私達は配管工の誘いに乗ってパイプの中流れる水と共に進んでいた 「・・・ずいぶんと長い間流れているな」 フウマがそう呟く 「そういえばなんか角度が急になってるような・・・」 そう答えた矢先に流れが垂直になった ・・・どぼーん 私達は湖に転落した・・・ 鎌が流石に重いが手放す気は無い為そのまま意地でも泳ぎきろうとする フウマは流石は忍者といったところか、難無く泳いでいた ふと後ろを見るとジキルとルビエラが装備の重さで溺れかけていた 「・・・(あせあせ」 「わーん、せっかく集めたのにー!!」 二人は水中で装備を脱ぎ捨ててどうにか泳いでいった ・・・・・・ 「どうにか岸に辿り付けたわね・・・」 「・・・」 「うー、お宝・・・」 「よくそんな重そうな鎌を持ったまま泳ぎきれたな」 「そりゃここの下衆共を処刑するのに必要だから手放すわけにはいかないじゃん?」 「まぁ何にせよ大したものだ」 「褒めても何も出ないわよ?」  5F "巨大貯水湖" 改めて振り返ると地底湖が悠然と聳えている・・・ 「ここが例の地底湖のようね・・・」 「流石に泳いで向こう岸には渡るには少々厳しいものがあるな」 「触手の化け物も棲んでいるって噂だっけ」 「噂に過ぎないかもしれないが何が出てもおかしくないな」 「まぁ、ここで何時までも湖を見てても仕方が無いしとりあえず進もうか」 「・・・そうだな」 「ルビエラ、いつまでもしょげてないでさっさと行くわよ」 「うー・・・」 私達は地下5Fを大胆に進んでいった 「ちょっ、ルビエラ!何ぼーとしてるのよ!」 「え・・・? あ」 まだ水中で脱ぎ捨てた装備の事を引き摺ってるようで 注意力が散漫だった為ルビエラが罠に引っかかってしまった その瞬間足元の床がスロープになり私達は下の階層へ滑り落ちて行った・・・  6F "暗黒の迷宮" 「・・・まっくら(ぼそ)」 「全く何やってるのよ、ルビエラ・・・」 「ご、ごめんよぅ・・・」 「・・・何かの気配が来るぞ、気をつけろ」 暗闇でよく見えない状態の中魔物が襲撃をしてきた 「・・・あぅ」 「ちぃっ!!」 「わぁっ!」 「くっ、このっ!」 ・・・・・・ 「・・・なんとか倒せたようだな」 「いたた・・・相手が殆ど見えないのは厳しいわね・・・」 「・・・」 「痛いよぅ・・・」 「・・・ジキル、まさかとは思うけど生きてる?」 「・・・・くぅ・・・。」 「もうちょっと何か喋りなさいよ・・・」 ジキルとルビエラは先ほどの戦闘で動けなくなったようだ 「・・・囲まれたか」 「え?」 魔物との戦闘の間に集まっていたらしく、次々とならず者達が現れる 流石に光源が無いと私達を見つけられないので持参していた 「相手が見えるのだったらこっちのもんよー!」 「その程度の人数で捕らえられると思うな」 ・・・・・・ 「全く、光源まで破壊してしまってどうする」 「あんたも人の事言えないでしょ」 「奴らも必死だったから仕方があるまい」 「まぁ、一旦休憩しましょ・・・」 「そうしよう」 ジキルとルビエラに回復魔法を唱えるも回復せず歩くのがやっとのままだった まぁ、これまでに一度も成功した記憶がないんだけどね・・・ 「二人もまともに動けないんじゃ一度戻った方がいいっぽいなぁ・・・」 「流石に二人でどうにかなる場所でもないようだしな」 私達は一旦帰還することにした・・・ まさかその後1週間に渡って戻れなくなるとはその時は思いもしなかった・・・