「……。あの娘たち、龍神(ドラゴンルーラー)の元へたどり着いていたのか。」

意外だとは思わない。彼女たちには実力があり、ホンの少しばかり賽の目の引きが良かったという事だ。

「……。まあ、約束は約束、か。」

こちらが一方的に取り付けただけの話。
龍神(ドラゴンルーラー)の間にたどり着けたのならば、話をしようと語った。

「……。いまさら、話をする必要も無いかもしれないな。」

私は一冊の本を持ち出す。
これは、ハイウェイズマンギルドの性奴リストの写し。
原本は幹部である私が持ち出す事はさほど難しくは無い。

「……竜神の迷宮は既に引き払う算段が出来ている。女冒険者狩りもこれで終了だろう。」


私が購入したリリスは既に開放した。今頃は、力を蓄えるため、クルルミクから遠く離れたどこかで再び魔族でも狩っているのだろう。

「……最後の最後で、こんなことをするのはハイウェイズマンギルドに対して不義理だな……」

そんなことを呟きながら、私は転移した。



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「……久しぶりだな。」

「どこかで見たような……あのスケベな骸骨とは違うわね?」
「アレは…前に会った冥府の民って賢者が言ってる。」

彼女らは、以前あった時とパーティは変わっていない。
だが装備も変わり、龍神の迷宮で鍛え上げられた事によって、別人のような印象を受けた。

「……ふむ。」

まあ、どれほど力がついていようとこの場は関係無い。
戦いに来たのではないから。

「何の用でござる?」
「……つまらない問答をしに。」
「ギルドの下っ端どもを集める為の、時間稼ぎじゃ無いだろうな?」

私の出方を伺っているということか。確かに、そこらへんに隠れているならず者どもは一人や二人ではないだろう。

「……お前たち、この場は捨て置いてさっさと最下層へ行け。
彼女らにかまうより、竜神の迷宮での最後の大仕事を終わらせる事を優先しろ。」

適当な名目を持って、人払いをする。何人かが声も出さずに残っている気配がした。

ドォッゴン!

火の玉を壁にぶつけて威嚇する。

「……さっさと行けと言っただろう?もう一発撃たれる前に行け。」

これから、ギルドに対して少しばかり不義理を働くのだ。人払いは必須だろう。
一人残らず立ち去っていくのを感じ取った私は、再び視線を彼女らに戻す。

「いったい、何が目的で?」
「……これをやる。」

ゴタゴタと他の連中がかぎつけてくる前に渡してしまうに限る。
ギルドの性奴リストをタンパーティ一行に対して放り投げる。

「これは……フェリル?フェリルの性奴としての詳細!?」
「……ふふ。貴女方がここまで来たご褒美だよ。」
「いったい、何のつもりで今更……」

今更、か。あえて言うなら、今だからこそだよ。

「……貴女方の行く末に興味があったから。この竜神の迷宮では、様々なドラマがあった。
その中で、私が見入ったパーティが貴方達だったというだけよ。」
「私たちは貴方の掌で踊らされているとでも言うの?ふざけないで。」

躍らせる?

「……まさか。私は、純粋に賽の目がどう出るのか見たかっただけだ。
ここまで来たという事に対して、個人的に褒め称えてやりたいと思って来ただけ。」
「タンたちを馬鹿にするのも、いい加減にして!」
「これ以上の問答は無用!その首、たたっ切られたいというのなら止めはしないが。」


ふふ、怒らせてしまったか。

「……まあいいわ。ところで、全てが終わるのが目前よ。
グラッセンとの停戦が結ばれればクルルミクの騎士団が動く。
そうなれば冒険者たちによる龍神の迷宮の探索は打ち切られるでしょうね。
貴方たちがこの先、命を賭けて先に進むほどの物は何かあるのかしら?
そっちの半獣人の子が捜し求めてる女の子は、この迷宮の外にいるのよ?」

そう言われて、一行はどよめく。

「……最下層にいる魔物の強さは相当なものよ。
結界の無くなった最下層には『最後の大仕事』の為に、すさまじい数のならず者たちが詰め寄せている。
そんな危険地帯に行く理由は?」

互いの顔を見つめる一行。だが……

「それでも行く。」

帰ってきたのは、意外な答えだった。

「……なぜ?」

「最下層に行った人たちは、捕まって酷い目にあっているんでしょう?なら、私は助けたい。
フェリルみたいな、いえ、これまで捕まった女冒険者たちのように性奴にされる前に。

騎士団が救いに来る前に、彼女たちは堕ちてしまうだろうから……」

まったく……力がついて、身の程知らずになったのか、単純に自分は捕まらないという確信でもあるのか。

「……今、既に性奴として堕ちている友より、堕ちようとしている者を救おうとするか。

面白い、実に面白い答えだ……」

ははははははは!

「……貴方達の物語の結末。期待して見せてもらいましょう。」

私は、笑ったまま姿を消した……


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「……これが暫定の最終回?」
「ネタが尽きたというより、自宅のパソコンでネットが使えなくなったから投稿するのがきついんだってさ。」
「……ところで貴方誰?」
「あとがき専用代理キャラ……との名目だが、無意味・無価値・無存在なので気にしなくて良し。」
「……前回の「薄氷の崩」から内容がずいぶん飛んでるんだけど。アレのオチつけなくていいの?」
「正直、ぶっ飛び過ぎたので「黒炎の魂」ともども存在抹消してかまわない気もする。いっその事、オチはランスローさんにでも投げてしまいたい。」
「……そんなわけにも行かない。」
「さすがにリセット多すぎるからね。死神の杖とかね……」
「……半端なところで止めっぱなし?」
「予定してたオチは、素敵に無敵な本編アイテム『龍の灰』でヘル含めたグラッセン側大壊滅♪でした。種明かししたし、これでいいよね?」
「……『フォル』は何のために出てきたの?」
「僕と同じでー。無意味キャラー。いろんな意味でお話をぶっ壊したから、どうにもできないよー。」
「……」
「それではさよーならー。」
「……。なんなの、これ。いっその事、こんなお話ははじめから存在しなかったことにしてほしい気すらしてきたわ…」
「それもありかもー」
「……アリにしちゃったらどうなるのよ?OTL」
「全てを無に変えることこそ最強!超絶電波のミストルテインでおわらせよー」
「……カオスの化身め。お望みどおり消してやる!」
「キャラが崩れてるよー僕も崩れてくよー それではみなさん、本当にさよーならー」




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