『アルム初陣』 「う〜む・・・・・」 先日アルム・ウト=ウィタルという神官戦士(邪教の)が参戦し、 名声レベルが高い彼女に、賢者ハデスがPTリーダーを譲ったことで、 ハデスPTはアルムPTと名を改めた。 先頭にたつアルムは、先ほどから真剣に考え込んでいる。 聞くのがはばかられるほど、真剣に。 「アルム、どうしたの?」 忍者カルラが心配になって、声をかけたが、 それすら聞こえないらしい。 「聞かない方がいいと思うぞ。」 ハデスが、ボソッと言い、どういうことかとたずねようとした時。 「ホーッ、ホッホッホッホッホッ」 いきなり胸を張り、高飛車高笑いを始めるアルム。 「そこな醜いモンスター、私たちの前に立ちはだかろうとは笑止!」 同時に、ぬっと出てくるメトロランナー。 「成敗っ!」 ハルバートの容赦もない一撃で、あっさり首がすっ飛ぶ。 「だめだな、イマイチ決まらん。」 とまた、考え込むアルム。 「ハデス・・・あれって」 凄まじい脱力感を感じながら、カルラが肩を落として聞く。 「あいつは、暇になると敵に遭遇した時の口上を考えてるらしい。 決まってああいうお嬢様言葉になる。 おかげで遭遇した連中は、真性のお嬢様と思ってるよ・・・。」 なんとも、力の入らぬハデスとカルラ。しかし、 「かっこいいい〜〜っ!」 盗賊のアチャチャが目をキラキラさせて、うっとりとアルムを見た。 と、急に胸を張った。チビのくせにでかい胸がブルンと震える。 「そこな・えっと、醜いおじさんたち、私たちの、ええと前に・・・」 「おじさんで悪かったなあっ!」 怒り狂ったハイウェイマンたちが、どどっと襲いかかってきた。 「ぼけえええっ、口上言う前に警告しろおおっ!」 激怒するハデスだが、 「うむ、自己の向上をめざすその態度、なかなか見事ですわ。 アチャチャさん、いきますわよ!。そこな醜い下郎ども、成敗っ!」 血に飢えたハルバートが、お嬢様口調の口上に乗り、 次々と首をすっ飛ばしまくった。 迷宮に響く高笑い。 「ホーッ、ホッホッホッホッホッホッホッホッ!」 「ほーっ、ほっほっほっほっほっほっほっほっ!」 まねして高笑いするアチャチャに、 頭の痛いハデスとカルラ。 はてさて、ハデスたちの明日はどっちであろうか? FIN