『墜ちた格闘少女』  


地底の奥深くには悪夢が広がっていた。
龍神の迷宮――ハイウェイマンズギルドが牙を剥くならず者達の巣窟。
そこには夢も希望もない。数多の女冒険者がその明るい未来を散らせていった。

一筋の光も差し込まない迷宮の果てで、今宵、悪夢が待っていたのは、青髪のポニーテールの格闘少女。
それは、性知識もほとんどない彼女にとって想像もできない光景だった。



「おらっ、ユマ!! 股ぐら開けッ!!!」

横柄に呼び捨てられるファーストネーム。
体重の乗った手で足の付け根を掴まれて、健康的な太腿が強引に押し開かれる。

「おーおー、見れば見るほど美味そうな太腿だぜ。思わずむしゃぶりたくなってくるぜ!」

唇の端から好色な涎を垂らしながら、ならず者の一人がすらっとした美脚にざらついた舌を這わせる。
ねっとりした気色悪さにユマは鳥肌が立ったが、屈強のならず者達に両手足を全部捕まえられては、どうする事もできない。

「さっきまでよ、この太腿を見せつけながら、飛んだり蹴ったりしてたんだぜ。ひょっとして俺らを誘ってたんじゃねーか!?」
「ひょっとして、じゃなく確信犯だろ! じゃなきゃこんな扇情的な格好しねえってなあ、ユマちゃ〜ん!?」

親しげに嗤いかけながら、別のならず者がショートのジーンズごしに股間をまさぐってくる。

ショートのジーンズと黒いニーソックスがかもし出す絶対領域は、ならず者にとって格好のズリネタだ。
なにせ、しなやかな足技が繰り出されるたびに、眩いばかりに映える太腿が目に飛び込んでくるのだ。これを扇情的と言わず、なんと言おう。
無論、ユマ本人には男を誘う気など微塵もないだろう。
機能性を重視したファッションのつもりだろうが、女を陵辱の獲物としか見ないならず者からすれば、ユマのその格好は"男を誘う"扇情的なファッションだった。

「ううっ、止め……ろぉ……!」

ショートのジーンズに覆われたデルタ地帯に顔を埋めて股間の臭いを嗅ぐならず者の変態プレイに、ユマは涙ぐみながら声を上げた。
修行に明け暮れる日々を送ってきたユマは、性に対する免疫が皆無だった。
異性に股間の臭いを嗅がれるなど、夢にも思わなかっただろう。
胸が張り裂けそうな羞恥心で、ユマの頬は充血していた。

だが、いくら声を張り上げようと、ならず者の行為は一向に止まない。
それどころか、却って鼻息を荒げて、これ見よがしに股間の臭いを嗅いでくる。

「はなっ、せえぇ……この、変態野郎ども……ッ!」
「ははっ、さっきまでの勢いはどうしたんだ? ああっと、『力だけのウスノロが、このオレに勝てるもんかよ』だったか。……おらっ、もう一辺言ってみろよ!?」

取り押さえられてもがくのが精一杯のユマのうなじを、ひと舐め、ふた舐め。勝ち誇ったように生臭い息を吹きかける。
無骨な手が赤いタンクトップの下に潜ったかと思うと、発育途上というにも小ぶりな乳房を、力強く揉み始めた。

「んん〜? なんだこいつ、しっかり感じてんじゃねーか!
「どれどれ……。おっ、濡れてやがるぜ、このアマ!!」

ならず者達は開脚状態のユマの股間を覗き込み、口々に囃し立てる。
濡れるという言葉の意味はイマイチ理解できなかったが、ならず者達の冷やかし口調から、とても恥ずかしい事だという事は理解できた。
実際、冷たい感触がジーンズの下のパンツ越しに広がりつつあるのを、ユマは敏感に感じ取っていた。
失禁したわけでもないのに、まさぐられ続けるジーンズは、失禁したように染みが広がっていた。

「へへ、俺のテクに感じたんだろ、ユマ?」
「だっ……れがぁ……!」
「おいおい、充血して潤んだ目で言っても説得力ねーぜ?」
「うあああうッ!!?」

乳房の蕾を摘み上げられ、黄色い悲鳴を上げるユマ。
申し訳程度突き出たにすぎない乳房だが、乳首の先はすっかり尖っていた。
先っぽを弄りながら揉まれると、熱い息が零れて止まらない。

「はははっ、胸は貧相だが、身体は随分感じやすいじゃねえか!
 まあ安心しろや。これから毎日揉んで、ぷりっぷりにデっカくしてやるからよお!!」

ベットリ、顎下からこめかみまで頬を舐め上げながら、ならず者は嗤った。

「くぅっ、うううぅ〜……!」

怖気が入り混じった悔し涙が止まらない。



今でもこの結末が信じられなかった。
ユマにとって、この光景は絶対にありえない筈だった。

実際、数分前までは完勝ペースだったのだ。
ならず者の集団を相手に縦横無尽。
頭一つ分以上大きい男達を格闘技で翻弄する姿は、伝承歌のヒロインそのものだった。
1人対30人だったが、ユマの勝利は傍から見ても名白だった。

勝敗を狂わせたのは、たった一つのトラップだった。
バージンスタナー――処女にのみ効力を発揮する麻痺の罠。
皮肉な事に、性体験がなかった事がユマの運命を決定付けた。

古いトラップだった為、下腹部から下にしか効力が及ばなかったが、勝敗を狂わせるには充分だった。
なぜなら、純粋な腕力勝負では、所詮女に過ぎないユマでは、鋼のような筋肉を持つならず者に敵わないから。
身のこなしを奪われ、腕力勝負を余儀なくされた時点で、勝敗は決していた。

手首を掴まれると同時に――力任せにかび臭い床に引き倒された。


「脱がせ脱がせ!」

無数の手が伸びてきて、ぐしょ濡れのショートジーンズが瞬く間にずり下げられる。
濡れて透けたパンツも即刻引き脱がされ、剥き出しの股間が衆目に晒された。
性未体験の少女らしく、ユマの秘部はうっすらといた青い茂みに覆われたサーモンピンクだ。
だが、ねちっこいタッチのせいか、肉芽は痛々しいほど勃起している。

「おーおー、綺麗なピンク色だなあ」
「今の内だけだって。どーせすぐに使い込まれて、どす黒くなるんだ」
「違いねえ!」

大笑いしながら、銘々にズボンを下ろす男達。
次々と、ユマの眼前にグロテスクな肉の塊が突きつけられていく。

「ひっ……!」

余りにも醜悪な肉の凶器を目の当たりにして、ユマは思わず息を飲んだ。
成人男性のペニスを見るなど、生まれて初めてだ。
こんな醜悪な物体がこの世に存在しているなど、想像もできなかった。
ソーセージ大のものから赤子の腕並みのものまでサイズはまちまちだが、皆一様に、ユマに向かってそそり立たせている。

こんな凶悪な物体で、一体何する気だ……!
想像も付かない事が余計恐ろしい。
だが、常軌を逸した事態が待ち受けている事だけは確かだ。
ユマの女としての危機感がけたたましく警鐘を鳴らしている。

「な……にを、する気だよぉ……」
「げへへ、知りたいか、ユマちゃん?」

タンクトップを胸の上に引き上げて、小ぶりの乳房をなおもしつこく揉み続ける男が、ユマの耳の穴を舐め穿りながら囁いた。
ここまで好き放題されても、力で勝るならず者に手足を抑えられて、全く抵抗できない。
負けん気の強いユマにとって、屈辱で仕方ないシチュエーションだったが、今は恐怖心が怒りを凌駕していた。 口調も自然と弱々しくなってくる。

男達のねちっこいまでの変態行為の数々で、ユマの心は半ば折れかけていた。
異性といっても同じ人間。ただ腕力に差があるだけだと思っていたが、それは思い違いだった。
人間と亜人間のように、男と女では決定的に違う生き物だと、ユマはボルテージを増していく男達の輪の中で実感し始めていた。

「こいつが今からユマちゃんの"中"に入るんだぜ〜? 下の穴をぶち抜いてよ〜」

怯えの色を濃くし始めたユマの様子を悟ったならず者の一人が、恐怖を煽るように勃起したペニスで横っ面を叩いた。
初めて肌に触れるペニスの感触は灼けるように熱く、鼻を突く異臭を放っていた。

「う、そ……だろ? こんなもん、入るわけ……」
「嘘なもんか。女ってのはなあ、男にぶち抜かれる為にできてんだ!」

ポニーテールの根元を掴み、恫喝するように嗤うならず者。
そして、小ぶりの乳房の尖った蕾をペニスの先でつつくと、先走りの液を塗りたくるように腹部をなぞらせて、ゆっくりと、ユマの秘所に押し当てた。

「やっ、やめろーっ!!」

青ざめたユマは取り乱して暴れまくるが、ならず者達の腕力の前にはどうする事もできない。
下腹部に力を入れても、亀頭の侵入は止まらない。

「離せ! 馬鹿ぁッ!!」

堅く閉じた膣壁をこじ開け、熱い肉塊がねじ込まれる。

「や、やめっ……」

グイグイと肉の感触が処女膜を押す。
もう一押し。

「いっ……嫌あああああああああああああああああああッ!!!!」
「よくできました、っと!!」

女らしい悲鳴が上がると同時に、男が満足そうに嗤い――一気に処女膜が突き破られた。
男勝りの少女といっても、貞操観念は人一倍だ。
女としての穢れなさを失った瞬間、ユマの心を支える矜持は脆くも崩れ去った。

「これからじっくりと、男の怖さってのを教えてやるからよっ。覚悟しとけや!!」
「嫌だッ、ヤメてええ!!!」

勝ち誇ったように嗤うならず者の声は、もうユマの耳には届いていなかった。


「おしっ、後ろも誰かぶち込んでやれ! 男勝りを気取る女に、男がどんなモンか、徹底的に教えてやる!! 初体験から両穴責めだ!!」
「よしきた、なら後ろの処女は俺がぶち抜いてやる!!」

背後から興奮した声が降り掛かったかと思いきや、いきなり、菊門を熱く太い塊でこじ開けられた。

「ああああああああああッ!!!?」

処女口と違い、前戯もなにもなくぶち込まれた男の証。
熱気を放つ剛直が、乾いた腸壁の内側を容赦なく貫いていく。

「かはあああああああッ!!!?」

力一杯しがみ付ける何かにしがみ付かないと、とても堪えられない。
ユマは反射的に、目の前の処女を奪い今も犯し続けている男の逞しい肉体にしがみ付いた。
一体自分が何をしているのか、考える余裕もなかった。

「おーおー、随分積極的じゃねえか! 初体験は格別ってか、ユマちゃ〜ん!?」
「野郎のチンポにメロメロってか!? 妬けるぜ、畜生〜!」

ならず者達の冷やかしの声で我に返ったユマは、慌てて男から離れようとしたが、両穴への激しい責め立ての前には、どうしても逞しさに溢れる男の肉体にしがみ付いてしまう。それは女の性質だ。

「そらっ、そらあっ!」
「"男"のモノは効くだろうがッ、ああッ!?」
「はっ、あはああああッ!! そんなわけっ、あはあッ!! ヤメええええええッ!!!!」

焼きごてのように熱く、硬いながらも弾力性のある肉塊が、胎内の二つの穴の中で、それぞれの内壁を突き破らんとばかりに暴れ回る。
それは、女という生き物は男に服従する為の存在だという事を、ユマの全身全霊に焼き付ける刻印だ。

まともなら、こんなならず者達に負けたりしない。
ずっとそう思ってたが、もう二度とそんなこと口に出来ない。
まともにやっても、女では、男に絶対敵わないのだ。
ユマは心底から、男と女の生まれ持っての格差を思い知らされていた。

そして――灼熱の精が、二つの"中"で同時に迸った。





「ああああっ……もうやめれええええ!」

ユマの泣き声が地底の底の監禁玄室にこだまする。

目に飛び込んでくる精液の飛沫。灼けるような熱さが顔面に降り注いだ。
精液塗れの荒縄が雁字搦めに拘束し、胸の上、太腿、足首、堅く結び付けられた箇所が痛々しく腫れている。

玄室の中央に置かれた石椅子の背もたれに、ユマは逆向きで縛り付けられていた。
肩を床に仰向けに、開脚状態の両穴が天井に向かって無防備に曝け出されている。
いわゆるマンぐり返しの精液便所状態で、ユマの調教はずっと続いていた。
しかし、それは調教とは名ばかりのリンチだ。

「よっと、また使わせてもらうぜ」

影が差し掛かり、またならず者がユマに覆い被さってきた。
犯ってくださいとばかりに突き出された蜜壺にペニスを当てがい、器用に、逆向きの正常位でユマの子宮の奥を制圧する。
乱暴に揉まれまくって腫れ上がった小ぶりの乳房を二、三度揉み込み、細身の身体を抱き寄せて抱擁する。
腰を天井に向けた異色の正常位で、ならず者はリズミカルなピストン運動を開始した。

「うああぁああ……」

ユマは絶望的な声を上げるが、男は全く意に介しない。
涎と精液塗れの口元を拭き、だらしなく半開きの唇を貪り食う。
ぬめった舌で口の中を蹂躙し、臭い唾液を流し込んでも、ユマは子供のように泣きじゃくるだけだ。

ならず者達が好き勝手握らせられるよう、両手だけは縛られずに自由だったが、もはや拳で反撃する気力も無い。
仮に反撃したところで、暴力でねじ伏せられ、より苛烈な陵辱に曝されるだけだ。
ユマにはもう格闘家としての気概が残ってなかった。

リズミカルな挿入と共に、胎内に満ちた白濁液がちゃぷちゃぷと波打った。
淫靡な波音がユマの頭に鳴り響く。

もう……許して…………。

それは徹底的に刻み込まれた女の証。
自分はただの女で、どんなに背伸びをしても男には敵わないように出来ている生き物なのだと、思い知らされた証だ。

「出すぞ……ッ!!」
「うあぁ、もぅ……」

悲痛な声と共に、ユマの胎内に白濁液が更に注ぎ込まれた。
擦り付けるようにユマの股間に押し付け、子宮の最深部に一滴余さず注ぎ込んだ後、ようやく男はユマを解放する。
しかし、荒縄で縛り付けられたユマは床に身体を投げ出すこともできない。

そして、すぐに男達の間での取り決めどおり、目の前に置かれたバイブをねじ込まれた。
これで胎内に溜まった精液は溢れ出てこない。
逆向けのマンぐり返し状態で放置されているのはその為だ。

「うう、嫌……」

ユマはか細く泣きながら、顔を背けて目を瞑る。
こんな自分、見ていたくない……。

「なに勝手に顔そむけてんだおらッ!! 咥えてる時以外、ずっと手前ぇのボテ腹見とけっつったろうがッ!!!」

だが、目ざとく見咎めたならず者はユマの頭を掴み、正面を向かせて横っ面を思いっきり引っ叩いた。
自己逃避さえ、ユマに許さない。

目を開けた途端、大量の精液を流し込まれて無惨に膨れ上がった自分のボテ腹が飛び込んできた。
自慢に思っていた健康的でスレンダーなボディは面影もなかった。

「いや、嫌ああああ……。こんなの、嫌ああああああああああ……」

絶望に満ちた女の慟哭が、静寂に包まれた監禁玄室に響き渡った。

「おねが……も、ゆるし…………て……」

余りにも残酷な現実に、ユマはならず者に哀願して許しを請う。
だが男達はニヤニヤ笑いながら墜ちたユマを見下ろすだけだ。

男の怖さは、充分すぎるほど充分思い知った。
もう一生、男に楯突かない。
男勝りを気取った態度も、金輪際二度と取ったりなんかしない。
だからお願い。もう許してよ……。

「思い、しった、から…………わたし……女は、男に歯向かえない、生き物ってぇ…………」
「お、ちゃんと女言葉、使うようになったじゃねえか」
「そうそう。ユマちゃんは女の子なんだから、言葉遣いも女らしくねえとなあ」

躾けられた女言葉で泣きじゃくるユマに、ならず者達は満足そうに嗤った。
調教開始後暫くは男言葉が付いていたユマだが、すっかり女言葉に矯正されてしまっていた。
苛烈を通り越した凄惨なまでの調教で、17年間の人生で身についたラフな口調は全て改めさせられた。
残ったのは、女は男に嬲られるだけの存在と悟った、格闘娘の抜け殻だった。

「へへ、たぷたぷしてやがる。まるで妊娠したみてえだぜ」

数百人分の精液で膨れ上がったユマのボテ腹をペチペチ叩きがら、ならず者の一人が苦笑する。

ニン、シン……?

ユマはもう充分、妊娠できる年頃だ。
これだけ大量の精液を注ぎ込まれたら、妊娠していてもおかしくない。
何気ない一言に、遠い未来の事と思っていた子を育む行為が急速に現実味を帯びてきた。

「お〜ら、こんなに溜まってんだぜ、ユマぁ!?」

嗜虐心を剥き出しにしたならず者が、ボテ腹を足の裏でグイグイ押し潰してくる。
圧迫されて精液溜りが逆流するのを感じたが、両穴にねじ込まれたバイブが防波堤となって押し留め、込み上がってきた数百人分の精液は、溢れる事もなく胎内を奔流するだけだった。

滑稽なまでに膨れ上がり、変わり果てた腹部。
黒光りする二本のバイブが突き刺さり、天井に向かっておっ広げた二つの穴。
蟠る精液の海は、胎内で脈々と波打っていた。

「あああぁああぁあぁああぁぁあああぁあああぁあああぁぁああああぁああぁあ」

絶望の闇が、心を深く濃く満たしていく。



それが、ポニーテールの格闘少女の末路だった――――


以前書いたユマSSがどうにも不完全燃焼だったので、もう一回書かせて貰いました。
前よりもちょっと酷い内容なので、戦々恐々。。

ユマさんはですね、自分が女だって事をハッキリ思い知らせてやりたいタイプだと思うのです(超偏見)