THE SURPREME SORCERESS RED〜Side:S act10〜

―――FINAL―――

「あ゛ぁ゛ッあッあああ゛あ゛あ゛ッああ゛……」

今まで一度もあげた事も無い絶叫が口から溢れ出て来る。
けれど、今まで一度も耳にした事が無いわけではない。
……そう、この場所に来てからは何度も耳にしていたあの絶叫が、私の口からとめどなく溢れていた。

ズッ…ズブッ
ズチュッ
ズムッ
ズププッ

絶叫を掻き分けるように、くぐもった水音が私の耳に響く。
……いや、耳に響くのではなく……水音は私の身体の中から響いて来ていた。

音源は私の下腹部。
その音と共に、身体を引き裂かれるような激痛とおぞましい肉の感触、そして何か大切な者が奪われてしまったような喪失感が絶えず私を貫いていた。

瞳には涙、身体には珠のような汗。
そして下腹部からは赤い雫を零しながら、私は必死に抗おうとする。

……けれど、両手は万歳をするような体勢で押さえつけられ、両脚はまるでMの字のように開かされて…
四肢の一つ一つに一人が…しかも、体重だけはあるような、オークじみた醜悪な貴族達が…群がっていては、微動させる事しか出来ず、その微かな結果しかもたらさない抵抗を見下ろし、貴族達は普段は建前の下に隠している邪悪な笑みを満面に浮かべていた……

「小ォ・・・娘ェ・・・・・・」

そのような、冷ややかだけれども生暖かい視線の中で一つだけ、まるで烈火のような憤怒と怨嗟に満ちた声。
私の下半身に取り付き、侵略している男……ブダラダのバルチェス卿は怨嗟の声と共に一心不乱に肉の杭…剛直を打ち付けていた。

一時たりとも耐え切れずにあがる絶叫に他の貴族は笑う中、その男だけは憤怒の形相で…

ズプッ…ズブ…ズチュ…ズム、ズム、ズム、ズブッ…!

怒りに任せた肉の杭打ちは、次第に速度と激しさをあげ……

ズムッズブズブズブズブズンズンズンズンズン

「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛……!!」

私の悲鳴と同じほどの小刻みさに達した時……

「ワジの・・・・・・
 ワジの怒りヲ思いジレェェェェェェェェェ!!!!!!!!!」

怨嗟の言葉だけを繰り返したその男が、突如吼え……

ド……クン、ドプッ…ドブ、ドプ……ドププッ……

私の身体の中に、肉の杭と違う、熱くてドロドロとした、まるで腐っているように感じられる何かが注ぎ込まれた。

「ひッ…ひぐッ……?
  ぁぅ…ぁぁ…」

それ…それが何なのかは分からないけれど、おぞましくて絶望的な何かである事だけは分かった…の感触に戸惑いの声をあげ、絶望感に溜息が零れる。

「おやおや、処女を譲って差し上げるつもりが、膣出しまでさせてしまいましたな」

「しかもコレは随分と奮発して出したモノですなぁ……処女にこの量は大変でしょうて……おっと、『元』処女でしたな!」

「それにしても、あの男色家のバルチェス卿に膣出しまでさせるとは…この娘、なかなかの逸材かも知れませぬの?」

見下ろす貴族達が顔を見合わせ、互いに笑い合いながら何かを話している。
けれどその内容を理解できる知識も余裕もなく…私は肉の杭が萎えて行くのを感じて、絶望感の中にも安堵した…


……けれど……


ズプッ
ズッ…ズッ…

それでもこの男の復讐は…私に課せられた償いは終わらない。
一瞬力を失ったように思えた肉の杭はそれが思い過ごしであったかのように野蛮な力を取り戻し、最初と同じように叩きつけられ始めた。

…ただ、違うのは私の中を満たしているおびただしい量のドロドロとした腐液と、そのせいでより大きく、汚らわしくなった水音、そして私の下半身を濡らしていた赤い雫が、神聖な場所と醜悪な杭の隙間から零れた、白く濁った液体と交じり合ってピンクに変わり、激しい動きで泡立てられている事……

そして、もう一つ……

「やッ…
抜い…ッ…だッ…
   ぁ……ぁ!……」

私の口から溢れ出て来るのが絶叫だけでなく、私の聖域を浸していく腐液と、それを掻き混ぜ、更に奥へと押しやろうとする杭への拒絶と、それを取り出す事への懇願……そして、叫び続けた為に口の端を伝って来た涎となった事だけだった……



「アナタナラ―――――ワタシヲオワラセテクレルノ―――?」

少女―――アマール・セルティックアーツは向き合った私にそう言った。
その表情は人形じみていて、一体どのような感情を込めて投げかけた質問なのか、私には分からなかった。

…けれど、答えは一つ。

「……準決勝の時の方と同じような事を言うのですね…」

同じように人形じみた少女を思い出すと、何とも言えない嫌な気分が湧き上がる。
……けれど、私の勝利を、彼女の敗北を…彼女自身が望んでいるのだとしたら、話は早い。

「…良いでしょう。
 私が必ず終わらせます…
 全てを……」

頷くのと、試合が始まるのは同時だった―――



「ほほほ、涎まで垂らすとは随分と気に入った様子ですのぅ…?」

「…まぁ、あのような扇情的な服を恥ずかしげも無く着ているぐらいですからの……
 …きっと、本性は余程の好きものなのでしょう」

「……いやいや、ひょっとすると生娘なのを気に病んで、処女を捨てる為にこの大会に参加したのやも知れませんぞ?
 ……上手くいけば貴族のペットとして可愛がってもらえるようになるわけですし…?」

「ほうほう!?それは気付かなんだ……
 しかし残念、処女を奪い取ったのは我等のような貴族ではなく、破産した『元』貴族とは!」

「これではまるで豚に犯されているようなものですなァ?
 …まァ、刺激的な処女喪失ではあるでしょうが……」

次々と浴びせかけられる罵声。
それに反論しようにも開ききった口からは悲鳴と涎しか出る事は無い。
…それが分かっているから、彼等は好き勝手に私を…敗者を罵るのだ……

「しかし…ここまで獣のように交わられていると、我々は手出し出来ませんなァ…?」

「…けれど幸いな事にこれは決勝戦。
 時間は幾らでもありますし、まずはこの交尾を見て楽しむとしませぬか?…」

罵声に混じって聞こえる、呆れたような苦笑交じりの言葉。
その言葉通り、バルチェス卿の動きは荒々しさを増し、まさに獣のようだった……

…だからこそ…

(これではまるで豚に犯されているようなものですなァ?)

…先程浴びせられた罵声が心に突き刺さり…

(…まァ、刺激的な処女喪失ではあるでしょうが……)

……その、獣のような…『交尾』とすら揶揄された行為で純潔を奪われた事実が私を酷く惨めなものにしていく。

そして―――

「小娘メェ・・・!
 ドウダ!
ドウダ!
コレデモカァァァァ!!!」

最早ただ繰り返されるだけの言葉…いや、咆哮。
咆哮と共に私の下腹部に零れ落ちていく、獣そのものの涎と……

ズグンッ!…ブシュッ……ドブン、ッ……!

入り口付近まで引かれてから、一気に突き入れられる一撃と、それに押し出され、噴き出していく白く濁った腐液……それと入れ替わりに吐き出される、新たな熱い感触……

「ぅ…ぁ゛ぁ゛…………ッ……」

浴びせかけられる言葉よりも何よりも…激しさを増しながら続く『交尾』が、私を卑しめ、陥れていった―――



―――そして、試合が始まるのと、私の身体が崩れ落ちるのも同時だった―――

頷いた…その動きの為に反応が遅れたのは確かだ。
…けれど、それを差し引いてもアマールの詠唱は早すぎた。
私が顔を上げた時には既に眼前に魔弾が迫り、口を開くよりも早く私の身体を貫いていた―――

がくり、と膝を突きながら攻撃の主…先程私と言葉を交わした魔女を見ると、やはり人形のような表情。
先程の会話にどのような意図があったのか―――本心だったのか、それとも私を戸惑わせる策略だったのか―――それは分からない。

けれど、一つだけ確かなのは……

「くぅ……不意打ちとは、卑怯な……」

…私が不意を討たれたという事。
ただし、本当は彼女が卑怯なわけではない……私が未熟だっただけ……

「……けれど…次はこうは行きません……!」

それでも、まだ相手に一勝を与えただけ……

(……ここから、逆転すれば良いだけ……!)

胸の内に決意をし、私は自らに檄を飛ばし…次の…私の最大の魔法へと精神を集中し始めた―――



―――どれくらい時間が経ったのか……私を組み敷いていた復讐に狂った獣…バルチェス卿は、遂に私を赦したのか…それとも、私に飽きたか、ただ単に疲れ果てたのかは定かではないけれど……漸く、肉の杭が引き抜かれていく。

…ズプ……ゴボ……コポポッ……

肉の杭と同時に私の中から出て行く、もはやピンクから再び白濁へと変わってしまった液体…
下腹部を埋めていた圧迫感が次第に無くなっていく事に安堵を感じるのは仕方がない。

……例えそれが、本当に束の間の事だったとしても……

「…いやぁ、ようやく交尾が終わりましたなぁ……随分とおアツい交尾でしたが……」
「ふぅむ、良い見世物でしたが、問題はこれで穴がガバガバになっていないかですなぁ……」
「いやはや全く。
 折角の処女喪失したばかりの娘…ガバマンになっていては興醒めも甚だしいですからな!」
「ともあれ……これで漸く我々がいただけますな………」
「…では早速……我々の信頼を裏切った無能な娘に罰を与えるとしましょうか!?」

頭上で交わされる会話に、全身に怖気が走る。
出来る事ならば逃げ出してしまいたい……けれど、身体に、腰に、全く力が入らず…頭も真っ白で逃げる事など叶わない。

「さあて……では私はもうガマンできないので……豚の精液が気になるのはまぁ、仕方ないでしょう……」

力が入らず、開いたままになっていた脚をゴツゴツした手で押さえられ、再び肉の杭があてがわれる。
…ぞくり、とおぞましさを思い出した身体が恐怖に震える。

「…おぉ、今の反応!
 ……もはや待ちきれぬという感じですねぇ…」

「…!?
 ……そんな、ちが――――うぐぅっ…!!」

的外れの推測に否定しようとした瞬間…その瞬間を狙っていたように肉の杭が打ちつけられ、私の否定は苦悶の声で途切れる。

バルチェス卿のソレとは違う杭は、太さはそれほどでもないけれど中に何かが入っているかのようにゴツゴツしていた。
それが、私の中を掻き回すように円弧を描いて動くと、瘤が私の中を抉っていく。

「ぁ……ぁ、ぐぅ……やめ、て……」

痛みともなんとも分からない――ただ、痒いところを掻いてもらっているような感覚が僅かにある――感覚に、私はすぐに許しを請う。
そんな私の姿を見て、彼等は―――昏い欲望を抱いたならず者同然の貴族達は―――口を三日月のように歪め、舐めるような視線を向けていた。

「―――さて…ではそろそろこちらの処女も奪ってさしあげますか……」

不意に脚の方から声がすると、私の脚を押さえつけていた手が離れ、曝け出されたもう一つの…不浄の穴に指が触れる。

「ひッ……!?
 ……な、なに……?」

新たな怖気に涙が浮かび、緊張に声が強張る。
指は暫く穴の付近を撫でると、私の下腹部を満遍なく濡らしている腐液を掬い取り、塗り込み始めた。

「ぅ゛…ぁぁ……いや、ぁ……」

その行為の意味も分からず、ただ不快感に衝き動かされて首を振る。
…勿論、それでその行為が止まる訳が無い。
……のだけれど、指が、手が離れていく。

「ぁ……」

束の間の安堵に騙されるのは何度目なのだろう……
次の瞬間には、私の身体は組み敷いていた男に抱き上げられ、まるで抱き合うような格好にさせられた。

「…さあさあ、どなたか、共に楽しみましょうぞ!
 前の穴も未だ締め付けるなかなかの名器…こちらもそれに劣らぬモノだと思いまずぞ!?
 …まぁ、まずはご照覧あれ!」

太腿を下から抱え上げていた手が、私の不浄の穴付近に伸び、穴を拡げて見せ付ける。
後ろに目など無いので見えないけれど……私の後ろの貴族達がどのような反応をしているかなど容易に想像出来る。

「…ほう、これはこれは……」
「恥じらいの感じられぬ衣装とは裏腹に、こちらは随分と慎ましやかな窄まりですのぅ……」
「…しかしその癖に精液を塗りたくられてヒクヒク蠢いておる…まるで娼婦の穴のようですぞ!?」
「いやはや全く。
 このようなけしからん雌穴には、ちゃんと躾をしてやらねばなりますまい!」

…見られている……それもこの上なく卑しい瞳で。
羞恥で顔がかぁっと朱に染まり、目尻から涙が零れ落ちる。

「嫌ぁ……ッ!
 見ないで……見ないで下さい…ッ!」

零れ落ちる涙が飛び散る程に首を振り、拒絶する。
身体すら揺れそうな勢いだけれど、身体はしっかりと抱きかかえられ、間断なく突き上げられている。
…そして、私が見られたくないと叫んでいた不浄の穴に、ピトリと何かが……それが何かは分かってしまった……触れた……

「…見られたくないのだな?
 ……ならば見られぬように蓋をしてやろう!」

やけにはっきりと私の耳に響く声。
同時に、純潔を奪われた時と同じ…いや、それ以上の鈍い痛みが不浄の穴から侵入して来る……

「ひぐぅ…ッ!?
 …ぁ……ぁ゛ぁ゛………ぐ、ぁぁ……」

鈍いけれど鋭い痛みに、喉から声が零れて行く。
そんな事は意に介さぬ、と私の不浄の穴の奥深くまで杭が穿たれ、ゆるゆると引き抜かれていく。

「……ぁ゛ぁ゛………ッッ…!」

次に何が待っているのか…私は既にそれを覚え込まされてしまっていた。
強く瞳を閉じ、手近なモノにしがみつく。
……そうやって、勢いに乗った杭の打ち込みに備えた……

「………?」

…けれど、覚悟していた打ち込みは来ない。
感じるのは、私の聖域を蹂躙する突き上げと、荒い吐息……そして、今まさに頭上から浴びせかけられた言葉だけ…

「…おうおう、そんなにしがみついてきて……そんなに私の責めが気に入ったかの?」

声を不審に思い、瞳を開き、頭上を見上げる。

…そこにはにやついた、覆面をした貴族の顔。
視線を前に向けると、脂汗が浮かんだ脂肪塗れの体。

…そう、私がしがみついた手近なモノとは……

……ズグ、ン!!!

一瞬の動揺…その瞬間に不浄の穴を貫く肉の杭。
その衝撃に備えようとしていた私の体も心も脱力した状態で…

……私の浅はかさを嘲笑うようにその衝撃は駆け上り……

「ひぎ――――――ぃぁぁぁぁぁ……ッッ!!!!!」

―――私は、まるで獣のような絶叫を響かせた―――



―――ATOGAKI―――
遂に!遂に!この時が来ました!
決勝戦の展開を若干すっ飛ばしての陵辱タイム!
赤本をお持ちの方は見ればお分かりいただけているかと思いますが、当作品は赤本内の台詞とかをそのまま引用している部分が多々あります。

ちなみに今回はP68の2コマ目まで…コマとコマの間に起こった出来事を頑張って考え、書いています。
とはいえそれも限界というか本の終わり…陵辱シーンの最後のコマというのが存在するわけですが……こちらではそこで終わる予定はありません。
むしろそこからが本番中の本番(予定)。
奇特にも応援してくださっている方々は、予定が予定のまま終わらない事を祈りつつ、ダラダラと続く本作をこれからもよろしくお願いいたします(o*。_。)o