【箱の中に巣食うモノ 〜イルミナ〜】  by MURASAMA BLADE!


 「いたたた…」
 闇の中に響く声。
 地面に打ち付ける事になったお尻をさすりながら、イルミナは立ち上がった。
 仲間の魔術師の灯していた魔法の光は、辺りに見当たらない。手持ちの松明を手探りで灯すと、彼女の周囲には誰もいなかった。それどころか、洞窟の景色が一変していたのだ。
 「なんて事かしら、テレポーターだなんて…」
 一瞬の油断だった。
 休憩に丁度いい部屋を見つけ踏み込んだ瞬間、仕掛けられていた罠が作動したのだ。一瞬で視界が暗転し、側にいたはずの仲間の声が聞こえなくなった。
 「全員、無事だといいのですけれど…」
 イルミナはそうつぶやきながら、仲間を探す。自分の不注意で仲間が散り散りになってしまったのだ。休憩が必要な程度に疲れてはいたが、休んでいる場合などではなかった。


 ――だが。
 イルミナは焦らず休憩するべきだったのだ。
 自分が休憩を必要とするほどに――一瞬の油断で罠を見落としてしまうほどに疲れていることに、彼女は気づかなかった。
 死と隣り合わせの洞窟では、一瞬の油断が命取りとなる。
 彼女はそのことに、経験の浅さゆえに思い至らなかった。
 そして、彼女はそれを自らの身体で思い知る。


 「…あら?」
 松明の貧相な灯りを頼りに洞窟を進むイルミナは、行き止まりにあたってしまった。
 そしてそこには、ひとつの宝箱。
 「…この状況での開錠は危険も伴うけれど、手持ちの回復薬は残り少ないですし…」
 彼女は迷った末、開錠を試みることにした。


 ――これも彼女の経験の浅さゆえの誤りだ。
 危機的な状況においては、宝箱など放置すべきなのだ。このような状況下に置いては、リスクを犯してメリットを得ることで状況を挽回しようとする余り、判断を鈍らせさらに状況を悪化させてしまうことがままある。


 カチャ、カチャ…。

 宝箱の鍵を開ける。幸い、罠は仕掛けられていないようだ。
 「開きましたわ…っ?!」
 罠が仕掛けられていなかったことに安堵し、イルミナが箱を開けた瞬間――

 シャアアアアアッ!

 宝箱の中から無数の触手が飛び出した。
 「キャアアアアッッ!?」
 開錠で両手を使用するためホルスターに仕舞っておいたダガーを取り出す間もなく、イルミナは触手に絡みつかれた。触手は素早くイルミナの胴や手足に巻きつき、四肢の自由を封じる。
 「宝箱の罠…ミミック!?」
 イルミナは、ようやくその罠の正体に思い当たった。


 ――ミミック。宝箱に擬態した魔物。
 イルミナの罠探知に、落ち度はなかった。確かに、宝箱には罠は仕掛けられていなかった。
 しかし、それは考えてみれば当然のことだった。罠が仕掛けられていては、冒険者が箱を開けてくれないかも知れない。それでは困るのだ。
 宝箱そのものが、罠なのだから。


 シャアアアアアッ!

 ミミックはイルミナを触手で吊り上げた。イルミナの足が地面から離れ、宙に浮く。
 ミミックはそのまま、触手の先端をイルミナの身体にこすりつけ始めた。
 「こ、このっ?!汚らわしい、離しなさいっ!」
 イルミナは引っかいたり噛み付いたりとささやかな抵抗を試みるが、触手はまるで応えていない。
 「んぐっ?!んっ、んーーーっ!」
 それどころか、大きく噛み付こうと開いた口に、触手が押し入ってきた。
 触手はぬるぬるとした粘液を滲ませながら、イルミナの喉まで侵入し、口元まで後退するという行動を繰り返した。
 「んぐ、んーっ!ん、んんぅ…!」
 「(何ですの、一体っ…にがいし、くるしいっ…)」
 激しい嘔吐感を覚えながらも、吐き出せない苦しみ。粘液は喉に絡みつき、触手は思うがままにイルミナの口中を蹂躙する。
 いつの間にか触手は、イルミナの手にも握られていた。イルミナの手の上から別の触手が巻きつき、手の中の触手が前後に動く。一往復ごとに触手がびくびくとのたうつ気味の悪い感触が、イルミナの手に伝わってきた。
 やがて、触手の動きが唐突に止まり――

 ビュッ!ビュルルッ!

 「んぐうぅぅぅっ?!」
 イルミナの口中に、身体中に、白い液体を吐き出した。白い液体は瞬く間にイルミナの口中を埋め、溢れた液体が喉の奥や口の外へと流れ出る。彼女の手を使ってしごかれていた触手は、イルミナの頭上から白いシャワーを浴びせた。
 「げほっ!げほ、げほっ…うえぇっ…!」
 触手が口から離れると同時にえずき、白い液体を嘔吐するイルミナ。胃液が食道を逆流し、胃に流れ込んだ白い液体とともに口から飛び出す。
 「はーっ、はぁっ…なに、これっ…」
 口元に涎を張り付かせ、大きく息をしながら、イルミナは自分が飲まされ、浴びせられた白い液体の正体を悟った。
 「(…まさか…精液?!)」
 イルミナは実際に見たことはないが、知識としてなら知っていた。
 精液。男性のペニスから吐き出される粘液。それは、女性を――
 「私に、子供をっ…?!…いやああああああああっっ!!」
 イルミナは自分の想像に恐怖し、あらん限りの力でもがいた。
 モンスターの子供など、孕みたくない。
 その恐怖も、イルミナに触手から逃れるだけの力を与えてはくれなかった。



 シャアアアアアアアアッ!

 ビリッ!ビリイィッ!

 「嫌っ、やめてっ!」
 ミミックが奇声を発するとともに触手がうごめき、イルミナの衣服を引き裂いた。
 鎧を装備していないイルミナは、触手にとって与しやすい相手だった。
 服だけでなく下着も取り払われ、生まれたままの姿を晒すイルミナ。年相応の膨らみを見せ始めた乳房や、薄い翳りを持つ秘所があらわになる。

 ニュルッ、ニチュッ…。

 触手はあの粘液を分泌しながら、イルミナの身体を這いずり回る。たちまち身体中が粘液まみれになり、触手がこすれるたびに不快な音を立てる。
 「嫌っ…何、これっ…こんなの…」
 しかし、嫌がるイルミナの表情には、わずかに悦楽の色が混ざり始めていた。股間の薄い翳りが湿り気を帯びて淡く光り、触手の粘液とは違う透明な液体が下腹部を這い回る触手を濡らす。
 ミミックの触手は麻薬に近い成分の粘液を分泌し、獲物を恍惚状態へと陥らせる。
 そのことをイルミナは知ってはいたが、徐々に現れ始めた快楽に押し流され、思い至ることはなかった。

 ニュチッ…。

 やがて触手の一本が、イルミナの秘所に垂直になるように構えられる。
 「…っ!…ま、待っ…!」
 悦楽に溺れかけていたイルミナがその動きに気づいたときには、遅かった。

 ミチミチミチミチイィィッッ!!

 「あぐうぅぅぅぅぅっ?!?!」
 身体を真っ二つに引き裂くかのような衝撃が、下腹部を襲う。
 ミミックの触手が、イルミナの処女地を一気に突き破ったのだ。
 突然の衝撃に痙攣するイルミナの秘所から、ぽたりぽたりと鮮血が流れ落ちる。
 無垢なる処女が、男を受け入れた証。

 ズッ!ズズッ!

 「ひぎっ?!っ、ぁがっ!…うごっ、か!…ないで…っ!」
 処女を失った悲劇に涙する間もなく、更なる衝撃がイルミナに襲い掛かる。
 触手はイルミナにお構いなしに、強引に膣内で前後運動を始めたのだ。粘液や破瓜の血が潤滑液になってはいたが、痛みを和らげるにはそれらは余りにも少なすぎた。

 ズブッ、ズブブッ!

 「はっ、がっ!…んぐっ!」
 イルミナは痛みに翻弄され、放心状態に陥っている。
 触手がイルミナの最奥を一突きするたびに、彼女は呻き、血と粘液が飛び散った。

 ズブゥッ、ズルッ!…ズリュゥッ!ズニュニュッ!

 幾度も激しい突きこみが行われ、ようやく分泌液がイルミナの膣を満たし始めた。
 「ひぐっ…ぁ、ふあぁっ…!」
 肉を引き裂くような音はぬめる肉のこすれる音へと変わり、イルミナの悲鳴も嬌声へと変化していく。
 痛みの先にある悦楽に、踊らされる少女。
 しかしその先に待ち受けているものは、確実にやってくる。

 ズニュッ!ズリュッ…ビュルルルッ!

 「?……っ!?」
 突然動きを止めた触手にイルミナが胡乱な反応を示した直後、熱湯のような熱い塊がイルミナの子宮を直撃する。
 触手の射精。
 「(!?…私の、なかに…モンスターの、精液がっ…!)」
 驚愕に眼を見開き、頭の中が真っ白になる。

 ビュルルルルッ!ビュルウゥゥゥッ!

 「ふああぁぁっ?!」
 その真っ白な頭の中を、精液の白が埋め尽くした。
 モンスターの精液が、子宮の中に溢れていく。イルミナの狭い子宮では全てを受け止められるはずもなく、子宮は膨らみ、それでも入りきらない精液が触手と膣の隙間から溢れ出る。
 触手の射精は長々と続き、子宮を満たす灼熱の汚液に、イルミナは身体を震わせる。
 その震えは、モンスターの子供を孕むかもしれないという恐怖か、嫌悪か。
 ――それとも、快楽か。



 ヌボッ…ビチャッ、ビチャチャッ…。

 「あ…うぁ…」
 幾度目かの射精の後、イルミナの膣を征服した触手はようやく彼女から自身を抜き取る。同時に、子宮を満たしていた触手の精液が、腹圧に押され放尿のようにあふれ出てくる。
 すでにイルミナの眼に光はなく、意識もわずかにつなぎとめられているのみ。


 「――あーあ、ミミックの精液でドロドロじゃん」
 「――こんなガバマン、使い物になるのか?」
 「――前がダメでも尻があるだろ。さっさと運ぶぞ」


 意識を失う直前、彼女の耳に入ったのは、男達の野卑な声。
 それが何かを知覚する前に、彼女の意識は闇へと落ちた。


 ――かくして、盗賊イルミナの冒険は幕を閉じた。
 その後彼女がどうなったかは、定かではない。



 ――END.





【キャラクター設定】
・名前:イルミナ

・設定:人間の盗賊。女性。15歳。処女。才能はあるが経験に乏しい。
    元はクルルミクの傍流貴族の娘だが、実家が没落したため盗賊に身をやつした。元々冒険者としての才があったため何とかやってこれたが、今後を考え自分を鍛え直すため「龍神の洞窟」行きに志願する。
    性格は基本的には温和だが、お嬢様気質が抜けていないため庶民を馬鹿にする傾向がある。性的な事には疎く、知識としてしか知らない。プロポーションは良くも悪くも普通。

・外見:ダガーを両手に持った金髪碧眼の少女。鎧等は装備しておらず、身軽な服装。

・性格:ニュートラル

・職業:盗賊

・設定レベル:
  経験レベル 5
  名声レベル 8
  才能レベル15

・運勢レベルとオプション:向上、潔癖、軽装、運勢レベル10

・ダンジョン方針:堅実