『拝啓 お姉さま』 byMORIGUMA  拝啓 お姉さま  ようやく寒さもゆるんで参りました。 多少温かさを感じる日も、増えてきたように思います。 姉サマはいかがお過ごしですか?。 私は、多くの方々に支えられ、つたないながらも、 巫女としての勤めをさせていただいています。 時につらいこともありますが、 自分の未熟と思い、研鑽に勤めさせていただいています。 今日を幸せと思い、姉サマの幸せを願って、 毎日を過ごしております。 シズメ 「シズメ、シズメ!」 胴間声というのか、太く、腹に響く声がした。 「はい・・・」 シズメは、細い声で返事をすると、 書いていた紙と筆を置き、そそと立ち上がった。 長い艶やかな黒髪、白と赤の巫女服、 だが、その赤いハカマは、両脇に腰までスリットが入り、 白い上着は、胸を大きく開かせられていた。 何より、黒く澄んでいた瞳は、白く濁ってしまっていた。 光を失ってずいぶんたつ。 だが、それはむしろ救いかもしれない。 にぎやかな音と、酒、タバコ、麻薬の匂いがした。 シズメはカンがいいのか、目が見えないのにもかかわらず、 客の気配を感じては、優雅に酌をしていく。 「ほほう、これが東方の巫女姿ですか。」 「主殿の宴に来る楽しみの一つですじゃ。」 「こちらにも酌してくれ、シズメ。」 いやらしい、舐めるような視線が、 彼女の白いなめらかな肌を、大きく広げられた胸元を、 スリットの間で閃くのびやかな脚を、 ぬめぬめとはいずりまわっていた。 どの顔も、冷酷、無残、残酷、薄情、 この世のあらゆる悪徳を集めたような顔ばかり。 首座の主は、ガマのように太った腹と、 目の下に垂れ下がった脂肪に、残酷そうな青い隈を持っていた。 「ワイズナーで堕とされた巫女だとか。」 「同じ東方風の巫女姿を、先週見ましたが、よく熟れた女でしたな。」 「姉妹だという噂もありますなあ。」 何の表情もなく、絶望も、嘆きもなく、 そして意志すらなく、シズメは静かに回っていく。 一通り酌が終わると、太い声があがった。 「今日は俺が一番クジだったな。」 つるっぱげの、ひどく日焼けした大男が、 シズメの手を引いた。 カチャン 酒壷が、軽い音を立てた。 ひるがえる赤いハカマ。 柔らかく落ちるかぐわしく熟れた女体。 手を突っ込まれ、はだけられた胸が、 豊かにこぼれ、わずかにくすんだ色の乳首が震えた。 乱れた足が、ハカマのスリットからあらわとなり、 生唾を飲むような、鮮やかで扇情的な脚線美がむき出しになる。 ビッ、ビビッ、 強引な動きに、服は破れ、ハカマは裂けた。 おびえも、恐れも、何の表情すらもなく、 シズメは、清浄な美貌を男の股間に埋めた。 慣れた指先が、男のズボンを開き、 だ液を滴らせた唇が、赤く蠢き、 そそり立った巨木の幹に、吸い付き、はいずった。 男の指が胸の間をさまよい、 柔らかな感覚を味わい、 自分の分身を、丹念にはいずる唇に、舌先に、目を細める。 長く伸びた白い足、さらに白く秘められた太腿、 わずかに見える尻が、下着を着けない無防備を、 ちらりとさらす。 咥えきれぬほどの亀頭を、 小さな口がすすり、吸いつき、尿道を探る。 舌先が感じる穢れた味、 可憐な鼻に抜ける生臭いにおい、 白い指が、ふにふにと陰嚢を刺激し、 カリ首をこするようにからみつき、 だ液を塗り広げるように、手がこすり上げる。 ビクッ うめき、震えるそれに、 白濁した大きな目が閉じられ、 シズメの唇が切先をくわえ込む。 ドビュルッ、ドビュルッ、ドビュルッ、 濃厚な濁液が、口いっぱいに広がり、 白い細い喉が、ためらいもなく飲み干していく。 身体が、 仕込まれ、嬲られ尽くされた身体が、勝手に熱くなっていく。 ツウウウウ・・・・ 唇から喉に、白濁の液が滴る。 喉から胸元へ、豊かなふくらみの間へ、 清楚な口元を汚す、汚濁の滴り。 手を引かれ、別の男の陰茎が、顔の前に突き出され、 においと気配を、唇が包み込む。 クチュッ、チュッ、 白い歯が喘ぎを漏らし、 濡れた音が、亀頭を包み込む。 ハカマがまくられ、果物のような尻が、あらわになる。 今、飲み干した男が、のしかかる。 「んっ・・・!」 美しい眉が、しかめられ、呻いた。 グリュリュッ、グリュッ、 大ぶりのペニスが、こじ開け、押し広げ、突き入って、 シズメの細い腰を串刺しに、していく。 亀頭の動きが、白い腹を動かし、 突き上げる律動が、腿を広げ、 柔らかい膨らみが、裂けるように広がる。 はだけた胸が、上下し、あえいだ。 快楽だけが、カラッポの身体を走り抜ける。 黒髪が揺れて、跳ねた。 クチュッ、クチュッ、クチュルッ、 ズリュッ、ズッ、ズブッ、ズリュッ、 目を閉じたシズメの、口に、ヴァギナに、音が、感覚が、 突き刺さり、押し込み、掻き回す。 激しく喘ぎながら、 白い乳房を上下させながら、 ゆすぶられ、頭を振り、 突き上げられ、腰を振り、 淫らな感覚に、溺れ、沈み、堕ちていく。 「ぬおおおっ!」 「くうあっ!」 痙攣する手足が、白く閃いた。 「んう・・・・・・・・・・・・・・・っ!!!!」 ドビュルッ、ドビュルッ、ドビュルッ、 ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、 のけぞる腰の深くに、 根本まで咥えた喉に、 白濁したほとばしりが、何度も沸騰した。 「んっ、んんっ、んふっ、ふっ、ふっ、」 顔の前に次々と突きつけられるペニス、 細い指先で、淫らに開いていく唇で、 豊満に揺れる胸の間で、 男たちの欲望が次々とほとばしる。 黒髪に雫が伝い落ち、ギラリと光った。 その身体も無事であるはずもなく、 気まぐれにハカマは引きずりおろされ、 むき出しの尻を、容赦なく貫き、 むき出しの欲望が、充血した襞にのめりこんでいく。 口も、身体も、胎内も、 シズメの物はひとつも無い。 「んうううっ!!」 短いうめき声を上げると、かすかに眉をしかめた。 ボゴッ、ボゴッ、ボゴッ、 鈍い音が、塊となって胎内に吐き出される。 シズメの白い裸身が、浮き上がるほど突き上げ、 満足げに呻きながら、何度も射精を繰り返す。 興味を引かれた男が、すぐに入れ代わり、 片足を引き上げて、ドロドロのあそこを晒した。 そして、男が入ってくる。 ズブッ、ズブッ、ズブッ、 入れ代わり、立ち代り、 シズメの身体を嬲る、犯す、穢す。 ハカマも上着も、汚れ、滴り、黒髪もべったりと張り付き、 それでも、群がる男たちに自ら腰を振り、身体を差し出す。 穢れた宴が一段落すると、主が言った。 「シズメ、踊れ」 短い、鈴をつけた棒を渡され、 汚れきった巫女は、静かに舞いを舞った。 シャン、シャン、シャン、 「ほほう、あれだけ嬲られても、踊りは見事ですな。」 「あの腰つき、抜けるほどまた抱いてやりますか。」 「また孕ませるのも、良さそうですなあ。」 踊りを終えた巫女を、 無数の男たちが取り囲み、 さらに激しい陵辱が始まる。 紙の上を、筆が流麗な文字を描いていく。  拝啓 お姉さま  ようやく寒さもゆるんで参りました。 多少温かさを感じる日も、増えてきたように思います。 姉サマはいかがお過ごしですか?。 私は、多くの方々に支えられ、つたないながらも、 巫女としての勤めをさせていただいています。 時につらいこともありますが、 自分の未熟と思い、研鑽に勤めさせていただいています。 今日を幸せと思い、姉サマの幸せを願って、 毎日を過ごしております。 シズメ 何回も何回も書かれ、元の色すら分からぬ紙の上を、 筆が同じ文章を書いていく。 このひと時だけ、シズメはかすかに微笑んでいた。 彼女の閉じきった心が、 この時だけ、ほんのわずか現れる。 「シズメ、シズメ」 彼女を呼ぶ声がする。 彼女の魂は、海の底の貝のように、再び深く閉じていく。 これからは夢の時間。 さまようだけの、夢の時間・・・。 絶望で光を失い、昼も夜もない今、 彼女の夢も現実も、どこにも有りはしないのだ。 閉じた魂の外で、何があろうとかまいはしない。 目が覚めれば、全てはうたかたの夢。 唯一つの花園で、彼女は夢を繰り返す。 夢は唯一の現実となる。 タマゴのカラの内側に、 彼女はうずまり、もぐりこむ。 故郷も、神社も、婚約者も、 全てを埋めて、もぐりこむ。 姉サマだけを思っていた、一番幸せだった頃。 他の全ては、夢の中。 終わりのない、果てのない、ただ堕ちていくだけの夢の中。 FIN