飲み干す。
「くーっ、きくわね。」
ばっと血の色が走る裸身は、あれだけの乱交を貪られた痕一つ無く、横すわりの脚は艶かしすぎて、老人すら立ちそうだった。

「あんたもかわっとるのお、こんな掛け小屋にこんでも、いくらでも稼げるだろうに。」
「うふふふ、だめなの。あたしの好みは最低か最高、中間がぜーんぜんないの。」
色事にかけては、裏を知り抜いた老人は、思い当たった。
男は上淫を好み、女は下淫を好むと言うが、
たまに、天から恵まれすぎた女は、桁の外れきった行動を取るのがいる。

「たぶん、あさってぐらいまでは、私はさかってるから、来ると思うわ。壊れるぐらい客を呼んどいていいわよ。」
「いや、あんまり派手にしすぎると、後が怖いでな。商売は牛のよだれじゃよ。」
「何それ?。」
「細く長く、だらだらとさ。」
げらげら笑う女が、ちらっと媚を含んだ目を向けた。
金色の怪しい目に、老人すら数十年ぶりにどきりとする。

「ふふふ、じいさんも若いときは、結構いい男だったみたいね。」
老人はにやにや笑って髭をなでた。
「いい男すぎての、女でやりそこのうたわ。」
げらげら笑いながら、数十人の女たちを、ふと思い出す。
ネコのように、四つんばいで歩き、すいと老人の懐に入ってきた。
「そういう男が、凄く感じるのよ。」

「おいおい、こんなじじいの物が欲しいのか?。」
だが、女は、睨んだとおりの異形を探り当てた。
既に八分立ちのそれは、黒光りしているだけでなく、いくつもの真珠を埋め込み、
先端と中ほどに、凄まじい突起を描いていた。
「すごいわ・・」
目を輝かせ、それをすぐに咥えこむ。
ゴツゴツとしたそれは、一晩中輪姦された中でも、かなりけた外れの物だ。
ゆっくり、カリのきつく尖った亀頭を嘗めるほど、勃起は膨れ、固くそびえ立つ。
玉が押し出され、固く突き出してくる。
一晩中酷使したヴァギナが、じゅんと滴りを吹き出し、中に残った男たちを追い出してくる。

「ん・・、はあ・・っ!、あふ・・、」
女は、口の中に蠢く、強烈な存在感に、身体中が感じてくる。
まして、これが最低の掛け小屋の老人の物だと思うと、驚きと、快感が、ぞくぞくと脇腹をなで、喉まで入れてなお余る感触に、つややかな首筋から背筋を、鳥肌が立つような快感が走る。
老人の手は、女の快感を絶妙に探り出し、脇から乳房のラインを、羽でくすぐるような刺激から、みるみる乳首を勃起させる。
しなやかな身体を走る快感と、揺れる乳房を嬲られる快感が、女の興奮をハイテンションに持ち上げていく。
「ん・・、すごい・・、ふっ!、んん・・」
「どうだ、上に来るかい?、刺激が強すぎて、イッちまうかもしれんがな。」
その言葉で、また、身体が熱くなる。
この凄まじい物に、跨ればどうなるか、
自分が止められなくなるかもしれない、そう思うだけで、たまらなくなった。

たくましさと美しさが、のびやかな太腿に渾然として、老人のしなびた腰の上で広がる。
一晩中嬲られたそれは、しっとりと潤み、そしてなお、欲望にざわめくようだ。
骨ばった指が、降りようとした秘所の前を、魔術のように捉え、広げ、フェザータッチで嬲る。
「ひ・・あ・・っ!」
がくがくがくっ
まるで予期していなかった快感が、前からモロに突き抜け、腰が痙攣した。
強烈な刺激に目が閉じ、火花が散り、細くくびれた胴がのけぞる。
ぶしゅっ
吹き出す愛液が、ローションのように、威容を誇る男根にかぶった。
力を失った脚が崩れ、身体が勝手に降りた。

「ひい・・い・・い・・っ!」
ぐぶりっ、ぐぶっ、ぎゅっ、ぐりゅっ、
灼熱した鉄杭が、身体にめり込んでくる。
身体が、それに裂かれた。
のけぞる腰が、強烈な刺激に怯え、
本能で上に動くたびに、先端の真珠が食い入り、
また刺激が突き抜ける。

緑の髪が逆立つ、
金の目が広がり、視界を火花が飛び散る、
さらに輪が、めり込む。
「ひあ・・っ!」
もう、女は、正気を失いかけた。
『こんな・・、こんな・・!』
老人がにやりと笑い、喘ぐ女めがけて、濡れきった花芯へ、突き上げた。
「ひいいっ!、あひいっ!、んうっ!、ぐっ!、ああああっ!、だめえっ!」

十年ぶりに、色事師の血が沸く、
「あひいいっ!、あああんっ!、あっ!、だめえええっ!、いいっ!」
最上の女の色香に、肉体に、絡みつく感触に。
襞が、粘膜が、無数のざわめきと刺激で絡み、絞り上げてくる。

突きまくる亀頭が、最奥を突き上げ、
身体の全てが、そこにかかり、打ち上げる。
もう、もう、何も見えない、何も聞こえない、
ただ、突き上げる音が、突き抜ける火花が、中に、胎内に、深く食い込む。
このまま、何もかも投げ捨てたい、

髪が打ち振られ、ふっくらとした胸が、老人の胸板をこする。
哀願する声が、突き上げるたびに漏れていく。
もう、貫かれているのか、自分が動いているのか、それも分からない。
必死にそれに絡み、こすりつけ、声を上げて乱れた。

「ひっ!、ひいっ!、ああっ!、あぐうっ!、ぐっ!、ああああああああ!!」
けだものが貪るように、腰が深くのめり込ませ、
雌豹のような身体が、絶頂にわなないた。
熱い精液が、どっと、子宮にぶち当たった。


「お前さんを囲えたら、幸せだがなあ」
小屋を出るとき、老人がそうつぶやいた。
あまりに重いものを背負っている彼女に、男として、どうにかしてやりたい、
肌の合いすぎるほど、合う女に、女として最上の賛辞を捧げたい、
心底、そう願っているのが、ひどくしみた。

「ふん、いやな事言わないでよ。」
目が潤むのが、止められなかった。
「そんな事言ってると、そのうち、私の上で、腹上死よ。」
「最高だな。」
そうつぶやく老人は、ひどく伊達な感じがした。


ある、軍事領で、激しい戦いの後、王族と女騎士団長が斬首になった。
王の首は長くさらされていたが、騎士団長の首は、その夜のうちに消えた。
名もなき老人が、丁寧に葬ったと言ううわさがある。

END