『カルラの舞い』  シュッ、シャッ、シャッ、シュッ、 その足音が、一つすべるように踏まれるたびに、 首が飛び、心臓が刺され、喉に穴が開く。 いや、その動きすら、死ぬ者を惑わせ、混乱させる。 黒皮のぴっちりしたセパレートの衣装に、 ゆるやかな、前を帯で止めるだけの、東洋風の衣装をまとい、 時には、それすら脱ぎ捨てて、 舞うように動き、敵を屠るカルラ。 「すごいなあ・・・。私もダンサーやってましたけど、 カルラさんの動きには、とてもついていけません。」 アチャチャが、目を丸くしてその動きを見る。 後ろに回りこんだならず者の首筋を、グッサリ刺しながらだが。 「よそ見してると、危ないわよ。」 「はーい」 カルラが注意し、アチャチャが明るく返事する。 舞踊とダンサーだが、二人には通じるものがあるらしい。 回りには屍が累々と転がり、血まみれの舞姫は、 静かに舞を納めた。 「ホレ」 ハデスが、酒の小瓶を放った。 「ああ、おいしい」 酒がちょっとだけカルラの気を緩めた。 「ま、アチャチャができないってのも、むりはねえ。 何しろ、千年近伝えてきた舞だからな。」 ハデスの言葉に、ふっとカルラは笑った。 長い伝統を持つ舞の家元、それがカルラの生まれた家だった。 時代は、時として残酷なサイコロを振る。 長く伝えられてきた、すばらしい舞の一派があった。 その家に、長女として生まれたカルラは、 歴代の踊り手の中でも、飛びぬけた才能を持っていた。 それでなくても、清楚さすら感じる美貌に、 成長するにつれ、鍛錬と血が結合し、 その舞は、天魔の美として、有名になった。 だが、15歳の時、国が大国からの侵略を受け、 破れて略奪と業火にさらされた。 カルラの家のある村も、無数の兵に囲まれた。 司令官は、村長たちと降伏を願い出るカルラを見て、 『村を救いたければ・・・分かっているな?』 司令官や部下の前で、全裸で舞を舞わされ、 それを踊りきる彼女に欲情し、 神聖なはずだった舞台の上で、 「くっ、・・・うっ、うっ・・くううっ!」 ブチブチブチッ 押し上げられた腰の中に、 強烈な痛みと、それ以上の真っ暗な感覚が、 カルラの中を突き抜けていく。 しなやかな身体を、開くだけ開かせられ、 赤く、無残な雫を散らせながら、 舞姫は、食い破るほどきつく、唇を噛んだ。 「ゲハハハハ」 奇怪な笑いを上げながら、 司令官は、天魔の美と言われた舞姫を犯す快感に、酔い痴れ、 腰をさらに深く突き入れて、呻いた。 ドビュウッ、ドビュウッ、ドビュウッ、 「−−−−−−−!!」 処女の胎内にたっぷりとぶちまけ、 腰を数度震わせると、 さらにそれをくねり動かし、 苦痛に悶えるカルラを、ねめつけ、笑いながら突きまくる。 「おら、おらっ、これがお前の始めての男だ、よおっく味わえ!」 涙しながらも、必死に絶えるカルラを、 犬のように這いつくばらせ、後ろから獣のように犯し出す。 「−−!、−−−!」 赤く、苦痛に歪む美貌に、 呻きながら、震える乳房に、 汗が光り、涙が零れ落ちる。 滴りが、ボタボタと、赤と白の汚辱となり、 磨きぬかれた舞台を汚していく、 巨大なペニスは、何度もカルラを突き上げ、 まだ固い子宮口をえぐり、捏ね上げ、犯しぬいた。 「ひぐうううううーーーっ!!」 ギチギチッ、 肉の締め付けが、カリ首を激しくしごき、 怒涛が胎内を駆け上った。 ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、 胎内が、獣の精液で真っ白に染まり、 息すらできぬように、赤い唇を開き、喘ぎ、 カルラは、穢されきった事を思い知らされた。 わななく腰を、広げるだけ広げ、何度も何度も突き入れ、 征服の証を注ぎいれる。 「はあっ、はあっ、はあっ、」 身体を震わせ、カルラは頬を濡らしながら、喘いだ。 投げ出された足は、広げるだけ広げられ、 ようやく満足した司令官は、ゆっくりとあふれる膣から引き抜いた。 そこへ兵士たちが、でかいかごを持ってきた。 「外で、騒いだ者がおりましたので、しかたなく村ごと始末しました。」 首が山のように盛り上げてあった。 村長やカルラたちが、出てこないことを心配した村人たちが、 まとまって無事を願ったばかりに、格好の口実を与えてしまったのだ。 「と、父様・・母様・・」 父と母の無残な首もそこにあった。 「まあいい、そいつもついでに並べとけ、その前に全員で楽しんでよし。」 いやらしい笑いを浮かべた兵士が、首にすがりつくカルラをつかんだ。 コロッ、コロッ 二つの首がそこに転がった。 運んできた二人の兵士の首が、きょとんとした顔で、 低くなった地面と、そして、首の無い自分の身体を見ていた。 カルラの握る兵士の剣が、血を滴らせた。  スススス・・・  ほとんど動きを感じさせない、すべるような移動、 人が走るより早く、いや、意識すらさせぬ間に、 舞うような艶やかな動きで、カルラは司令官の横に来ていた。  天魔の美 あらゆる武術の源流には、その民族特有の『舞い』が存在するという。 リズム、動き方、身体操作の極意、全て武術の根幹を成すものばかり。 それゆえに、『舞い』を極めた者は、 武術の極意を体得していると言える。 カルラの両親は、娘を心配するあまり、 無抵抗に殺された。 そして幼い弟たちも、妹たちも。 カルラは、血のように赤く染まった目で、見ていた。 逃げようとした司令官が、その場で転んだ。 足が、主から離れて、二つ並んでいた。 腕が飛び、陰茎が飛び、絶叫する口が裂かれ、舌が飛んだ。 絶命するまで、後悔と苦痛にさいなまれるように。 血に染まった舞姫は、赤い目で駆け寄る無数の敵兵を見た。 狂気が、身体を突き動かし、数十人を切り殺して逃げた。 いつしか、雨が降り出していた。 ザアザアと降る中、裸の少女は小さな土の墓を作り、 激しい落雷の中で慟哭した。 焼け付くような、怒りと悲しみだけが、 彼女の全てを、炎のように包んでいた。 カルラの名の起源は、『ガルーダ』と呼ばれる無敵の神の鳥。 『ガルーダ』は、邪悪で強大な『蛇の神』の天敵である。 同じ思いを持つ同志を集め、組織を『ガルーダ』と名乗った。 国を滅ぼした大国は、剣に蛇をからめた旗を使っていたからだ。 「私には、もはや国も財産も無い、あるのはこの身体のみ。」 カルラは、何の代償も栄光も約束しない。 ただ、自分の身体をどのようにしてもいいと、 力を持つ男たちの前に、身を投げ出した。 妖しい微笑の魔性、それに誰も逆らえなかった。 唇に、肌に、胎内に、群がり寄る男たちは、 無我夢中でその身体をむさぼり、 カルラは狂ったように、幾晩でも男たちの欲望に応え続けた。 カルラの狂気に魅せられ、何人もの女たちが、 自ら身を投じ、激しい狂乱の宴が繰り広げられた。 そのどれも、恐ろしく美しい女ばかり、数十名にもなった。 カルラは、自分は狂っているのだろうと、 他人事のように、思いながら、その中心に立って率いた。 何人もの子を宿し、それを堕胎し、ガルーダに捧げた。 力のある男たちが、その魔性に率いられ、 おびただしい数の暗殺者が生まれ、大国の要人を次々と抹殺した。 どんな大国も、率いる人間がいなくなれば、柱を抜いた家も同然。 わずか10年のうちに、王は次々と退位し、 内乱が群発、そして、四方から攻められ、奪われ、 王城は、炎に没した。 王と王の一族は、孫や全ての血筋に至るまで、 一切の痕跡を残さず、この世から消え去った。 狂乱が消え、男たちも、女たちも、いつの間にか立ち去った。 残ったのは、己の身体で引き入れた最初の男たちだった。 彼らを率い、時折暗殺業を引き受けながら、 全員を愛し、静かに暮した。 彼女は最初の約束を、一度も破ろうとしなかった。 自分をどのようにしても良いと、男たちが欲するままに、 自分の全てを捧げ続けた。 「カルラ様、私めもお暇の時期でございます。」 「そうか・・・長い間共にあってくれた事、深く感謝する。」 カルラは18ほどから、年をとることを忘れた。 今なお、そのころのまま美しかった。 男たちは、自分の精力が枯れると、 一人、また一人と、カルラの元をさっていった。 今日、最後の一人が白くなった頭を深々と下げた。 これから僧になって、残りの余生を過ごすと言う。 「最後の思い出を、よろしゅうございますか。」 「私はお前に約束した、それは今も同じだ。」 カルラは優しい目をして、男に応えた。 自分の狂った願いに引き込んだ男たち、 みな愛しみ、慈しみ、その欲望を喜んで受け入れた。 それが愛と呼ぶものと、どこが違うのか、たぶん誰にも分からない。 サラサラサラ、 衣擦れの音とともに、白磁の肌が露になっていく。 震えが来るほどの、美しい肌、 見る者の心臓が波打ち、鮮やかな薄紅が唇となって笑う。 ふくよかな胸のふくらみが、男の顔を捕らえ、 すすり上げる唇に、淡い桃色の乳首が激しく勃起する。 「はふっ、はああっ、ああんっ」 白い肌に、噛み痕をいくつも残し、 男の口が、乳房を貪り、すすり、舐め上げる。 自分の、思いのたけを刻み付けるように、 長い脚の曲線が男を捕らえ、飲み込んでいく。 たくましい腰が、深く、肉感的な腿を広げ、 そそり立つ剛直が、カルラの中に進入していく。 頬を上気させ、入り込む男に、 たまらずため息をついた。 ああ・・・こうやって、 大勢の男たちを、愛した・・・。 興奮で狂った目、目、目、 だが、それは自分が引き込んだ目。 カルラは微笑んでいた。 『私の身体でよければ、どんなにしてくれてもかまわない。』 群がる唇が、口を、耳を、乳を、股を、尻の穴に至るまでしゃぶりつくす。 「んっ、はあんっ、ああっ、あっ、あああ・・」 どれほど、その心地よさが、意識を飛ばしたことだろう。 あえぎ、のたうつ肌が、桃色に染まり、 鮮やかなあえぎの中、太腿を開かれ、女の全てを晒しだす。 無数の手に、まさぐられ、つかまれ、揉みしだかれ、 喘ぐ身体に、喰らいつくようにはいずり、膣を荒らし、アナルを貪る、 濡れて、蕩ける身体に、 男の欲望が、激しい脈動を打ちながら、いっぱいに張り裂けそうに入って来る。  グジュルッグジュルッグジュルッ 「んっ、はっ、はっ、んっ、ああっ、んあっ、」 うっとりとした顔で、抱きしめるカルラ。 初老の男に貫かれ、その激しい高ぶりを、 愛する男のように、自在に締め付け、絞り上げる。 ぶつかり合う腰が、恥骨を砕けんばかりに当て、 肉欲がたっぷりとたまった陰嚢が、カルラの尻にぶち当たる。 熱く脈打つペニスは、胎内を深く刺し貫き、 存分に柔らかい粘膜を貪ると、何度も、何度も、突入をくりかえし、 その胎内を突き上げた。 またがった男から、激しく跳ね上がる陰茎、 白い腹が深く穿たれ、喘ぐカルラを、後ろからアナルが責める。 蕩ける身体に、口に、白い脇に、 身体中に押し当てられる、快感の焼きごて、 こすり付ける亀頭が、次々と白い濁液をなすり、 顔から、黒髪から、浴びせられるザーメンが、身体中を白く染める。 ドビュッ、ドビュッ、ドビュッ、 ドクッ、ドックッ、ドクッ、ドックッ、 ビュウッ、ビュルルウッ、ビュグッ、 無数の男たちの精液が、 カルラの胎に、容赦なく注がれ、精子が子宮へとなだれ込んでいく。 あえぎ、痙攣し、のたうつ彼女に、 休むことなく、嵐のような律動が突き刺さり、 突き上げ、犯し、嬲り尽くす。 「はあっ、はあっ、はあっ、ああっ、いいぞっ、いいっ、」 喘ぐカルラの中で、男はさらに膨れ、痙攣し、 子宮口を探り当て、めり込んだ。 「うぐっ!」 突っ張る足先が、震えた。 ドビュウウウウウウウウウウウウウッ、 「んはああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」 灼熱する精液が、カラッポの子宮を激しく汚し、 精液が蠢き、粘膜にもぐりこんでいくようだった。 「姫様っ!、姫様っ!」 かつて、屋敷の最後の生き残りだった、庭師の少年は、 己の欲望の果てを、憧れの姫の胎に、精一杯押し当て、植えつけていく。 「ああ、いいっ、すごく・・・ああんっ、」 呻き、のたうつ美貌に、興奮はさらに高まり、 萎えないペニスは、律動を再開する。 姫の脚を抱え、はしたなく開かせ、 狂おしい欲望を、くりかえし突き入れる。 甘く香る体臭、悦びと闇に染まった笑顔、 だが、それでも、姫の喜びに興奮は高ぶる。 尻の穴を差し出し、唇で清め、またがった身体は、 奔馬のように、カルラを跳ね上げる。 ドスッドスッドスッドスッ 身体の底に突き刺さるような律動が、 カルラを、絶頂へとくりかえし突き上げる。 何も考えず、のけぞり、乳房を震わす。 もう、何もない。自分には何も無い。 カルラの瞳に、かすかに涙が光った。 絞り上げた灼熱が、うめき声を突き刺した。 「うおおおおおっ!」 深く、カルラと一体化した胎内が、 咆哮に震えた。 ドビュウウウウウウウッ、ドビュウウウウウッ、ドビュウウウウッ、 「んっ、はっ、あ、あ、あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」 黒髪が、宙を舞い、 そりかえる裸身が、美麗な曲線を描いた。 白い肌が、何度も色を変え、 胎に受ける精液が、子宮を何度も満たし、蕩けさせた。 喘ぐカルラを、次々と襲う男、男、男、 だが、それが彼女の望んだこと。 にっこりと笑い、果てた身体を起こし、 トロトロの内股を広げた。 押し入る黒い欲望が、とてもとても、いとおしく、そして哀しかった。 それゆえに、笑い、受け入れた。 「んあっ、ああっ、もっと、もっと、もっと、 私の身体がくだけるまで、犯して、嬲って、喰らい尽くしてぇっ!」 男の肌のにおいが消え、 子宮にあふれるほど注がれた精液の感触も、次第に消えていった。 「ん・・・そなたらか、今度はお前たちが私と同衾するのか。」 周りに、無数の亡者がいた。 カルラの魔性に引き込まれ、暗殺者として命を落とした者、 戦いに巻き込まれて死んだ兵士、 彼女が暗殺しつくした王家の一族。 「よお、そこのねえさん、一発やらねえか?。」 男は気がつかない、身体についた亡者たちに。 何人もの男が、亡者に誘われて、彼女にまとわりついてきた。 「いいぞ、いつでもいくらでも。もはや私は死んでいるのだからな。」 笑う唇が、淫らに濡れていた。 「んっんっ、んんっ、んううううっ!!」 ひくつく身体に、若い精液が激しく弾ける。 4人の男に輪姦されながら、その亡者たちのあえぎが聞こえる。 『さあ、死者同士、貪りあうのも一興ではないか。』 笑いながら、カルラは長い髪を震わせた。 FIN