暗闇に笑う者(ハデス・ヴェリコの場合) byMORIGUMA 「ふああ・・・すごい・・・こんなに・・・」 アメジストの瞳を恍惚に潤ませ、 ハデスは目の前に突きつけられた物に、 思わず乳首を勃起させた。 まるで、太い竹のように、 いくつもの節を持つ。 色は黒く鈍く、異様な迫力を持って、 いくつもの血管が、どす黒い膨らみを、 幾重にも膨れ上がらせている。 赤い唇が、濡れて、 チロリと淫らな舌が、それを舐める。 あえぎと共に膨らみを増した乳房に、 細く強い指が食い込み、 爪が白い肌に赤く筋を残し、 勃起した乳首がピイインと、突き出した。 獣のにおい、 野獣のにおい、 汚らわしいにおい、 たまらないにおい、 細い鼻すじに、そのにおいが流れ込み、 唾液が唇をぬらした。 30センチを超えるそれが、 目の前で、モリの先のように、 カリを開いた亀頭を突きつけ、 吸い寄せられた唇が、生臭いそれを、 一気にくわえ込んだ。 「んっ、んんっ、んはあっ、すごいにおい・・・んんっ!」 想像していた以上の、 強烈な臭気、舌を痺れさせる饐えた味、 だが、その刺激はハデスを、興奮させる媚薬でしかない。 小さな唇を一杯に広げ、 口いっぱいにほおばり、舌の赤い蠢きで、 そのにおいを、味を、脈打つ感覚を、 飲み込み、感じ取り、味わいつくす。 この汚らしいペニスが、身体に突き刺さるとき、 どれほどの狂喜が、走るのだろう。 とても咥えきれぬ切っ先から、 滴りこぼれる、生臭い味に、 ハデスのあそこは、あふれて、濡れて、ジンジンと震えていた。 針金のような、剛毛の茂み、 その奥の巨大な陰嚢が、ユラリと揺れ、 人間の男の10倍以上の質量で、 その恐ろしい精力を物語っている。 細身のくびれきった腰が、 その光景にがくがくと震えた。 白い肌は、妖しく染まり、 しっとりと濡れた白金の茂みから、 透明で温かい雫が、際限なくすらりと長い腿を伝い落ちていく。 無表情な馬の顔が、 夢中で口を蠢かせるハデスを、 白い狂気の目で見ていた。 その身長は2メートルにおよび、 首から下の人の身体は、 恐ろしいほどの筋肉と、野蛮な血管で膨れ上がり、 人身馬頭の沸騰する精力が、さらに身体を奮わせた。 「あっ・・痛っ・・・」 がっしと、巨大な手がハデスの細い肩をつかみ、 プリンとした尻肉をつかみ、 人形のように持ち上げた。 馬頭の怪物は、恐ろしく長い舌を伸ばし、 ハデスの首筋から、乳房の谷をジュルジュルとこすり、 さらにへそから茂みへ、 肩を掴んでいた手が、ひざを捉え、 尻肉に食い込んだ指と、ひざを捉えた手が、 強引にその股を引き裂くように広げる。 「ああんっ、やあっ、」 あそこをさらされ、淡い茂みが雫に輝く。 長い軟体動物のような舌が、 その間をジュルジュルと蠢き、 スリットの濡れた襞を強引に掻き分ける。 指の痕が尻に青く残り、 高く掲げられて、あそこを広げられ、 あふれた雫が、蠢く舌に嘗め尽くされる。 宙に押し上げられた裸体が、頼りなくゆれる。 ジュルッ、ジュルルッ、ビチャ、ビチャ、ジュルッ 「んっ、はっ・・・ああんっ、そんなっ、」 指痕のついたもっこりした尻肉、 横に広げられ、露にまみれた淫肉をさらけ出した太腿。 ボタッ、ボタッ、 滴る雫が馬頭に落ち、 伸び上がる赤黒い、巨蛇のような舌が、 ピンクの肉芽を、捕え、えぐり出し、すりつぶすようにこねる。 「ひっぐっ、ひっ、ひっ、ひああああっ!」 たまらず声を上げるハデス、 舌を出してあえぎ、宙に反り返る体、 後ろのひくつくすぼまりが、薄茶の可憐な襞が、 快感の衝撃にあえぎ、強くすぼまったかと思うと、絶え入るようにゆるむ。 そこへ襲いかかる淫の蛇。 「ひぎぃっ!、やああっ!はいっ、て、くるううっ!」 蠢きが、蠕動が、後ろの穴にのめりこみ、 飢えたヒルのように、激しく動き、もぐりこむ。 グニグニグニッ 尻肉が刺激にきゅうっと盛り上がり、 反り返る背筋へ、妖しい波を描き出す。 グニッ、グニッ、ギュルルッ、 「お腹ッおなかにっ、は、入るうっ!」 美しい腰のラインに、刺激が筋を描き、 内部を犯され、えぐられる動きに、 引き締まった腿が、びくびくと震え、青く血の筋すら浮かべる。 淫らに、蕩けた顔が、 蠢きに合わせ、右へ、左へ、 芳醇な乳房を、握り、乳首をはみ出させ、 深く、打ち込まれた。 「だ、だめええっ、中がっ、中がああっ!」 グギュルッ、グギュルッ、グルルルッ アメジストの瞳が、濡れて、呆ける。 宙にのけぞる体が、内側を引きずり出される。 粘膜がはみ出し、粘液が滴り落ち、 痙攣する尻肉が、何度もわななき、震えた。 それでも、さらに舌は、 ハデスの中を、蹂躙し、こすりたて、こね回す。 滑らかな白い腹部が、膨らみ、わななく。 「ひいっ、ひいっ、お腹がっ、お腹があっ!」 身体を裏返されるような、 理性も意識も崩れ落ちて、流れ出るような、 次第に、腰の力が抜け、 アナルが、痺れ、屈し、服従する。 荒れ狂う肉蛇は、容赦なく屈伸を繰り返し、 尻肉を広げ、突き開き、こじ開ける。 「あひいいっ、あいいいっ!、こわれっ、壊れるうぅ!」 蹂躙につぐ蹂躙、 腸の中から嬲りつくされる感覚、 腹の中に、巨大な蛇が占領し、あえぎ、膨らむ。 広がった腿が突っ張り、突き刺さる動きに振動する。 ガクッ、ガクッ、ガクリッ、 執拗に、執念深く、 しぶきを上げ、動き、突き、蠢動する。 アナルが壊れる、広がる、裂けて千切れる、 濡れた瞳が、雫をこぼし、 うつろな目に、隠微な放心が明滅する。 突き上げる動きが、喉までこみあげる。 「ひいいい・・・ひいっ、ひい・・・」 広がり切って、震え、わななく裸身、 「ひぎっ!、ひっ、あっ、いっ、いあああああっ!」 どろどろに濡れた肉蛇が、動きを止めたかと思うと、 逆に引きずり出された。 目もくらむようなスピードで、 際限なく、どこまでも、ハデスの腹を刺激し、蹂躙する。 引き抜かれる、ハラワタが、引き抜かれるううっ。 ズブブブブブブブブブブゥッ こすれる、引きずられる、引き抜かれていく。 喪失と、衝撃と、裏返されるような粘膜の悲鳴、 「ひぎぎぎぎぎいいいいっ!」 ズブブブブ、ブブブブブブブブブブブブブ・・・ のけぞり、くねり、突っ張る。 人外の魔の快感、人外の魔の刺激、 『ど、どこまで、どこまで引きずるのおおっ!』 アナルから、際限なく引きずり出される肉蛇、 ハデスの白い歯が、カチカチと震えた。 肉体が裏返る、 体の芯が引き抜かれる。 内臓すべてしゃぶりつくされる。 『壊れるっ、狂うっ、もう、もう、ゆるしてえええええっ!!!!』 がくがくと痙攣する四肢、 ズブブブブ、ズブブブブブブブブブブブ 引きずり出される肉蛇、 細いあごがのけぞり、喉が息を止めかけ、お腹が痙攣を繰り返し、 広がり切った股が、がくがくと振動し、 際限ない蠢きが、中身すべてを引きずり出していく。 白目をむいて、突っ張る体、 シャアアアアアアア 黄色い液を振りまき、失神したハデス。 それをぺろりと舐めた舌は、 再び肉蛇と化して、貫き始めた。 「死ぬっ、死ぬうううっ!、死んじゃうううっ!」 切なく、悲鳴を上げて、痙攣する青ざめた裸身に、 広がり切った股の奥に、肉蛇は容赦なく、際限なく、 嬲りつくすべく突入した。 「うはあ・・・すごいにおい」 アチャチャは、薄暗い部屋に入ると、 凄まじい精と汚濁のにおいに、かわいらしい顔をしかめた。 「ん〜〜〜、もう、朝ぁ?」 どろどろのシーツの上で、 華麗な裸身が、壮絶な濁液まみれであえいでいた。 白い肌のすべてが、汚濁と精液にまみれ、 全身が異臭にこわばり、広がり切った股間は赤く腫れて、 陰唇も、アナルも広がってあふれ切っていた。 そして、その肌の上を、4つの妖しい煙とも影ともつかぬ物が、 もやもやと這い回っている。 「ハデスぅ、生きてる??」 にまあっと、赤い唇が心底満足げに笑う。 「うっふふふ、もう最高・・・」 アチャチャは、恐れをなして額と背中に冷や汗。 その妖しい4つの影は、淫馬魔獣といい、 魔道実験で生み出されたと言われる、淫魔の変種だった。 寝込みを襲う普通の淫魔と違い、 通り魔のように、出会った相手の影に忍び込み、 緊張が解ける瞬間を狙って精神を強姦する。 『おぞましい種馬』という別名を持つほどで、 あらゆる種族の夢に入り込んで、その種を植え付け、 夢に屈服した相手を、本当に孕ませてしまう。 たとえ肉体は犯されていなくても、 その胎内を即座に清めないと、非常に高率で妊娠してしまうのだ。 酒場でうわさを聞いたハデスは、妙に詳しく教えてくれて、 いさなやカルラ、アチャチャは本気で用心した。 ましてやそれを4匹、まとわせて受ける淫夢となると、 『自分だったら、とっくに姦リ殺されてる』 そして、どういうわけか、 ハデスは周りを漂っていた淫馬魔獣を、 魔力で誘いをかけて、4匹つれて戻ったのだった。 「まーアタシは、何をどうしたって孕めないけどね。」 ゆっくり、ぬらぬらした身体を引き起こし、 ハデスは、満ち足りた顔で見回した。 「うっふっふっ、さすがに4匹分の淫夢はすごかったわぁ。 夢が、身体をめちゃくちゃにして・・・・・ ああん、あそことアナルが腫れてるぅ。」 夢とはいえ、強烈なイメージは肉体にはっきり痕を残すことがある。 ましてや淫魔4匹分の淫夢、数十人に輪姦されたような余韻を残していた。 「うふふふ、お前たち約束、守ってやるよ。」 右へ顔を向けると、そこを漂っていた淫馬魔獣の一匹を、 ぱくりと咥えた。 彼らの実態は、十数センチしかない。 白い糸切り歯が、きらめき、バリッと音を立てた。 「キイイイッ!」 一瞬、その小さな黒馬のような影は、悲鳴を上げたが、 舌を伸ばすと、ハデスの白い頬を、愛情を込めて舐めた。 バリバリバリッ 白い歯が黒い血を流し、小さな影を噛み砕き、 そして無表情に飲み込んだ。 ゴクッ 赤い唇に、黒い血がわずかに滴り、 細い喉を飲み下す。 フッと笑みを浮かべ、お腹をそっとさすると、つぶやいた。 「−−−−−−−−−−−−−−−!」 人には聞こえぬ、超高圧縮言語の呪文。 ゲプッ かすかにげっぷをすると、ハデスは赤い唇を開いた。 もわっ、もわっ、もわっ、もわっ、 4つの影が、次々と現れ、 それはすべて完全な黒い馬の姿をしていた。 彼らがハデスを取り巻き、頭を下げて姿を消すと、 あとには、腰を抜かしたアチャチャががくがくと震えていた。 「な、な、何をしたの??」 「ん?、約束したんだよ。満足させたら増やしてやるって。」 裸のまま、片あぐらをかいて、にんまりと笑うハデス。 「あいつら、女を孕ませることは出来ても、 まともな子供を作れることは、ほとんど無いんだ。」 実験で生み出された魔獣は、精力はあっても、 まともな繁殖力は皆無に等しい。 出来る子供の大半は、すぐに死んでしまう。 そして、魔獣も寿命はきわめて不安定で短い。 「必死なのさ、『消えたくない』ってな。」 ハデスもまた、実験で気まぐれに生み出された存在だった。 アチャチャは、そのことを思い出した。 「前も言ったが、孕みたくなかったら、聖印の一つも持っとけ。 連中、アタシのところに、ちょくちょく来るだろうからな。」 「ま、マジ・・・?」 今度こそ、本気で青ざめる。 「代価を払うやつには、ちゃんと報いてやるさ。 それに、実害は無いぜ。孕んだ時の実習になるしな。」 ゲラゲラと笑うハデスの、強烈な毒に、 どこかへ逃げ出したくなったアチャチャでした。 「さて、水でも浴びてくるわ。」 ふと、アチャチャはあることに気づいた。 「ねえ、ハデス。アレ作ったの、だれなんだろ?。」 寿命も短く、繁殖力もほとんど無い。 だとすれば、最近誰かが魔道実験で生み出したはずだ。 ボボボボッ 裸のハデスが、ぴたりと足を止めると、 周りに、いくつもの火が飛び散った。 強烈な感情の波が、魔力となって吹き出したのだ。 黒いこげ痕が、あちこちに残る。 アメジストの瞳が、冷たく光った。 「さあな・・・そういう馬鹿野郎は、長生きしねーよ。」 ぺたりと座り込んだアチャチャは、さっきの言葉を思い出す。 “必死なのさ、『消えたくない』ってな。” 家族が無く、一人ぼっちだったアチャチャは、 ハデスの気持ちが、ほんの少し分かったような気がした。 逃げ出したくなった気持ちを、『ごめんね』と謝ると、 バスタオルを持って、ハデスの後を追いかけた。 FIN