あれから数ヶ月の時が流れた。 調教士の女は応接間に現れた顧客に今回かかった費用と報酬の説明をしている。 「…以上で費用の内訳の説明は終わりです。何か質問はありますか?」 「うむ……いささか情報収集に金をかけ過ぎではないかね?」 「そうは申されましても私方に引き渡されていた時には既に壊れてたんですよ  それを修復するのにどれだけ情報を集め、時には虚言を弄して修復する苦労。分かりますか?」 「あー、分かった分かった。全てそちらの言い値で払おう。それより……」 「品物ですね。少々お待ち下さい」 女は席を外し、うやうやしくお辞儀をして部屋を出ていった。 少し経ってから、外から足音とジャラジャラと鉄鎖の鳴る音が聞こえてくる。 扉が開くと「おまたせいたしました」と女は満面の笑顔を見せる。 その後ろについてくる、犬のように這いつくばった人影。 頭には装飾の施された髪飾り。唇は淡い桃色のリップに濡れている。 細やかな刺繍の施されたドレスに身を包み、姫君としての衣装を身に纏ったハルヒの姿がそこに在った。 だが、首には物々しい首輪。はだけて露出したままの乳房。 大きく肩で息をし、苦悶の表情を浮かべて膣と尻。双方に刺さったバイブの鳴動に耐える姿は性奴隷そのものであった。 「……確かにハルヒ姫だな」 「あら、信じてらっしゃらなかったんですか?」 「いかに小国と言えど一国の姫を性奴として飼うなど実際目に見るまで信じられんよ。  それにしても……以前見かけたときはまだ口吸いも知らぬ無垢な少女のようだったが…」 「我々の努力の甲斐もあり、見ての通り今では殿方に尽くす事を何よりの喜びとする性奴になっております。さ、ハルヒ」 女に促されてようやくバイブの快楽から我に帰ったかのように、ハルヒはその場に三つ指をついて恭しく礼をした。 「…あぁ……こ、この度は…は、ハルヒをお買い上げいた、だきありがとう、ございます。  どう…か存分にこの卑しい、身を御堪能くださいませ……あたしは、勇者様専用の牝奴隷です」 「む、勇者様?」 「……申し訳ありません。幾度か調教を繰り返してみたのですが御主人様を勇者様と呼ぶ癖だけは抜けきらなくて。  お気に触るようでしたらその分だけ報酬から差し引いていただいてもけっこうですが…」 「いや、かまわん。わしも武門の一家。勇者と呼ばれて悪い気はせんよ」 「左様ですか。ではハルヒ。教えられた通り、勇者様にご奉仕なさい」 「……は、い。お姉様…」 ハルヒは言われるままに「失礼します」と客の下半身をいじり、 陰茎を取り出すと躊躇なく、小さな舌でそれの先を舐め取った。 その刺激に反応し、隆起し始めたそれを今度は口に含む。 左手は竿を懸命にこすり、右手で陰嚢を刺激する。手際よく慣れた手つきで陰茎を刺激していく。 「……ンぅ…ふ……ゆうしゃさは……きもひいいれす…ふぁ?…」 「ああ、その調子で頼む。娼婦にも見劣りすることもないな。驚いたよ」 「うふふ。さらに殿方に奉仕するだけで濡れてくるようにも調教しておりますわよ」 女は「ご覧下さい」と言いながらハルヒに刺さった二本のバイブを抜き取る。 その動きにハルヒの舌が一瞬止まったが、それに耐えるように更に動きを早めていく。 抜き取られたバイブには陰液が絡まって伸び、夏の盛りだというのにわずかな湯気を立てた。 客が「おお」と声をあげるとハルヒは恥辱からか顔を赤く染める。しかしそれすらも快楽として享受していくよう施されている。 気分が昂ったせいか、ハルヒの舌は更に激しく上下し、口もすぼめて精液を搾り取ろうと夢中でしゃぶりつく。 「…はあ…ん……ふ……ン…」 「ん、む…」 「…はぁ…はぁ……ンン……ゆうしゃさまぁ……おねがひしまふ…ハルヒの口に……ください……」 客は上目遣いで媚びるハルヒの求めに応じるように、溜まりきった精液をハルヒの口内にぶちまけた。 「……ん…あ……」 ハルヒは目を閉じて味わうようにその感触を受け止め、 女に教えられたように口の中で転がした後にうやうやしく飲み込み、惚けながらも再び礼を述べた。 「ん。……あり、がとう…ございまひた…」 喉に詰まった精液にむせながら王族の娘が自らに感謝を述べる。 その様子はさらに客の男の嗜虐性を刺激し、客は興奮した様子で女に問うた。 「…主人。報酬は上乗せしよう。ここでコレを抱くのに問題はあるか?」 「いいえ、まったく問題ございません。もはやそれはあなた様の物ですから。どうぞお好きに」 女がハルヒに視線を送ると、察したハルヒは床に寝そべってドレスの裾を自らまくり上げ、性器を晒した。 さらに大きく足を開いた後、自らの性器をいじり、ピチャピチャと音を立てながら懇願する。 「…あぁ……ここであたしを使っていただけるんですね……どうか、あたしを可愛がってください」 男はかぶりつくようにハルヒの膣に指を差し込んだ。 すでに十分に濡れていて二本の指は軽々とハルヒの膣の中に埋まっていく。 「ん、ふぅ……あ、…んんん……きもちいいです……ゆうしゃさまぁ…」 これは半ば嘘であった。 世辞にも上手いとは言えぬ男の指使い。快楽はあっても何か届かぬ歯痒さからハルヒは自ら腰を振り、指を誘導する。 その様子に気付いてか、女はハルヒに歩み寄ると、唇を責め立てながら乳房に指をはわせた。 かつては愛の誓いの象徴であったはずの口づけは、 女の調教により口を舌で犯される快楽をむさぼりつくす性技だと教え込まれ、 「……んんぅ…んっぅふぅう…」 かつては衆目に晒すことすら躊躇われた乳房は、 女の調教により歪め揉みしだかれる度に乳首を尖らせ、身体の芯を熱くする媚薬と教え込まれ、 「……やっ、やぁ…はあっあっ…」 かつては何者の侵入も拒んだ純白の処女だった膣は 女の調教により何者も受け入れ、こすり上げられる度にそれが人生の目的であるかのように錯覚させる夢となった。 「……ひぃ、あふ……ああ…いいれす……お姉さま…ゆうしゃさまぁ…!」 客は溜まらず再び隆起した陰茎をハルヒの中に無遠慮に奥まで挿入した。 客のそれは今まで調教に使用されたバイブから一回り大きく、 ハルヒは今までの調教が全て、その男の専用の性奴隷として開発されてきたことを知った。 それが幸福に感じてしまうハルヒはもう戻れない。 「……へ…へんに…なりぃ…そう、です…ぅ」 「ほらハルヒちゃん。もっと膣を締めて。勇者様にご奉仕しなさいな」 「……は、はいぃ……ゆうしゃさま……ハルヒはきもちいいですか…おねがい……あたしを捨てないで……」 「馬鹿を言うな。誰がこんな性奴隷を捨てるものか。この後も散々可愛がってやるから覚悟しておけ!」 「…は、はい!あ…ありがとうございます……ふぁ…ゆ……ゆうしゃ…さ、ま……ハルヒはもう…ダメです…くだ、さい…アレを……」 「よし、くれてやるぞ…!」 男の射精に合わせて、女も筒のように尖ったハルヒの乳首をピンと弾く。 ハルヒは声にもならぬ声をあげ、身体を弓のようにしならせた。 「…くださあ、あっ、あっ……ああああああああぁぁぁあああっっ!」 それから数刻。客はハルヒが動かなくなるまで犯し続け、ハルヒは絨毯の敷かれた床に白濁にまみれ放置されている。 客の男は衣服を直し、女に報酬の金銭を譲渡していた。 「いや、良い買い物をさせてもらったよ。今後どこかの国女が手に入ったらまた頼む」 「あ…申し訳ありません。1つ言い忘れておりました」 「なんだね?」 「実は調教の最中の不手際であの子のお腹に子種が既に芽生えておりまして…」 「なんだと? 貴様…」 「お待ちください。いくら性奴に堕ちたとは言えあの国の王女の子です。あの家系は魔術の才に溢れていると聞きます。  男が産まれれば傭兵に、女が産まれればあの子に似たかわいらしい娘になるでしょう。如何様にでもなさればよろしいかと」 「……ふん、まぁいいだろう。餓鬼に興味はないがその筋の好事家も知り合いにおる。数年飼って売り飛ばせば金にはなるか」 「親子ほど年の離れた17の娘を性奴として買っておいて常識人気取りか。変態のロリコン野郎が」 客がハルヒを連れて去った後、汚れた部屋の後始末をしながら女は1人愚痴ったが、 帰りの馬車の中でも犯されよがり狂っているハルヒがそれを知る由もない。 こうして、ハルヒは相応の場所へと売り飛ばされ、人として扱われぬ日々を過ごした。 男は変質者と呼ぶべき外道で、時に大量の下民にハルヒを嬲らせたり、時には街角に半裸で露娼として立たせたり、 同じ性奴の女とどちらが先に気をやるか試し、果てには犬畜生や異形の魔物とも交わらせることもしたと言う。 それは半ば壊れたハルヒには幸福な日々だったが、 母国からあやめが救出に現れた時には既にお腹が膨れ上がっており、衰弱しきったハルヒは母国に帰って出産後間もなく死亡した。 王女ハルヒの物語はここで幕を閉じる。 続