『墜ちたクールアイ』  


青いレオタードに身を包んだしなやかな身体が、軽やかに宙を舞った。
押し寄せる山賊の群れをものともせず、両手に握った二本の刃で、女戦士は踊るように男達を翻弄する。
その瞳にたゆたうのは、深く澄み渡ったクールブルー。

「くそっ、なんなんだよこのアマは!」

唾棄しながら振り下ろす男の山刀を紙一重でかわし、振り向きざま、横薙ぎで斬り捨てる。
軽戦士サフィアナの剣の冴えは、かの事件の後も、刀匠の名剣のようにますます磨かれていた。

「畜生、なにが容易いヤマだ! こんな強え奴がいるなんて聞いてねーぞ!」

山賊達にしてみれば、ろくな武装もせず大量の金品を積んでやってきたカモネギの筈だった。
だが、商隊の護衛に付いていたサフィアナに返り討ちに遭い、当初百人近くいた仲間は既に半分以下に減っていた。

「く、うおおおおおおッ!!」
「甘いぞ」

自棄になって斬りかかる山賊の頭上を、重力を無視したかのような跳躍でかわし、背後から一刀両断するサフィアナ。
数に任せた山賊達の猛攻にも毛ほども動じず、二本の刃で鮮やかに受け流しつつ、返す刀で次々と斬っていく。
はっきり言って、山賊達とは技量が根本的に違っていた。
なにしろ50人以上の山賊を斬りながら、サフィアナは息一つ切らしていないのだ。

……だいぶ数は減ってきたな。だが油断は禁物だ。
卑劣な連中の事だ。何をしてくるか分からない。

軽く息を吐きながら、サフィアナは務めて冷静に周囲の状況を分析する。

雇い主達は指示通り、茂みの中に息を潜めて身を隠している。
馬車は片輪が外れており、山賊達が奪取しようとしてもすぐに走らせる事はできないだろう。

戦場では油断が最大の落とし穴だ。
感情を剥き出しにすれば、そこに必ず隙ができる。
油断に付け込むのは、山賊や盗賊といった連中のお家芸だが、その手は彼女には通用しない。
常にクールでいなければ、生き残る事ができない事を、サフィアナは誰よりも良く知っていた。

「この糞アマがあああああッ!! いつまでも調子に乗ってんじゃねええええええッ!!」

大気を揺るがす雄叫びを上げて、一際大きな体格の山賊が猛然とサフィアナに斬りかかってきた。
これまでの山賊達とは明らかに格が違う。恐らくこの集団のリーダーだ。

巨漢の山賊は大振りのロングソードを振り回し、二閃、三閃――サフィアナに息を吐く間も与えず、怒涛の勢いで斬撃を繰り出してくる。
腕力ではこちらが上。そう踏んでの力押しだ。
実際、パワーではサフィアナを上回っているのだから、真っ向勝負は正しい選択だ。
――ただし、真っ向から打ち合えれば、の話だが。

「もう見切った」

平静にそう呟いて、サフィアナは大胆に男の懐に飛び込んだ。
スピードもかなりのものだが、技が単調すぎる。
それでは変幻自在の二刀流には付いていけない。

サフィアナは矢継ぎ早に二本の刃を繰り出す。
得てして、この手の男は守りに入れば脆いものだ。
攻撃に転じる隙を与えず攻め続ければ、意外なほど簡単に押し切れる。

生き物のように繰り出される二筋の銀光は、巨漢の山賊を瞬く間に防戦一方に追いやっていく。
見るからに筋骨隆々とした男がスマートな女戦士に圧倒されるなど、誰が想像できただろうか。

そしてサフィアナの読み通り、ものの十合も打ち合わぬ内に、男のロングソードを握る腕が宙に飛んだ。

「ぐうう……! 馬鹿なッ、この俺がこんな糞アマに……ッ!?」

傷口を押さえながら膝を付き、平然と見据えるサフィアナを憎々しげに睨み付ける巨漢の山賊。
だが、いくら歯軋りしようと、サフィアナの勝利は誰の目にも明らかだ。
生き残った山賊達が目に見えて浮き足立つ。

この男に止めを刺せば、残った山賊達も蜘蛛の子を散らすように逃げ出すだろう。
それでこの無益な争いも終わりだな。

事態の収拾を予測したサフィアナは大きく息を吐き、双剣の片方を眼下の山賊に向けて振り上げた。
それは、平静さを信条とするサフィアナが見せたほんの僅かな油断だった。

「――ッ!!?」

刹那、強烈な剣気が背中を襲った。
"力"そのものを体現したような圧倒的な気迫が、緊張の糸が切れかけたサフィアナの背に降りかかる。

「くっ……!」

無防備に剣気を受けたサフィアナは前のめりによろめいた。
これほど強大な剣気の持ち主は、ワイズマン騒動に参加した冒険者にもいなかった。

――まともにやり合ったら負ける!!

一瞬で悟ったサフィアナは弾かれたように振り返り、二本の白刃を振るい――――そして、砕けた。




「……へっ、このアマ、完全に脳震盪起こしてやがるぜ」
「いい様だ。今までの恨みノシつけて返してやんねーとなあ!」
「まあ待て。犯るのはアジト帰ってからだ」
「あん? この場で犯んねーのかよ?」
「当然だ。犯って捨てるだけじゃ気が済まねえ! この糞アマは女に生まれた事を後悔するほど嬲り抜いてやるッ!!」

薄れゆく意識の中で、そんな山賊達の会話が聞こえていた――


「ッ〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

歯を食い縛った悲鳴が薄暗い牢内に響き渡る。
やきごてのような剛直をねじ込まれたサフィアナの顔が苦痛に歪んだ。

「へっ、強情なヤローだ。いい加減、素直によがったらどうなんだ!?」

隻腕の山賊は悪態を付きながら、丸太のような片腕で腰を抱えると、サフィアナの引き締まった膣をこれでもかとばかりに突き上げた。
斬られた肩の傷が疼くのか、ことさら乱暴に蹂躙してくるが、サフィアナは唇を強く噛み締めて、決して声を上げまいと耐え忍ぶ。

「おらっ、なんだその態度はよっ!」
「テメッ、自分の立場が分かってんのかあぁッ!!?」

一向に声を上げようとしないサフィアナの顔面や肌にぶっ濃い精液のシャワーを浴びせかけ、山賊達は寄って集って恫喝する。
その度にサフィアナは細い肩を震わせるが、堅く眼を瞑り、無反応を装い続けている。

反応しては駄目だ。
反応すれば男達を喜ばせるだけだ……ッ!

女戦士として鍛え抜かれた意思を総動員して、疼きが止まない身体を静止するが、その精神はそろそろ限界だった。




有り得ないほどの強さを持った山賊の用心棒に打ち負かされてから二日。
山賊のアジトに監禁されたサフィアナは集団リンチに近い奴隷調教を受けていた。

クールに取り澄ました面を暴き立てて、感情剥き出しの泣きっ面に変えてやりたい。
山賊達の態度からは、そんな劣情が有り有りと見て取れる。

中でもサフィアナに腕を斬り飛ばされた大男の仕打ちは苛烈の一途に尽きた。
片腕を失った恨みを晴らすかのように、男性経験の少ないサフィアナの穴に、己の分身を叩き付けてくるのだ。


「ほんとは感じてんだろ、サフィアナぁ? 俺のチンポを美味そうにグイグイ締め付けてんのはバレバレだぜぇ?」

レオタードの破れ目から覗く真っ白な乳房を揉み上げながら、ねちっこいストロークで弄り回す隻腕の山賊。
手加減を知らない垢塗れの手と剛直に、火照りきったサフィアナの身体はビクビク反応し、つま先まで痙攣していた。
どうしようもなく感じているのは明白だったが、山賊達はあくまでサフィアナの口からハッキリと認めさせたいらしい。
悶えながらも声を上げないサフィアナに、代わる代わる罵声を浴びせかけた。

「この嫌らしい水音はなんなんだぁ? これは"感じてる"って言わねえのかぁ?」
「黙りこくっちゃ分かんねーんだよ!! オメーも聞こえてんだろクラぁ!!」

山賊の一人が怒鳴り散らしながら、乱暴に髪を鷲掴みしてペニスに跨った上半身を揺さぶってくる。
激しく擦れ合う性器の摩擦で潤滑液が滲みを増し、熱気と精臭が蔓延する牢獄内に、淫靡な粘着音が響き渡る。
顔面を紅潮させたサフィアナは、山賊の視線から逃れようと顔を逸すが、どこを向いても下卑た笑みを浮かべた山賊だらけ。

「いい加減、テメぇがどうしようもない淫乱だって、認めたらどうなんだッ!?」
「発情期の雌犬だって、こうまで敏感に反応したりしねえぜ!!」
「雌臭え匂い撒き散らしてる分際で、いつまでも気取ってんじゃねえ!!」

眉根の下がったサフィアナの心をへし折ろうと、山賊達はここぞとばかりに容赦なく野次を飛ばしてくる。
ステレオに降りかかる罵声にも、頑として無反応を貫き通すが、サフィアナの心は今にも挫けそうだ。

「よし、出すぞッ!!!」

高らかに宣言し、隻腕の山賊は苦悶に喘ぐサフィアナの胎内に、たっぷりと欲望の種を撒き散らした。
「どうだ熱いだろう?」とこれ見よがしに囁く男の言葉にも、サフィアナは頑なに首を横に振るが、子宮の奥を征服する熱い飛沫は現実逃避しても誤魔化しようがない。

「次は俺の番だ!」

小刻みな息が鼻から漏れて余韻冷めやらないサフィアナの膣に、今度はだんご鼻の山賊がペニスを突き立ててきた。
すっかり蕩けきった媚肉は即座に男を受け入れ、また、淫らな音を立て始めた。

レオタードフェチでも知られるだんご鼻の山賊は、むしゃぶりつくように抱擁してきたかと思うと、汗や精液を吸って湿ったレオタードの谷間に顔を埋め、鼻先を擦り付けてくる。
余りのおぞましさに、鳥肌を立たせて髪を振り乱したが、山賊達に捕縛された状態ではどうする事もできない。

「おらっ、しっかり受け取れや!」

と、横手から息を荒げた男の声が降りかかってきて、手の平に粘っこい精液が絞り出された。

「……ッ!」

嫌悪感でサフィアナの顔が歪むが、レオタードの薄布で手の中の精液を拭わされたかと思うと、すぐに別のペニスを握らされる。
男達の圧倒的な腕力で、そそり立った男の一物への手コキを強要されている。
灼けるような熱い感触がジュウジュウと、鼻を突く臭いを発しながら布地に包まれたほっそりした両手を焼き焦がす。
華麗な剣技を繰り出していた手の平は、今や男の一物を握る為の手と化していた。
数多の山賊や盗賊を打ち破ってきたその手で、熱くそそり立った肉棒を何十本も扱かされている。

「おらっ、おらっ、気持ちいいだろ、サフィアナ!!」

レオタードフェチの山賊に抱擁されて突き出てている形のいい尻を、山賊がぶ厚い手の平でバシバシと平手打ちする。
レオタードをクールに着こなし、女冒険者内で賞賛の的だったスマートなお尻も、今や男達に撫で回されるだけの玩具だった。
自由気ままに何度も打ち叩かれ、無惨なほど赤く腫れ上がっている。

「ほ〜ら、もっと美人にしてやるぜえ! どうだ、嬉しいだろぉ?」

顔面やレオタードの破れ目から露出した肌に、サド心剥き出しの山賊がぶっ掛けられた精液を塗りたくる。
牝脂が程よく入り混じったしなやかな素肌が、精液のローションで淫靡な光沢を放っている。
全身に塗りつけられた牡の香りが鼻腔をくすぐり、消耗したサフィアナの中の"女"を刺激する。

エスカレートして止まない男達の罵声。
頭上を行き交う心無い野次に、綻びかけたサフィアナの心の壁はどんどん突き崩されていく。
肉の槍が容赦なく媚肉を抉り、絶え間なく繰り返される太く熱い挿入に、サフィアナの"雌"の本性は鮮明に暴き立てられていく。

サフィアナの精神はもはや極限状態だ。

「くっ……ぅ…………あぁ…………ッ!」
「お、声出るか!? 声出るか!?」
「サフィアナちゃんのよがり声、待ってましたー!!」

そしてついに漏れ出したサフィアナの声に、山賊達は一斉に喚声を上げた。
快楽に屈しかけたサフィアナの背中を後押しするように、囃し立てながら、こぞって淫核や乳首の蕾を摘み上げる。

「ぁ…………か……はッ…………あ、あぁああ…………!!」

喉の奥から搾り出される破滅の調べ。
必死に被り続けてきた仮面が音を立てて剥がれ落ちてくる。
一旦、押し殺してきた感情を暴き立てられれば、雌の本性など瞬く間に剥き出しにされるだろう。
そうなったら、もう性奴隷まで一直線だ。

駄、目だ……ッ!!
ここでッ、声を上げてしまったら……何の為にッ、私は…………ッ!!
けどッ、こんなの……もっ………………まだっ…………

「〜〜ッッッッ!!!!!」

狂ったように悶えながら、サフィアナはなおも耐え凌いだ。
ワイズマン事件とその後の武者修行で培われた強靭な精神力が、寸でのところで踏み留まらせたのだ。

感情を表に出しては駄目だ!!
今ここで快楽に屈したら、二度と引き返せなくなる!!
だが……クールな仮面を被り続けていれば、いずれ男達にも飽きがくる。その時まで……!

サフィアナは心の中で叫び、喉の先まで出かかった敗北の声を必死に飲み込む。

「おいおい、まだ頑張んのかよ〜!」
「どーせ最後にゃ無様に雌の本性を暴き立てられんだ! いい加減観念して、よがり散らしたらどうなんだぁ?」

半ば呆れながらも、山賊達はからかうように冷やかしの声を投げかけてくる。
どれだけ必死に耐えようが、最後には雌の本性を暴き立てられ、感情剥き出しのよがり声を晒す運命が待っている。
それが分かっているから、山賊達は余裕なのだ。

いや、むしろ、クールな女戦士が脂汗を滴らせながら感情を押し殺す姿は、最高の見世物といえた。
耐えれば耐えるほど、クールな仮面を引き剥がされた瞬間の泣きっ面は、男達の歪んだ嗜虐心を満足させてくれる。

「おらっ、鏡見ろサフィアナ!! 特別大サービスだ。今テメぇがどんな情けねー面してるか見せてやるぜ!」

山賊の一人が顎を掴み上げて、鏡に映る自分の姿を赤裸々に見せ付けた。
目尻は垂れ下がり、顔中涙と涎と精液塗れ。まさに墜ちる寸前といった表情だ。
取り澄ましたいつもの表情からは程遠く、クールさは影も形も見当たらない。
無惨な現実を突きつけられて、サフィアナの心は波間を漂う小船のように揺れ動いた。

「おい、俺は優しいから一度だけ忠告してやるが……。感情剥き出しにするんなら、今の内だぜ?」

間髪置かず、隻腕の山賊が蛇のような目で睨みながら、ドスの効いた声で凄んできた。

「今すぐ素直になってよがるんなら、ちったあ手加減してやる。
 だが、その取り澄ました面を暴いた暁にゃあ、一切容赦しねえから、そのつもりでいとけよぉ?」

脅しとも付かぬ恫喝に、サフィアナのクールブルーの瞳は気弱に揺らいだ。

どこまで本気か、全く読めない……。
心を平静に保てば、相手の心理など手に取るように分かった筈が……。
今は、扉に鍵を掛けられたように、相手の心理が見抜けない。
全てが本気のようにも、ただのハッタリのようにも思える。

ただ、現実にエスカレートしていく陵辱の前に、男の忠告通り、今の内に素直に感情を曝け出した方が良いのでは……?
そんな想いがチラついて止まない。
これ以上酷くならない内に、敗北を認め、よがり狂って許しを請うた方が良い気がしてくる。

……だが、それでは連中の思う壺だ。
ここで男達に屈してしまったら、今まで築き上げてきた私の人生は無に帰してしまう。
甘い囁きに心が傾きかけるたびに、サフィアナは自分を叱咤し、気を支え直す。

「おい、そろそろ媚薬使っちまおうぜ? その方が手っ取り早えだろ」

一向に感情を曝け出さないサフィアナに焦れてきて、せっかちな山賊の一人がそう提案した。

媚薬という言葉に、サフィアナの心臓はドキッと高鳴る。
脆くひび割れかけた今の精神状態で媚薬を使われたらひとたまりもない。
必死に被り続ける無感情の仮面など、桃の皮をそぐように容易に引き剥がされ、狂ったようによがり始めてしまうだろう。

極度の緊張で固唾を飲むサフィアナだが、調教の手綱を握る隻腕の山賊の意志は強固だった。

「駄目だ。この糞アマには絶対、媚薬は使わねえ! 媚薬でよがりましたなんて言い訳は、死んでもさせねえ!!
 どんな手ぇ使ってでも、必ず自力で済まし面を暴き立てて、テメぇが男に跨ってよがるだけの雌だって教えてやる!!
 そうじゃなきゃ、気が済まねえッ!!!!」

隻腕の拳を血が出んばかりに握り締めて宣言する男の目は、どす黒い狂気の光に満ち溢れていた。

今まで数え切れないほどの山賊盗賊を退治してきたサフィアナだったが、男をこれほど恐ろしいと感じた事は初めてだった。
いや、それこそ、山賊盗賊といった連中の本性なのか。

段々、サフィアナは周囲を取り囲む男達が空恐ろしくなってきた。


「ぅ……あぁッ…………くっ……ッ!」
「おらっ、もっとケツ上げろ、サフィアナ!!」

命令口調で呼び捨てながら、山賊は平手でサフィアナの後頭部をバシバシ叩く。
血管が浮き出た剛直が蹂躙し、蛇がのたうつように肛門の奥を穿り回されながら、サフィアナはまだ墜ちない。
流石に声は頻繁に上がり始めているが、血が滲むほど唇を噛み締め、心が快楽に流されないように堪えている。

「うあぁッ…………く、ぅ……ッ!」
「さっさと声上げろや! それともまだ責め足りねえのかぁ!?」

背後を犯す山賊が高圧的に怒鳴りながら、サフィアナの尻を激しく責め立てる。

「あぐっ……うう…………あぅ……ッ!?」
「ぐへへ、女の汗はやっぱしょっぱくて美味ぇなあ!」

レオタードからはみ出た乳房を胸板に押し付けてくるサフィアナの顔面を舐め回し、変態の山賊は悦に入っている。
寝転んだ山賊にもたれ掛かりながら、サンドイッチで両穴を同時調教されるサフィアナだったが、決して折れようとはしない。
舐め回し、肛淫被虐、並の女戦士なら、もうとっくに心が折れている筈だ。

心は……私の心は、ここにはない……!
ここにあるのは、私の抜け殻、だけ……!

自己暗示を掛けるように、サフィアナは心の中で呟き繰り返し、漏れて止まない声をまた飲み込んだ。

「………………」
「ちっ、まただんまりかよ。しぶてぇアマだなぁ!」

またピタッと声が止んだ女戦士に、背後を犯す山賊は苛立って舌打ちした。
尻穴を力任せに抉っても、貝が口を閉ざしたように無言を貫き通している。

「そういや、聞いたかお前ら? こいつよ、墜とした奴が飼っていいんだってさ」
「あん? 誰から聞いたんだそんな話?」
「さっきここ来る途中、組頭に会ってよ。ボスの許可もらったんだとよ」
「ああ、なんかボスに掛け合ったらしいぜ。組頭も良くやるよなあ」
「へえ、そいつぁますます気合入るってもんだ。こんだけ締め付ける女を専用穴にできるチャンスなんざ、そうねぇ!」

世間話に興じながらも、山賊達はサフィアナを犯す手を休めない。
両穴、両手、口、使える性器は全て山賊達の慰みものだった。
墜とされたらその男の性奴隷――生々しい話を耳元で聞かされながら、サフィアナは男達の欲情を一身に受けていた。

「よう、お前らやってるなあ」

と、そこに牢獄の鉄扉が重々しく開き、件の隻腕の山賊がやってきた。
不気味なほど上機嫌で、骨太の手に鉄鎖を巻き付けて、酷薄な笑みを浮かべている。

「お、組頭。どこで油売ってたんだよ。あんたが席外してるなんざ、珍しいじゃねえか!」
「まあちょっと野暮用でよぉ。いいモン取ってきたんだ」

ジャラリと牢獄の外に伸びる鉄鎖を見せ付ける隻腕の山賊。

「へへ、待っててくださいよ〜。今出し終わりやすからね〜」

サフィアナに執着する特攻隊長の新調教を察した山賊達は一斉にラストスパートを開始し、銘々に白濁の精を浴びせていく。

「……ッ!」

両穴に同時に射精された瞬間、サフィアナの眉は苦悶に歪んだが、やはり声は上げない。
熱い息を小刻みに吐くだけだ。

「さ〜て、今度はどんな変態プレイのお出ましかな〜」
「サフィアナちゃんもいい加減、観念すりゃいいのにねぇ」
「いいじゃねえの。俺、組頭のプレイ、楽しみだぜ?」

股下から垂れ流し状態でうつ伏せのサフィアナを横目に、山賊達はサドの色を浮かべてざわめいた。
隻腕の山賊の執着心は群を抜いているが、大なり小なり、他の山賊達も同じ穴の狢という事か。

「まあ見てろや。今度のプレイは強烈だぜ。クールぶった糞アマも泣き喚く事、間違いなしだ!」

隻腕の山賊は唇の端を歪めて、妙に自信たっぷりに宣言する。
今度は一体、何を用意してきたのか。

「テメぇも面上げとけや」

隻腕の山賊は足のつま先で、かび臭い牢獄の床に突っ伏したサフィアナの顔を見上げさせると、薄気味悪い笑みを零した。
視線を合わせたサフィアナの身体にゾクッと悪寒が走った。
それは鍛え抜かれた戦士としての勘か。
戦士としての意気をいまだ失わない五感は、扉の奥から聞こえる尋常ならざる荒息を敏感に察していた。

「おいっ、出て来い!」
「なっ……!?」

獰猛な呼び声に応じて扉の陰から現れた醜悪な巨体を目の当たりにして、サフィアナの顔はまともに引きつった。
無口な女戦士の口から、怯えに似た驚愕の声が漏れた。

「お、クールなサフィアナちゃんも、こいつには顔色を変えずにはいられねえってか!」

動揺を隠し切れないサフィアナの様子に、隻腕の山賊は満足そうに片眉を跳ね上げた。

山賊達を凌駕するでっぷり太った巨躯、鼻が押し潰された醜い豚の顔、見上げるだけで強烈な臭気がツンと鼻を突く。
オークと呼ばれる亜人族だ。
だが、それは今まで戦場で目にしてきたオークよりも数段禍々しかった。
馬並みに巨大なペニスを天井に向かっていきり立たせ、先っぽには幾つものゴツゴツしたイボが浮き出ている。

まさか、まさか、このオークと今から身体を重ね合わせるのか……!?

濡れて照り返る白い肩が知らず知らず震え出した。
人ならざる亜人の、人知を超えた肉の凶器を見上げて、サフィアナは明らかに怯えていた。

「ジタバタすんな、うらッ!!」
「往生際悪いマネしてんじゃねえ!!」

あからさまに取り乱し始めたサフィアナの肢体を数人がかりで押さえ付けて、四つん這いにすると、隻腕の山賊はオークをサフィアナの背後に追いやった。
フゴッ、フゴッと醜い豚の鼻息がサフィアナのスマートな背中のラインに吐きかけられる。

「ぁ……あぁっ…………」

それはほとんど、女としての死刑宣告だった。
女の肉体は亜人のペニスを受け入れられるように出来てはいないし、亜人に犯される事それ自体、女として最期に等しい。

サフィアナは飽くまで声を上げようとしなかったが、クールブルーの瞳を恐怖でいっぱいにして、全力で首を横に振って拒絶する。
だが、そんな事で許される筈なく、押さえつける山賊達の手にはますます力が入った。

「ひっ……」

捧げるように突き出された腰を掴む、皺だらけで巨大な手。
超重量の肉の塊がお尻に数度、バシンと叩き付けられる。
クール娘を完全返上し、滑稽なまでの尻振りで、オークの挿入から逃れようとするサフィアナだったが、剛力で腰を固定されると、もうどうにもならない。
イボつきの先が蜜壺の入り口にあてがわれ、巨根がサフィアナの膣にねじ込まれる――――

「ああああああああ……ッ!!?」

一度として上がらなかった絶叫が、ついに、狭い牢内に響き渡った。
亜人の巨大なペニスを突き立てられて、サフィアナはとうとう絶叫した。

「うあッ……あああああああッ!!!?」

必死に声を噛み殺そうとするが、殺しきれない声が喉の奥から漏れて止まらない。
無数のイボがついた極太の肉塊で、膣壁の内側を力一杯かき乱されると、もう声を抑える術などなかった。

「はははっ、とうとう上がったぜ! 声を上げてやがるぜ!!」
「クールな女戦士様もオークのデカマラには敵わないってかあ!!」

首を振りたくって狂乱するサフィアナに、山賊達は口笛を鳴らし、嬉々として囃し立てた。

破壊的なストロークの前にサフィアナの身体は悲鳴を上げていたが、股間はそれでも激しい粘着音を立てて、この上ないほど快感を享受している。
監禁直後に突き込まれていたら、おそらく膣はズタズタに引き裂けて二度と使い物にならなくなっただろう。
だが、皮肉な事に、連日連夜にわたる徹底的な調教は、サフィアナの膣をオークの巨根をも受け入れられるにまで至らせていた。

「うああう……ッ!? うあッ、うあああああ……ッ!!!」

こだまして、何重にも響き渡る悲鳴。

「ちくしょー。こりゃ、オークの奴に墜とされちまったかあ!?」
「俺のテクで墜としてやろうと思ってたのによ〜。妬けてくるぜ〜!」

オークに四つん這いで犯されながら、嬌声交じりの悲鳴を上げるサフィアナの姿に、山賊達は悪態を付きながらも楽しそうだ。
クールを気取り続けてきた女戦士がオークの肉棒に屈し、ずっと堪え続けてきた痴態を晒す光景は、そうとうクルものがあるのだろう。

「へへ、趣向はこれからだぜ!」
「ぇッ!?」

隻腕の山賊は嗤いながら、身悶えるサフィアナの首に、テキパキと鉄鎖の付いた首輪を付けていく。

「こんな面白ぇ姿、俺達だけで楽しむのは勿体ねぇよなあ! 仲間にもじっくり披露してやらなきゃあ! おらっ、お散歩行くぞ!!」
「なっ、待ッ……!?」

反論を待たず、隻腕の山賊は首輪の鎖を引っ張って、オークに犯されるサフィアナを牢獄から引きずり出した。
そのすぐ真後ろを腰を掴んで責め立てる豚面の亜人が、更にその後に何人もの山賊が、四つん這いで引き立てられるサフィアナに続いていく。


「お、なんだなんだ?」
「この前捕まえた女戦士じゃねえかあ!」
「ああ、あのクールを気取ってカッコつけてた女か」
「ぷっ、見ろよあの情けねえ面! オークなんかに犯されて、いい様だ!」

山賊のアジト内を犯されたまま引き回されるサフィアナに、何十人もの山賊達が黒山の人だかりのように集まってくる。
サフィアナが捕えられた山賊集団は想像よりも遥かに大規模で、商隊を守る為に斬った山賊達はほんの一握りにすぎなかったらしい。
瞬く間に、サフィアナは山賊達の好奇の目に晒された。

「あああああッ!!! あああああああああああッ!!!!」

何度となく、熱い奔流を滝のように流し込まれて、サフィアナは狂ったように泣き叫ぶ。
サフィアナとオークの結合部分から、ボタボタと白濁液が洪水のように零れ落ちてくるが、それでもオークの射精は一向に止まらない。
オークという種族は元々異様なまでの絶倫で、異種族との交接も平然と行い、一日数十回も射精するというが、このオークは輪を掛けて絶倫らしく、平均を遥かに凌駕する勢いで、サフィアナの中に子種をどんどん吐き出していく。

「ブヒヒッ、ブヒーッ!」

実に気持ち良さそうなオークの鼻息が、破れかけたレオタードが汗でへばりついたサフィアナを吹き付ける。
全身を激しく揺さぶって引き剥がそうとしても、オークは決して離れようとせず、それどころかますます調子付いて、イボつきの巨大ペニスを突き立ててくる。
征服し、蹂躙するような肉のミキサーの前に、精神は力強く拒絶しながらも、女としての肉体はなすがままに支配され切っていた。

「ああああッ!! はああああああーッ!!!!」
「おいおい、腰振ってやがるぜ、あの女!」

ちっ、違う……!
これは振り解きたくて……!

「手ぇ休めてケツばっか振ってんじゃねえよ!!」
「あああーッ!! ああああーーーッ!!!」

悲鳴を上げるしか出来ないサフィアナを、首輪に繋がる鎖を握った隻腕の山賊が嗤いながら強く引いた。
手膝に力を入れ、前へ前へ進もうとするが、背後の亜人の強烈な突き立ての前にはもはや一歩も動く事ができない。
その場に手膝を突いて亜人を受け入れる事しか出来ないサフィアナの凄惨な姿に、山賊達は嗤いながら、冷やかしの声と罵声を投げかけてきた。

もう、ダメだ……。
こんなの、耐えられる、わけがない……!

最後まで保ち続けてきたサフィアナの常軌がついに、崩れ落ちる。

「ブヒッ! ブヒヒッ! ブヒヒイィッ!!」
「あああッ! やあああああッ!!! もう許してええええええええッ!!!!!」

心底からの屈服の声が、山賊のアジトの真っ只中で響き渡った。
一度心が屈してしまえば、後はもう泣き叫んで許しを請う一方。
サフィアナが己に課してきた仮面は完全に引き剥がされた。

「調子乗ってクールぶってるからそうなんだッ!! 分かったか、オラあぁッ!!!」

サフィアナを墜とした事を確信した隻腕の山賊は、髪を掴み上げて己の面前に晒して、怒鳴りつけた。
ずっとずっと待ち望んでいた瞬間だったのだろう。
恫喝する隻腕の山賊の表情は、この上ない喜悦に満ち溢れていた。

「あああーッ! 分かったからぁー!! 調子に乗ってクールぶって済びばせぇーんッ!!!」

常にクールでいなければ、生き残る事ができない――
自らの信条をかなぐり捨てて、サフィアナは号泣するが、山賊達は許す筈もなかった。

サフィアナは一つ思い違いをしていた。
クールな仮面を被り続けていれば、男達はいずれ飽きてくる。
そうではない。
クールな仮面を被って感情を押し殺せば、どんな手段を用いてでも、その仮面を引き剥がして感情を暴き立てる。
それが、山賊や盗賊、ならず者と呼ばれる人種の特性なのだ。

遠目に、サフィアナを打ち破った有り得ないほどの強さを持った用心棒が見えたが、男は山賊達に屈した女戦士の姿をつまらなさそうに一瞥すると、立ち去っていった。

そして、サフィアナは墜ちた――――





「うう、ぢゅぷ……んぷ…………うぶっ……」

イボ付きの巨大な亜人のペニスを口淫奉仕する音が、耳元に響き渡る。
視界を埋め尽くす醜悪な股間。
両手で肉竿を支え、喉の奥まで咥えてもまだその長さは余りがある。

「ブヒィ、ブヒヒ」

ご満悦の鼻息が降りかかり、皺だらけの巨大な手がサフィアナの頭に圧し掛かる。

「……ぶぷ……んむっ…………ぐすっ……ぢゅ、ぢゅぷ…………」

顔面を押し付けられて、涙を零しながらも、口と手で豚臭いペニスを一心に愛撫し続ける。

「ブヒ!」

オークのくぐもった鼻息と共に、口の中でマグマが破裂した。
独特の豚臭さの入り混じった苦い味が口の中に広がり、サフィアナはぐすぐすと泣きじゃくる。
だが、口の中にねじ込まれた肉棒は吐き出せず、喉を埋め尽くすほど注がれた腐泥は、口の隙間や鼻の穴から溢れてくる。
観念して飲み込むが、吐き出される精液の量にとても追いつかない。

「ブヒィー!」

すっきりした、と言わんばかりに鼻息を上げた亜人は一滴残らず搾り出した後、サフィアナの口からイボ付きのペニスを引き抜いた。
そしてうずくまったサフィアナの身体を抱え上げ、相変わらずそそり立ったままの先っぽに、股間を押し当てる。

「あぁ……。まだ……!?」

絶望的な吐息が、精液の涎を引くサフィアナの口から漏れた。
そう、オークの絶倫っぷりは一度出しただけでは収まらない。まして相手は並みのオークを凌駕する絶倫だった。

「あぐぅ……ッ!!」

超弩級ペニスに跨らされ、イボ付きに子宮の一番奥まで貫かれたサフィアナは目を剥いて悲鳴を上げた。
息を付く間もなく、一方的なストロークを開始し、サフィアナの胎内を思う存分かき乱す。
内側から突き破らんばかりの衝撃に、目の前の逞しいオークの肉体にしがみ付くサフィアナ。
オークはフゴフゴ、と鼻息を立てながら、みつめ合う形となったサフィアナの唇を貪り食う。
唾液も人間とは段違いで、口内を埋め尽くすほど流し込まれて、臭いキスの糸を引いた。

「お、相変わらず熱々じゃねーか!」
「もうオークのチンポにメロメロってかー!」

オークの奴隷妻と化した元女戦士に、檻の外から山賊達の蔑んだ声が飛んできた。
羞恥心はまだ充分残ってるらしく、サフィアナは顔を真っ赤にして逸らすが、アジトの広間に置かれた檻の中では、どこを向いても山賊達の視線から逃れられない。
激しい責め立ての前には眼を閉じる事も出来ず、男達の視線を回避するには、オークの股間や胸板に顔を押し付けて自らの視線を塞ぐより他に方法がなかった。

サフィアナを墜とした者がサフィアナの所有権を得る。
取り決め通り、サフィアナはオークに奴隷妻として飼われる事になった。
山賊達のペットかなにかだったらしく、狭い檻の中に二人きりで閉じ込められ、見世物になっている。

やる事といえば、ただひたすらオークに犯されるのみ。
寝る時も、メシを与えられた時も、延々とオークに犯され続けている。

「あぁっ……!」

サフィアナの中に、本日、25度目の精液が吐き出された。
何度となく大量に行なわれた膣内射精で、スマートに着こなしていた薄手のレオタードははち切れんばかりだ。
雌オークのように膨れ上がり、クールブルーの布地が引き立てていたスタイルの良さは、もはや面影もない。

「おねがっ、もうヤメ……!」

泣き叫んで哀願するサフィアナを他所に、オークは体位を変えて、サフィアナを膝立ちにさせた。
勿論、馬並みのイボ付きペニスは押し込んだままでだ。
横になるのが精一杯の狭い檻の中では、逃げ場などどこにもない。
物を言うのは腕力だけ。
そして、腕力ではサフィアナはオークに圧倒的に劣っていた。

閉鎖された、一人と一匹だけの王国で、サフィアナはまたも暴君の無慈悲な制圧を受けた。
檻に胸を押し付けた姿勢で、細腕を掴まれて、背後から力任せに責め立てられる。
バシン、バシン、と媚肉とオークの筋肉が叩き合う音が狭い王国内に鳴り響く。

檻の外には何百もの人がたむろする世界が広がっているのに、隔てられた世界に存在するのは自分と、人ならざる醜い支配者のみ。

こんな世界、もう嫌だ……。

檻を握り締めてすすり泣くサフィアナの眼前に、嫌味に嗤う見知れた男の顔が現れた。
自分をもっとも執拗に犯し――そして、この悪夢のような閉鎖世界に追いやったあの隻腕の山賊だ。

男の顔を見るなり、サフィアナは涙をボロボロ零して心ながらに訴えかけた。

「あぁ、あなた様の恐ろしさは良くわかりました……あうぅッ!? 
 あなた様方の忠実な、あぐッ!? 忠実な奴隷になる事を誓いますから、も、うあうッ!!? 後生ですから、ここから出してくだ……ああッ!?」

オークに背後から突き上げられ、悲鳴交じりのサフィアナ。
クールに澄ましていようが、所詮女は男に嬲られるだけの存在。
男に従順に奉仕しているのが相応しい。
サフィアナはハッキリとそう悟っていた。

許されるならばせめて、人の慰み者にさせて欲しい。

だが、隻腕の山賊は満足そうにニヤニヤ嗤うだけだった。

『俺は優しいから一度だけ忠告してやるが……。感情剥き出しにするんなら、今の内だぜ?
 今すぐ素直になってよがるんなら、ちったあ手加減してやる。
 だが、その取り澄ました面を暴いた暁にゃあ、一切容赦しねえから、そのつもりでいとけよぉ?』

かつて男が言った言葉が、脳裏にまざまざと蘇った。
男はその言葉通りに実行しているだけなのだ。

このまま一生、この狭い檻の中で豚面の亜人に飼い続けられる――その事を察した瞬間、サフィアナは狂ったように泣き叫んだ。

「ああーッ!! お願いします! もう二度と、生意気な態度を取ったりしません!! 女がどういうものか、身に染みて理解できました!! 私が馬鹿でした!! どうかご慈悲を!! どうか、あなた様方の性奴隷にさせて下さいぃーッ!!!!」

檻を掴み、食い入るような目で懇願するが、隻腕の男は飽くまで嗤い続けるだけだった。

「ブヒヒッ!! ブヒヒィーッ!!!」
「あああッ! 嫌あーッ! 待ってお願いッ! もう許して……ッ!!」

絶倫オークのラストスパートに、精神が破綻しかけたサフィアナは半狂乱した。
その脳裏には、龍神の迷宮で戦う冒険者としての自分、商隊に雇われて護衛として戦う戦士としての自分が、浮かんでは消え、消えては浮かんでいく。

サフィアナはもう戦士ではなかった。
一人の女、いや、オークの性の捌け口となる一匹の雌だった。

「ああああああああああーーーーッ!!!!!!」

サフィアナの中で、26度目の灼熱の精が迸り、そして子宮の奥を満たした。




消え行く意識の中で、サフィアナは何度も何度も後悔していた。
こんな事になるのだったら、妙な意地なんか張らず、早く素直になっておけばよかった――と。

結局、鍛え上げられた強靭な精神力が、サフィアナを破滅に追いやったのだ。


書くと約束しておきながら、これはと思う展開が中々思い浮かばず、遅れに遅れてしまってスミマセン。。
エピローグの設定をイメージして書いてみました。

サフィアナさんみたいにクールを気取った娘さんは、感情を暴き立てられて、泣き叫ぶ姿が似合うのです、と自分の好みを力強く主張してみます(鬼)