(欄外) <明け方…、「宿屋」…、狼少王の部屋…> リリア:ん…(毛布が掛かった状態のまま、ぼぉ…、と起き、目をごしごし) 狼少王:…(昨夜の衰弱ぶりに比べ、大分落ちついた様子で、仄かな光に照らされた野外を見つめ ている…) リリア:イェン…?…(はっ)…あの、…大丈夫?(心配そうに寄る) 狼少王:ぁあ…(ゆっくりと頷く) リリア:…イェン、その… 狼少王:法術医の話によると…「残り1年の命」…、だそうだ…(真面目な表情…) リリア:え…? 狼少王:もちろん…、そんな予想通りに死んでやる気など、さらさらねぇが… リリア:イェン…、その…、私も助けられるよう…、力を… 狼少王:…いや、良い…、これ以上、好きな奴…、危ない橋…、渡らせて死なせたくねぇ…、それ が…、一番堪える…(首を振ると、リリアを抱きしめ、そっと唇を重ねる) リリア:ぁ…(びくっ) 狼少王:(唇を優しく離し…)昨晩は…、助かった… リリア:………………………みんなには…、呪いのこと…、言わないの…? 狼少王:本当なら、誰にだろうが言うつもりは無かった…、死ぬつもりなんか、無ぇしな…(瞳に は、徐々にだがいつもの強い眼光が戻りつつある…) リリア:イェン… 狼少王:だから…、もう、誰も死なせねぇ…(自分に言い聞かせるように) <朝…、「宿屋」…、和也の部屋…> 瑞 樹:(戸を空ける)兄様、もう、朝餉の用意が… 和 也:(ぼんやりとベッドに座っている) 瑞 樹:…兄様?(心配そうに和也の顔を覗き込む…) 和 也:今朝は良い…、すまない…(俯き、謝る…) 瑞 樹:はい…(未だ心配げな様子で部屋を出る…) <午前…、ロッコソ伯の館…、赤絨毯の引かれた廊下…> 鉄のキーレ:全く…、どうなっているなりか…(がちゃっがちゃっがちゃっ:大またで歩く) ベンゾ:おやおや…、随分と機嫌が悪ぅございますな、キーレ様(苦笑) 鉄のキーレ:不機嫌にもなるなり…、ガドビックめ。我が催促に今朝になっても応えぬとは… ベンゾ:ほう、それは行けませんな… 鉄のキーレ:おのれっ…おのれおのれおのれっ… ベンゾ:ボケかけた「獣」の行為にいちいちカリカリしなさるな…(笑) 鉄のキーレ:それもそうであるが…、秘書官、貴様は随分と機嫌が良いのだな… ベンゾ:ええ…、実は蛮族長(狼少王の忌み名)の女子を一人、殺しましてね…(ふふっ) 鉄のキーレ:下らぬ(鼻で笑う)たかが「獣の雌子」一人殺したところで何の得がある?父子争わせし、 我が策に比べれば下らぬ、直ならば、我、子全てでも殺せるぞ?(鎧をガチャリと鳴らし) ベンゾ:貴方様なればこそ、それは言える台詞でございます(肩を竦め) 鉄のキーレ:煽てても何も出ぬなり(そう言いながらもまんざらでない表情) ベンゾ:しかし、一人でも意味はあります…。「獣」とは未熟なる存在でございますから…、子一人、 妻一人、死んだくらいで異常に悲しむものでございますにて…。 鉄のキーレ:何十人も妻や子がいるのにであるか? ベンゾ:ええ…、我ら「合理的」な精神を備えた「人」から見るに馬鹿げた話ですが…。 鉄のキーレ:確かになり(苦笑)なるほど…、あのお方の「呪い」の力を増す目的なりか…、中々、や るではないか(ふふっ) ベンゾ:いえいえ、貴方様ほどでは…(ふふっ) (解説者紹介) 今回は解説者無し 〜50日目〜 (以下、実戦生中継) 観 衆:(ざわざわざわざわ…) 伊 空:(竹筒から水を一口含み首を振る) うぐ嬢:それでは…、挑戦者、土方マホソ選手の入場ですっ☆ 〜50日目「「外法使い」伊空嬢VS光剣使いマホソ嬢」〜 光の刃:ヴォン…、ヴァヴァンッヴァンッ!!(入場門を切り刻み、吹き飛ばす) マホソ:(崩れ落ちる破片の向こうから現れるシルエット…)正義のためっ、節義を通させてもらう (ブンッ:レーザーブレードを振るい伊空を見据える) 伊 空:よろしゅう(特に何を応えるわけでもなく、僅かに頭を下げる) うぐ嬢:それでは…、50日目、伊空選手VSマホソ選手、試合開始!! 観 衆:(うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!) 伊 空:(マホソ向かい駆ける) マホソ:(伊空向かい駆ける) 交錯音:キィンッ!!!!!!!!!!!!!!! 静 寂:……………………………………… マホソ:(レーザーブレードを振りぬいたままの姿勢で固まっている) 伊 空:(ぐらっ…:足元がふらつく) 観 衆:(ざわっ…) 伊 空:(グッ:踏みとどまる) マホソ:(足元から滴る血)くっ…、こんな…はず…(レーザーブレードが消え、つんのめりに倒れる) 観 衆:(ぉおお…) うぐ嬢:(マホソの怪我の状況を確認…)勝者…、伊空選手っ!! 観 衆:ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!! マホソ:ぅうっ…、こんな…、嘘…(治癒呪文が掛かり何とか、片手を付く) 伊 空:(ふぅうう…)真剣勝負や…、堪忍え…(首を振ると背中を向ける) うぐ嬢:それではっ、皆様っ、お待ちかねっ…、陵辱っ、た〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いむ!! 男たち:(わらわらとマホソに群がっていく) マホソ:(身体をこわばらせ男たちを見上げる)ぁ…、あ…、いや… 男たち:(既に17人目の男がマホソの膣を激しく犯し、他の者もアナルや口、乳房を好き勝手に 弄んでいる…) マホソ:ぁ…、いやああああ…ああっ…、も…、うやめ…、て…、壊れ…ちゃう、はひぃっ マホソの体内で弾ける精液:ばびゅるるるるるるるるっ!!!!! マホソ:ひぃ…、ひぁあああああああああああああああああああああああっ!!(泣き叫ぶ) (参考)「外法使い」伊空嬢VS光剣使いマホソ嬢=最上階−11 「外法使い」伊空嬢VSハーツ家のレティシア嬢=最上階−12 (欄外) <深夜…、ロッコソ伯の別館…、中庭…> 娘達の叫び声:あ…、ひいいっ、いやっ、いやあああっ 兵士たち:(石畳の引かれた中庭で何人ものさらってきたらしい町娘等を輪姦している) 鉄のキーレ:(鎧を着たまま、壁際の固い椅子に座り、悠然と模様を見ている) 足 音:コツ…(石の床を叩く音) 兵士A:…何だ?(怪訝そうに足音の方を向く) メガネを掛けた青年:…(コツ…:庭の中から、何気無しに歩いてくる) 鉄のキーレ:? 兵士F・D・K:何者だっ、貴様っ…(3人掛りで青年を押さえ込みにかかる) メガネを掛けた青年:(ふっ…:姿が消える) 兵士F・D・K:うお!(ぶわっ:宙に浮かび、しこたま、石の床に叩きつけられる) 煌く刃:きゅぅうんっ! 鉄のキーレ:?!!!!!!!!!!!!(びくっ) メガネを掛けた青年(陽・明):(キーレの背後に付き、鎧の首の隙間に短剣を挿しこむ…) 兵士たち:(ざわっ) 鉄のキーレ:(今の一瞬で…、後ろに…、なりと?!速い…) メガネを掛けた青年(陽・明):動かないでっ! ラモエド:ばばうっ!!(兵士達の背後から吼える) 兵士たち:うわあっ?!! 鉄のキーレ:(硬直しながらも比較的冷静な声で問う)…何の用なりか? メガネを掛けた青年(陽・明):訊きたいことがあるんだ… 鉄のキーレ:訊きたい事…? メガネを掛けた青年(陽・明):晴・嵐に「人形屋」を紹介したのは…、キミか? 鉄のキーレ:晴・嵐…?さあ… メガネを掛けた青年(陽・明):知らないはずが… 鉄のキーレ:あの娘の…、姉なりか?(くいっ、と、兵士達が輪姦していた娘の一人を目で指す) メガネを掛けた青年(陽・明):? 静・寂:あ…、ぅあ…?(兵士達の真中ですっかり汚され尽くされ、ぼう、と見上げる) メガネを掛けた青年(陽・明):っ?!!!! 鉄のキーレ:「姉の仇」と乗りこんできて困っていたなりよ(クック…) 兵士A:(とっさに静・寂の首に長剣を突き付ける) 鉄のキーレ:さぁ…、ナイフを離してもらおうであるか? メガネを掛けた青年(陽・明):く…(短剣をゆっくりと抜く…) 黒の鎖:じゃららんっ!!!!!!!!!(陽・明の腕に絡みつく) 鉄のキーレ:良し良し… メガネを掛けた青年(陽・明):??!! 鉄のキーレ:これで足は封じたなりな?(陽・明ごと腕を振り上げそのまま叩き降ろす) 激突音:どがあああああああああああっ!! メガネを掛けた青年(陽・明):かっ!!!(べきべきっ:石畳の上に叩きつけられ、骨が壊れる音) 静・寂:ぇ…、は…、あ…?…義兄様…?ぁ…、あ…、いやあああああああああっ!!(やっと正 気に戻って目の前の惨状に絶叫する) ラモエド:うがおおおおおおおおおっ!!(唸り声を上げキーレに飛び掛る) 鉄のキーレ:「獣」が(ダダダダンッ:腕の隠しマシンガンが火を吹き、ラモエドを吹き飛ばす) ラモエド:ぎゃいっ…(後脚や腹が吹き飛び血塗れで床に転がる…) メガネを掛けた青年(陽・明):く…、ラモ…エドっ… 鉄のキーレ:晴・嵐…、たしかに良く知っているなりよ。己の欲望も制することが出来ず、我が罠 に簡単に引っかかったあの頭の足りぬ「北の牙」であろう?はっはっは…、あれは下らぬ喜劇 であった…。 メガネを掛けた青年(陽・明):…(ぎりっ…) 鉄のキーレ:あれも愚かであったが、お前もたいがいの「愚か者」なり。すぐに私を殺していれば、 こうもならざりしものを… メガネを掛けた青年(陽・明):訂正…、しろ… 鉄のキーレ:あ…? メガネを掛けた青年(陽・明):僕は確かに「落ち零れ」だけど…、晴は違うっ…、訂正…しろっ 鉄のキーレ:「獣」が(鼻先で笑うと再び腕を振り上げ…) メガネを掛けた青年(陽・明):(どがあああああっ:石の床に叩きつけられる)ぐうっ… 鉄のキーレ:キングクインの威光に浴さぬ「獣」はみな愚かと言うのは歴史も語る真実なり… 静・寂:義兄様っ…、ぅうっ?!(背後から伸びてきた手に口を押さえられる) 兵士C:(静・寂を押さえて、貫く…) 静・寂:ひぅううううううう…(涙が石畳を濡らす) メガネを掛けた青年(陽・明):やめ…、ろ… 鉄のキーレ:未だ「口」が聞けたなりか?(鎖が唸り、陽・明を今度は壁に叩きつける) メガネを掛けた青年(陽・明):かはあっ(全身から血を噴き出し、崩れ落ちる) 静・寂:いや…、こんなの…、いやぁああ…(犯されながら泣きじゃくる) 鉄のキーレ:(陽明につけていた鎖を外す)馬鹿雌が…、もう、黙らされたいなりか?(剣を抜くと静・ 寂に向かう…) 静・寂:あ…(びくっ) メガネを掛けた青年(陽・明):(がっ…:キーレの肩を掴む)やめろっ… 鉄のキーレ:下らん…、「死にぞこない」のごみがっ!(振りかえり様に弾き飛ばす) メガネを掛けた青年(陽・明):ぐっ…(血を吐きながらも踏みとどまる) 鉄のキーレ:(ひくっ)…生意気な、「歴史の敗者」の分際で…(剣を持ちなおす) 兵士たち:(ざわっ) ラモエド:(はらわたをぼとぼと落としながらよろりと立ち上がる…) 鉄のキーレ:??? ラモエド:ひゅぅ…、ぉ…、ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお…!!! (天を仰ぎ空気を震わせ、大声で鳴く) 鉄のキーレ:やかましきかなっ!(マシンガンが再び火を吹く) ラモエド:きぅっ…(細切れになって吹き飛ぶ) メガネを掛けた青年(陽・明):ぁあっ!!(キーレの鉄仮面の眼穴に剣を突きつける) 鉄のキーレ:…どうした?…「殺し」たいのであろ?(余裕の笑い声が漏れる)早く突くが良きなり メガネを掛けた青年(陽・明):殺してやる…、殺して…(血を吐くような言葉、しかし、腕は震え、 突き出すことが出来ない…) 鉄のキーレ:(陽・明の首からぶら下がったペンダントを手に取る)同じものを昔見たことがある…、 「不殺」を教義に掲げた原始宗教を信じるゲルマの一集落だったか… ペンダント:(キィイインッ:キーレの掌の中で砕け散る) 鉄のキーレ: (陽・明の胴に蹴り) 下らない「狩り」だったのを覚えているなり(グサッ:倒れこむ陽・ 明の腕を剣で貫く…) メガネを掛けた青年(陽・明):かっ…、くうっ… 鉄のキーレ:茶番は…、ここまでにするっ…(剣を振り上げる) 破壊音:がばぐごんんんんんんんんっ!!!!!!!!!(別館の2階の壁が砕け散る) 鉄のキーレ:?!!!!!!!!!!! 長身の影:どんっ!!!!!!!!!!!!!!!(キーレと陽・明の間に落下する) 鉄のキーレ:お前は… 長身の影: 良く知らせた…、ラモエド…(ラモエド…、陽・明を静かに見据える) 鉄のキーレ:「蛮族長」…!!!!!!!!! メガネを掛けた青年(陽・明):お義父…、さん?(ぐぐっ…:上半身を起こし、目の前の人物を見る) 長身の影(狼少王):ここまで…、よく頑張ったな…(陽・明を優しい目で見る) 黒の鎖:じゃららんっ!!!!!!!!!(狼少王の腕に絡みつく) 長身の影(狼少王):…?(しげと腕に鎖を見る) 鉄のキーレ:(狼少王の言葉を無視…)討ち取ったり!!!!!!!(腕から飛び出したマシンガンを 狼少王に突きつける) 連続する銃撃音:ダガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!! 穴明き、吹き飛ぶ狼少王の服:ババババババババババッ!!!!!! 鉄のキーレ:ふはははははははははははははははははははははははははは…っ!!!!! 連続する銃撃音:ダガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!! 穴明き、吹き飛ぶ狼少王の服:ババババババババババッ!!!!!! 鉄のキーレ:ふははははははははははははははははは…っ!! 連続する銃撃音:ダガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!! 穴明き、吹き飛ぶ狼少王の服:ババババババ…(殆ど全ての服が吹き飛ぶ) 長身の影(狼少王):「鳥」よりも速く… 鉄のキーレ:ふははははははははは…は…!? 連続する銃撃音:ダガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!! 弾丸が固いものにぶつかる音:ごっ…、ばんっ…、ばばんっ… 長身の影(狼少王):「弾」よりも速く… 鉄のキーレ:ふは…、ふはははは??? 連続する銃撃音:ダガガガガガガガガガ…、ガキンッ…、ガキンッ、ガキンッ…(弾切れ) 弾丸が固いものにぶつかる音:ごっ…、ばんっ…、……………… 長身の影(狼少王):「音」よりも速く… 鉄のキーレ:ふは…、…あ????? マシンガンが空回りする音:ガキンッ…、ガキンッ、ガキンッ… 長身の影(狼少王):魔法の助けも無く…(火薬の破裂した埃と熱気を纏い、無傷の半裸身でキーレを 見据える) 鉄のキーレ:あ…、は????????? マシンガンが空回りする音:ガキンッ…、ガキンッ…(止まる) 長身の影(狼少王):空の刃に耐え得る肉体の持つ「意味」…(腕を振るう) 鉄のキーレ:は…、は…、はあ?????????????? 長身の影(狼少王):…「とく」と「その身で痴れ」っ!!!!!!!!!!! 狼少王の拳:(ごっ!!!!!!:一瞬消え、キーレの胸元に叩きこまれた姿で形を表す) 鉄のキーレ:のぉおおおおおおおおおおおおおっ?!!!(鎧の魔方陣が作動するが…、爆発しな がら、狼少王の拳に打ち砕かれていく…)んなっ…、んなっ…、「物理力」…、だけで?! 長身の影(狼少王):ぬんっ!!!!!!!!!!!!(腕を振りぬく) 鉄のキーレ:どーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!(爆発と 爆光を迸らせながら吹き飛び別館の壁を突き破る) 兵士たち:(ざわざわざわざわざわっ…) 兵士A:ばっ…、蛮族めっ…、動くなっ…(静・寂の首に剣を突きつけ、悲鳴に近い声を上げる) 静・寂:ぅあ… 長身の影(狼少王):(ピンッ:離れた位置から兵士Aの頭目掛け、デコピンの要領で中指を弾く) 兵士A:ばっ…(空気の槍が貫き、額から脳天が弾け飛ぶ) 兵士たち:ぅわ…、わ…、ぅわあああああああああああああああああああああああああっ!!(蜘 蛛の子を散らすように逃げ出していく) 長身の影(狼少王):(陽・明を抱き起こす) メガネを掛けた青年(陽・明):ボクは…、ボクは…、「宿題」を… 長身の影(狼少王):「宿題」は…、出来なくたっておこらねぇよ…、晴は… メガネを掛けた青年(陽・明):…(唇を噛んで俯く) 長身の影(狼少王):(苦笑混じりに)あいつも…、大概、ずぼらだったから…な 鉄のキーレ:おの…、れっ!!!!(かふー…:瓦礫の中から立ち上がる)死ぬなりっ!(剣を投擲し ようと振り上げる…) 長身の影(狼少王):…胸(キーレを振りかえり、ぽつり) 鉄のキーレ:あ??????(胸元をゆっくりと見下ろす…) キーレの鎧の胸元:(ばす…、ばすばす…:真っ赤になり、どろりと肉体ごと溶け出していく) 鉄のキーレ:熱…い?!(がふっ:血を噴き出し昏倒する) 長身の影(狼少王):帰るか…(静・寂も抱き上げると、半壊した別館を後にする) <夜…、ロッコソ伯の館…、ロッコソ伯の寝室…> ドアをノックする音:(コンコン…) ロッコソ伯:(ベッドからもぞ、と上半身を起こす)…ミヨ、か? 長身金髪の男装の美女:(ギィ、と扉を開け、入って来る…) ロッコソ伯:お前は…、ミレニアの…、レスとか言ったか? 長身金髪の男装の美女(レス):… ロッコソ伯:何のようだ…?(心が…、読めぬ?) 長身金髪の男装の美女(レス):…(無言でロッコソ伯を見据える) ロッコソ伯:良いだろう…(目を瞑り…、開く!!) 巨大な氷の刃:ざしゅうっ!!!!(レスの四方に顕現し、その身体を貫く) ロッコソ伯:ふん…、愚か者… 長身金髪の男装の美女(レス):(姿がぼやけだし…、黒色のスーツを着込んだ女剣士の姿に変わって いく…) ロッコソ伯:が…? 黒色のスーツを着込んだメガネの女剣士(ミヨ):かはっ…(氷の刃の中で血を吐き出す) 長身金髪の男装の美女(レス):たかだか目纏の類と…、見逃しておいてやっていたものを……。 (部屋に響く声…) ロッコソ伯:?????????!! 長身金髪の男装の美女(レス):…消えろ。 ロッコソ伯:…なに?(手が崩れだす…)え…?(頬がこそげ落ちる…)あ…、ああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああ…(全身が音も無く崩れ落ち ていく…) 長身金髪の男装の美女(レス):(伯爵の残骸を見もせずに)……すべからく、人とは愚かなものよ。 ゾンベ:どう言う…、ことでございますか…?(灯篭の揺らめく室内に倒れるロッコソ伯らしき白 骨とミヨの死体を呆然と見つめる…) 足 音:(コツ…、コツ…:廊下から響く) ドアの開く音:(ギィ…) ゾンベ:???(驚き、振り返る) グレンデン伯:死んでいるようだな… ゾンベ:グレンデンッ!!!!!!!!!!!!!まさか…、貴様が…!!!!!! グレンデン伯:いや…(落ちついた表情で首を振る) ゾンベ:(ちっ…)いい加減なことを言うな…、貴様で無ければ誰が…(剣を抜く…) グレンデン伯:殺すつもりだったが…、先を越されたらしい… ゾンベ:なんだと…? グレンデン伯:まぁ良い… ゾンベ:貴様…、殺すッ…(グレンデンに突きかかり、押し倒す) グレンデン伯:おい…(ゾンベに倒され、刃を突きつけられてなお平然と…) ゾンベ:??? グレンデン伯:貴様ごときが…、「グレンデン家」に勝てるつもりか…? 五本の長き爪:(斬ッ!!!!!:闇を梳き、ゾンベの身体を切りとばす) ゾンベ:がごぁっ!!!!!(血を噴き出しながら床を転がる) グレンデン伯:ジョドー、「仕事」は済んだのか?(何事も無かったかのように平然と立ち上がる) ジョドー:(アサシンの衣装を身にまとい、部下たちと共に姿を現す…)はい…、屋敷のものは、み な…、片付けました… グレンデン伯:ふむ…、良いだろう…(たちあがり、膝の埃を叩く)火をつけ…、撤収する…、跡形 も…、残すな… ジョドー・部下:ははッ…(号令に応え、一斉に散る…)