(欄外) <早朝…、「澱みの街」…、「澱みの塔」側、カノープスの娼館…> 靴 音:ザッザッザッザッザッザ… カノープス:ち…(舌打ち、立ち上がる)どこの馬鹿ですか?こんな時間に大隊で… カノープスの小間使い:た…、大変ですっ、旦那様ああっ!!(ばたばたと駆け込んでくる) カノープス:(寝起きの悪そうな顔を向け)何ですか? カノープスの小間使い:そ…、それが…、そのっ…(焦り、手をばたばた動かしているが言葉にな らない) カノープス:何が言いたいのですか(怪訝そうに眉を潜める) 謎の兵士A:(ずかずかと入り込んでくると書をばっと示す)「澱みの塔」の周辺1kmの区域に退 去命令が出た!!速やかに退去せよっ!!これは「王命」であるっ!! カノープス:………………………………………は?(何を言われたのか分からず呆然とする) 〜56日目〜 タイガーホーク:うむっ…、やはりミノ殿は…、良いもの…、で、ござる…、にんにん…(むさぼ るようにミノタウロスの上で腰をくねらせている…) ミ ノ:ブォオオオオオオオオオ…(半分失神し賭けた状態で踏ん張っている) タイガーホーク:(耳が何かの音を捕らえる)この音は…もしや? レティシア:どういうことですのっ?!何故、アッシュ卿に会えないのですか?!(完全武装で槍 も手にした状態で警備の者たちと押し問答をしている) 警 備:とにかく、塔を出て下さい… レティシア:外に集まってきている「軍隊」は何なのです?! 警 備:私たちも存じ上げません…、ただ、アッシュ卿からは先に脱出するように…、と レティシア:く… 謎の一団:(幾重にも「澱みの塔」を取り囲む) 男装の麗人:ザ…(一歩ふみだし、拡声の呪文を唱える) 謎の一団:しん… 男装の麗人:アッシュ・ヴァイザー卿に告ぐ。私はミレニア治安維持部隊隊長レスタト・レス。我々 は王命天意にのっとり、貴様を糾弾し、これを討ち滅ぼす。釈明があるならば述べてみせよ! 謎の一団:しん… 塔の上にばっ、と立つ影:ほほう、とうとう来たか、王家お抱えの潔癖性が!だが、このアッシュ・ ヴァイザー、敵の手に掛かってこの長き人生にピリオドを打つつもりなど毛頭無いわ! 男装の麗人(レス):撃ェッ!(冷静かつ強く号令) 謎の一団:(一糸乱れぬ動きで魔法と矢の攻撃を放つ) 塔の上にばっ、と立つ影(アッシュ卿):(背中に攻撃を受けながら)ふはははははははっ(マント を翻し、塔の中へ) 男装の麗人(レス):逃すなっ! 謎の一団:はっ!!!!!!(声をはもらせ、突入の構え) 澱みの塔:ご… 男装の麗人(レス):……(目を細めてその光景を見る)。 澱みの塔:ごごごごごごごご…(塔が揺れ出す) レティシア:く…(塔の中から駆け出してくる)何を…(揺れる塔を見上げる) タイガーホーク…その他、塔の中に未だ閉じこめられていた一部女メイガス:(身体にこびりつい た白濁もそのままに、多くはふらつきながら塔から出てくる) 男装の麗人(レス):ご婦人方を保護しろっ! 謎の一団:ははっ!!(幾名かがシーツを手に、女性達を保護し、レティシアの手も引く) レティシア:(敵?…いえ、敵意は、無い?)な…、何ですのっ、あなた方はっ?(兵士の真意を 測りかねて戸惑う) 謎の兵D:安心して下さいっ!私たちはミレニア正規軍!あなた達を救出しに来ました! レティシア:きゅ…、救出? 響きわたる声:くっくっくっく…、はは、ふはははははははははははははははは… 澱みの塔:ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!(揺れが激しくなる) 男装の麗人(レス):(悔しそうな表情を作ると)総員っ、待避っ!! 謎の一団(ミレニア正規軍):ははっ!!(号令を掛け合い、一斉に塔から離れるべく駆け出す) レティシア:く〜…(釈然としないながらも崩れ始めた塔に背を向け、一団と共に駆ける) 響きわたる声:はーーーーーーーーーはあはあはあはあっ!!!!!!!!! 澱みの塔:ごおおおおおおおおおおおおおおおおおお、ぐおおおおおおおおおおおおおおんっ!! (轟音を轟かせ、砕け散っていく…) 澱みの塔:(瓦解と貸し、小高い山となっている) 謎の一団(ミレニア正規軍):(瓦解をどけながら何かを「捜して」いる) レティシア:…(無言で目の前の作業を見ている) ミレニア正規兵G:アッシュ卿の死体を発見したぞっ!!! 謎の一団(ミレニア正規軍):(ざわざわざわざわざっ) アッシュ卿の死体:…(塔の中から引きずり出されてくる) レティシア:(アッシュ卿の死体を確認すると溜息を吐き、その場を去る) (参考)エンディング・澱みの塔崩壊 (欄外) <澱みの塔崩壊の瞬間…、澱みの街を一望する小高い丘…> 謎の少女:『はぁっはっはっはっは〜〜〜〜♪』(マイクを片手に高笑いを続ける) レ ス:……その辺で良かろう、アッシュ(少女の背後から声を掛ける)。 謎の少女:(振り返る)…(アイリッシュ・ヴェイザーの顔が陽光に照らされる) レ ス:… 謎の少女(アイリッシュ):(苦笑するとマイクを投げ捨て、足で踏みつぶす)……ふぅ〜い、やれ やれ、とりあえず一段落ついたなァ。よぉ、ムリ言って面倒かけて悪かったなァ、レス。 レ ス:……随分と派手な小細工を労したものだ。 謎の少女(アイリッシュ):まァ、前にお前に言われた通り、『アッシュ卿』の名も『このやり方』 もそろそろ潮時だったからな。 レ ス:16年前の訪問が良いきっかけとなったという訳か。 謎の少女(アイリッシュ):ああ、ちょうどあの身体も寿命が近くて性能が落ちてたし、たまたま 良い素材のチャンピオンが居たからな。彼女からちょっと細胞を拝借して新しいボディの元 とした。 レ ス:転生プログラムの発動タイミングに合わせて受精卵を誕生させたと。だが、『無限の寿命 を持つと言われるアッシュ卿』を世間的に葬るにはもっと大がかりな『理由』が必要だった と言うことだな。 謎の少女(アイリッシュ):イェ〜〜ス。マーベラスメイガスの存在ごと消し去る必要があったか らな。お前さんに頼んで一役買って貰ったわけ。 レ ス:……くだらん茶番だ。巻き込まれてなぶられた女共にはたまったものではないな。 謎の少女(アイリッシュ):悪いとは思ってたサ。だからオレ自ら参加者になって、ちゃ〜〜んと 同じメに遭ってやったワケ。 レ ス:……酔狂なことだな。それにしても無様な負け方をしたものだ。 謎の少女(アイリッシュ):まあ、普段はダミーボディからマイクを通してセリフを喋れたけどな、 オレ自身が試合に出る時にはあらかじめセリフをテープに吹き込まなくちゃいけなかった から、事前に結果が明らかな特別試合で負けるしかなかったんよ。 レ ス:そして『アイリッシュ』のセリフも全て台本通りということか。くだらん余興に尽力を惜 しまないのは相変わらずだな。 謎の少女(アイリッシュ):んでもなぁ、『アイリッシュ』のスペックがナメられるのはムカついて たんで、ダミーボディに同じ性能をプログラムして再挑戦してみたんだが、なんせ遠隔操作 の稼働限界が2ターンも持たないもんでなぁ、結局余計無様な結果をさらしちまったい。 レ ス:……で、これからお前はどうするつもりだ?この大会の残した影響はお前の考えている以 上に深いぞ。妙な連中も裏で動いていた様だからな。 謎の少女(アイリッシュ):まァ……当面は様子見だな。何かあったらそん時だ。時間は無駄なほ どたくさん有るんだからよ。 レ ス:………………。 謎の少女(アイリッシュ):人のことより、オメーはどうよ? レ ス:何も変わらんよ。嫌になるほどにな、何も変わらん……。 謎の少女(アイリッシュ):………………。 レ ス:ではな。またいずれ会おう。悠久の時の先で。 アイリッシュとレス:(塔の崩壊が終焉を迎えた頃…、どちらからともなくその場から姿を消す) ナレーション:「マーベラス・メイガス」は「アッシュ・ヴァイザー卿」と共に、「澱みの塔」ごと その姿を消した。まもなく「澱みの街」もその役割を失い、ミレニアから消失する。だが、 そこから流れ出た、「マーベラス・メイガス」の記憶を持つ一部の者達がやがて、魔道大国 ユニカンにて闇の魔法祭典「サプリーム・ソーサレス」を生み出すこととなる…… 「サプリームソーサレスZERO2」…END BUT 「太・北リポート」 →BE TO EPILOGUE &…?