「……。」

今日は面白い者がギルドに捕縛された。

「たすふぇ…ゴフッ、助けてぇ。」

彼女は人間と、魔族のハーフらしい。
基本的に、混血児と言うものは……
生まれつき極端に弱くてすぐに死んでしまうか、両方の血を従えてしまうほど高い
能力を持っている事が殆ど。

「……助けてやったら、貴女は私に何を提供してくれる?」

何となく、聞いてみる。
……答えに詰まったのか、何も言ってこない。

「……そう。貴女は何も持っていないのかしら?」

だが、彼女は何も答えてこない。

「……失望したわ。」

「まっ…」

彼女が何かを言う前に、私は姿を消した。彼女の、髪の毛を一本頂いて。

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「……。」

私は、私の部屋に居た。山と詰まれた大量の本の中から、いくつかの本を選び出し
て調べる。
引っ張り出してきたのは、主に『異種間配合』や『錬金術』などの本だ。

「……ふふふふふふ。」

この、ゴーレムの体も決して悪くは無かった。

「……問題は、彼女との親和性……」

まあ、その辺はおいおい考えてゆけばいいだろう。

「……何も、永遠である必要は無い。」

彼女には、払える対価が無い。

「……まあ、形式上は形式上……ね。」

一応、ハイウェイズマンギルドの資産は好きに使っていいとギルドボに言われては
いるが、
既に彼女の売却は奴隷商人に話が通ってしまった。
身内だけならともかく、外の人間に迷惑を書けてまで話を破談にするつもりはな
い。

「……さて、と。」

私は、個人資産で彼女を競り落とすための資金繰りに、いくつかのマジックアイテ
ムを作り始めた…


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「一度買った商品を、売れ、だと?冗談じゃない。」
「……5000万でどうだ?」



ざわっ



「何の冗談だ?あの『銀狼の牙』だって、奴隷一人競り落とすのに、2800万だ
ぜ?」

私は軽く杖を振り、昨日作ったマジックアイテムの残りを出す。

「……これを見ても、冗談だと思う?」
「賢者の石だと?本物なのか?」

胡散臭そうに、見る。

「……これと同じものを見せた時に、錬金術系のアイテムを専門に扱ってきた闇商
人がそう値段をつけた。言い値で売ったよ。」
「なるほど。信用して良さそうだな。」

皮肉めいた笑みを浮かべて、視線を石からこちらへと移す。

「いいだろう。売ってやるよ、お前の言い値でな。」







「臆病なリリス。出ておいで。」

ガシャン

鍵が開けられる。娘は、部屋…いや、檻の隅で小さく縮こまっていた。

「いや、いやぁ!」

彼女は、怯えきっていた。

「困った子だな……どうします、ヘルさん?」
「現金で払っておくな。」
「は?」

ドサドサドサッ

私は魔術を使い、山のような札束を奴の後ろに呼ぶ。

「な、現金で即決払いですか。いや、なんとも。」
「……それでは。」

私は娘の手を掴むと、私の部屋に、飛んだ。


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「何なの?何よ…」
「……。」

私に買われた娘は、何が起こったのか分かっていないだろう。
とりあえず、半裸に近い格好なので、服を差し出す。

「……着ろ。体を壊されては話にもならん。」
「あの男から買い取って、何をするつもりなの?」

……彼女の足元が、がくがくと震えている

「……さあな。『死神』の気分次第だろうさ。」
「一体、何が!」

……気丈に振舞おうとしても、どうしても力が入りきらない様子の娘。

「……怯えている貴女に、何が出来るの?ギルドであった時に、私に差し出せる物
も無かった貴女に。」
「!?」

立っていられなくなったのか、彼女は腰を落とした。

「……ただ、私としては闇に属する物の血を引く貴女は、非常に興味がある。
意識のある人間の体を乗っ取るのは、私自身も気持ちが悪いので嫌だが……
貴女には、肉人形(フレッシュゴーレム)の材料になってもらおう。」

「え!?  いや、いやぁ!!!!」

まあ、これは予想通りと言うか、普通の反応だな。

「……心配しなくても良い。体丸ごと使い、命まで奪うような事はしない。」
「ううう・・・・・・・。」

説得にもならんだろうが……

「……大丈夫だ。完成した暁には、ちゃんと五体満足で開放してやる……。」

いかにも悪役丸出しの言動で、彼女に目的を伝えて無意味に怯えさせてしまった
後、
私は部屋を出て『鍵』を閉めた。

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