落城の影に−−セレニア異聞−− by MORIGUMA  それは、聖王国との戦闘が始まる2日前。 重苦しい雰囲気に似合わぬ、穏やかな昼下がり。 カツカツカツカツ・・・  白いなめらかな光、裏地の鮮やかな赤、 それを彩るような流れる金髪。 深い知性を宿した、輝く青い瞳。  白銀の鎧が、午後の陽射しに照り映え、 見る者に、きらめきと、信頼と、自信を残していく。  戦乙女(ヴァルキリー)と称えられる魔法戦士、 ルーン騎士団、騎士団長セレニア。  二日前に、聖王国が電撃的な侵攻を開始し、 セレニアが抜かりなく注意していたとはいえ、 通常7日かかる行程を、あと二日で踏破してしまう。 このスピードは想定外だった。  斥候から聖王国についての報告が入るたびに、 その物々しい戦支度と、士気の高さは、 聞く者を萎縮させるほどの迫力を持っている。  だが、それにも彼女の信念は揺らがない。 その光が放射されて、見る者を安心と自信に満たしていく。 「あの、セレニア団長」 通り過ぎようとしたセレニアを、若々しい声が止めた。 「ん、なんだ?」  まだ童顔の抜け切らぬ若い騎士だった。 たしか、今年配属されたばかりの、ガーランド副長の下でしごかれている騎士の一人。 赤毛で、茶色の瞳とソバカスが、さらに若く見せる。 まだ、さほど大柄とは言えず、身長も178のセレニアと変わらぬ。 こんな少年兵に近い騎士でも、狩りださねばならぬほど、事態は切迫していた。  彼は、周りに人がいないことを確かめると、 小さな声で、ささやかな願いを申し出た。 「あの、明日から東部へ配属になります。 それで、もしよろしければ御髪を一本いただけないでしょうか?。」  女性の念のこもった髪が、お守りになると言う信仰は、世界各地にある。 初めての戦闘へのプレッシャーは、どんな騎士でも凄まじいものだ。  セレニアはクスリと笑うと、無造作に一本の髪を抜いた。 金の糸がキラキラと輝き、それを握ると、祈りを込めた。 セレニア自身、家族の髪を入れたお守りを身につけている。 農民出身で、他人事とは思えない気さくさが、彼女らしかった。 「ないしょだぞ、みんなが願い出ると、私の髪が無くなってしまうからな。」  礼を述べて、何度も頭を下げる騎士に、 快活に笑いながら、セレニアは立ち去った。  彼は、すぐに走り出すと、近くの一室に飛び込んだ。 「ガーランド副長、これでよろしいですか?」 大柄な男が、髪を受け取り、うなづいた。 剛毅な顔に、濃いヒゲをはやしているが、その顔はどこかやつれていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「う・・うん・・・、はっ?!」  なんだろう、ひどく寝苦しい。  なんだろう、手が、痛い。  ざわついた音が、静寂に取って代わった。  明かりに細めていた目が、 たいまつの火と、そしてその下の闇に無数に光る目に気づく。  手が、頭の上に伸びて動かない。  足は、かかとが浮いて爪先がつく程度。 「え・・・??」  裸の腕が、ずっと上でくくりあわされ、吊り下げられている。  ひやりとした夜の気配に、顔が青ざめる。 ゆったりとした長い夜着が、無かった。 視界に、形の良いふくらみと、冷気にたった赤い乳首が見えた。 「ちょっと、これっ?!」  驚き、あがこうとするが、 頭上に腕をくくられ、かかとのつかぬ状態の足では、どうしようもない。  かあっと白い頬が染まり、必死に脚をすり合わせ、腰をくねらせる。 ザワザワザワ・・・  真っ白い肢体が、闇の中でくねり動く様子は、 むしろ見ているものたちを、挑発しているとしか見えない。  長く艶やかな腿が、必死で大切な所を隠そうとする。 くねるたびに、豊満な乳房が揺れ動く。  それに釣られるように、 無数の目が近づき、たいまつの明かりの下に、 大勢の薄汚い男たちとなって現れた。 どの男も、ギラギラした目を血ばしらせ、ズボンの前を黒々と膨らませている。 「ひっ!、ひいいいっ!、なっ、なんなのこれっ?!」  手がきしんで痛い、だが、それすら忘れるほど、 恥ずかしさと恐怖が、心を乱し、混乱させる。  処女のセレニアにとって、これほどの恐怖は無かった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  暗い部屋のすみに、獣脂を燃やす明かりが異臭を放っている。 よく見れば、部屋のあちこちに、奇怪な薬草や干物、 あるいは人間の一部としか思えぬ物も、ビンや網に入れられて並んでいた。 「本当にそんなことでいいのカエ?。もっと酷いことも痛いことも、自由自在だよぉフェフェフェ。」 歪んでいびつな視線を持つ老婆が、 黒いマントをつけた大柄な男に向って、 シワとイボだらけの顔をゆがめて笑った。 「いや、むしろそれが一番いいのだ。 魔法騎士に、神槍まであっては、あの連中だけでは信用ならぬ。」  それもまた、ガーランド副長の声だった。  老婆はちょっと口をひん曲げたが、彼女にとって悪い話では無い。 「まあいいさ、それで良ければ、存分に稼がせてもらおうか。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  吊るされたセレニアは、恐怖が恥辱を上回った。 恥ずかしさも忘れ、長い脚を振った。 ヒュッ 「うおっと、あぶねええっ」  一人が思わずのけぞり、転倒する。 彼女の蹴りを受けたら、ケガではすまない。  わずかに男たちが下がったが、逆に黒づくめの巨漢が前に出た。 顔に奇怪な面をかぶり、何か長い物を持っていて、 セレニアの足を捕まえると、その長いものにさっさとひざを縛り付けた。 「や、や、やめてええええっ!」  パニックを起こし、暴れる彼女のもう片方のひざに、 別の男たちが群がり、ギリギリと広げて縛り付ける。 「いやあああっ、やめてえええっ、やめてよおおおっ!」  もはや一人の娘に戻って、泣き叫ぶセレニアに、 奇怪な声が聞こえた。 「フェフェフェ、そう嘆くもんでもないぞぇ。 あんたの大事なお道具が、そばにあるんだらからのう。」  ひき歪んだ目をした老婆が、笑いながら現れる。 「そうそう、あんたの大事な相棒が脚の間にあるんだぜぇ。」 「土の槍も、気持ちいいってさぁ」  今度こそ、セレニアは言葉を失った。  自分のヒザを、無残に広げている長い道具は、土の神槍だった。 「ぐへへへ、いぃ脚してんじゃねえか。」 「ふさふさの茂みまできれ〜な金髪、きれいだぜえ」  耳におぞましい声が響き、ガラスのカケラのように突き刺さる。  振り乱した金髪が、美しく、無残に輝く。 「なあ、セレニア騎士団長様よおおっ」 無数の声が唱和し、いっせいに彼女に襲いかかる。  細い首に、白いわき下に、胸に、腿に、股に、 無数の手が伸び、全身が針に刺されたように震えた。 「いやあああああああああああああああああああっ!!」 『なぜ?!、なぜ!!、なぜ??』  身体中に走る、おぞましさと恐怖、 吊るされ、脚を広げられたまま、見知らぬ男たちが手を伸ばし、指を走らせ、爪で摘み上げる。 「ひぐっ、ひいっ!、いあぁっ!、やめてっ、やめてえっ!」  胸を揉みたくられ、脇の下をなめ上げられ、 肌に指が食い込み、痙攣が花弁から走った。 「うほほ、やっぱり処女みてえだぜ。」 「じゃあ、まずは飾ってやろう。」  何本もの、大きな赤いろうそくが灯される。 ピチャッ 「ひいいっ!」  熱いろうの滴りが、真っ白な腿に落ちた。 ピチャッ 美麗に震える乳房に、赤い滴りと刺すような熱さが落ちた。 「ひいっ!」 ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ、  もっこりとした尻に、しなやかそうな首筋に、なめらかなくねる背筋に、 「熱いっ、いやあっ、熱いいっ!」  白い肌に、無数の赤い花びらが散り、 そのたびに、処女の肌が染まり、熱さにのたうつ。  理性の平衡を失ってしまったセレニアには、 さほどの熱さではないロウも、異常なまでに凶悪な刺激になる。 「おい、オレにもやらせろ。」 「ずりいぞ、オレもさせろ。」  のたうつ白い肌に、陶然としながら男たちは赤いロウを散らし、 乱れる美しい長身に、前をしごき始めた男すらいる。 それほどに、セレニアの乱れる姿は美しく、そして嗜虐心をそそった。 「ひいっ!、ひいっ!、やめてえええっ!、おろしてええっ!!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ガーランドは髪を入れた袋を、老婆に渡した。  人が三人は入れそうな大釜の中に、人肌程度のどろりとした液がゆらいでいる。 老婆が、ガーランドの申し出から、10日あまりかけて念入りに調整し、 用意していた銀色の液。  そこに無造作に髪を入れると、銀色の液が、ざあっと泡立った。 「人の念を込めた髪は、強力な魔力の媒体となる。」  老婆が歌うようにつぶやきながら、その泡立ちをワクワクした顔で見つめていた。 「ほおら、生まれてきたよ。セレニアという女が。」  銀色の液が、その成分だけが凝縮し、透明になっていく中に、 人肌の色が集中し、形成され始める。  ほっそりとした裸身がうまれ、美しいふくらみがあらわれ、 穏やかなまぶたを閉じた顔が作られ、長い金髪が水中にふわりとゆらぐ。  やたら潔癖症のくせに、不用意な所で無防備をさらすことがおおいセレニア、 副官であるガーランドは、何度かほとんど裸の彼女にぶつかりかけた事がある。 「すごい・・・そっくりだ」 「ホルンムルクスの技をちょいとだけ使った、単なる肉人形だがね。 本物そっくり、しかも、本体が眠りに入りゃ、意識をこっちに呼び寄せる事も可能さ。 わずか一日しか持たないのが欠点だがねぇ。」  インキュバスと呼ばれる、サキュバスと対になる男性型の妖魔の伝説があるが、 夢うつつで犯された女たちのいくばくかは、この方法だったのかもしれない。  ただし、単なる髪では効果が薄く、念のこもった物ほど強くなる。 ましてや魔法戦士であるセレニア、その念がこもった髪は、最上級の媒体になった。 「これだけの完成度だ、セレニア嬢の処女と肉体を貪りたいという阿呆は、 いくらでも金を出すだろうよ。 ましてや、彼女の意識を呼んで、もてあそべるとなりゃあ、なおさらさね。」 セレニアの名声が高くなればなるほど、 その全てを踏みにじり、貪りつくしたいと、 歪んだ欲望を抱く者も増え、その欲求も高く際限が無くなる。  すばらしい完成度のセレニアの肉体は、砂糖に群がるアリのように、 おびただしい下劣な欲望を引き寄せたのだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゼエ、ゼエ、ゼエ・・・」  熱いロウのいたぶりに、身体中を染めてのたうったセレニアは、 激しく喘いでいた。  恥ずかしさで死にたいほどの恥辱と、わけのわからぬ状態、 いっそ舌を噛んで死ねば、と思い出したのを読み取ったかのように。 「セレニア嬢ちゃん、あさってはシティに聖王国がせめかけて来るそうじゃないかえ。 さてさて、大変じゃよのう。フェフェフェ。」  死ぬ事すら許されないことを、傷口に塩をなすりこむように、思い知らされる。 「だっ、だったらなぜこんな事を!?」  だが、老婆は聞いちゃいない。 「さて、さっきのせりで買ったのは、どいつじゃ?」  若いが悪趣味な身なりの、ヤクザのような男が立った。 「待ちくたびれて、破裂する所だったぜ。」 「高い金払って、騎士団長の処女を買ったんじゃ、そりゃもったいないぞえ。」  途端に男はニタニタ笑った。 「ああ、近くで見るとこんな美人で、しかも処女とは、ついてるぜ。」 「何を言ってる!!」  セレニアが青い目を見開いて絶叫するが、 男はズボンの前を下ろし、そそり立った凶悪な青黒い物を突き出した。 「ひ・・・・っ!」  目に涙すら浮かべて、獣のように暴れ始める。 「きっ、きさまらあっ、私をなんだとぉっ!」  絶叫が言葉にならない。 「さあ、せっかく買った物だ、ちゃぁんと確かめなきゃな」 「手伝うぜえ」 「セレニアちゃんの処女開通式だ」  ワラワラと群がる手に、身動きすら取れなくなる。 「ひいっ、やっ、いやあっ!、やめてっ!、いやああっ!」  ついに泣き出した彼女を、槍を引かれ、ヒザが上にあがり、 あそこがむき出しにされる。  白いプッシーがふっくらとふくらみ、金色の毛が周りを飾るようにきらめく。 うまそうだ、うらやましいぜ、やれっ一気にっ、 回り中から下品な声と、容赦ない視線が恥じらいを剥ぎ取り、貞節を踏みにじる。  何より、目の前でそれが押し当てられた。 「いやあああああああああああああああああああああっ!」 プッ、グリュ、プチッ 「ひいいいいっ!」  肉の圧迫、異様な熱、そして、絶望的な裂ける音が肉に響いた。 ブチッ、ブチッ、ブチッ、  額に血管を浮かせて、歓喜に染まった男が、腰を押し進め、 ペニスに絡まりつく、処女を征服する感覚に痺れた。  細い爪先が何度も宙を描き、絶望的な痛みと音が、身体を引き裂いていく。  涙を流しながら、わななく肉体は、艶やかに染まり、 見る者たちを、さらに危険な興奮状態に押し上げていく。  ガブッ 「いたいいいいっ!」  あそこの裂ける痛みに、興奮した男が目の前の豊満な乳房にかぶりつき、 柔らかな肌に、歯形を残す。  ズブッ、  さらに腰を突き上げ、痙攣するセレニアを掻き回す。 ズドッ、ズドッ、ズドッ、ズコッ、  のけぞった首筋が、顎が、ガクガクと揺れる。  叩きつける衝撃が脳天まで響き、理性が麻痺する。 ズムッ  亀頭が膨張し、突き刺さった。 その意味が、処女を奪われたばかりの彼女に、分かるわけがなかった。 ドビュウウウウウウウウゥゥゥッ 「ひ・・・・・・・・・・・・・・!!」  目が焦点を失い、見開かれた。 煮えたぎるような感覚の蹂躙が、 何を意味するか、ようやく思い出した。 「中は・・・中は・・・・だめ・・・いや・・いや・・・ひっ、ひっ・・」  手遅れと言うように、それがグイと肉を割って食い込む。 ドブルッ  残酷な感覚が、さらにたっぷりと中に出される。 ポロポロと涙をこぼす身体を、突き上げ、突きこね、若い胎内に何度も射精を繰り返した。  力尽きたようなセレニアに、情けも容赦も無い。 ミチミチミチ 「ひいいっ!、なっ、何ぉっ!、痛いいいっ!」  排泄でしか意識した事の無い場所に、 凶悪な痛みが、くさびのように食い込んでくる。  豊かな引き締まった尻に、男が突き入れ、ほじりぬいていく。  酸素を求めるように、唇が血の色を失ってパクパクと喘ぐ。 「締まるっ、締まるぜえっ、安心しな、こっちじゃあ出来っこねえからよお。」 「それに、じき誰の子かなんて分からなくなるって。」  下品な笑い声と共に、ヴァギナを別の太いペニスが突き刺した。    「ひぎいいいっ!」  白目を剥いてのたうつセレニアに、 そのうごめきと瑞々しい肉体の甘美に、 夢中で腰を振り、前後に突き入れて嬲り尽くしていく。  喘ぎ、のたうつたびに、膣が締め上げ、アナルが引き絞られる。 折り曲げられた肉体は、苦痛にのたうち、 陵辱する男たちは快楽の代償を深く突き入れた。 ドビュグッ、ドビュグッ、ドビュグッ、 ビュグウウッ、ビュグウッ、ビュグウッ、  白い腿が震える、暴れる、痙攣する。 胎に、腸に、おびただしい精子が押し寄せ、穢し尽す。 「これが騎士団長様のアヌスかっ、すげえっ」 「おおっ、この穴ぁ処女だっただけに良く締まるぜっ」  前と後ろを交互に、同時に、 群がる男たちが、次々と貫き、陵辱し、輪姦し続ける。  理性がボロボロに崩れ、意識が朦朧となる。 鍛えに鍛えぬいた肉体は、若く瑞々しく、そして悲惨に抵抗を続けて、 貪りぬく男たちを、際限なく喜ばせ、精液を胎に、腸に種付けられていく。  プピュルッ、ビュルッ、  苦しいほど中に射精された精液が、引き抜かれると逆流し、噴き出す。 それが土の神槍にかかり、汚し、犯していく。 次第に神槍の輝きが鈍っていくようだった。 「んはぁ・・・ああ・・んん・・・んう・・・んううんっ!」  いつしか、両手の縄も解かれ、下ろされて貫かれていた。 だが、朦朧とした青い目は、理性の光を失い、その意味すら分からなくなる。 唇を犯され、広げられ、生臭い体液と、毒々しい肉感が口を犯す。  胸を嬲り、挟ませ、犯される。 豊満な乳房は、歯形や、爪あと、繰り返す射精でドロドロになり、 顔も、目が開けられぬほど浴びせられ、豪奢な金髪も濡れ汚れて背中に張り付く。 ゴクッ、ゴクッ、  口の苦い体液を、飲み干さないと息が出来ない。  深く子宮まで届くほど、突き刺され、痙攣が走る。 ドビュッドビュッドビュッドビュッ、  サンドイッチにされて、同時に掘り返され、喘ぎ、痙攣する。 何が、どうなっているのか、もう、分からない。  手に握らされ、しごきながら、唇にくわえさせられる。  ああ、もう、私は・・・・・ケガレテシマッタ・・・・。  うめき声を腿に挟み込み、中に、胎に、精液が充満していく。  ワタシハ・・・・ケガレテシマッタ。  槍ももうはずされ、自由なはずの身体は、 男たちのおもちゃとされて、ただただ、貫かれ、汚される、嬲られる、射精される。  5人の男が、同時に、彼女の穴と言う穴を貫き、 手を胸を、服従させ、あらゆる場所を犯しぬく。 ガクガク、ガクガク、  もう、声も無く、美しい裸身は、汚れきって、ただ揺れ動くだけ。  ああ・・・もう・・・ワタシハヨゴレテシマッタ・・・・。 ドビュグッ、ドビュグッ、ドビュグッ、 ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ、 ドビュウッ、ドビュウウッ、  交代する男たちが、貪り始める、 ただ、それに貪られる。  黒々とした巨大な陰茎が、あそこを引き裂くように押し入ってきた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ひい・・・・・・っ!」  細い悲鳴を上げて、セレニアは飛び起きた。  息が止まらない、心臓がバクバクと激しく波打つ。  柔らかで大きなベッドがきしみ、 身体を包む柔らかい夜着が、汗を吸ってべったりと張り付いていた。 「ゆ・・・夢・・・・なの・・・」  思わず、あそこに手をやり、 ひどくドロドロなことに硬直する。 だが、それは自分の愛液だった。  夢で見た、白く濁って生臭い体液ではなく、 女の匂いを凝縮したような、透明なヌルヌルの液だった。  生臭く、苦い、熱い体液・・・・。  思わず吐きそうになる。  思わず近くの壷に、ゲエゲエとはいていた。  黄色い透明な胃液が出るだけだった。  あそこが、ジンジンするような気がした。 いやアナルすら、何かが刺さっているような気がした。 『男のあそこって、あんなものを出すのだろうか・・・』  あそこやアナルにあんなものを刺されて、 口に押し込まれて、身体が引き裂かれるような、 狂おしく、どうにかなってしまうような、強烈な律動と灼熱。 ・・・・・・なぜ・・・私は何を・・・・ ・・・・何を・・・・知っている・・・?。  奇妙に身体が頼りなかった。  必死に気力を振り絞って、鎧を身につけたセレニアは、 土の神槍を手に取ろうとして、びくりと飛び下がった。  槍から、ぷんと、嗅ぎなれた匂いが漂ってきたような気がした。 一晩中、膣内射精され、アナルに注がれ、浴びせられ、飲まされ続けたあの匂いを。  彼女が土の槍を手に取るまでに、さらに数分の時間が必要だった。  手の中の土の神槍の違和感、それが何であるのか、理解するひまも無く、 全軍は戦闘に突入していった。  まだ目覚める前の神槍だが、セレニアはその真の持ち主となりえる存在だった。 激しい戦いの中で、両者は真の力に目覚めたかもしれなかった。  だが、セレニアは魂を穢され、神槍は汚辱を帯びて光を曇らせ、 両者は、つながりを失ったまま、戦闘に突入しなければならなくなった。 槍の目覚めは失われ、セレニアの魂は力を減衰させている。  そして、その意味をガーランド副長だけが知っていた。  ゴオオオオ  遠くに、火災らしき炎が燃えている。  大柄な指揮官らしい男が、建物の影からそっと見ていた。  聖王国の動きがあわただしくなっている。 じきに決着がつく、そうすれば引き上げる事になるだろう。  ガーランド副長は、指揮系統からそっと抜け出し、行方をくらませていた。 今頃、混乱を極めたルーン騎士団は、撤退命令が出ているはずだ。  『俺には守りたいものがあるんだ』 セレニア団長にそう告げた事を思い出す。   「団長・・・本当は、『俺には守りたかったものがあったんだ』」  炎の方に、ガーランドはそっとつぶやく。  セレニアは確かに、優れた神官戦士だった。  けなげで、熱心で、面倒見が良くて、 農民出身のせいか、お高く留まったところも無く、 朴訥で素直なために、上下からもウケがよく、 何より、その目立つ美貌が、あまりに見栄えが良すぎた。  自分もある意味惚れて、彼女を引き立ててやろうとした。  いつしか戦乙女(ヴァルキリー)と呼ばれるようになった時、 彼女は新王の目にとまった。  そして、ガーランドは二つのものを失った。  本来、次期ルーン騎士団団長は、ガーランドがほぼ内定していた。  確定ではなかったにしろ、先代の魔道王はそれをにおわせていた。 だが、あっけなく先代が亡くなり、新しい王は新しい制度と人事を欲した。  そして、セレニアの就任が決まった。  結果、先代が口約束だけだったために、彼に近づいてきていた者たちは、 手のひらを返すように、彼から離れた。  彼のところに嫁ぐ予定だった娘は、急病と称して結婚を取りやめた。 それだけならまだ良い。 「チャミア・・・」  彼が大事にしていた、年の離れた妹がいた。 少し婚期が遅れていたが、気さくで気のつく優しい娘で、 彼女を幸せにしてやりたいと、心から願っていた。  彼女も、彼の団長就任の予定から、一人の貴族の次男坊と、 結婚が決まっていた。  だが、それも破談になった。 『分かるだろう?、副長ごときと婚姻を結んでも、何のメリットも無いのだよ。』  貴族は轟然と言い放ち、二度と彼に近づかなかった。 そして、不幸な事に、チャミアは妊娠していた。  破談になった翌日、彼女は首をつった。  いつしか、ガーランドはボロボロと泣いていた。 「団長、セレニア団長、あんたのようなペガサスには、 天の高い場所を飛べる者には、 俺のような、地を這う虫の気持ちは、わからんだろう・・・・・・。」  地に顔を伏せるようにして、号泣するガーランドの、 激しい涙に呼応するかのように、炎を上げていた建物が崩れ落ちた。  その頃、セレニアの足が切断され、地に伏していた。   FIN