『フリーデリケの一幕?』 by MORIGUMA 「ふう・・・」 緑の帽子をかぶった小柄な姿が、 ため息をついて、そこにあった樽に座り込んだ。 体格は小太りだが、丸顔がげっそりとこけていた。 「ああ・・・太陽が黄色い・・・」 吟遊詩人で、色々な話を書き留めて売る記録士でもある、 ミュー・ラ・フォンは、空を見上げると、チカチカする黄色い太陽にうめいた。 白昼夢というか、チカチカする脳裏に、 妖艶な肉体が乱舞し、 サディストの白金の髪の美女が、圧倒的ボリュームの巨乳美女が、 二人がかりでミューを責め抜き、絞りつくしてくれたのであった。 要するにヤリすぎである。 とはいえ、目をつけられた相手が悪かった。 『悪鬼の大鉈』の持ち主で、小麦色の肌の傭兵巨乳美女のヴァイオラと、 『史上最悪の賢者』とあだ名される、サディストで露出狂のハデス・ヴェリコ。 どちらも、熟れきった女の盛りであり、 経験も欲求もハンパではない。 元来吟遊詩人は、それだけで生きていけるほど甘い職業ではなく、 情報収集や、何かの技能はもちろん、 ほとんどが男女を問わぬ性のエキスパートで、 たいていの相手でもたらしこめるぐらいの技能が無いと、 ひとり立ちするのは、とうてい不可能である。 幸いというか、不思議と女性に縁が良く出来るミューは、 SEXもなかなかの腕なのだが、クルルミクに来てからは、 妙にそれが強く出すぎているようだ。 ハデスの話を聞きにいき、みょうに気に入られてベッドに引きずり込まれ、 ヴァイオラの話を聞けば、ヴァイオラのみならずハデスまでついてきて、 二人相手に奮戦するハメになった。 サディストで性欲過剰なハデスは、ミューが疲れて精が尽きると、 回復魔法をしかけ、休ませてくれない。 始末に悪い事に、二人とも大変な美人で、身体の具合も最高なので、 逃げるに逃げられぬアリジゴク。 ハデスが馬乗りになって、濡れのいいよく締まるあそこで、ぐいぐい搾り取る。 足指ではさみつけられ、背徳的な快感でしごき上げられて痙攣していた。 ヴァイオラが超のつく巨乳ではさみつけ、柔らかさと弾力で引きずり起こし、 たくましい内股の筋肉で締め上げると、強烈な二枚貝のような締め付けが、 しごくように搾り取る。 二人にそれぞれ5回目を挑まれてから先は、よく覚えていないのだ。 ふらっと、後ろに倒れそうになって、 柔らかい手が、それを支えた。 「あなた、ダイジョブデスカー?」 変な外人みたいな話し方だな、と思った頭が、きゅるっと回る。 樽の上で体ごと向きを変えられてしまった。 大変な腕力である。 が、そこにいるのは、認識が間違いそうなほっそりとした女性。 金髪と青い目、骨が無いかのような細い姿、 長い芸術的な耳のラインが、ぴくりと動いた。 ちょっと見るとどこも非の打ちようが無いエルフの美女である。 だが、ミューが知らぬでは済まされない女性だった。 「フリーデリケ・・・さん?」 ドワーフの酒蔵亭、あそこに現在出入りする者で、 彼女の名を知らないのはモグリである。 「ああ、やっぱりミューさんか。どおしたの、顔色アオイヨー。」 彼女も、ハデスやヴァイオラにとっ捕まったミューの事情を、 聞いてないはずは無いが、なにせ『筋金入りのおバカ』である。 神官戦士で重起動娘、ビグザムやらじーくじおんやら、 やたら変なあだ名を持つ彼女だが、 あだ名の由来が大半、大迫力の巨大装甲鎧のせい。 今日は珍しく、まったくの普段着で、 それ以外の何にも見えない『エルフ娘!』。 これまでドワーフの酒蔵亭を、2度までも崩壊の危機に追い込んだのは、 彼女と、<カラミティ>ことミラルド・リンドの壮絶バトルだったりする。 まあ、おかげで二人の『ドツキ漫才』を見ようと、 さらに客が押し寄せるようになったというオマケもあるが。 「ええまあ、ちょっと色々ありまして。」 フリーデリケの愛らしい顔が、少し曇り、 細い肩にかけた大きなバッグをごそごそさぐった。 「ほれ、ブローダリアの根。かじると元気がデルヨー。」 一名「パテ○アの根っ子」とも呼ばれる、万能薬として名高い薬草の根だ。 「ああ、これはすいません。ありがとうございます。」 素直に礼を言い、カリッとかじると、香気が立ち昇り、 身体が温かくなった。 「ふむー、疲れてるみたいねえ。ちょっと横になるといいヨー。」 そういって、強引にミューを寝かしつける。 それも自分の膝枕で!。 「えええ?、その、あの、悪いですよぉ。」 子犬のような無邪気な目で、ちょっと首をかしげる。 「何が?。疲れてるときは、むりしなーい。後で歌でも歌ってヨネ。」 ふっとミューの顔がゆるんだ。 「分かりました。甘えさせていただきます。」 フリーデリケの顔が慈母の笑みになり、形のいい唇が、 小さな声で歌い始める。 いい声、古いなつかしい響き、 だが、吟遊詩人であるミューは、その歌に驚いた。 「それは、古代エルフたちの『わが大地よ、子等にめぐみを』ですね。」 ぱっと青い目が広がる。 「OH!、しってたか。私の村では、みんな歌ってたよ。」 ミューは疑問がわいた。 「私が知る限りでは、歌を知っているのは、高位エルフたちだけです。」 高位エルフといえば、通常俗世を嫌い、人前に姿を見せることすら無い。 神官戦士にまでなり、暴力の支配する戦場で戦うフリーデリケは、 相当な変り種と言える。 耳が少し下がり、微笑が、かすかに曇る。 ミューでなければ、見分けられないほどに。 「私ね、おバカでね、みんなからバカにされてたよ。」 子供の頃は、精霊との会話もあまりうまくできず、 なぜか身体能力だけが、けたはずれに高く、 かなりの腕力で、年上の男の子でも勝てる者がいなかった。 『オークかトロルのハーフであるまいか?』 そんな残酷すぎる陰口まで叩かれ、 フリーデリケはいやになって、村を飛び出した。 「ああ・・・柔らかいひざだ」 ミューは、不思議にもそんなことを言い出した。 「しっかりしたバランスのいい筋肉に、優しい肌が包んでいる。 これが、オークやトロルのような、獣臭い筋肉であるものですか。」 断言する真摯な茶色の瞳が、青い目を射るように見た。 ドキッ フリーデリケの心臓が、音を立てた。 「それにね、昔々、エルフたちすら忘れ去った過去、 彼らもまた、荒くれた血の気の多い歴史を歩んでるのですよ。」 光と闇の戦いで、おびただしい血を流し、 ドワーフたちと、大規模な抗争を行い、 過去のエルフたちは、決して穏やかでも、優しいばかりでもなく、 筋肉を鍛え上げ、血と鉄をふりかざす荒ぶる歴史もあったのである。 古代エルフの武具には、人間の戦士でもためらうような、 恐ろしく無骨で重い物も数多く発見されている。 それらは、単なる装飾品ではないかとの説もあるが、 明らかに歴戦の痕が刻まれている物も多い。 そんな彼らが、人間という新しい種族の、 執拗で、執念深く、あきらめる事を知らない力に疲れはて、 山奥に引きこもるようになって、初めて彼らは静かな生活に入った。 巨大な武具に身を固め、 戦線で勇猛に戦うフリーデリケ。 古代のエルフたちに、そういう姿は、決して少なくなかったのだ。 「あなたはむしろ、先祖がえりだと思うのです。」 潤んだ青い目が、最高の笑みを浮かべた。 「ありがとう・・・」 穏やかな日差しの中で、何かひどく甘い、温かい時間が流れる。 だが、突然それが破られる事になった。 「う・・・うぐっ??、え・え・・ええ?!」 急にミューが苦しみ出した。 いや、苦しみ出したというか、前を押さえてのた打ち回っている。 隠そうにも、隠しようがないぐらい、男性器が20センチ近く勃起し、 ズボンの前が破れそうになっている。 「あ・・・え・・・ま、まさか?!」 あわててフリーデリケが、バックを探った。 「ああ〜〜、ごめんなさいいいっ。あれフローダリアじゃなかっタヨ。」 困り果てた顔のフリーデリケが、トドメの一言。 「間違えて50年ものの、ブリッドグレイドをかじらせちゃった!」 ミューが脂汗を流しだした。 フローダリアの近似種ブリッドグレィド、一名『ウィドゥキラー(未亡人殺し)』。 要するに強制勃起薬『バ○アグラ』である。 ちなみに、長く生えたものほど威力が強烈で、 50年ものとなると、1年もの50倍近い効果があるため、 使用に気をつけないと、とんでもない事になる。 「ああ〜、ゴメンねえ。私が責任取るから、とりあえずねっ、宿屋いこっ」 このままでは確実に、ミューが白昼犯罪者になってしまう。 それだけは絶対に避けないと、あまりにこの人がかわいそう過ぎる。 献身という感情が、フリーデリケの心に強くわき、 ちょっとだけ、気持ちがいいのと、期待がドキドキしてたりする。 ミューのあれは、なかなか立派そうだった。 「おい、何を大騒ぎしてるんだ?」 ビックーーーン!。 一番聞きたくない声が、後ろから聞こえた。 「な、な、なんでもナイヨ、ミラルド・カラ・・・いやリンド。」 彼女の天敵、ミラルド<カラミティ>リンドだ。 機械が話すような声で、後ろにミューを隠しながら移動しようとするが、 さすがに<カラミティ>、こういう時に関心を持ってしまう。 「何を隠してるんだよ、それに、今『カラ何とか』って言わなかったか?」 ぶんぶんと首を振りながら、後ろで苦しみ悶えているミューを隠しつつ、 ギクシャクと移動しようとするが、あまりに『彼女的非常識』な行動は、 あおっているのと同じ効果があった。 「なにを、隠してるっ!」 移動しようとする足を、カラミティの足がふんずける形になり、 連鎖的に転ぶ拍子に、隠していたミューが背負い投げのようなありさまに。 ドムッ 避けようとして後ろに倒れたカラミティの胸に、 重いものが落ちて息が詰まる。 同時に、何かが顔を覆っていた。 異様な記憶が、その匂いに引き起こされた。 真っ暗な地下室で、手足を石の台に鎖で縛り付けられ、 身につけたものは、全て破り捨てられ、 ミラルドのしなやかで美しい肢体は、恥ずかしくも晒し尽くされていた。 高名な教会の指導者や、その教えに従う高邁な聖職者たちが、 『汝の罪深き肉体を清め、魂を救う儀式を行う』 と宣言し、 その匂いのするものが、口にも、アナルにも、ヴァギナにも、 次々と、 次々と、 押し込まれ、ミラルドを犯し、貫き、陵辱した。 「うグッ、グッ、んううっ、うっ、うううっ!」 うめき声を上げるミラルドの腰を、ひきつけ、若い蜜壷を激しくこね回す。 口に当てられた拘束具が、閉じる事を許さず、歯を立てさせず、 口内を強姦同然に犯し、かき回す。 「お前のような穢れ切った魂を救うには、ハンパな儀式では足らぬ。」 そういうや、うめき声と共に、子宮めがけて精液を生で注ぎ込む。 『おまえら、きちがいじゃねえかあっ!』 罵声すら出せぬミラルドの胎に、精液がドクドクと注がれる。 「数多くの聖職者たちが、お前を救わんとあつまっている、感謝せねばなっ!」 ミラルドの整った唇を犯す悦びに、腰を震わせ、白い喉へと流し込む。 『何を勝手なことをいいやがるううっ!』 だが、いくら呻こうと、のたうとうと、 儀式を行う者たちにとっては、自分たちの苦行と勝手な思い込みで、 若い女体に、欲望のあらん限りを叩きつけ、 胎内に、喉に、顔に、身体中にその匂いを撒き散らし、注ぎ込み、 胎に深く植えつけていく。 『やめろおおっ、やめろおおおっ、やめろおおおおおおっ!』 だが、答えは、 グブブブッ グチュルッグチュルッグチュルッ 卑猥な音と、気の狂うような肉感の暴行が、三日の間続く事になった。 ・・・・・はっと、ミラルドが正気に帰る。 頭を軽く打って、脳しんとうを少し起こしていたらしい。 だが、顔の前に何か、濡れた肉というか、脈打ってる何かというか、 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドッピュッ 「うっぎゃああああああああああああああああああああああああああああああっ!」 ミラルドの顔の上に、四つんばいの形で落ちたミューは、 必死に手足を突っ張り、彼女の顔を潰さないようにしようとしたが、 形のいい乳房の少し上に尻が落ち、ビンビンに突っ立ったペニスが、 ついにズボンの前のボタンをはちきれさせ、ミラルドの顔をモロに押し付けられていた。 玉をミラルドの胸の骨に打ちつけ、目を白黒させていたミューは、 ついにその一部を放出してしまった。 ミラルドの絶叫は、数キロ四方に轟いたかもしれない。 「なんだなんだ?」 「どうしたんだい、ミラルド。」 よりにもよってというか、すぐそばにあるのが、ドワーフの酒蔵亭だったりする。 誰がどう見たところで、ミューがわいせつ極まりない行為を、 ミラルド<カラミティ>リンドに仕掛けたとしか見えない。 亭主のぺぺが嘆くようにいう。 「ミュー、いくらなんでも相手を選べ。」 ハデス・ヴェリコが、紫の目を丸くしていた。 「いやー、あんたにそんな度胸があるとは知らなかったよ。見直した!。」 ヴァイオラが、天を仰ぐ。 「ミュウウウウウ、そんなの相手にしなくても、アタシならいつでもいいのに。」 パニックを起こしたフリーデリケが、前に転がり出る。 「ちっ、ちっ、違うのおおっ、これは私が悪いのおっ、ミューは<カラミティ>とはかかわらせないでええっ」 フリーデリケがタックルするように白目を剥いているミューをかっさらい、 完全にプッツンしたミラルドが、起き上がった。 「てめええらの血は何ぃぃ色だぁああああああっ!!!」 ハデスが、『認識錯乱』の魔法をかけ、 狂乱したミラルドが、酒場に飛び込んで、阿鼻叫喚の騒ぎとなった。 ぺぺは諦めと悟りが同居した顔で、首を振った。 今夜も徹夜決定である。 白目を剥いてもビンビンの様子から、ある程度事情を察したハデスは、 フリーデリケの襟首掴んで、宿へと走り出す。 「あっ、まてよおっ、アタイもいくううっ」 ヴァイオラも後を追った。 「うおっし、今夜は4Pよおおおっ!」 サディスト賢者は、今夜も絶好調であった。 FIN