−失われしもの−
※注 先に捕らわれしもの、からお読み下さい(ノД`)

 3月27日
「マスター、こちらにセレニウスさんは戻っていませんか?」
私はそう尋ねた。服は肌着のままだし、顔は汚れてしまっているが、気にしている場合ではない。

私はフォルテ。邪悪な魔法使いワイズマンを倒すためにパーティーを組んで迷宮に挑んでいる。
何とか地下六階まで潜れたものの、トラップを感知出来ず、セレニウスさんとはぐれてしまった。
その安否を気にしてマスターに尋ねたのだが…

「いや、そいつは帰ってきてないぞ」
と言われた。私はがっくりと肩を落とし、そうですか、とつぶやいた。
周りからは帰還したパーティーや男たちから、「エレシュパーティーが堕ちたらしい…」とか「スピリアさんが…」とか聞こえてくる。
私は…酒場を見渡した。随分と人が減ってきているように感じる…

ここにはいろんな女性がいた…性格や種族、職業様々だったが賑やかで楽しかった。
しかし1人、また1人戻ってこなくなった。
特にショックだったのがアリスさんの時だ。あそこまで自信満々で生命力に溢れてて私には眩しかった。
その人でさえ、ギルドの魔の手に堕ちた…多くの人が悲しんだ。
だから…だからこそ私はこんなふざけた使命を早く終わらせるべきだ、と思った。
それがあんな無謀な行動を取らせ、仲間を捕らえられてしまうことになるなんて…


「はぁ、参っちゃったなぁ、ホント」
コトネさんの溜息が耳をつく。
ここは地下六階のダークゾーンだ。周囲は見えづらく、装備もない今探索は困難かもしれない…実際反対意見もでた。
しかし私は、「幸いみなさん無事なのですからここはもうしばらくこの階層を調査するべきではないでしょうか?」
と主張し、説き伏せた…無謀だとは思った、しかし脳裏に蘇るのはアリスさんの顔…
「失われていい人などいないのですから…」そう自分に言い聞かせ、前へ前へ進んだ。


それが失敗だったのだろう、結果としてパーティーは壊滅的被害を受け、
セレニウスさんが殿軍を引き受けてくれたおかげで地上まで逃げてこれたが、そのセレニウスさんは帰っていないという…
私の責任だ、私のせいでセレニウスさんは捕まった。頭によぎるのは今まで捕まった女性たち、アリスさん、そしてセレニウスさん…
一体どうしたらいいのだろうと思っていると、
「リーダー、まだ終わったわけじゃない、すぐ助けにいこう」
「大丈夫!セレニウスさん強いもん!きっとまだ無事だよ!!」と二人の言葉が心に染みる…
そうだ、後悔するのは後でもいい。失わない為にも今は前を向こう。
「そうですね、すぐにセレニウスさんを助けにいきましょう」

そう言って私たちは龍神の迷宮へ向かう、1人でも失う人をなくすために…

 終
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拙い文章ですがいかがでしょうか?
ここ最近一連の動きを見て書いてみました。
内親王であり純粋なフォルテさんは現状をどう思っているのかな、と思いつつ筆を進めてみました。
あんまうまくはないですが、楽しんで貰えれば幸いです(ノД`)
あとあと、コイン11さんのSSの文章をすこ〜っし写させて貰ってます。
どうしても状況的に被っちゃうので同じ文章で書きたかったのです。
不愉快に感じたら言って下さい(つwT)

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