奴隷商人戦記(その7)





奴隷商人として、クルルミク王国に来て数週間。

僕は奴隷を1人も買ってない。

今まで一体何をしていたの!?





ケルケーと再会。

ハイウェイマンズギルドの下っ端を30人殺害。

アリアンに説教を受ける。

死神に怒られる。

謝罪として働く。

女冒険者を1人捕縛。知らない間に他の奴隷商人に売られた。

ドガイドに負けて捕まる。





「・・・・・。」

最悪。黒薔薇様に会わせる顔がない。

何の為に来たのか分からない。

まずい。このままだといけない。

何としても奴隷を買って、黒薔薇様の下に送らないと。

黒薔薇様は多くの娼婦と暗殺者を必要としている。

そして【器】も…。

今から女冒険者を捕まえに行こう。

コンコン。

部屋の扉が叩かれた。

「ロゼッタさん、居ますか?」

「何?」

「ドガイドの件を報告に来ました。」

ああ、あの件ね。

そういえば、ドガイドはどうなったのかな?

魔法の短剣ないし、あっさりと倒されたと思うけど。

「入って。」

「失礼します。」

ならず者A・B・Cが部屋に入って来た。

「これが報告書です。どうぞ。」

「いい。面倒だから読んで。」

「分かりました。」

この後、僕は後悔した。報告なんて聞くんじゃなかった。







ドガイドは迷宮を彷徨っていた。

ビクビクしながら女冒険者PTを探している。

その後をならず者A・B・Cが尾行していた。

地底湖畔を歩いていると、突如湖面が泡立ち始めた…。

と、突然の水飛沫と共に湖の中から

青白い色をした無数の触手が恐るべき速度で飛び出し、

ドガイドの足首に絡みついた!

「な、なんじゃこりゃあぁぁっ!?」

触手はそのまま物凄い勢いでドガイドの身体を中空高く抱え上げ、

ドガイドの身体に巻きつき、その身体をまさぐり始めた。

ドガイドには成す術が無かった…。

柔らかく生臭い無数の触手がドガイドの身体の穴という穴に侵食して来る!

ドガイドは無数の触手に散々に凌辱された…。

「ぎゃああああああああああっ!?」

(大変にお見苦しいので映像は表示できません。)

あまりの光景に、ならず者Aの思考が麻痺した!

あまりの光景に、ならず者Bは吐き気がこみあげた!

あまりの光景に、ならず者Cのトラウマになった!

ドガイドは嬲られながら、己のならず者としての自負が徐々に

削り取られてゆくのを感じた…。

実力レベル1→1

最早これまでか…とドガイドが諦めかけた時、

異形の怪物は気持ち悪かったのか、凄まじいスピードで触手を

ドガイドから引き抜き、ドガイドを地面に叩きつけると、

後悔したように湖面へ消えていった…。

ならず者A・B・Cは異形の怪物を恨んだ。

「そのまま湖の底に沈めろよ」と。

水中に引き込まれなかっただけでも幸運だったかもしれないが、

ドガイドは男としての何かを失ったような気がした。

泣き叫びながら迷宮の奥に姿を消した。

ならず者A・B・Cは生暖かい目でドガイドを見送った。

尾行する気になれなかった。







「報告は以上です。」

「・・・・・。」

「ロ、ロゼッタさん?」

バキャッ!

「ぐべらぼらっ!」

ならず者Aを殴り飛ばした。

身体中に鳥肌が立っている。

「そんな気持ち悪い報告書を読むな!」

「ええっ!?読めって言ったのはロゼッタさんですよ!」

ドギャッ!

「あじゃぱあああっ!」

ならず者Bを蹴り飛ばした。

報告して良いものと悪いものがある。

「出て行け…。」

「…えっ?」

「そいつ等を連れて出て行け!今すぐに!」

「は、はいいぃぃっ!」

ならず者Cは倒れている2人を引きずって、部屋から飛び出して行った。

僕はあんな奴に負けたの!?ショックだった。

泣きたくなってきた。ちょっと立ち直れそうにない。

今日はもう寝る。嫌なことを忘れる為に。

黒薔薇様、ごめんなさい。

奴隷はもうしばらく待って下さい。











≪あとがき≫

ランスローです。

ノルン様。ミラを使って頂き感謝です。

ああ、それにしても…。

書いてしまいました。何て最低なSSだろう。

「ほんと最低!」

酷い言われようだ。

「当たり前でしょ!何を考えて作ったの!?」

落ちつけ、ロゼッタ。

頭の中で思いついて、気がついたら書き終えていた。

と、まぁこんな感じで。

「死んでしまえ。」

いやね。最後の最後まで、出すか出さないか悩みました。

しかし、勇気ある決断で投稿。

「どこに勇気が!?」

ない?

「あるわけないでしょ!この変態!」

変態って言うな!

「言うわよ!誰が読んで喜ぶのよ!?」

・・・・・。

はっはっはっ。

「笑って誤魔化すな!」

ごめんなさい。

「それに【ならず者の1日】って何!?」

面白いだろ?

ケルケーやその他、ならず者達の心温まるハートフルな物語。

「どこが!?馬鹿ばかりじゃない!」

だよね?

何で、あんな馬鹿ばかり居るのだろうか?

不思議だ。

「ランスローの存在自体が不思議よ。」

泣くぞ!

「勝手に泣け。大体、許せないことが1つ。」

何ですか?

ロゼッタに関係する話は、あまりなかったような気がするけど?

「ほほぅ。じゃあ、ケルケーのこの台詞は何!?」

『歳はロゼッタと同じぐらいか。胸はえらい違いだが…。』

・・・・・。

「・・・・・。」

いや、それは言ったのはケルケーだし。

「黙りなさい。ケルケーの責任はランスローの責任!」

無茶苦茶な!

ま、まて!指先を向けるな!

ぎゃあああああああああああああああっ!

ズシャッ!(何が纏めて斬れる音。)

バラバラ!(何かが地面に散らばる音。)

「ふぅ。すっきりした。」

・・・・・。

(返事がない。ただの細切れにされた死体のようだ。)

「みなさん、ランスローが変なSSを書いて、ごめんなさい。」

「今回も読んでくれて、ありがとうございました。」

「次回まで更正させておきますね。」

「では〜。」


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