時空特務艦"橋立"は全速航行していた・・・
"時空軸調整完了です。これよりクルルミク近海到着致します。"航海参謀のアーサーがそう云った。
"しかし、この時代に水中翼船か?・・・大丈夫なのか?"
護衛艦とともに、"紅の処刑師"エレシュ嬢、"黒き死神"リリス嬢の救出に向かう・・・・
"オリハルコン貨取り敢えず5億枚準備しておいてな。
レニウム貨は30億枚でいいな。"
魔道転送装置にそれぞれの貨幣が置かれた。
真に天文学的な額が動こうとしていた。
"一応、念の為金貨も用意しておきます。"法務尚書のカナコがそう云う。
100%純金の金貨それも様々な細工と魔法のかかった代物である。
500億枚・・・既に常軌を逸していた・・・
たった2人の女性の為に(尤も、あとでキャティを含めた3人になるのだが・・・)
星が億単位で買える位の冨が一瞬で動こうとしていた。
"ハルちゃん。準備出来・・・フ゜ッなにそれ?・・・莫迦っぽ〜い"
"丞相から'なるべく莫迦な貴族に見える様な格好にしろ!'て厳命させてるんだもんしゃあないやん^^;"
"ユッキーは・・・チンドン屋みたい・・・・"
"うちの丞相って一体・・・・"
ユッキーと呼ばれている若い士官は呟いた。
ディルゲーネスと呼ばれている若武者も一応鎧を纏っていた。
彼のみは制式の格好をしていた。
"ユッキーもハルちゃんも美味しいよな〜その格好・・・"
'こいつら何?'って感じの会話が選ばれた3人によってされていた・・・
'クルルミク時間1700を以って"オペレーション・ ヒカリ"発動致します。'と云う女性の声が聞こえた
声の主はグリーンの髪に、金色の瞳・・・・
誰か判りますね?"オペレーション Believe"で丞相カインリッヒが強引に略奪して来た(?)グリューネである。
美しいドレス(実は特種礼装の宰相用の制服)を長身に纏っていた。
クルルミクの港街に到着と同時に"丞相、準備出来ました。ご采配を・・・"
グリューネはカインリッヒに耳元で囁いた。カインリッヒもこの女性宰相の肩を抱き乍ら・・・kuアう命じた(この状況だけみると、とても、丞相と宰相の軍事行動命令には見えず、美男美女のアベックの睦み事と客観視される方が真っ当と云うものでろう。)
"エレシュ、リリス嬢両名の救出及び、キャティ嬢の救出が間に合えばやって貰います。
健闘を祈ります。吉報が届くと確信してますよ。"
ユッキーはリリス嬢、ハルはキャティ嬢の捜索、及び救出、ディルゲーネスはエレシュ嬢の救出を大司馬として、お願いする次第です。"
長身の美丈夫な丞相が、己の碧眼に仄冥い何かを宿し、翼を旗めかせつつそう命じた。
それはそれとして、前述の3人がクルルミクに潜入した。
〜リリス救出作戦・・・・
美味しいと云われた格好をしたユッキーは街中を散策していた。
いかにも胡散臭そうな連中に声をかけた"僕、奴隷慾しいんだよね。コレで繋いでくれへん?"
ユッキーは自腹で、いきなりオリハルコン貨を200枚手渡した。
"オ・オリハルコン?""せやけど?何か?"オリハルコンの貨幣が作られている"と云う噂を流しておいて正解だった様だ。
ユッキーは即座にオークション会場に向かった。
"リリスって女いてへん?"ユッキーはオリハルコン貨で買収を開始し、とあるオークションで売られていると云う情報を手に入れた。
オークション会場に着くと丁度リリス嬢のオークションが始まっていた。
"金貨350000!""金貨500000!"ユッキーはいきなりオリハルコン貨幣を切った。
"オリハルコン1億でどう?"
周囲が騒めいた。
どっかの莫迦貴族が"全財産だ〜"とか云って"1億2000!りりすちゅぁ〜ん!"とか薄気味悪い声をあげた。
ユッキーは"王朝の威信にかけ!勝負や匹夫!3億!"
周りは異様な雰囲気に唖然としていた。'変態の欲情'と'軍人の殺気'である。
だが・・・今度も横槍が入る・・・
何処ぞの富豪だ"3億3千万"
"しゃあない、4億!否、5億に金貨500億持ってけ!"
場内は水を打った様に静まりかえった・・・・
"僕を誰だと思ってます?伝説のエース'ユッキー=フォン=フォート'kuナすよ?"
ユッキーはお約束の決め台詞を吐いた。
ったく隠密行動には向かない漢である^^;
場内は完全に沈黙した。
支払おうとすると、その金貨を見て・・・
"これ芸術品扱いね。金の含有量も100%の完全無垢だし・・・・
全部これなの?"
"そやけど?"
"・・・・・・"
"いいの?こんなに貰って・・・・"
"問題ない。それは道義的責任や。"
"お兄さん面白い事云うね。"
"オリハルコンの貨幣って見せてくれる?"
コレ・・・近くにいた魔道師が"コレもオリハルコンと・・・アダマンにマター系と・・・"
"この魔法金属は?・・・"と伝承の書を持って来た。
"ま、まさかファリウム?"ちなみにファリウムとは公式には存在さえ確認のとれていなかった幻の魔法金属で虹色に淡く輝くとされている・・・と伝承には書かれていた。今回何故、判ったかと云うと、偶々、この魔道師が1度だけ(魔道学校時代の研究室で。)ファリウムを見た事があった為である。
"そや♪正解や♪よ〜知ってはるな〜"とユッキーは軽く流した。
(ちなみにクルルミク現地価格で、金貨でさえ、1枚がオリハルコンと同じ質量分の価値だそうだ。<尤も芸術品としての価値だが>云わんやオリハルコン貨の価値1枚で星1つ買える位なのでは?とクルルミク政府の見解であった。)
"前置きええねん。はよ、リリス遣してや。"
ユッキーは冷たい笑顔で云い放つ。
魔道師、奴隷商人の顔から笑顔が消え奴隷商人はそそくさとリリスを連れて来た。
"誰、貴方・・・新しい御主人様?"リリスがそう云うと・・・ユッキーは戸惑った様に曖昧な笑みを浮かべ、"取り敢えず此方の服をお召し下さい。
私はユッキー=フォン=フォートと名乗って擱きます。
某女皇朝の航空大佐です。
"""黒き死神"リリス様の招聘に参りました。""
"大司馬がお待ちかねです。
一緒に随行して頂けます様宜しく御願い申し奉ります。"
"その人いい男なの?その人が新しい御主人様なのね。"
リリスがそう尋ねた。
"違います^^;確かにまぁ・・・いい漢ですけど、そして理想の上官であります。"
"判った〜w)直ぐに行くよ〜"
服を着替えたリリスは、ユッキーの招聘に快諾し"橋立"に案内された。
〜to be continued...
by Kaguraneko(神楽ネコ)