<ラシャに悪戯>


 


 「うはははは! オラオラどうしたナイトさま! もっとしっかり締め付けやがれ!」
 「んああっ!」

 コトネがフォルテを引き取りクルルミクを後にしたその日、ハウリ王子の命令によって奴隷商人と疑わしき者たちの一斉摘発が始まった。
 尻尾こそ捕まれていないものの、はっきり怪しいオニヘイの下にも、当然捜査の手は伸びる。
 しかし、兼ねてよりこの日の来るのを警戒していたオニヘイは、先頭切って現れたのが女騎士ラシャであることを知ると、配下の憲兵たちを追い払った後に、いつものように口八丁手八丁でごまかしながら、ラシャが気がついた時には彼女を自分の部下が経営するホストクラブに連れ込んだ。

 「(やれやれ。確かこのねーちゃん、あのギルドボの旦那と素手でやりあって追い込むぐらいの実力だしな。正面からやりあって怪我するのはゴメンだぜ)」
 「き、貴様、私は公務中だぞ!? さ、酒など!」
 「まあまあ気にするな。この店のホストたちは、超がつくほどのイケメン揃いで、きっとラシャちゃんも気にいるぞ」

 実は、この店のホストたちは全て自分が詐欺で潰した他国の貴族や金持ちの息子たち。その中でも特に美系の男たちであり、オニヘイは潰したそいつらの家からこの者たちを金で買った。
 そうして表向きは極ありたきりのホストクラブを経営させる傍ら、裏では調教師として仕込んだこの男たちによって、主に貴族の令嬢やプライドの高い女戦士と言った特殊な属性の女を調教させて、奴隷として売り払う調教館としての役目も与えている。
 そして、今回はこの女を連れ込んだのであった。

 「だから私はそう言う…!」
 「気にするなって、ほれほれ。お前ら今日は俺様の奢りだ。高い酒どんどん持ってこい!」

 うおおおーっ! とホストたちが盛り上がる。

 ―ピンッドン! はいりまーす!

 ―ありがとうございますっ!

 「こ、こいつらはなんでこんなに盛り上がって…」
 「まあまあ、ほれ、飲め飲め。どんどん行け。公務員の安い給料じゃなかなか飲めない酒ばかりだぞ?」
 「そ、そう言うお前は…」
 「俺様はこのざらりとした梅酒の緑茶割りが好きなのだ」
 「そんなことは聞いてないっ!」

 そうこうしているうちにオニヘイは、油断させたラシャに大量の酒を飲ませて、無理やり足腰立たない状態にしたかと思うと、店の奥のベッドルームに連れ込んでしまう。そうして、今彼女を襲っている所であった。




 2.
 「んっ、あっ、あっ、き、貴様、やはり…」
 「あ? 何がやはりなんだ?」
 「ど、奴隷しょうにんあぅっ!」
 「うはははは! 何故そうなる!? 俺様は今、ラシャちゃんと楽しくえっちしているだけではないか」

 そう言いながら四つん這いにさせたラシャをげしげしと突き上げる。

 「んぅっ」
 「はんっ、ガマンするのはやめて気持ちよくなってしまえ。もうこんなにぬるぬるなんだぜ?」

 オニヘイの指がぬるりとラシャの中に押しいれられる。

 「はうううっ!」
 「む、締め付けがよくなったな。ラシャちゃんはこうされるのが好きなのか?」
 「ち、ちがう…ああっ!」

 ほれほれとオニヘイの指がラシャの中でぐねぐね掻きまわされるとたまらず声が溢れる。
 そうしながらとろりとした蜜が、止まることなく溢れてくる。

 「おいおい、俺様のスーツ高いんだから、汚さないでくれよ」
 「だ、だったら今すぐこんなことをやめれば良いではないか!」
 「それはできんっ!」

 言うと同時に、思いっきり強く突き上げた。

 「あああっ! い、痛いっ!」
 「はははは、そう言えばラシャちゃんは、確か素っ裸で何年もあの迷宮に居たらしいな」
 「ど、どおしてそれをっ!」

 普段のラシャなら、今更それを指摘されたところで動揺などしない。
 しかし、しこたま酒を飲まされ、気がついたら裸にされて、あろうことかえっちまでされている今の情況では、冷静になどなりようもなかった。

 「つまりラシャちゃんは、素っ裸でいるのが大好きな変態さんと言うわけか。ふふん」
 「ち、違うっ!」

 オニヘイはラシャの背中に指先でつうっと文字をなぞる。

 「ふむふむ、『わたしはH大好きなおにゃのこです』っと」
 「や、止めろー!」
 「だはははは」

 今度はルージュを取り出すと、丸くて形の良いお尻に落書きをした。

 「・・・H、と」
 「き、貴様あっ…!」
 「ふふん、H大好きなラシャちゃん、それでは遊びは終わりだっ!」
 「あ、ああ!」

 ラシャの腰を掴み、がっちりホールドすると、腰掛けた体勢でずばずばと突き上げ始めた。

 「はうっ! あ、あ、あ、ああうっ!」
 「だははは、一発目、GO!」
 「や、やめてくれーっ!」

 無論、制止など聞く耳持つはずもなく、遠慮なくずばばっと中に発射した。

 「うっ…くっ…くううっ…」
 「安心しろラシャちゃん。気絶するまでたっぷり気持ちよくなった後は、元の場所に帰してやるからな」

 自分は今日、この後すぐにクルルミクを後にする。フォルテの祖国に用意した新事務所に引っ越す。
 そこまで逃げてしまえば、例えクルルミクの騎士団と言えど、おいそれと自分に手を出すことはできなくなるわけであり、そうして、しばらくはそこを拠点に活動するつもりだ。

 「はあ…はあ…き、貴様…こんなことしてただで…!? な!?」
 「ん? どうした?」
 「ま、また…おっき…」

 一発放って、すこし萎えたはずのオニヘイのモノはラシャの中でまたむくむくと大きくなってきた。

 「おお、ラシャちゃんがあまりに具合が良いのですぐに復活してしまったな。では、折角だから二発目行くか!」
 「い、行かなくていいっ!」
 「うあははは、遠慮するな! たっぷり味わえ!」


 …

 ……

 ………

 …………

 ……………


 「は、はうっ…うぁ…、あ、あ…」
 「うーむ…凄いなラシャちゃん。幾らでも行けそうだぞ、俺。つうわけで六発目、GO!」
 「っう…も、もおやめろ!」
 「何を言う! まだだ、まだ終わらんよ! とおーっ!」

 一発目の時と、全く衰えない勢いでオニヘイは本日六発目をラシャの中に発射した。

 「うあっ、あ、あああっ!!」

 膣の中に溢れてくる感触に、たまらずラシャも声をあげる。それでも尚、絶好調で突き上げ続けるオニヘイの感触を感じながら、そこでラシャは気を失った。


 次に気がついた時には、宿の一室で部下たちが迎えに来たところであった。