(欄外) <朝…、「宿屋」…、庭先…> 小 鳥:ちち…、ちちちちちち…(庭先で戯れている) B F:〜♪(草葉の上で、機嫌良さげに風に髪を揺らしている) シーナ:(かんかんっかんっ、かかん:庭の木立の下で簡単な剣の稽古…) B F:(ちょっと心配げに…)…大丈夫なんですか?その…、今、お腹… シーナ:これくらい問題ない…(心地よい汗がしっとり浮かんだ顔を向ける) 瑞 樹:(割烹着姿で庭に顔を出す)ごはんですよ☆ B F:はいっ♪ シーナ:ああ…、わかっ… 爆 音:ちゅがぼぉおおおおおおおおおおおおおおんっ!!!(建物をも揺るがす轟音) 小 鳥:ちちちちちちちちちちちちっ!!!(慌てて飛び立つ) 瑞 樹:きゃあああっ?!!(びっくりして耳を塞ぐ) B F:?!(風の精霊の動きに心を研ぎ澄ます) シーナ:敵…?いや…(確認するようにBFを見る…) 庭 先:(うっすらと舞いあがる埃の白いヴェール…) B F:(肩を竦めて…)…「彼女」をとうとう、連れてきちゃった…、みたいです…(溜息) シーナ:そう…(溜息) 瑞 樹:…彼…女?(恐る恐る耳から手を離す) <朝…、「宿屋」…、「食堂」…> 狼少王(太・莱):…と言うわけでだ(すす塗れの顔そのままで「紹介」中…。) ディン:(同じくすす塗れで狼少王の隣で、「紹介」されている。) 狼少王(太・莱):新しく「技術官」として来てくれる事になったディン、だ…、みんなも宜しくして やってくれ…。 瑞 樹:(ああ…、あの…、「ボンバーチャンピオン」…(汗)) B F:(ええ…) シーナ:(う〜ん…) 狼少王(太・莱):(コホン)…まあ、さっきの(爆発)は、ちょっとしたミスだ…。彼女は爆発物のエキ スパート…、問題はないと判断した…、安心して欲しい…。 ディン:(手を上げて)とりあえず、よろしくっ(にかっ) <夕…、チャンピオン控え室…> アウル:…(一枚の手紙を読み返している) 女 性:チャンピオン・ディン…、…試合のお時間です… ディン:(立ち上がる。紙片を胸元にしまい呟く。)かならずかちぬくから…、みているがいい…、 そら…、から。 (解説者紹介) 陽・明:読み名は「エク・シィド」。メガネを掛けた青年。服装はシャツにVネックセーター。 常に笑みを絶やさないが、そこはかとない脆さも感じさせる。 ラモエド:青みがかった白いたてがみ、胸元に半月模様を有する巨大な猛獣。 陽・明に従い、つきそう。 静・寂:読み名は「フィ・ロ」。サングラスを掛けた黒シャツ、黒ズボンの少女。 途切れ途切れの口調だが、態度は堂々。 〜44日目〜 (以下、実戦生中継) 観 衆:(ざわざわざわざわざわざわざわ…) 陽・明:(ぼ〜…、と試合を眺めている) ラモエド:…(陽・明の隣に寝転んでいる) アウル:…(闘技場の中心で目を閉じ、たたずむ) うぐ嬢:では、挑戦者の入場ですっ!! 〜44日目「ウィンザムの氷姫ジル嬢VS「吸血姫」アウル嬢」〜 アウル:(ゆっくりと目を開ける) ジ ル:(しゃなり…、落ちついた仕草で入ってくる) うぐ嬢:44日目…、アウル選手VSジル選手の試合を始めます!! 観 衆:(おおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!!!) アウル:(前日の試合と違い、速攻を仕掛ける)ぶたのよーなひ… ジ ル:(胸元に当てられるアウルの掌)…(ふっつりとジルの姿が消える) 静・寂:…決まった(ぼそり) アウル:め…?!! ジ ル:…ふふっ(アウルの背後に響く笑い) アウル:っ!!!(慌てて振り向く) ジ ル:一瞬でも…、「敵う」と思った?(残酷な笑みと共に放たれる光) アウル:ぅ 魔道弾:でぃごうっ!!!!!!(アウルを包み込み…、吹き飛ばす) アウル:う…、うぐ…、ああああっ!(十字架に張りつけられ…) 男たち:(身動きの取れないアウルの身体中を嘗め回し、ペニスを刺し込み、次々と幼い子宮に白 濁を打ちこんでいく…) アウル:(朦朧と視界を漂わせながら)これが…、「できそこない」のうんめー…、なの…? 陽・明:(ラモエド、静を連れ、闘技場に背を向ける…) (参考)ウィンザムの氷姫ジル嬢VS「吸血姫」アウル嬢=最上階−5 ウィンザムの氷姫ジル嬢VS半天使イズミナ嬢=最上階−6 (欄外) <澱みの塔の廊下…> アウル:…(一糸纏わぬ姿で俯きながら…、歩く…)…(こける…)  過去からの声:落ち零れ… アウル:…(一糸纏わぬ姿で俯きながら…、歩く…)…(よろめき…、こける…)  過去からの声:カーマイン家の面汚し… アウル:…(一糸纏わぬ姿で俯きながら…、歩く…)…(こける…)  過去からの声:僕は…、アウル様を信じてます… アウル:…(一糸纏わぬ姿で俯きながら…、歩く…)…(よろめき…、こける…)  過去からの声:所詮…、生きる価値の無い…、「出来そこない」… アウル:…(膝からにじみ出る血が皮膚についた白濁と混じる…)…(廊下の壁にもたれかかり、そ のまま、膝を抱え、座りこむ…)う…うう…(膝を抱えた掌に頭を乗せ…)う…、うう…、うう うう…(震える…。涙が落ちる…。手を握り締める…)あっく…、うう…、ふ…、うう…(両腕 で何度と無く涙を拭い拭い、拭う。処女血とスペルマが混じり、ゆっくりと溜まりを作って いく…) ???(大きな影):(アウルの前に屈みこむ) アウル:…っく…、ぇぐ…(気配に気付いているが…、涙を拭うことしか出来ない) ???(大きな影):(アウルの頭をそっと抱き、アウルを大きな身体で包み込む)俺と一緒に来い。 アウル:…う…う…(唇を噛んで…、やっと涙を止める…) ???(大きな影):(抱きしめたまま…)お前が…、必要だ… アウル:(涙は止まったもののすっかり冷え切った瞳で…)おまえ…がひつよー…(鸚鵡返し)か…。 「でき…そこない」…にも…、つかい…、…みちは…あるのだな…(温かい腕の中でも、す っかり冷え切った心が表情を沈ませていく…) ???(大きな影):「出来そこない」なんかじゃないさ…(肩を抱くと、そっと離れ、瞳を覗きこむ) お前は…、「大きなダイヤの原石」だ…、でか過ぎて…、まだ誰にも磨ききれてねえ…、ただ それだけのことだ(太陽のような笑みがアウルの目の前で破裂する) アウル:…?(戸惑いの表情…) ???(大きな影):俺と一緒に来い…、お前を磨ききってやる…(確信に満ちた力強い声…) アウル:…(惹き込まれるように…、ただ、呆然と見上げている…) ???(大きな影):(そっと手を取る…)俺は…、狼少王…、イェンと呼べば良い…(にっ) アウル:(よろめきながらも自分の足で立ち上がると、もう一度、見上げる)…わたしはアウル…、 アウルとよぶがいー…(無理やり笑顔を作る…。拭い損ねたのか、涙が二筋、三筋続けて、 また、零れ落ちた…) <翌日早朝…、宿屋…、「石碑」の前…> 太・北:…(かたんっ:木のオケと柄杓を落とす) 陽・明:(「石碑」の前で屈めていた身体を起こすと、ゆっくりと太・北に向く)…久しぶりだね。 太・北:…陽・明義兄…、様? 陽・明:…(陽・明の背後…、石碑に手向けられた花が緩やかに風に揺られている…)