終わりとこれから始まる物語


 とある王国のオニヘイ事務所の一室で、オニヘイと側近の男が話している。
「…という風に、ハウリ王子は今回の事件を片づけるつもりみたいですね。」
「んー、ご苦労。」
ワイズナー事件の事後報告を終えた、側近は自分のボスであるオニヘイをみた。どこか気が抜けているような、感じのぼへぇ〜っとした顔になっている。
それも仕方ない、と思う。つい先日本願のコトネさんとエッチすることが出来たのだから…おまけに何回も出していたわけで…
おかげで危うくレイラPTと遭遇してばっさり斬られかねないところだった。
「っと、そうです、ボス。紫の賢者の処遇はいかが致しますか?」
「とりあえず、どっかの部屋に閉じこめておけ。ただしちゃんとした待遇でだぞ?コトネちゃんを釣る為の餌なんだからな。特にうちの発情中の馬鹿どもには気を付けろよ!?」
「大丈夫です、罠と魔法式の罠、それに信頼できる者を紫の賢者の護衛につかせてあります。当然刃物を取り上げ自殺出来ないようにしてあります。」
「んむ、ならいい。フォルテちゃんは脆いからな、あんまりやりすぎて壊れても困るからな。」
今組織内は、人気の高いフォルテが来たということでお祭り騒ぎだ。それこそさかりのついた犬のように…
「万が一壊れて取り返しがつかなくなってみろ?コトネちゃん怒りだしてここら一体焦土にするぞ('A`)」
「コトネさんですからね、それこそやりかねないところですが…でもボス一体どうやってコトネさんを呼び出すおつもりです?
例えばフォルテちゃんを返してほしければオレの物になれ、とか?」
「あーそれはだめだ。それじゃいつコトネちゃんが爆弾持ち出してフォルテちゃんと逃げ出すかわかったもんじゃねぇ。そうだなぁ…いっそフォルテちゃんの境遇利用するか?」
「と、言いますと?」
「つまりだ、フォルテちゃんは今帰るところもないし、下手に出ていけばそれこそ暗殺されかねない。だからオレが匿ってあげるから、コトネちゃんもおいで、と。
これなら逃げることもないだろうし、コトネちゃんをじっくりオレの物に出来るじゃないか、わはははははははははははは!!!(゚∀゚)」
「なるほど、それならなんとかなりそうですね。」
「だろ?だろ?うわははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!(゚∀゚)」
と、高笑いが止まらないボスだが、結局コトネさんが紫の賢者が好きという気持ちに変わりがない気もするのだが…まぁ良い気分なのに水を差すこともあるまい。
何より今の状況がおもしろい。片や某国の内親王、片や天才武器職人。おまけにこの人は大奴隷商人でクルルミクの真相まで知っている。
こんだけ様々な要素が絡み合った者たちも珍しいだろう…これなら、
「当分飽きることはなさそうですね」
「ん?何か言ったか?」
「いえ、それではボスそういう手筈でよろしいでしょうか?」
「んむ、いつも通り任せたぞ。」
そうして側近は部屋を出た。

「さて、これから忙しくなりそうですね。」