月の石が砕けた夜に・ムーンストナ


 性奴隷として宣言をした所で、それは自分を取り巻く環境が変化するだけであって内情はさして変化するような事は無い。
 折れかけていた心、追い込まれた感情から、今の自分が置かれている環境から逃げ出そうと奴隷宣言してしまう娘がいる。ただそれは単純に、凌辱する場所が玄室では無くなったというだけにしか過ぎなかった。
 自由に抵抗する事が出来ないようにと、特殊な呪文がかけられている首輪をつけられては、玄室から連れ出される。これは奴隷宣言した相手にしか使う事ができないが、本人の声で奴隷宣言する事によって呪縛の鎖となる。特殊なワードを唱えれば、首輪は即座に適度な締め付けをあたえて軽い酸欠状態に陥らせるという代物だ。
 呼吸が出来ない状態で戦う事が出来る訓練をしている人間などそうはおらず、また身体機能は呼吸をする事で成立する部分がある。
 だから、この首輪をした性奴隷達が逆らう事は出来ない。文字通りの、首輪なのだ。
 と、それだけ聞けば普通に逃げる奴隷達を戒める道具としての機能を考えるのが普通なのだが。それをまた別の方法として考える人間が、世の中にはいる。

「あが……っ、ごあっ、おごごごご……ぅ……ッ!」
 口から精液混じりの泡を吹き出しながら、ムーンストナはその端正な顔を苦悶に歪めていた。ベッドの上に組み敷かれ、その上で醜い顔を歪めてたるんだ腹をブルブルと震わせながら、松葉崩しという格好で貫かれている。
「そうだ、もっと締め付けろっ。このメスブタがっ!!」
 男はそう大きく叫ぶと、直後にささやくようにして特殊なワードをつぶやく。するとムーンストナの首輪につけられている魔法石が小さく光を発し、首輪は締め付けられる。
「あがあああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!!」
 首輪に必死に指をかけて少しでも隙間を作り、締め付けられる喉元に空気を通そうと躍起になる。だが、魔法の道具によって行われる喉元への圧迫を止める事は出来ず、ムーンストナはその苦しみに悶えるしか出来ない。
 呼吸が苦しくなれば身体の方も自然と苦しみに合わせるように緊張しては、全身の筋肉がビクビクとこわばらせられていく。それは自然と膣肉をも巻き込み、男のモノをくわえ込んでいる股間の締め付けがきつくなる。
 そして、そんなキュッと派手に締め付けられる状態に男は恍惚を覚えながら、さらに歪んだ性欲をぶつけようと腰を振り立てる。
「おごおおおおおぉぉぉぉ……っ、あがっ、あがああああああぁぁあ!」
 その悲鳴は艶っぽさというにはあまりに無茶のある、必死に何かを求めるような苦悶の轟きである。普通の人間が聞いたならば思わず顔をそむけ、女性が耳にしたならば助けてあげて欲しいと懇願するようなレベル。
 だがそれは、ムーンストナを性奴隷として買い取った男にとっては賛美歌よりも尊く、行進曲のように勇ましく心を駆り立てる歌声だった。
「いいじゃないかっ、ずいぶんとサマになってきたもんだ……っ!」
 男はそこでグッとムーンストナの身体を引き寄せては、体位を強引に変化させる。ムーンストナと男自身が正面から向き合うようにし、深く性器同士が重なるようにくわえこませていく。
「あぎゃひぎいいいぃぃぃッ、あ……ごあぁっ、うがあああぁぁぁ!!」
 首を締め付ける魔法の力は今もなお働き続け、ロクに呼吸が出来ない状態を維持されたまま性器どうしの触れ合いは鈍い水音を立てさせる。
 だが男はさらにその体勢のまま、ベットから立ち上がるようにして駅弁という体位へとさらに移行していく。体重を支える部分が性器により集中され、その結合と痛みの感覚はより強くなる。
「おごがぁ……ぐぶっ、ば……あががががあああああ……ぁぁぁ」
 もはやそれは無意識のうちに自身を少しでも楽にさせようと、ムーンストナは男の背中に足を絡めるようにしてグッとしがみつく。それがはしたない行為だと知識はあっても、首を締め付け性器に食らいつく刺激をちょっとでも緩和したいと心が求めてしまう。
 だがそれは体重が分散しても、性器の奥まで男のモノを受け入れる行為に他ならなかった。
「くくっ、たまらんな。お前の性器もずいぶんと、ワシの形になじむようになってきたじゃないか」
 楽しげに男は声をあげながら、ムーンストナの汗のにおいを嗅ぐ。その臭気すらも即座に欲望に変換させて、男は派手に密着している状態で腰をさらに振り立てる。
「おがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ……おあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 ほとんど隙間が無い状態でも、強引に腰を振れば勝手に隙間は出来上がっていく。男の醜い肉棒はムーンストナの秘肉を巻き込み、膣口をまくりながらも刺激を加える。
 その刺激はムーンストナの膣壁を大きくうねらせ、男の肉棒を全体的に柔らかく包み込む。まるで挨拶に挨拶をごく自然と返すように、肉棒と膣肉同士が会話をしているかのような性刺激だった。
「出すぞ……っ、このメスブタっ。薄汚い便器女……ッ!」
 男はそこでトドメとばかりに、特殊なワードをつぶやく。それによってギリギリいっぱいまで負荷をかけられたムーンストナの肢体は、電気でも流されたかのように男のモノを一気に締め上げた。
 ぶびゅっ、びゅぐっ、ぶじゅるる……
「がはあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 口からさんざんに悲鳴とよだれをほとばしらせていたムーンストナは、ひときわ高く叫び声をあげる。そしてそれと同時に、酸欠状態の限界に達した彼女の身体を失神へと追い込んでいく。
「あばばばばぁ……ぅ、がぼ……ッ、ごばぁ……」
 口元からさらに泡を吹き出し、今までグイグイと締め付けられていた膣肉から力が抜けていく。いや、それは性器のみでなく、ムーンストナの全身が脱力させられていく。
 じょぼっ……じょぼぼぼぼ…………っ
「ハッ、おもらしか! その年齢でおもらしするとは、なんと下品な女なんだ! まったく、これだからメスブタは困る!!」
 男は好色な笑みを満面に浮かべ、ムーンストナが脱力のままに漏らす小便を受け止めていく。その漏れる尿の暖かさは、男に心地良さをあたえさらなる射精を促す。
 普通の男が放つ量よりも圧倒的に大量の精液を注ぎ込み、そして無造作にムーンストナの身体をベットへと放り投げる。
「ふはっ、ふははははっ、ははは……っ。まったく、今回の娘は本当にこう……いい買い物だったもんだ」
 ベッドの上で完全に失神したムーンストナは、その身体をだらしなく広げてはピクピクと性器を震わせる。もうその膣肉も菊座も処女だった面影は無く、男の肉棒を受け入れ続けた醜いビラビラをはみ出すばかりだった。
「しかし例のハイウェイマンもしばらくはお預けって事は、また新しく女を確保するルートを探さないとならんよな。せちがらい世の中だ……」
 男は本当にそれを面倒そうだと思いながら、枕元にある水を飲む。こういった男にとっての心からの悩み事は、性欲を満たす女の確保が面倒だという所に集約されていた。

 もうすぐ、一つの物語が終わる。
 だが、その間に犠牲になった数多の冒険者達の末路は、往々にしてこういった物であったらしいと……

 記されている。