プレゼント

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コトネちゃんがパーティを組んで竜神の迷宮に挑むようになって、しばらく経つわけで。
迷宮の中は、かなりにぎやかになってきました。

今では数多くの冒険者たちが迷宮へと赴き、その中で何人かの運が悪かった人たちは、
ハイウェイマンズギルドによって姓奴隷とされ、売り払われたりもして入るわけで。

不幸な娘さんたちの売却に、自分は一部しか関わってはいませんので、
その後どうなったのかについては、売られた本人と、買っていった当事者にしかわかりません。

それよりも、部下の報告によれば、今日もまたコトネちゃんが迷宮の中でボコボコにされ、
行動不能となってパーティが帰還して来たらしく。

無論、例の胡椒瓶の効果なわけで。

あの効果によって出現する、迷宮下層のモンスター達は、
今のコトネちゃんたちの手に負える相手ではないわけで。

おかげでコトネちゃんたちは、未だに迷宮の1Fをうろうろしています。




※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「・・・ふう」

日記帳にそこまで書いて、オニヘイは一息をいれた。
コトネたちが迷宮に挑み既に10日近くが経過し、同時にスタートしたパーティも、
後からスタートしたパーティも、それなりに順調に迷宮の下層に進んでいる。
が、コトネの所属しているフォルテパーティは本来は迷宮第1層には出現しない筈のモンスターに行く手を阻まれ、
その都度コトネは怪我したり、ハイウェイマンに捕まったりを繰り返す日々。
おかげで最近街では帰還するたびに行動不能になっているコトネのことを、密かに「やられ役」とかふざけたあだ名で呼ぶ者もいるらしい。
・・・全く。嫁入り前の女の子。しかも処女に対してそんな痛いあだ名をつけるとは、許せん話だ。
そもそもコトネちゃんは「やられ役」ではない。「犯られ役」なのだ。…俺にとって。
誰が上手い事を言えと言った。心の中で自分突っ込みをいれつつ、オニヘイはため息をついた。

とにかく、一体誰がそんな噂を流したのかは知らないが、部下に調査をさせた後に、犯人はきっちりしめておかなくてはいかんだろうとも思う。
そもそもコトネにとって一番悪い噂は、自分が流させていることなど忘れているが、そうして用意させた救急箱とお見舞いの花束を持つと、
今日もコトネたちの様子を伺いに宿屋へ向かうのだった。


「えーっと、ここだったな。コトネちゃんの部屋は・・・」
部屋の前まで来たオニヘイは、如何にも心配して走ってやってきたと言う風を装うために、わざと髪を乱し、
ついでに息を切らせた振りをすると、勢い良く扉を開けて入っていく。
「こんちわーっておお! グ、グッドタイミングッ!」
「う、うわ!? おっちゃん!? なんで!?」
部屋では今まさにコトネが上半身裸になって、仲間に治療を施されているところだった。

「いやいやいや、迷宮でコトネちゃんが“また”やられたと聞いて、大急ぎでお見舞いに…」
そう言いながらも視線はコトネの豊満な胸元に釘付けのオニヘイ。
そんなオニヘイをやれやれと見つつすっと盾になるのは、迷宮でもパーティの盾役を務める、神官戦士のセレニウスだが、
オニヘイはこの女のことが苦手だった。
どうもマジメすぎると言うか、冗談が冗談として通用しないと言うか。

「下がりなさい。ここは女性の寝室ですよ?」
「いやだから俺は心配して…」
「そんなこと言って、アンタ何か下心があってきたんじゃないかい?」
胡散臭そうに見るのは、実質パーティのリーダー、軽戦士のセルビナ。
この女もオニヘイは苦手だ。どうにも見透かされているような気がしてたまらない。

「い、いやいや…ホントだって! ほら! こうやって救急箱と、花束も…」
「へえ、おっちゃんいいトコあるんだねえ」
当のコトネは嬉しそうにニコニコして微笑みかける。それを見て、思わず胸の奥にぐさっと何かが刺さるのを感じるが、
それを悟られまいとオニヘイは言葉を続けた。
「コトネちゃんは色々な意味で大事な身体だからねえ」
(自分のモノになるまでは…)そう、そっと心の中で付け加える。

「ところでコトネちゃん、もしかしてまた少し強くなった?」
「当然です。 例え戦闘に敗北を喫しようとも、その敗北を経験に変え、日々精進するのです。
 常に前進の心を忘れてはなりません。そうすることで、騎士は…」
何故か代わりに答えるセレニウス。
「あの、私騎士じゃあ…」
「心持ちの問題です」
「は、はあ…」
微妙に引きつつ、それでも毎度命と貞操を助けてくれるセレニウスの言う事だけに従うコトネ。
どうやらこのパーティでの彼女の地位は低いらしい。

「いいからおっさん、とっとと出て行きなさいって」
「お、おう! わかった、わかったから睨むなよ! 
 それじゃコトネちゃん、これお見舞いの花! じゃあなー!」

オニヘイが冷たい視線を受けながら退散すると、コトネは折角来たのにとほんの少しだけ不満を口にする。
しかしセルビナああ言う一見親切そうな男こそが世の中で一番怪しいと断言する。セレニウスも
「一番怪しいかどうかはともかく、あの男は油断できませんね」
と言い切る。
迷宮の中で何度もならず者に襲われ、捕らえられた経験もあるだけに、そんなものかなあ…とは思うが、
ともあれ一応の納得をしてみるコトネは、お人よしだった。

と、ふと今頃になって、リーダーがいないことに気づいたのだが、
「ああ、さっきお菓子を買いに行ってもらったけど」
セルビナがさらりと言うと、マジメなセレニウスはなんと言う事をと言う口調で彼女を非難する。
「また貴方はそうやって。我々の隊列のリーダーを、その…」
「パシリ?」
合わせてみた。
「そうそう、それそれ!」
「だ、だからそういうことをさせるのではありません! 
 コトネも合わせるのではありません! 後でちゃんと謝っておくのですよ!」
「はいはい、それじゃあコトネ。 明日の朝にはまた迷宮に行くんだから、しっかり養生しておきなよ。
 ほら、神官戦士さんも、出てった出てった」
「あ、もう。 …で、ではコトネ、また明日迷宮の入り口で」
「あ、はーい。それじゃよろしくでーす」

何やら言い争いをしながら、ぱたん。と扉を閉めて二人が出て行くと、急に部屋は静かになった。
ストーブの上でちんちんと音を立てる薬缶の音を聞きながら一人でいると、
どうしても自分がパーティの足引っ張ってるんじゃないかなーとか、
探索が進まないせいで一向にはかどらない本来の目的のことを考えてしまう。

ふとコトネは先ほどから部屋の中を支配している強烈な香りに気づいた。
「くんくん…何この匂い?」
先ほどから部屋の中に充満している香りは、オニヘイの持ってきた花の香り。
妙に強い香り持つその花は、締め切った部屋の中で一層強烈に匂い始める。
「この花からだ。おっちゃん、一体何持ってきたのさ。
 この花、なんかめちゃくちゃ匂うって言うか…はぁぁ…なんかクラクラしてきた…」

気がつくとコトネの頬は紅潮し、息遣いが粗くなっていた。
それに伴い、何故か全身が気だるくなってきたような気もする。
実はオニヘイが持ち込んだ花の香りには、元々性的な作用を高める、所謂、催淫作用があるのだが、
買ってきたのはそれをさらに強力に品種改良を施した新種で、本来は恋人たちが気分を盛り上げる時などに使用するらしい。
ただ何分にも効果が強力すぎるため、通常のルートでは販売していない花でもある。
オニヘイは部下に花を買いに行かせたが、普段花になど興味の無い男であるため、特に種類は指定していなかった。
その為部下は気を利かせてわざわざこの花を選んできた。
よってもしこの場にオニヘイがいたら、「GJ」と褒美の一つも取らせる場面になるのだろう。
だが、あいにく本人は部屋を追い出されてしまっている。

そして仲間たちが気を利かせて暖房を入れたままである部屋は、外の強い日差しのせいで、いつの間にか蒸され、
熱と、花の放つ強力な香りが一体となり、いつしかコトネの身体を蝕み始めていた。
「はぁぁ…花、いい匂い…あぁ…はぁ・・はぁ…」
コトネは微熱に魘され、ベッドの上に仰向けの状態で倒れこむと、火照った身体を冷まそうと寝巻きをはだけた。
その状態でも形の良い胸はお椀型の張りを維持して天井を向いているが、ぼうっと熱を持った乳首はピンと張り詰めていて、
コトネの身体が快楽に犯されつつあることを示していた。

「はぁ…変だよぉ…何…ふぁっ!?」
熱く火照る胸先に思わず手を伸ばしてみると、思わぬ感触に驚き、一瞬手を竦めるが、
熱に魘された身体はすぐに快楽を求めて、コトネの身体を疼かせ始めたt。
そうして、始めは恐る恐る火照る身体を撫でさすっていた指の動きは次第に大胆になって行き、
いつしか自ら胸を揉み、張り詰めた乳首を二本の指で挟み、コリコリと弄び始める。
このような行為は普段のコトネであるならば、ありえない行為なのだが、媚臭を放ち続ける花の香りの効果たるや、恐るべしと言う所か。
やがて、激しさを増した指はするすると胸から下へと降りて行き、じゅんっと潤った秘所へと伸びて行った。

「あっ……」
そこは、自分でも驚くほどに濡れていた。
とろりとした水飴のような液体がねっとりと付着して、薄い陰毛をじんわりと透けさせている。
「んうっ、凄い…私の身体…こんなになってる…」
夢中になったコトネは、やわやわと秘唇の花びらを一枚ずつ愛撫し、さらにすっかり熱く潤った膣奥へと、
大胆にも指を挿し入れてぐちょぐちょとかき回しはじめる。
「ひゃああっ、す、凄い…何これぇ…らめぇえ…!」
自分で自分を犯すと言うシチュエーションに、興奮をするコトネは、
夢中になってまだ皮を被ったままの真珠を剥き、それをきゅっと摘み上げて、全身を流れる甘い電流に身を振るわせた。
「あっ、あっ、ああああああ〜〜〜〜〜っ」
ガクガクと身体が痙攣した次の瞬間ベッドに沈み、快楽の余韻に身体を委ねる。
「はぁ…はぁ…はぁ…? ん…っと…?」
ふと気がついてベッドの脇を見ると、そこには宿の主人がサービスで用意した化粧水の小瓶があった。
しばらくぼんやりとそれを見つめていたが、なんとはなしに手にとってみる。

瓶は部屋の熱気で温くなっている。
「んむ…くちゅ…ん…ぷはぁっ」
ぼんやりと、快楽で濁った頭のまま、瓶の頭を口に含み、くちゅくちゅとしゃぶってみる。
その行為に苦しくなって抜き出すと、今度はそれを敏感になった胸に押し当ててみた。
乳房の下部から乳首に向けて、丸い瓶の頭でこすりあげると、思わぬ刺激が身体を襲う。
それが癖になり、動きを少しずつ激しくしていくと、再び快楽が身体を支配しはじめた。
汗でぬるぬるとすべる肌の上を、つるつるとした瓶が舐めて行く感触が心地良い。
瓶と蓋の間の隙間が、乳首を軽く引っかいて行く感触がなんとなく癖になりそうだ。
「ああ…これ…いいかも…んっ」

琴音は、背筋をゾクゾクと震わせながら、つーっと、瓶を下半身へと滑らせて、
今度はこんこんと蜜を溢れさせている秘唇を大胆にも瓶でなぞりあげてみた。
「あっ、やっ!」
一瞬、異物が挿入された感触に躊躇したものの、快楽に支配された身体は、その抵抗を許さない。
屈したコトネは、とうとう自らを化粧瓶で犯し始めるのであった。
「んっ…やだ…わたし、何してんのぉ…いやっ、止まらない、止まらないよぉ…」

くちゅ…くちゅ・・・
くちゅ…くちゅ・・・

部屋の中に響く、隠微な音と、少女の喘ぎ声。
豊満な胸を自ら揉みしだきながら、大胆に瓶を出し入れして熱く潤んだ秘肉をまぜかえす。
「ああああ、あっ! ああんっ!!」
部屋の外に声が漏れることも気にせずに、激しく悶えまくる。
「あっ、あっ、ひゃああ…ああんっ、凄い、凄いのおおおっ!!」
ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てながら出し入れされる化粧瓶が与える快楽に身を委ねるコトネ。
もう絶頂が目の前に迫っていた。
「あ、あ、あ、はぁっ、来る、何か来る、来るのっ、ああああああああーーーっ!!」
まるで全身が融けていくかのような感覚に支配されながら、コトネはとうとう化粧瓶によって絶頂を迎えてしまった。
そうしてハァハァと息を喘がせながら、精も根も尽き果てたとばかりにベッドの上に肢体をさらけ出すと、そのまま…崩れ落ちた。






コトネが化粧瓶で自らを犯していた、その少し前。
「うーむ、やはりさっきはコトネちゃんとロクに会話も出来なかったし… もう1回、ちゃんと様子を見に行くかね、へへっと」
懲りない男、オニヘイはセレニウスたちが酒場にリーダーを迎えに行くのを確認すると、もう一度コトネの宿泊している部屋と向かう。

「あっ、あっ、あっ、やあぁ! いいの! もっとしてぇ!」
「ぶーっ!!!」
思わず手に持つうーろんちゃを噴出すオニヘイ。

「な!? な!? コトネちゃん!? まさか俺以外の男に処女を!?
 ちょっと待ったあ! ってあれ? 鍵かかってる? おーい! もしもーし! もしもーし!!」
扉の鍵は、無論セレニウスたちがかけていったのだが、そうとは知らないオニヘイは、
部屋の中でコトネが別の男に抱かれている姿を想像して、焦りまくる。

「ま、待つんだコトネちゃん! 早待ってはいけない! オトメがそんな簡単に純潔を…」
「あ、ああんっ、気持ちいい…気持ちいいよおー、
 あ、あ、あ、はぁっ、来る、何か来る、来るのっ、ああああああああーーーっ!!」
「ぶるあああああああああ!!! ヽ(;@Д@)ノ」
焦りまくるオニヘイを他所に、部屋の中で何かが崩れる、どさっと言う音がした。
と同時に部屋の扉を蹴破って飛び込むと、そこには全裸ですうすうと息を立てて寝ているコトネの姿がある。

「って何この衝撃的展開は!?Σ(´Д`;)」
部屋の中には全裸のコトネ。ハァハァと息も絶え絶えにして、絶頂の余韻に身を委ねている。
オニヘイは目を疑う光景を前にしてなんとか状況を冷静に把握しようとするが、目の前の全裸の少女を前にすると冷静になどなれないのがこの男だ。
「よ、良く分からないが、これはつまり、…してもいいってことだよな。 わはははは、そう言うことならコトネちゃん、遠慮なくっ!」
そうしてすっかり舞い上がったオニヘイは、ズボンを脱ぐとコトネの上にのしかかる。
だが形の良い胸に手を伸ばそうとしたその時、部屋の外に殺気を感じた。

振り向くと、そこには怒りの表情の女性たちがいた。

オニヘイは、さーっと血の気の引いて行く音を感じた。

「ほ〜う。あんた、うちのコに、随分なことしてくれてるじゃないのさ」
ひくひくと顔を引きつらせつつ、瞳の奥には怒りが見えるセルビナ。

「おのれ、この恥知らずが!」
それよりさらに恐ろしい表情をして睨みつけるのは、セレニウス。

そしてその二人の後ろに控えるのはパーティのリーダーであり、賢者のフォルテ。
フォルテは、引きつった表情をしながらもつかつかと部屋に入ってくると、全裸で眠っているコトネの上にシーツをかけて、
窓を開けて、熱と媚臭で頭がおかしくなりそうな部屋の換気を行なう。
そうして二人に命じると、そのままオニヘイはずるずると引きずられて行き、問答無用で宿屋から叩き出されるのだった。





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その後、フォルテにより、この騒ぎはオニヘイが持ち込んだ花の成分が、
部屋の熱気により活性化されたために起きた事件だと言う事が説明されたのだが、
コトネたちのパーティが宿泊している間、オニヘイがその宿屋に出入り禁止になったことは言うまでもない。