肌を刺す淡い魔法光の感触、膝と掌に伝わる冷たい石の床、鼻につくすえた臭い。だが視界そのものは目隠しによって闇に閉ざされ、せっかちな連中に着衣のまま立ちあがれぬほど陵辱され尽くした体は今だにいう事を聞いてはくれない。そして首には犬用の首輪をつけられ鎖で壁に繋がれている。それが今のフウマに知覚できる全てだった。

(いちいちえげつない奴らだ…自由を奪った女相手に…)

猿轡を噛まされ悪態をつくことも許されていない女は心の内で吐き捨てた。
と、ふいに目隠しが取られた。その明るさに慣れず真っ白に染まる視界に彼女は小さくうめき眉を潜める。まだ視力の戻らぬ中、名前も知らないが何度か自分の体を抱いた男達の声が聞こえてきた。

「そら、フウマちゃん。今夜も調教の続きだぜ」

「ああ、一度は逃げ出した出戻りのフウマちゃんが相手だからな」

「くの一ってのは流石だなあ?ちょっとやそっと男に犯られた程度じゃこたえやしねぇ…だからよ、今度はとびっきりのゲストを呼んで念入りに躾てやろうって話になったのさ」

(…どういう事だ…?)

男達の言葉に女は眉を潜めたまま胸の内で呟く中、緩やかに視力が戻り始める。そして自分を取り囲む男達の中、男性とは程遠い柔らかなシルエットがある事に気付いた。逡巡。数瞬の間。確信。血の気が引く。それは見知った相手の姿。フウマの唇が震えるように相手の名を呟いた。

「ロ…メリエ…?」

それは共にギルドの男達に挑み、そして共に凌辱を受け、その行方を見失っていた大事な仲間。フウマが治癒しきらぬ体に鞭を打ち、再びこの迷宮に挑んだ理由の一人であった。
幾度と無く男達の陵辱を受け、奴隷にまでその身を堕としていたロメリエの白い肌はより艶かしく艶を帯び、その若さににあわぬほどに香り立つような色気を身につけていた。その女の愛らしい唇が小さく微笑み、フウマを見つめる淡い紫の瞳がそっと細められて。

「…久しぶり、フウマ…本当は私も少し期待してたのよ?一人逃げのびたって聞いてたし…あなたが助けに来てくれるんじゃないかな、って」

「……っ………」

答えられなかった。視線を合わせられず思わずフウマは目を伏せた。自分に非が無いのはわかっている。けれど今フウマがロメリエの瞳を正面から見据えれば、そこに写るのは自分の無力さだけだと判りきっていたからだ。
そのフウマの頬にそっとロメリエの手が触れる。賢者の女は変わらず視線を伏せたままの少女の頬に伝わせた手で少女の銀の髪を優しく梳きながら。

「いいよ、フウマがここに来てくれたってだけでも私、結構嬉しかったから…だから…ね?顔、上げてよ」

おずおずと申し訳なさげにフウマがその顔を上げる。頬に当たられた掌から伝わる体温に、仲間が生きていたというその事実に、こんな状況であるにもかかわらず胸に熱く喜びが湧き上がる。だが、次の瞬間フウマのその顔が蒼ざめた。微笑みながら、少女のような微笑を浮かべてロメリエが口にした言葉の意味に。それが示す友の変化に。

「あはっ…子犬みたいな反応するのね、フウマって…フフ…じゃあ…お遊びしましょうか」

その言葉とフウマの反応に周囲の男達がニヤニヤと薄汚い、下卑た笑みを一斉に浮かべた。多くの同朋を屠ったこの生意気なくノ一の女に心からの哀願の悲鳴を上げさせられると胸がすく思いだったからだ。
必至にじたばたとその場を逃れようとするも、首を鎖で壁に繋ぐ首輪に意図せず呼吸を止められて『ひゃぅんっ』と小さく悲鳴が上がる。それを聞いた男達が、そしてロメリエが、きょとんと目を丸くした数瞬の後、声を立てて笑い出して。

「あははっ…ホント可愛い鳴き方…エレシュが気に入るわけだ。じゃあ折角だしあなたには…ホントに忠犬になってもらおうかしら。うん…丁度いいお遊戯だと思わない?」

「まっ…待てっ、ロメリエ…!こんなっ…こんなのは間違って…!…んくっ…!?」

慌てふためくフウマの声を遮ったのはロメリエの口付けだった。それは唇を押付けるだけのものではない。何をされるかわからないという恐怖にわななくフウマの唇をあやすかのように柔らかく絡みつく唇、悲鳴も喘ぎも飲み込もうとするように吸い上げられる舌。喘ぎに紛れて漂うロメリエの髪の、肌の、唾液の放つ甘い香りにフウマの眼差しが蕩けそうになり、それに耐えようと手近にあったロメリエの腕を掴めばそれはまるで許しを請い願い縋るかのように見えたかもしれない。

『んふっ…んっ…ちゅっ…くちゅっ…はんっ…ちゅるるっ…ふっ…じゅるっ…ちゅぅっ…』

二人の喘ぎと唾液の濡れた音が絡み合い、口の中に溢れた互いの唾液をフウマの喉がこくんっ、こくんっ、と飲み下す。と、その時はっとしたようにフウマは目を見開いた。ろくに力の入らぬ手でありながら必至に目の前の女を突き放し、粗く息をつきながら震える声でこう叫んだ。

「ひゃっ…ひゃひ…をっ…それがひにっ…ひゃひを…ひたっ…!?」

”それがしに何をした”
そう問いかったのだろう。だがフウマの舌はもつれて呂律が回らず、蒼ざめていたはずの頬はただ濃厚な口付けを受けただけではないという事を証明するように桃色に上気しており、まるで本当に犬か何かになってしまったかのように舌を突き出し厭らしくも涎を垂らしていた。
すると軽く尻餅をついたような姿勢からクスクスと笑いを抑えながらロメリエが立ち上がり、何の気なしにフウマのその舌をきゅっと指先で摘んだ瞬間だ。

「んっ!?んぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!????」

声にならぬ絶叫をフウマが放った。膝立ちだったフウマの膝が激しくがくがくと痙攣し、失禁したかのように湧き出す愛液と先だって注がれた白濁との混ざり合ったものが太腿の内側を伝い落ちる。はくはくと酸素を求めて唇が震え、目を見開き体を震わせながら、呆然とロメリエを瞳に写す。その瞳の中で女はどこか無邪気とさえいえる笑みを浮かべて、フウマの問いに答えた。

「私の魔法よ…簡単な、ね…フウマ、あなたのお口も性感帯にしてあげたのよ。舌はクリトリスに、上顎はGスポットに、唇は膣口に、喉は膣奥に…ってね。ろくに喋る事も出来なくなっちゃっただろうけど…いいでしょ?犬は人間の言葉なんて喋らないもの」

そう言ってつまみ出された舌先を指の腹で捏ねられた瞬間脳の中が真っ白になり、力が入らなくなった体がへなへなと膝から崩れ落ちた。確かにロメリエが言った通りだ。新たな性器へと変えられてしまった口内は、先程の口付けだけでも達する寸前まで追い詰められて、指で摘むというただそれだけの事で絶頂の只中へと放り出されてしまう。そのはしたなく開いた唇の端からはだらだらと愛液か何かのようとめどなく唾液が溢れていた。息も絶え絶えなまま、フウマの唇がかすれた音を漏らす。

「ひゃ…へ…」

(何故)
最早口内が過敏な性器と成り果てたフウマの問いの意を賢者は察した。ロメリエは以前と変わらぬ親しみを込めた表情でにっこりと憐れな犬に微笑みかける。

「ねぇフウマ。あなたもここに来て変わっちゃったでしょ?見てたよ…男が…ううん、おちんちんが欲しくて、エレシュが、フェリルが、あなたがだんだん変わっていくの…私もね、変わっちゃった…」

その言葉と共にロメリエは自分の股間を隠す薄布をフウマの目の前でゆっくりと持ち上げる。すると賢者の秘所はすでに潤い、内腿を伝うほどに愛液を溢れさせていた。そして、それに習うかのようにロメリエの頬を一筋の涙が伝い落ちた。

「見て、フウマ…あなたとちょっとキスしただけでおちんちんが欲しくなって、私のオマンコこんなに濡れちゃってる…こんな身体…いやなのに…こんなの…こんなのズルイじゃない。私達は仲間同士のはずなのに。だからフウマ…あなたも一緒に、一緒になってよ…」

「ひっ…!?」

抓まれたままの舌を引かれ、突き刺すような快感にフウマは辛うじて支えていた身体をへたりとその場にへたり込ませる。
信じられなかった。今こうして目の前にいても。ロメリエが本当に性奴に堕ちてしまったのだという事実が。と、その時今まで彼らを取り囲み厭らしい笑みを浮かべていたならず者達の一人がフウマの忍び装束の裾を捲り上げ、白い尻をそこに晒させた。びくんっ、とフウマの身体が跳ねたが今のフウマはそれどころではない。悲鳴を上げた際に舌が上顎を掠めただけで達してしまいそうな快感を感じてしまうのだ。
せいぜい『ああ、この男はまた自分を犯そうとしているのだ』と心の端でぼんやり思うのが精一杯であった。だが────

「ひきっ…きゃひいぃぃんっ!?」

「へっへっへっ…折角フウマちゃんを可愛い犬っころに躾てやろうっていうんだからよ。それなりの格好をしてもらわにゃあ…なっ!」

フウマの萎えていた手足に突如力が篭り、ぴんと手足を張った姿はまさに四足の獣のようだった。
そう、剥き出しになっていたフウマのアナルにならず者はアナルビーズの後方にふさふさとした犬の尾のような物を取り付けた器具を捻じ込んだのだ。
直腸に力を込めれば嫌でも判る。シリコン製のボールが数珠繋ぎに繋がり、ある程度まで挿入されれば引き抜くことができないように複数の突起が『返し』として付けられている。僅かに身を捩るだけで無数のボールがごりっ、ごりっ、とアナルを抉り、すでにくの一としてそこさえも男を喜ばせる道具として開発されてきたそこは貪欲にそれをくわえ込む。フウマが快楽に喘ぐその度に、フウマの尻から伸びる尾がはたはたとまるでロメリエに、男達に媚びるように揺れていた。

「ひゃっ…もう…もう…やめっ…ひんっ!ひゃぅっ…!はひゃっ…ひゃあんっ…ひゃんっ…!」

「ほらフウマ…きゃんきゃん喚いてるだけじゃ立派な犬にはなれないわよ?ちゃんとご主人様達のおちんちんにご奉仕してごらんなさい?」

そう言ってロメリエは戯れであるとでも言うように、犬の耳型を取り付けたカチューシャをフウマの頭に差し入れると、後ろ手に背後にいたならず者の性器をその手に掴んだ。ズボンの上からゆるゆるとそれを扱きたてるだけで男のそれは布地の上からでも解る程にはちきれんばかりに力を漲らせていく。賢者と称えられる程の彼女の頭脳は真綿が水を吸うように無数の淫技を身につけてしまったようだ。
男はニヤニヤと笑いながらベルトを外すと、ロメリエの手によって肥大化したそれをフウマの前に晒す。びくびくと脈打つ性器、筋張った血管、むせ返るほどの雄の臭いを放つ亀頭。男に傅く姿勢になった雌犬の喉がはしたなくもごくりと鳴った。喉を伝う唾液の感触はそれだけで雌の快楽を掻きたてる。

「ほぉれ、フウマちゃん。しゃぶって見せな?今のお前さんならそれだけでも十分に気持ちよくなれるハズだぜ?」

「ぁ…ひぁっ…はっ…はぁっ…ア…」

迷う余裕さえ見た目も中身も雌犬と化したフウマには持ちえなかった。先程から唾液を垂れ流している自分の唇。そこに男の性器を迎え入れる。想像するだけで達してしまいそうだった。
舌を突き出し、亀頭の先端に触れる。痺れるような快感がクリトリスと化した舌から湧き上がる。それだけで愛液のように沸き立つ唾液がぽたぽたと床に零れて水滴の跡を残した。
唇で咥える。膣口と同様の性感を持ったそれは貪欲に吸い付けば吸い付くほどに男のカリが引っかかり、押し入られ犯される時の征服される快感を生み出す。
押し込まれる亀頭が上顎を擦る。Gスポットを擦られるのと同じ頭が白くなるような性感が口内を支配し、自然と吐息が荒くなるのを抑える事ができない。
喉の奥を突き上げられれば膣奥と同様の性感を持ったそこは、真っ白になったはずの頭の中で更に火花が弾けるような艶やかな快感でフウマの脳を支配する。全身が自分の支配を離れてひくひくと勝手に震えだすのを、フウマは止める事はできなかった。

「んおっ…ンンッ!…フッ…じゅるるるっ…じゅぴっ…ひゅうんっ…ン…!ちゅっ…はふっ…ずずっ…」

「ふへへっ…随分厭らしいツラしてるじゃねぇか。ええ?じやあご褒美だ…ご主人様のチンポをしゃぶるだけでイッちまうような、ドMの変態マゾ犬に躾てやっからよ…ほぅれ!」

” ズ ン ッ ! ”

「んっ…!んひっ…ひぉっ…んおおぉぉ〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!」

喉の奥をえぐるように突かれた瞬間、それだけでフウマは口をペニスに塞がれたまま、獣のように吼えながら絶頂へ達した。自分の舌で自分の膣内を舐めまわしていたに等しいのだ。いまやその身体は戯れの一突きだけで容易く達してしまう程にできあがっていた。
ガクガクと全身が痙攣し、銀の長髪をそれに合わせて振り乱す。自制する事など適わない暴力的な快楽に、幾多の死線をくぐり抜けたハズの身体はただ男のためにあるのだという事を心底までフウマは思い知らされていた。

「はひゃっ…ふぁっ…ひやあぁん…」

「ほら、フウマ…厭らしい、ってところは合格だけど、雌犬になるにはもう少し…足りてないわ。ほら、いらっしゃい」

その声に顔を上げると、ロメリエがその手にリードを持って立っていた。だがそのリードは自分の首輪に繋がっている物ではない。その先にいたのは、人よりも巨大な、2mはあろうという巨大な猟犬。狼狩りに使うといわれる犬種、ボルゾイだった。
それは舌を突き出し呼吸を荒げ、生臭い吐息と共にこちらへ向かってくる。

「ま…ひゃか…ロ…メリエ…このっ…ひぬっ…と、それがひっ…を…?」

「あはっ…さすが色の道にも通じたくの一ね…その通りよ。彼に可愛がってもらえばあなたも自分の立場を思い知るでしょ?」

「ふぁっ…そんなっ…ひあぁっ…そん…な…ぁ…」

ずるり、ずるりと股間に獣の性器が擦りつけられる。絶頂に達した身体からはまだその余韻が抜けず、このままこの獣に犯されればどれ程の快感が得られるのだろうかと期待が胸を焼く。じゅくりと新たな愛液が秘所から滲み、喘ぎ疲れた唇はぽたぽたと唾液を垂らしている。目の前には男のペニスが性器と化した自分の口を犯し汚そうとする男のペニスがある。アナルに突き立った尻尾はそれだけで身動きが取れなくなるような存在感でフウマの意識を削り取っていく。
もう、もういいのではないだろうか。このまま屈してしまったとしても。
仲間を救う事もできなかった不甲斐ない自分など、壊れてしまいたかった。壊して欲しかった────

”ぐぷんっ…ずにゅるるるるるるっ!”

「アッ…ひゃっ…ひゃぅっ…ひゃうんッ!ひんっ…ヒアッ…ああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」

獣のペニスがまだ10代の、少女とさえ呼べる歳であったフウマの膣へ突き刺さる。太い、その圧倒的な圧迫感。人間のそれとは違う形状、人間の女を喜ばせるための形状とは違うという事実がより退廃的な快楽をフウマの中に沸き立たせた。激しい腰使いが敏感な粘膜を擦り、直腸に捻じ込まれたアナルビーズが獣のペニスが打ち込まれるたびごりごりと激しく直腸の中で暴れ回る。獣のペニスが打ち込まれるたび、ならず者のペニスが喉の奥を擦りあげ、息詰まるような快楽が忍者として再び積み重ねてきた実力も誇りも剥ぎ取っていく。

※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   


はっ。はっ。はっ。はっ。はっ。はっ。はっ。はっ。はっ。はっ。はっ。はっ。

荒く響く獣の喘ぎ。巨大な猟犬にその尻を捧げ、尻尾を左右に振りたてながらフウマは巧みにその腰をくねらせ、自分を征服した雄に向かって奉仕する。その肌には男達の精液をたっぷりと水飴のように絡ませて、そして縋り付くような惨めな姿勢で男のペニスにしゃぶりつき、自らの口内に思う様に擦りつけ吸い立て貪りながら精子をねだる。
既に射精を迎えようと互いの尻を合わせるような姿勢に変わった猟犬の肉棒の根元は、膣から抜けないように瘤状に膨れ上がり、この雌犬の子宮にたっぷりと白濁を吐き出しを確実に孕ませてやろうとしていた。

「待て」

「ひゃんっ…ぁ…ひゃぁ…っ?」

余程躾が行き届いているのだろう。突如響いたロメリエの声にピタリとその猟犬は動きを止める。突如として途絶えた快感にフウマは虚ろな眼差しでぜーぜーと息を吐きながらリードで猟犬を操るロメリエを見つめて。

「ほらフウマ…彼のザーメンが欲しいんだったらちゃんとおねだりしなさい?」

「ぁ…ああ…」

ロメリエの表情はサディスティックに。そして自分と同種の仲間が増えるのだという喜びさえその表情には浮かべていた。
その眼差しに見つめられるたびにフウマの中に刻み付けられたマゾ性が擽られ、自分の胎内にある猟犬のペニスが今まさに達しようと脈打つ感触に背徳の喜びが沸き起こる。
そんなに自分の体は心地良いのだろうか。獣にここまで貪欲に貪られる程、獣のための性具と化してしまったのだろうか。だとしたら、奉仕しなければならない。自分は道具なのだから。元々、元々自分のような忍びの者に人格等無いのだから。自分が見た主と仲間達は、ただほんの一時の夢だったのだから。

「……………ぃ」

「…聞こえないわよ?」

「くら…ひゃい…」

ロメリエが手にしていたリードを小器用に操り鞭のようにしならせてフウマのアナルから伸びる尾を強く打ち据える。直腸を激しく掻き回される感覚に声にならぬ悲鳴を上げるフウマのポニーテールを掴むとぐいっと顔を引き起こし、くの一の惨めな姿を楽しげに見つめながら女賢者は楽しげに微笑んで。

「心が篭ってないわよ?彼に喜んでもらえるようにできる限りもっと下品に」

「…っ…」

それはフウマの心が、胸に抱き続けた刃が朽ち折れた瞬間だった。

「くらひゃい…っ…精子…・精液っ…ザーメンくらひゃいっ…あがっ…きゃッ…ぅぅんッ…!それがひっ…のしきゅっ…子宮にっ…ヒィンッ…ひぉっ…オマンコ…にっ…白い…の、いっぱ…いっ…いぃぃっ…!」

「よくできました…じゃあこれは…ご褒美。ちょっとしたおまけよ?」

フウマの反応に気を良くしたロメリエは指先に魔法の光を灯すと、その指先でフウマの腹部をそっと撫で上げる。暖かなその感触が自分の内側に染み入るのを感じるや、ぞわりと背筋に悪寒と快感が同時に走った。最早今の彼女にしてみれば、そのどちらもが快感といえたかもしれない。また得体の知れない魔力に身体
を支配される不安と、そしてそれがもたらしてくれるであろう更なる快楽への期待。
そこへ複数のならず者達が身を乗り出してくる。全員が股間に絶頂寸前のペニスをそそり立たせ、自らの手で扱きたてながらニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべていた。

「ほぉれ、口を開けなよフウマちゃん。上手におねだりできたご褒美に俺達がご馳走してやるからよ」

「ひゃひッ…はっ…はあああっ…」

女は言われるがままに従順に口を開いて舌を突き出し男達に従う。最早自分が何をどうされるかなどどうでも良かった。ただ心地良く、自分が快楽の中に砕かれまどろむような時を過ごせるのならと、自分もまた獣に───否、獣以下の家畜へと堕ちていく。
そしてロメリエが猟犬に向けて一言「よし」と言葉を放った瞬間。猟犬は鎖から解き放たれた猛獣のような激しさでフウマの膣を犯しだす。瘤のように膨れ上がった畜生のペニスがGスポットにぴったりと押付けられて余すところなく擦り上げ、直腸のアナルビーズをゴリゴリと膣の側から刺激する。犬と尻をつき合わせながらフウマの尻で揺れる尻尾は嬉しげに。涎を垂らしながら舌を突き出す女の声は恍惚と濡れ、瞳は像を結ぶ事さえ忘れたようで。

「ひゃんっ!ひゃぉっ…!あはっ…!アッ!アッ!アッ!おあぁっ!ひぃっ…んっ!ひいっ!気持ちっ…ひいぃぃっ!はっ…はああっ…!ひゃんっ!ひゃんっ!ひゃあああぁんっ!」

言葉などろくに紡げなくなったとはいえ誰が聞いても少女の声が何を望んでいるかを誰もが察した。そう、彼女を犯す畜生にでさえこの雌の意図は伝わったのだ。
荒げた吐息と共に一度、獣が吼えた。刹那、フウマの胎内でその肉棒が爆ぜた。

”どぷどぷどぷっ!びゅくんっ!びゅっ!びゅるるっ!ぶびゅっ!びゅっ!びゅーっ!”

「ひっ…!?ひあっ!熱ッ!あがっ…!あおおおおおっ!ひぐぅっっ!あひいぃいいいいいぃぃっ!!!」

犬の精液がくの一の膣の中で激しく脈動する。敏感な粘膜を焼けるような獣の精液が焼き、雄を喜ばせるための肉ひだにねっとりと絡みつく。そしてフウマは知っていた。獣の射精は人のそれのように一瞬では終わってはくれないと。いや、終わらないでくれるのだと。瘤状に膨れ上がった犬のペニスに逃げ場を失った精液はフウマの子宮口を内側から押し開き、人の子を宿すためのそこへとくとくと注ぎ込まれていく。

「ほうれフウマちゃん、犬ッころとサカッてる中悪いがよ!今度は俺達からのご馳走も受け取ってくれや!」

ならず者の一人が言った瞬間、男達は狙い定めたようなタイミングでフウマの突き出した舌に、だらしなく開いた口内に向けて射精する。幾重にも弧を描いて放たれた大量の精液が肉芽と同じ感度の舌を幾度も打ち据え、いまや子宮口に等しいのどの奥を打ち据える。獣に犯されながら快感の頂きに突上げられた体が男達の精液便所と化す事で、熟練の性戯を身につけているはずのくの一を今だ知らぬ絶頂へと突上げて。

「あひゃっ…あがっ!はぅぅぅんっ!ンッ…!かはっ・・・!ひいいいっ!いいっ!イイッ!いくっ…!またイク…!イッてしま…うぅっ…!ああああぁぁぁぁっっっっ!!!!!」

ガクガクと激しく全身が震え、狙いが逸れた精液はフウマの頬に、瞼に、鼻先に粘りつき、艶やかな銀の髪をねっとりと絡みつく。戯れに付けられた獣耳のカチューシャからその白濁が滴り、フウマがそのまま崩れ落ちそうになった瞬間だった。腹から焼け付くような、味わった事のないような快楽が湧き上がった。始めて感じるその快感に戸惑いながらフウマはかすかに正気に戻ったかのような声を上げ。

「…うあっ!?なっ…何…!?なん…ら…これ…は…あひっ…ひいいぃっ!?」

戸惑うフウマの様子に、満足そうな笑みを浮かべながらロメリエがフウマのポニーテールを引いて自分の方を向かせると、フウマの胎内に起きている異常の原因を楽しげに語る。

「それはさっき私がかけた魔法よ。あなたのお口にかけた魔法の応用…卵子に性感を付加してあげたの。とびっきりに敏感な…ね。どう?よくできてるでしょ?フウマの卵子が獣の精子に一斉に犯されてるのが判るでしょ?どう?普通じゃありえない、何万何億って連中に、しかも犬畜生にファックされる気分は…フフッ…しかも女の腹の中なら精液ってなかなか死なないものね。あなたそのまま何日もずぅっと犬の精子に犯されつづけてイカされ続けちゃうのよ。これなら…これならあなたも我慢なんてできないでしょ?これならあなたも…私と同じ、厭らしい身体になれるでしょ…?」

「ぃ…ひいいっ!いやっ…ひやああっ…!イイッ…また…うあああっ!犯されへるっ…あああっ…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ…!ひやああぁっ!こんなっ…こんな狂ひ方ッ…!ぁ…ぁあ…すまなひっ…エレシュ…お主…以外の者に犯されるのが…ぅン…
支配されるのが…はっ…こんな…こんなに…気持ちいひなんて…ひっ…嫌ぁ…エレシュッ…助けへっ…助け…へええぇっ!!!」

フウマはあまりの快感と、その異質さに耐えかねたような悲鳴を上げた。知らぬ間に自分の最も大切な者の名を呼んでいた。詫びるように、助けを求めるように。ギルドの連中は自分がただ快楽の奴隷として堕ちる事など許してはくれなかった。あの時逃げ出したりしなければ、仲間を救いたい等と分不相応な事など願わなければ、仲間と、主と共に堕ちる事が許されていたはずなのに。
どれだけ拒んでも数十分に渡って続く犬の射精が止んでくれるはずもない。注ぎ込まれる子種がフウマの卵子を押し包み、一斉にそこに犯し始める。ほんの少量の精液だったとしてもこの魔術の効果は無数の男に輪姦されているような快楽を生み出した事だろう。だがただでさえ量の多い犬の精液を注ぎ込まれてはそれは最早快感等と言えるようなものではない、圧倒的な暴力だった。
雌を孕ませるという本能に任せて幾千万、幾億の精子に自分の卵子が輪姦される。自分を犯すべく卵子の内へ内へと潜り込んでくる。耐え難い程に甘いに屈辱的な快楽だった。

と、くずれ落ちるフウマの顎を、ならず者達ががっしりと掴んで動きを制する。そしてにんまりと、残虐で残酷で、まるで蟲の羽を引きちぎる子供のような笑みを男は浮かべて。

「ほれ、まだへたり込むには早いぜ?もう一人ゲストを連れて来てあるからよ」

「…あ………え………?」

焦点の合わない瞳が男の言葉に反応して男の指し示す方向を見る。例えどれだけの快楽に身体と心を支配されていたとしても、その姿だけは忘れるハズは無かった。見間違えるはずなど無かった。
わざわざ共に旅をしていたときの衣装を纏わされた主の姿がそこにあった。思わず助けを求め名を呼んだ、愛しい人の姿があった。

「……エレ……シュ…?」

そう呟いた瞬間、胎の中精液が強くフウマの卵子を抉った。たまらず上げてしまう嬌声。犬を相手に犯され汚され達してしまう、女としてあまりに惨めな姿をエレシュにだけはみられたくなかった。

「ひやあああっ!ひぃっ…!見なひれっ…!見なひれくれ…エレシュ…きひぁぁぁっ!こんなっ…こんなところっ…!ひやっ…嫌…ァッ…!…ッ…!うああああああああああっ!!!!」

思わず視線を逸らす。彼女の姿を求めていたはずなのに。彼女に会いたいと、毎夜のようにいつも胸に描いてきたはずなのに。こんなところを見られたくはなかった。獣の子を孕まされて達するような惨めな姿を、彼女にだけは見られたくなかった。
自分に忠義を誓ったくの一が子供のように、歳相応に泣きじゃくる姿にエレシュは小さく微笑を浮かべながら止まぬ絶頂に震え、真っ赤になった精液塗れの頬をそっと撫でる。

「馬鹿ね、フウマ…こんなに汚れて…こんなにボロボロになって…こんなんでよく、私の刃だ、なんてかっこいい事言えるよね。失格だよ、役立たず…」

「………〜〜〜〜っっっ!」

エレシュと出会えたなら言いたい事が山程あった。話したい事が山程あった。その相手に冷たく突き放すような言葉にフウマは言葉を発する事もできずに唇を一文字に結び俯く、ぽろぽろと止めどない大粒の涙を零す。もういっそ殺して欲しかった。その方がどれ程楽だっだろう。
そこでエレシュは頬から手を離し、すっと立ち上がるとフウマの前で法衣の裾を捲り上げる。当然のことのように性奴と化した彼女のそこに下着など無く、恥毛さえ綺麗に剃り上げられていた。

「ほら、フウマ…こっち向いて、口を開いて」

絶望と絶えぬ快楽とで朦朧となりながらフウマは言われるままに主を見上げ、意図を測りかねるように怯えた眼差しを彼女に向ける。

「そんなザマじゃあんたに私の刃なんて勤まらないでしょ?…だったら別の役をあんたにあげる…あんたはギルドのご主人様達の犬で、私達奴隷のための玩具…」

「…え…?」

戸惑うフウマの疑問ににならず者達の一人がゲラゲラと、さも楽しい冗談でも口にしているかの調子で笑った。

「ああ、売り渡した先でもこいつらをいつもの調子で使ってるとストレスで頭がイッちまって簡単に壊れちまうからなぁ。長く使いたいってお客様のためにストレス解消用の奴隷が欲しいって思ってたのさ。まあありていに言えば奴隷以下の奴隷ってトコか。幸いフウマちゃんはなかなか壊れねぇってのは前回俺らも思い知らされたからよ、丁度いいだろう?」

それに続けてロメリエがにっこりと笑う。

「ねえフウマ、悪くない話だと思わない?そうなればあなたはまた私達と会えるのよ?」

フウマの胸の中で、大切な何かに亀裂が走った。
エレシュが優しい笑顔でフウマの頭を撫でる。

「ほらフウマ。今度はちゃんと助けてくれるんでしょ?私が壊れちゃわないように、今度こそ」

フウマの胸の中で、大切な何かが砕け散った。
最後に一度大粒の涙を零した後、フウマは精一杯の笑顔を浮かべて主に答えた。


「使っへ…くれ、エレシュ…ふああっ…ロメリエ…それがひ、を…お前達の好きなように…」


そうして先程命じられた通りにフウマは白濁に塗れた舌を突き出し、犬に尻を捧げたまま喉の奥を晒す。沸き立つ快楽に脳の奥まで犯されていても、エレシュが忠誠の証として求めているものには概ね察しがついていた。


「フフ…今度は壊れないでよ、フウマ…じゃあ、これはご褒美…一滴だって零しちゃダメだからね」


そう言ってエレシュは晒した秘所からフウマの口内めがけて小水を放った。口内に注ぎ込まれるそれはじょぼじょぼと生々しい音を立てながらフウマの喉の奥へと流し込まれていく。彼女は躊躇わずそれを飲み下していく。

その滑稽な忠誠の誓いに周囲の男達から嘲りに満ちた声があがった。
これからフウマは奴隷達の売却先にリースされる形で、奴隷以下の奴隷という最低の扱いを受けて行く事になるだろう。それでも彼女は構わなかった。里を捨てた自分にはもうそれしか無いのだから。それ以外に、仲間以外に生きていく理由などこの世のどこにも無いのだから─────