刀 ―カタナ―



「へへへ、おい『あの』アリスを捕らえたって?」

ハイウェイマンズギルドのターゲットランキング1位のアリスを犯せる、と聞いて、
龍神の迷宮4Fの玄室には、大量のならず者たちが集まっていた。

そして、その中にはあのオニヘイの姿もあった。
集まったならず者たちの数は、ざっと200人以上だろうか…

―に、匂うな。もの凄い牡臭さじゃねえか。
こんなに大勢に野郎どもに、これからいいようにされるたぁ、
あのアリスとか言うねーちゃんもついてないよな。

あいも変わらず、自分のことは棚に上げた分析をするオニヘイは、
アリスが今回のクエストに登録に現れたときのことを思い出していた。



「ワイズマンなんて、天才のアタシにかかれば楽勝よね、うん! 待ってなさいよー」

コトネよりも年下に見えるその少女だが、
初めて見かけた時、、強い自信に溢れた目をしていたのが今でも印象に残っている。

またオニヘイがモノにしたいと様々に罠を張り巡らせている(全て失敗しているが)
コトネよりも、優れた才能を持っているようにも見えたが、
同時に、その才能が自滅への道をはやめるのではないか…とも思った。




―まあ、案の定と言うか。
とは言えそのおかげでこうやって俺様も美味しい思いが出来るわけだが…
それにしても…

集まったならず者たちの人数は本当に凄い。
行列はずらっと玄室の外周にまで続いている。


―パ○ンコ屋の新装開店かい(;´Д`)
あ、そう言えばあのコの持っている武器、
なんか珍しい武器だってコトネちゃん言ってたなあ。
えーっと、なんつったっけ…


オニヘイは順番を待っている間、ぼんやりと再び過去に記憶をめぐらせてみた。

それは、コトネがクルルミクの城下町に到着したばかりの頃。
ギルドに登録を行ない、オニヘイに街を案内されていた時のこと。
その少女は颯爽と、自身に満ち溢れた姿で街の雑踏の中にいた。

武器マニアであるコトネは、集ってくる冒険者たちの持つ、様々な武器に目を輝かせていたのだが、
その中でも異国風の剣「カタナ」を着用しているアリスの姿は、一際興味を引いたらしい。

「ねえ見てよおっちゃん。あの人が持っている剣。
なんだか珍しい形してるよねえ」

「剣なんて、斬れればなんでもよくね?」

「ちっちっち。武器って言うのは、見た目も重要でしょ。
あれ、確か『カタナ』って言う武器だよ。作るの普通の剣より難しいって聞いた事あるなー」

「へえ。そう言えばコトネちゃんの店じゃあ、売ってないよな」

「あははw そう言えばそうだね。
でも良いなあ・・・カッコいいなあ、『カタナ』。わたし、ちょっと近くで見せてもらおうっと」

「お、おーい(;´Д`)」




―そうそう。こんな感じ、こんな感じ。
で、2人は妙に気が合っていたんだよな。


「あら貴方。私のカタナに興味あるんだ」

「それはもう! 良ければ抜いたところとか見せて欲しいなあとか」

「いいわよ。それじゃちょっと見ていなさい」

そうやってすらっと鞘から引き抜かれた刃は、強い太陽の日差しをうけて
きらきらと輝いていたのを覚えている。
そして、それを見たコトネの目も、良いものを見せてもらったと、同じくらいにきらきらと輝いていた。

―可愛かったなあ、あの時のコトネちゃん。
思わずその場で押し倒したくなったもんな。

そんなことをしていたら、その場で切り殺されていたであろうが、愚か者。




「ねえ、貴方もワイズマン討伐のクエストに参加するの?」

「いやははw 色々と事情がありまして。
けどアリスさんの足引っ張ったりとかはしないよう、頑張りますから」

「当然よ。ま、コトネさん、でしたっけ? 
ワイズマンなんてこの私がかるーく倒しちゃうから、貴方の活躍の機会はあまり無いかもね」

「あはは、頑張ってくださいねー」

「いやいやいや! 何譲ってんの、コトネちゃん!」

「…何、あなた?」

それまで普通に会話していたアリスが、露骨に不審そうな目をオニヘイに向けた。

「俺様はこの町で冒険者ギルドの管理人をやっているオニヘイさんだ。
あんたのような冒険者は、うちで面倒見るんだから、顔ぐらい覚えて欲しいよな」

「と、おっちゃんが言ってます」

「ふーん…まあいいけど。
でも貴方、なんっかうっさんくさいって言うか、感じ悪い顔つきしているわよねえ。
コトネさんも、あんま変なのと付き合わない方が良いと思うけどな」

「実は私もそう思っているんだよね」

「あはは、変なの。それじゃあたし、もう行くから。
もし一緒にパーティ組むようなことになったら、その時はよろしくね」

「コトネちゃん、あんなコと付き合っちゃだめ! 不良になるぞ!」

「おっちゃん、それ意味がわからないから」

「ぐぐぐぐぐ…」




―全く。本当に生意気な小娘だったぜ。が、それもこうなっちまったら、もうおしまいだな。

「むぐぅ、んっ! んっ! うあああっ…いやああああ!!」

現実に帰ってきたオニヘイの目の前では、黒山の人だかりと化している中央で
先ほどからアリスが大勢のならず者たちによって犯され続けていた。

小柄な身体つきには不釣合いな大きな胸は、男たちの無骨な手により
揉みくちゃにされ、尖った乳首を強く抓りあげられると
その度アリスは苦しそうに悲鳴を上げている。

「はあ・・・はあ・・・もう・・・やめ・・・」

―ふん。 ん? あの武器は・・・

ふと見ると、アリスの愛用の刀がそのままにして、玄室の隅に放置されていることに気付いた。

―はん。こいつぁいい。

「よお、アリスちゃん。俺様の顔、覚えているか?」

漸く回ってきた自分の順番。だが、先ほどから続く陵辱にアリスは激しく喘ぎ続けていた。
否、叫び続けている。

「キャウッ! キャウッ! キャウッ! キャウッ! キャウッ!」

「はっ、姦られまくって、意識ブッ飛んで、もう何もわからないってか?」

「う・・・うう・・・」

玄室の中央に用意されたベッドの上で、四つん這いにされたアリスは、背後から男に貫かれていた。
美しい金髪をバサバサと振り乱しながら、絶叫している。
オニヘイは強引に髪を掴んで振り向かせると、その顔を覗きこんだ。

「よっ」

「あ・・・あんた・・・・」

虚ろに濁った瞳に、一瞬意志の光が蘇る。

「へえ、覚えてくれていたのかい」

それだけ確認できれば十分だと、背後からアリスの身体に覆い被さって行くと、
両手の指先で背中を撫で回しながら、耳元で囁く。

「アリスちゃん、この間は随分と舐めた口を聞いてくれたが、・・・どうだい? 今の気分は?」

「くっ・・・うあ・・・」

オニヘイの胸が、アリスの背中に密着して両手が前に回ってくる。
下を向き、たっぷりとボリュームのある乳房をすくい上げながら、
てのひらで尖りきった乳首をくすぐった。

「あぅ・・・! あんた・・・コトネさんと一緒にいた……なんで・・・」

「なんでって、俺こう言う奴だからなあ。クク・・・どうよ? たまらねえだろ?」

「うあああっ!!」

ぐっと乳房を強く握りまれ、指先で乳首を刳り出されでコロコロと転がされ、
そうすると否が応にも快楽を引き出されてしまう。

「ま、アンタぁ目立ちすぎたのさ。
程ほどでいりゃあいいものを、目立ちすぎて、目ぇつけられて。
ハハッ! あげくがこのザマかよ!」

オニヘイの指が、アリスの見事なボディラインに沿って、背中から尻のラインに沿って降りてくる。

「クッ・・・! あんた・・・まさか、あのコのことも・・・」

「いい勘してるじゃねぇか。多分、アンタが今思っている通りだと思うぜ?」

「ひ、卑怯者・・・うあぁ!!」

その反論は、尖っている秘唇をつまみあげられたことによって封じられた。

「ははっ、抵抗なんざ無駄だって。」

「はうっ!」

次の瞬間、背後から被さったオニヘイのペニスが、アリスの中を貫いた。

「ああーーーっ!」

「そうよ。アンタの思っている通りだ。
俺は、いずれコトネちゃんもアンタみたいに犯してやるのさ。こんな風にな!」

「あああああっ!」

パンッ、パンッ、パンッと、アリスの感触を確かめるようにストロークを繰り返しながら
秘裂にペニスを出し入れする。
リズミカルな粘着音を立てながら、アリスは追い込まれていく。

「アリスちゃんよ。
折角だ。アンタのこの「カタナ」って奴、俺がコトネちゃんに渡してやるよ。
いいコだからなあ。アンタのこの末路を知ったら、きっと本気になるぜ?」

「あっ、キャウ! キャウッ! キャウ! キャウ!」

アリスは全身から汗を噴出しながら悶えまくっている。
パンパンに膨れ上がった乳房の先端では、ピンク色の乳首がこれでもかと言うぐらいに尖っている。

「うあああ・・・ああっ、アアーーー!!!」

「・・・ふん、もう聞こえてねえか・・・。いいさ、別に」









「たっだいまー!」

「よおコトネちゃん! ってあれ? 今回はいつものような大怪我は・・・」

「やだなー、おっちゃん。私だってそんな毎回、ボコられてくるわけじゃないってば」

「そりゃそうだなー(ノ∀`)」

アリスがハイウェイマンたちによる陵辱の果てに、姓奴隷として売り払われた数日後、
コトネたちのパーティはと言うと、一応は無事に帰って来た。
そうしてオニヘイの事務所にとりあえず今回は無事だったと言う事を報告に現れたのだった。
部屋に入ってきてすぐ、コトネは見覚えのあるカタナが投げ出されていることに気付いた。

「あれ? ねえ、おっちゃん。そこにあるカタナって・・・」

「さすがに目ざといねえ。実はな…」

オニヘイはアリスが迷宮の中で行方不明になったこと。
だが自分の部下がアリスたちが最後に消息を絶った場所にて、
なんとかこのカタナだけは回収できたと言う大嘘をコトネに語る。

「・・・あの、アリスさんが・・・」

―うはっ! ビビってる、ビビってる。 可愛いなあ、ホント。

「で、おっちゃん。そのカタナ、どうするの?」

「あ、ああ!? そうだな。売れば結構な金になるとは思うけれど…」

「それはだめ!」

「むむ…良かったらコトネちゃんが使ったらどうよ。アリスちゃんの分まで頑張るって意味で」

「ム、ムチャ言わないでよ! 私、そんな武器使えるわけないじゃん!」

「そうかあ?」

「て言うかおっちゃんがアリスさんのご家族とかに、その武器返してあげたら?
顔が広いおっちゃんなら、それぐらいできるでしょ!?」

「う、うーむ・・・」

そうは言われても。と思うオニヘイだったが、なんとなく断りづらい雰囲気だ。

「それにしても最近さ。迷宮の中で行方不明になる冒険者が多いよね」

「ああ、コトネちゃんも気をつけないとなー。なんて」

「だよねえ。て言うかもしうちの武器使っている連中が、
迷宮で行方不明になっている女性たちに関わっているのだとしたら責任感じちゃうし…」

―まあその噂に勢いつけているのは俺なんだけど。


「あははw でも私が危なくなったら、おっちゃんが傭兵連れて助けに来てくれたりしてー」

「(ええ!? いや、どっちかと言うとそん逆・・・('A`))
おおう、任せておけコトネちゃん! がははは・・はは」

「なんて。おっちゃんにそんな度胸あるわけないか。じゃあまたね!」

言いたいことだけ言うと部屋を出ていくコトネの背中は、以前よりまた少しだけ頼もしくなったように見えた。
だがいずれにせよ、コトネたちは明日も冒険者たちを捕らえようとして暗い罠の口を開けて待つ迷宮へと降りて行くのだ。
果たして次も彼女たちは無事に帰ってこれるのか。それとも今度こそはとなるのか。

部屋の隅に投げ出されたカタナは、かつてそれの持ち主だった少女が輝きを失ったのと同時に
自身も輝きを失ったかのように、鈍い光を反射させている。
その光をぼんやりと見つめながらオニヘイは、カタナの持ち主だった少女と、
部屋を出て行ったコトネの未来を、一瞬重ね合わせてみると、
やがて、呼び出した部下にカタナをアリスの実家に返すよう手配してやるのだった。

―甘いよなあ、俺……