(欄外)

<「館」の外、街角の闇の中・・>

黒マントの小男:・・・・・・・・・(街角の闇の中から「館」を見つめている)
少 女:・・・・・・・どうね?(背後の闇から現れる)
黒マントの小男:一人の女性が売られていきましたが・・、それ以外の動きは・・。
少 女:・・・・・・・そか。

<澱みの塔、「晴・嵐」の取っている個室>

晴・嵐:やっと・・、終わったかぁ・・(机の上に上半身をぐたっと預ける・・)
暗・仁:ええ・・、今日は「ばとろわ」でしたからね・・、お疲れさまです☆
晴・嵐:ああ・・・・・・・・・・・・・・・・(ぼぅと窓の外の闇を見つめる)

<「館」の中、薄暗い一室>

太・北:うぐ・・、ひぅ・・、うぅ・・、うっ・・うう・・(呆然とした表情で、3人の男たちに
弄ばれている)
きず男:ちっ・・、こいつ、少しゆるくなってきたんじゃねぇか?(膣を掻き回しながら)
赤髪男:「団長」(眼帯男)とかにも散々犯されたからな・・(アナルにぐちゃぐちゃ・・)
ヒゲ男:(ター・チェにしゃぶらせながら)「副団長」(メガネ)のくれたこれでも使うか?(謎の
液体の入った小瓶を取り出す)
きず男:お・・、締まりが良くなる薬か・・(犯しながら小瓶の中身を指で取り、ぐりゅっ、とタ
ー・チェの膣内に塗り込める)
太・北:んぅ・・?ん・・・、ぁぐうううっ!!(びくんっ・・)
きず男:おおおっ!!こいつぁ・・、おおっ・・、良いじゃねぇか・・(くっく・・)
赤髪男:(ぐっぐっぐ・・)おい、オレにもくれ。
きず男:おう、良いぜ?(ぐっちゃ、ずっちずっち・・)
太・北:(かはっ・・)や・・、ゃめ・・(ひっく・・)
ヒゲ男:(髪を掴む)ぉい・・、吐き出すんじゃねぇ(強引に口にねじ込む)
赤髪男:へっへ・・(ぐりゅっ・・)おおっ・・、おお!(ぐちゃっ、ぐっ、ぐっ)
太・北:(びくぅっ)んぐっ・・、ん・・、ひぅうううっ!(びくんっびくんっ)

眼帯男:・・遅い、何してやがるんだ・・、メガネのやろう・・(汚水の上に横たわっている瑞樹
の片脚を上げると膣に「馬並」をずぶずぶずぶ・・)
瑞 樹:あ・・、ぁあ・・、あ・・、ぅ・・、ああ・・(視線も虚ろ)
眼帯男:(瑞樹の胸を握りつぶしながら)また遊んでやがるに違いねぇ(ぐっちぐっちぐっちゅ)
(リリアは)「死んだ」か・・、それとも、まさか・・(舌打ちし、苛立ちをぶつけるように
激しく腰を叩きつける)
瑞 樹:(身体を乱暴に揺らされる)ひぃううっ・・ん、んっ、ううっ・・、兄・・様ぁ・・(悲痛
な呻きと同時に、涙が一筋頬を伝う)

<「館」の外、街角の闇の中・・>

黒マントの小男:シーナどのは・・?
スーツ男(元外交官):わけあって、残っていただきました・・。
少 女:ちょっと色々あてね・・

<宿屋の一室>

リリア:ねぇねぇ、みんなどこに行ったの?リリアも行きたーい!(ベッドの上で手足ばたばた)
シーナ:(溜息を吐きながら)行ける状態じゃないだろ?
リリア:リリア、ケガ治ってるもん!(ぷう、と頬膨らませる)
シーナ:だめ(きっぱり)
リリア:シーナのいじわるぅ!(じたばた)
シーナ:・・・・・・・・・はぁ(溜息)(参ったなぁ・・)

<「館」の外、街角の闇の中・・>

黒マントの小男:グレンデン公の「剥奪姫」?確かに、同行とは参りませんな・・(がふ)
スーツ男(元外交官):・・
少 女:シーナには悪かたかな・・(頭を掻く)
黒マントの小男:仕方ありますまい・・(「得物」がマントの中でがちゃりと音を立てる)
少 女:・・・・・・やと、来たね?(本を持ち直し、背後の奥の闇を見る)
大男(ガボス):(闇の中からゆっくり近付く気配)・・・・・・んが(ずるっ・・、ずる・・)
スーツ男(元外交官):では・・・・・・・、参りますか。

<「館」の前>

顎割男:(短足男と共に扉の前で警備)ふぅ・・、ねみぃな・・(欠伸)
短足男:おぃおぃ・・、あんま、いい加減な仕事してると、「団長」(眼帯男)にどやされっぞ?
顎割男:わかっちゃいるけどよ・・(ふわぁああ・・)
短足男:だいたい、「長顎」さんをやった「敵」の正体だって未だ・・
顎割男:大丈夫だって、「副団長」(メガネ)がでばってる以上、こっちは・・
落下音:ひゅぅううううう・・・・・・・・・・
顎割男・短足男:?
落下物:(どさどさどさあっ:館の少し手前。どこからともなく振ってきた男の死体、3体)
顎割男・短足男:??!!(目をこらす・・・)
落下物(死体):・・・・・・・・(ごろ・・:死体のうちの一体の首がこちらを向く)
顎割男・短足男:???!!!ふ・・、副・・!!!

<「館」の中、玄関近く、汚れまくった絨毯のしかれた暖炉のある一室・・>

焼きゴテ:しゅぅううう・・・(真っ赤に熱せられ、僅かに煙を上げている)
メェル:ぅく・・、んっ、ぃ・・、いやぁ(涙を浮かべ、いやいやと目の前の焼きゴテを見る)
メェルの左右の男たち:(膨らみがハッキリしてきたメェルのお腹を押しつぶすような形で、左右
から肩を掴み、押さえている)
メェルの下の男:ふっ・・、ふっ、ふっ!!(メェルを下からしつこく突き上げている)
メェル:あぐっ・・、ん・・、んう・・(目の前の恐怖と下からの衝撃に顔を歪める)
バンダナ男:ほら、暴れるなよ?(焼きゴテ片手ににたにたしながらメェルの背後に回り、首根っ
こを押さえる・・)大切な「買主」様の「所有印」なんだからよ・・(くっく・・)
メェル:あぐ・・、ゆ・・・、許し・・・、くっ・・
焼きゴテ:(メェルの左肩に押しつけられる)じゅっ・・・、じゅうううううううううう!!
メェル:ひぐっ!!・・う、うああああああああああああ!!(絶叫)
メェルの下の男:(メェルの腰を掴む)うおおおおおおおおっ!!締ま・・、締まるッ!!(どふ
っ・・、ごぽっ、ごぷぷぷっ)
メェル:うぐ・・、うあああ・・(しゃああああ・・・)
メェルの下の男:・・・・・・・・・洩らしやがった・・、くそ・・(腹を平手で叩く)
メェル:あぐっ・・
焼きゴテ:・・・・・・・(白煙を上げ、やっと離れる)
バンダナ男:それぐらいは仕方ねぇって・・、それより、「流れ」なかったのが惜しいな(くく)
メェルの下の男:ああ、ただ「妊婦」が向こうの希望だからな・・(もう一度、突き上げ始める)
ま、「値引き」はしねぇですんだってことか・・(くっく)
メェル:(左肩には「ガルゴル様所有の雌奴隷」の火傷跡・・)ううっ・・、う、う、うううう、
うううう・・・(絶望と痛みと恐怖でかたかた身体を震わせながら泣いている)
眼帯男:(廊下から声を掛ける)未だ、「焼印」を押してなかったのか?
バンダナ男:あ・・、だ・・、団長!!いや・・、その・・
ヒゲ男:どうせ、犯すのに夢中だったんだろ?明日には渡す「商品」だしな・・(くっく)
肥満男:あー・・、いいなぁ・・(ヒゲ男と共に外出着で眼帯男の後に付いている)
眼帯男:おまえは今までに散々、犯していただろうが・・(苦笑)
バンダナ男:お三人とも、お出かけで・・?
眼帯男:ああ・・、少し、気になるんでな・・、留守中は「きず」と指揮を執れ・・
バンダナ男:へ・・、へいっ・・
眼帯男:・・・・・・(扉に手を掛ける)・・・・・・・・?!!(何かを感じ、扉から離れる)
破壊音:どんっ!!!!!(ドアを突き破り、何かが飛び込んでくる)
???:ぐわぺぺぺぺぺぺっ!!(血塗れで廊下を転がる顎割男・・)
肥満男:・・・・・・・・・・・んあ?
眼帯男:っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!(扉の向こうを睨む)
ヒゲ男:「敵」かっ?!!(腰の刀に手を掛ける)
扉の向こう:(メガネ、短足男ら4つの死体に囲まれ)・・・ぐるぅううう(闇に浮かぶ巨体)
少 女:・・・・・・・・・(ガボスの背後から現れ、ばさっと、巨大な本を開く)
多くの骸骨:わらわらわらわらわら・・(少女や大男の後ろからわき出してくる・・)
大男(ガボス):んごぉおおおおおおおおおおおおおお!!(天に向かい咆吼する)
少 女:「死に神」の代理で来たね・・(ぶわわわわわっ:本から文字が闇へと浮かび上がる)

眼帯男:やろぉどもおおおおおおおおおお!!!

<澱みの塔、「晴・嵐」の取っている個室の「ベッド」>

暗・仁:(一糸纏わぬ姿)・・・・・・・(隣で寝ているシャ・ランの寝顔を見ている)
晴・嵐:(もちろん、アー・ジュと同じく何も身に纏っていない)・・すぅ・・、すぅう・・
暗・仁:(何かの気配に気づく)??!!!!(この気配・・、方向は・・?)
晴・嵐:・・・・・・・・・・・んぅ・・(寝返り)
暗・仁:(シャ・ランを起こさないよう、身を起こし、衣を身に纏う・・)・・・(シャ・ランの上
に毛布をかけ直すと、部屋を出ていく・・)
 扉 :・・・・・・・・ばたん(閉まる)
晴・嵐:・・・・・・・・(目を開けると、ゆっくり身を起こす・・)

<宿屋の一室>

リリア:???(きょとん、何かを感じたようにある一方を向く・・)
シーナ:・・・・・・どうした?
リリア:・・・・・・・・・・・凄い、力・・・(ぽつり)
シーナ:・・・・・・・・・・・・力?

<「館」の前>

「人形屋」の男たち:うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!
多くの骸骨:わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ・・
ヒゲ男:しゃらいわあっ!!!(じゃきーん!!!:骸骨を切り刻む)
大男(ガボス):んがーーーーーーーーー!!んががーーーーーーー!!(どがーん!!:男を数
人一気にはり倒す)
少 女:・・・・・・・・・・・・(骸骨兵に守られている中で本を調整するのに専念)
肥満男:んばばばばばばばばばばばばあっ!!(魔力弾で骸骨を突き飛ばしていく)
交錯音:がきんっ、がきんっ、くおおおおおおおん!!ぼんっ!!きぃんっ!!(刀と刀、そして
魔法が入り乱れる乱戦模様・・、数は同格、技能バランスでは「人形屋」が勝るものの、切
っても壊しても再生し向かってくる骸骨兵とガボスの存在で戦況は拮抗・・)
眼帯男:・・・・・・・・っきりがねえ!!(少女に迫ろうとするが、骸骨兵に阻まれる)
 扉 :ぎぃ・・・・・・・(開き・・、中から・・)
きず男:いやいや・・、その年で大した「死術」(ネクロマンシー)だ・・(くっく)
眼帯男:・・・・・・・・・遅いぞ!!「きず」!!(血走った目できず男を睨む)
少 女:???
きず男:すまねぇ・・(手元で印を切り始める・・)だが・・、どんなに凄くても・・(きず男の前
に光の魔法陣が浮かび上がる・・)
少 女:(はっと何かに気づいたように叫ぶ)「聖呪」?!!!
きず男:「ネクロマンシー」は・・、オレには・・
少 女:ガボス!!!
大男(ガボス):んがああああああああ!!!(きず男に飛びかかる)
きず男:・・・・勝てねぇ!!(ぐぉんんっ!!:陣を通して魔法が発動する・・)
大男(ガボス):が・・・・・・・(きず男に届く一歩手前でその動きが止まり、倒れる)
多くの骸骨:がしゃがしゃがしゃがしゃ・・・(音を立てて崩れ落ちていく・・)
少 女:!!!!!!!!!!(本を広げたまま、驚きの表情を浮かべる)
きず男:くっくっく・・、こんな所に高位のプリーストがいるのは意外かい?お嬢ちゃん?(印を
保ちながら、クックと笑う)
眼帯男:さて・・・・・・・(指をぽきぽきと鳴らす)どう、可愛がってやろうか?

<「館」の中、薄暗い一室>

音 :(ざぐんざぐんっ・・:何かが切り刻まれる音・・)
断末魔:お・・、んおっ・・(どさどさっ・・)
太・北:う・・・・・・(殆ど気を失っている状態で汚水にまみれた床の上に倒れる・・)
黒マントの小男:・・・(しっかりとした手でター・チェを抱き留める・・)
太・北:(優しく頬を撫でる感触・・)・・・?(揺れる視界が定まってくる・・)
黒マントの小男:大丈夫ですか・・・?ター・チェ様・・・(がふ〜・・・)
太・北:・・・・・・・・・・・ム・スン?(ぼう・・・)
黒マントの小男(丸・木):(薄暗く、顔はよく見えない・・)お待たせ・・、しましたじゃ・・(優
しく抱きしめる・・、その感触は、子供の頃、抱き上げられた時と同じもの)
太・北:(身体が小さく震える・・)・・・・(ぐすっ・・、ぐすっ・・)
黒マントの小男(丸・木):(抱きしめたまま・・)・・・・・・ター・チェ様・・
???(影):・・まさか、生きていたとはな・・(部屋の扉に浮かぶ女性のシルエット・・)
黒マントの小男(丸・木):・・・・・・・・・・・アー・ジュか?(振り返らずに)
暗・仁:・・・・・あんたの「殺気」だけは・・、地の果てからでも分かる・・(ぎり・・)
黒マントの小男(丸・木):(ター・チェを座らせ)・・・・・・(ゆっくり振り返る)
暗・仁:!!!!!!(ム・スンの顔を見て、声ならぬ驚きの声を上げる)おまえ・・
刃の突き刺さる音:どどんっ!!!!!(ム・スンの胸に無数の刃)
太・北:・・・・?(未だ、意識が混沌としていて何が起きたのか、理解できていない・・)
暗・仁:・・・・・・・・・おまえ・・(ふるふる・・)そんなになってまで何故、王家に忠義だ
てするっ!!!母さんと私を捨てて・・、なお、その上っ!!
黒マントの小男(丸・木):あれが・・、「約束」だったのだ・・、「娘」よ・・(刃を胸に突き立て
たまま・・)
暗・仁:だま・・れ・・(ふつ・・、ふつ・・ふつ・・)だまれ!!(刃をター・チェに・・)
太・北:・・・・・・え?(未だ、ぼうっ、としていて、状況も会話も掴めていない・・)
黒マントの小男(丸・木):(がっ!!:アー・ジュの腕を掴むと自分に胸に・・)
暗・仁:!!!(びくっ・・)
黒マントの小男(丸・木):憎いのは・・、私なのだろう・・?刺したければ・・、私を刺せ・・「痛
覚」は未だ・・、残っている・・。
暗・仁:くっ!!!(手を抜こうとするがびくともしない・・)
黒マントの小男(丸・木):アー・ジュ!!おのが「怨」はらすため罪なき弱き優しさに牙突き立
てること、母に習ったか!!(一喝)
暗・仁:(びくっ・・)・・違・・(弱々しく首を振る)!!(ご!:鳩尾への一撃)・・・・・うぐ
(音もなく倒れる・・)
黒マントの小男(丸・木):・・・・・・・・(倒れた「娘」(アー・ジュ)を無言で見下ろす)
太・北:・・・・・・・・・ム・スン・・?(未だ何が何だか分からない状態・・)
黒マントの小男(丸・木):(部屋を出ていくとき、僅かに振り返る)すみま・・、せぬじゃ・・(何
らかの強い意志のこもった悲痛な声・・)

<「館」の前>

ヒゲ男:くっくっくっく・・(少女にずかずかと近寄っていく)
少 女:・・・・・・・う(本を広げ、必至に文字を浮かばせながら、後ずさる)
「人形屋」の男たち:へっへっへっへっへっへ・・(下品な笑い声を立て、近寄るもの、見学を決
め込む者・・)
ヒゲ男:いい加減・・、観念しろ!!(少女の本をひったくろうとする)
少 女:・・・・・・・・・・・・・(微笑)
ヒゲ男:??!!
土の槍:どんっ!!!(地面から突然生え、ヒゲ男の頭を顎下から一気に貫く)
ヒゲ男:おが・・?
木の槍:どどんっ!!(きず男の背後の扉が隆起し、傷男の心臓を貫く・・)
けが男:ほぉおおおおおおっ!!(がふっ)
眼帯男:・・・・・・・・ちいっ!!(土の槍を砕く)
無数の槍:どどどどどどどどどんっ!!!!!(風、炎、土、木、様々な槍先が油断しきった「人
形屋」の男たちの胸を貫いていく・・)
けが男:(胸をかきむしる)馬鹿なっ!!確かに・・、感じた気配、「ネクロマンシー」・・、なの
に(光の魔法陣が消え去る・・)
大男(ガボス):(腹の底から響く、ぼそぼそとした声)・・・(ぎらん!:目に戻る光)
多くの骸骨:がしゃがしゃがしゃがしゃ・・・(音を立てて再生していく・・)
けが男:まさか・・、術者・・、てめ・・・・
大男(ガボス):んがーーーーーーーーーーーっ!!!(ごごぉん!!:粘土細工を壊すような感
じの一撃でけが男を潰す)
「人形屋」の生き残り:わ・・、うがああああああああ!!!!(骸骨、そして、槍の攻撃に次々
と倒れていく・・)
眼帯男:く・・・・、ぐぐ・・・・、くそっ!!!(歯ぎしりすると逃げ出す)
少 女:逃がさな・・、?!!!!(眼帯男が逃げ出したのと別の方向を向く。その先には一つの
「人影」が立つ)
大男(ガボス):んがあ・・・・・!!!(牙を剥きだし、緊張を露わにする)
少 女:やはり・・・、来たか!!!!!!!(どどどどどどどどどんっ!!!:無数の槍が束に
なって「人影」に襲いかかる)
???(人影):(すっと手を翳す)・・「虎爪」(ぼそり)
爆 音:どごーーーーーーーーーーーーーん!!!!!(「何か強力な一撃」が向かってくる槍の
波をうち砕く)
爆 煙:もわあああっ・・・(舞い上がり・・、僅かの間もなく引き始める・・)
???(人影):(ざっ・・)・・来るとはうすうすおもっとった・・(煙の中から歩みだしてくる)
大男(ガボス):んがあああああああああああ!!(人影に襲いかかる)
???(人影):(ガボスに手をかざす)・・・そやけど(どんっ!!:無数の風の刃がガボスに)
大男(ガボス):びゅ・・(脳天を砕かれ、吹っ飛ばされる・・)
少 女:・・・・・・・さすがね・・、第二、・・・・・・シャ・ラン。
人影(晴・嵐):(月明かりに浮かぶ赤髪の美貌・・)考えてもみぃ・・、うちと、あの子(ター・
チェ)・・、どっちが今まで・・、「国」の役に立ってきた?(冷たい瞳)
少 女:・・・・・・・・・(冷静な敵意でシャ・ランを見つめると、再度本を繰る)
無数の槍:(どどどどどどどどどどんっ!!!!:再びシャ・ランへ)
人影(晴・嵐):(額に血管が浮かぶ・・)うちは・・(どどどどんっ!!:「虎爪」が再び「槍」を
砕く)・・親父のため、国のため・・、人をたくさん、この手で殺してきた・・(肩を震わせ
ながら仁王立ちしている・・)うちが・・、「次期王」に・・、ふさわしいんや(強い意志
のこもった瞳で二人を睨む・・)
大男(ガボス):んが・・・(脳漿まき散らしながら立ち上がり、牙を剥く・・)
人影(晴・嵐):うちが・・、「次期王」や・・、従え!!
少 女:関係ない・・、狼少王の意志、これ、「次期王」はター・チェ様・・、おまえ「裏切り者」
死ぬ・・良い(冷たく言い放つ)
人影(晴・嵐):(ひくんっ:頬が引きつる)そうか・・(耳の中に声が響く・・)

宮殿の中に響く声:何故ここにいるのだ?「裏切り者」の子が・・(ひそひそ)
宮殿の中に響く声:火に包まれて、もろともに死ねば良かったものを・・(ひそひそ)
宮殿の中に響く声:「狼少王」も気まぐれな。お陰で継承争いにまた障害が・・(ひそひそ)

人影(晴・嵐):(知らずに涙が俯く顔を伝う・・)そうか・・そんなにうちを「殺したい」か・・?
ええやろ・・、「殺させたる」・・・・・・殺せるならなあっ!!!(巻き起こる刃の波)
少 女:!!!!!!!!!
大男(ガボス):んがあ!!!!!!
人影(晴・嵐):(あははははははははははっ!!)避けるのに精一杯で何が出来・・
小柄な影:・・・・・・・・(どんっ!!:何かがシャ・ランの腰に組み付く・・)
人影(晴・嵐):???!!!(慌て、下を見る)
小柄な影(ム・スン):(月明かりに照らされ焼けこげたム・スンの顔がシャ・ランを見上げる)
人影(晴・嵐):おまっ・・・・!!!
小柄な影(ム・スン):「メガ・フレイア」・・・(身体から光が弾ける・・)



太・北:・・・・・・・・(よろっ、と扉から顔を出す・・)・・・・・え??

<薄暗い街路・・・>

眼帯男:はぁっ・・、はっ・・、はあっ・・、撒いたか?(肩で息をしながら、今来た道を振り返
っている)
道の向こう:・・・・・・・・・・・・・・(静まり返っている)
眼帯男:・・・・・・・・・・・・ふぅ(額の汗を拭い、歩き出す・・)
???:・・・・・・・・(ばんっ!!!:眼帯男の背後から飛びつく何か)
眼帯男:!!!???
???:貴様がっ!!!貴様がっ!!!(背中に突き立てる刃)
眼帯男:ぐおっ・・・、ぬがあっ!!!(背中から血を滴らせながら、組み付いてきた相手を背負
い投げる)
???(スーツ姿):・・・・・・・・くうっ!!(だだんっ:道路に叩きつけられる)
眼帯男:おまえ・・・!!(一歩下がり、他に敵がいないのを確認すると・・、余裕の笑みを浮か
べる)そうか・・、おまえも地獄からはい上がってきたのかよ??(くっく)
スーツ姿(元外交官):おまえが・・、おまえらが・・、妻や・・娘にしたこと・・、忘れない、
忘れさせない・・(ぐぐぐ・・、と緩慢な動きで立ち上がる)
眼帯男:ああっ、忘れるものかよ?(舌なめずり)あれだけ、壮絶に全ての穴を犯したのは久しぶ
りだからなああ・・、まんこ、アナル、口、内臓、目、耳、へそ・・、内蔵・・、あと、何
があったっけなぁ?
スーツ姿(元外交官):う・・、うぐ・・、うあああああああああああああああああ!!!(魔法
の掛かった刃を片手を眼帯男向け、突き出す)
眼帯男:はっ・・(小馬鹿にした笑いを浮かべて、手をかざす)
爆 風:・・・・・・・・・・・きゅごうっ!!!!!(眼帯男の右腕から熱風が吹き出し、元外
交官をはじき飛ばす)
スーツ姿(元外交官):・・・・・・・・・・・かはっ!!(焼き焦げ、転がる・・)
眼帯男:地獄に戻りやがれ・・・、ぽんこつ!(にたりと笑い、再び手をかざす)
爆 音:ちゅんっ!!(何かが詰まったような感触と共に眼帯男の右腕が弾ける・・)
眼帯男:・・・・・・・・・・・・・・あ?(唖然)
???(小さなドレス):(宙に浮かんで「眼帯男」を睨んでいる・・)・・あなた、嫌い。
眼帯男:(声する方を見上げる)「剥奪・・(びくっ)
???(闇にきらめく刃):・・・・・・・・ずんっ!!
眼帯男:・・・・・・・姫」っ?!!!!!(首から上がはねとばされる・・)
スーツ姿(元外交官):・・・・・・・リリアちゃん・・、シーナさん・・(不格好に縫いつけられ
た首をもたげる・・)
闇にきらめく刃(シーナ):(剣をチン、とさやに収め)・・大丈夫ですか?ジョン・ズさん?
小さなドレス(リリア):・・・・(心配そうに降りてくる)
元外交官(ジョン・ズ):はぁ・・・、すまない・・・(弱々しく微笑む・・)
小さなドレス(リリア):・・・・・・・大丈夫・・、今のうちなら・・傷も骨折も治るから・・(手
をジョン・ズにかざし、「回復呪文(ヒーリング)」を唱える・・)
元外交官(ジョン・ズ):良いんだ・・(リリアの髪をそっと撫でる)・・私には、それは効かない
し・・もう、身体も限界のようだ・・(ぼろぼろと、身体が崩れ始める・・)


闇にきらめく刃(シーナ):!!
小さなドレス(リリア):・・・・・・(俯き、影で表情は見えない)
元外交官(ジョン・ズ):(ぽつり)前・・、死んだとき・・、妻も娘も・・、いなかった・・、行
くところが・・、違うらしい・・(崩れていく手でリリアの頬を撫でる)きみに逢えたお陰
で・・、娘に最後にまた、逢えた気になった・・、迷惑、かもしれないが・・
小さなドレス(リリア):ううん(俯いたまま首を振る)リリア、ジョン・ズの子じゃない・・、
ファーターじゃないって分かる・・、でも・・・・・・・・・・・
元外交官(ジョン・ズ):・・・・・・・ありがとう・・、二人とも・・(崩れ去り・・砂の山に)
小さなドレス(リリア):・・・・・・・でも、嫌いじゃなかったよ?(俯いたまま唇を噛む)
シーナ:・・・・・・・・・・・(後ろから、リリアの小さく震える肩を抱きしめる・・)

<「館」の前>

晴・嵐:がぁあああああああああああああ!!!(業火に弾かれ、路上を転がる・・)
業 火:ごぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお・・・
晴・嵐:(吐血)がっ・・、くはっ・・(腕を振り上げ、動こうとする・・)?!!(両腕とも二の
腕から先が吹き飛び血塗れになっているのが見える・・)・・・うぅ(首をもたげる)・・く
あ!!(胴から下が見えない・・)う・・、おおおっ!!(再び吐血)
太・北:・・・・・・・・(未だ収まらぬ業火を背にゆっくりと近付いてくる)
晴・嵐:ター・チェ・・っ!!!そうかっ・・、そう・・かっ!!(がはっ)おまーも・・、「人
の命」つこうて・・、権力奪う手ぇ気付いたかっ!!ははっ、ははははっ!!それでこそ・・
「次期国王」や!!(がはあっ:大量に血を吐く)
太・北:(へたり込むようにシャ・ランの側に座り込む・・)おねえ・・ちゃん???・・・なん
で・・?・・・・・・・・・何でッ?(顔には驚きと深い悲しみの色・・、涙がぼろぼろと
頬を伝い、シャ・ランの頬に落ちる・・)
晴・嵐:(驚き・・)ター・・・・チェ・・・?んな・・??おま・・え、未だ?
太・北:・・・・・誰が・・?何で・・?(泣きじゃくりながら、シャ・ランを抱きしめる)
晴・嵐:・・・・・・・・はーっ、はーっ・・、かふっ・・(吐血)
太・北:!!!し・・、死んじゃやだ!!!お姉ちゃんっ、お姉ちゃんっ!!!
少 女:(ざっ・・)・・・・ここまでね・・、シャ・ラン・・(冷静に二人を見る)
太・北:・・・・・・・・っ!!!貴女がっ?!!(シャ・ランを抱き、庇うようにしながら少女
をきっと睨む・・)
少 女:どくね・・・・・・・・・、「次期王」・・・
太・北:(ぎりっ・・・)お姉ちゃんを虐めたら・・、許さない!!
晴・嵐:・・・・・・・・はーっ、はーっ・・・・・・、はーっ・・・(ぼ〜・・・・)

太・北:お姉ちゃんを虐めたら絶対許さないんだからっ!!(箒を片手に震えながら)
晴・嵐:やめっ・・、どかんかっ!!ター・チェ!!
宮殿に響く少年たちの声:うるせぇんだよっ!!ばーか!!
宮殿に響く少年たちの声:何「裏切り者」庇ってんだよ!!
宮殿に響く少年たちの声:じゃあ、おまえも「裏切り者」だなっ、「役立たず」のくせに!!
太・北:(ばかっ:石が額に当たる)ううっ・・
晴・嵐:お・・・・・・・・、おまーらあっ!!!

晴・嵐:だいたいなぁ・・・、めーわくやねんっ!(ター・チェの頭に包帯を巻きながら)強く
もないくせにひょこひょこ出てきて・・(ぶつぶつ)
太・北:でも・・、お姉ちゃん。強かったね☆一撃だもん・・、驚いちゃった☆(にこにこ)
晴・嵐:!!(少し赤くなる)・・あほ、誰に言うてんねん・・、当たり前や・・、そやから・・
出てくるないうてるねん!!・・顔に傷残ったら・・どうする気や!!
太・北:平気だよっ・・、私、気にしないもんっ!!
晴・嵐:・・・アホ(苦々しそうにそっぽを向く)だから・・、おまえ、嫌いやねん!
太・北:・・・・・・・でも、私は・・、お姉ちゃん・・、大好きだよ☆
晴・嵐:あほっ!!抱きつくなぁ!!

晴・嵐:・・・・・・・・はーっ、はーっ・・・・・・、はーっ・・・
太・北:(小さく震えながらもシャ・ランを抱きしめ、少女を睨み付けている・・)
少 女:・・・・・・・・・・・・(やや憮然とした表情・・)
大男(ガボス):(四肢も頭ももげた状態でずるっ、ずるっと近付き・・、がぱんっ、と胴体が開く)
あの・・・(中から黒髪のおとなしそうな少女が姿を現す)・・私たちは・・、あなたの・・
ために・・(ぼそぼそ)
太・北:・・・・・・・(警戒を解かず睨み続ける)
晴・嵐:・・・・・・・・・ター・チェ・・・、「真実」を・・、教えたる・・・
太・北:おねえ・・・・・・・・ちゃん?
(とぎれとぎれに語られるシャ・ランの言葉・・ター・チェが「公国」の「跡継ぎ」であること、
ター・チェをはめたこと・・、ム・スンを殺したこと・・、ター・チェを憎んでいたこと・・、全
て・・、全て・・)
晴・嵐:これが・・・・・・、「真実」や・・・・・・
太・北:・・・・・・・・・・・・・・・
晴・嵐:・・・・・・・・さあ、「トドメ」刺したってんか?(少女にようやく目線だけ向ける)
少 女:すぐ・・・、殺さない・・・、不死人(アンテッド)して、罪、全て償わせる・・
ガボスの中にいた少女:・・・・・(歩み寄り、シャ・ランに触れようとする)
太・北:!!!!!!!!!だめえっ!!!!!!!!!
ガボスの中にいた少女:!!!!(びくうっ!!!!:思わず手を引く)
晴・嵐:ター・チェ・・、あのな・・、うちは・・
太・北:・・・・・・・私の・・・、大好きなお姉ちゃんだよ・・(泣きながら、シャ・ランを抱
きしめる・・)
晴・嵐:・・・・・・・・・・・アホ(・・・・・・やったのは・・、うち・・、か・・?)
太・北:うう・・・、うううううう(抱きしめ泣きじゃくる額には古い傷・・・)
晴・嵐:・・・・・・・・はーっ、はーっ・・・・・・、やめぇ・・・
???(殺気):(びくっ・・)
晴・嵐:・・・・・・・・アー・ジュ・・、もぉ・・、ええんや・・
殺気(暗・仁):・・・・・く(俯き、闇の中からくないを手に姿を現す・・)
太・北:・・・・・・・・・(泣きながら、シャ・ランを抱きしめている)
晴・嵐:(はーっ・・、はーっ・・・)ター・チェ・・
太・北:お姉ちゃんっ??!!(慌てて、顔を見る・・)
晴・嵐:うちは・・・・・・、おまえが・・・、大っっっっっっ嫌いや・・・(優しく微笑み、呟
くように言う・・)・・・・・・・・・(目から光が失われ・・、呼吸が止まる・・)
太・北:あ・・・・・・、あ・・、ああああ・・・・・(ふる・・ふるふる・・)

瑞 樹:(よろ・・、と扉から顔を出す)・・・・・・・え?(「人形屋」の死体の転がる闇の道を
呆然と見・・、見知った背中に気付く・・)ター・・・
太・北:(瑞樹の知らない女性の半身を抱え、うずくまっている)あ・・、ああああ・・・・・、
うああああああああ!!!お姉ちゃん!!!お姉ちゃんっ!!!やあ・・、やああああああ
あああああ!!!!!!(大声を上げ、泣きじゃくりながら半身を抱きしめる)

瑞 樹:(ター・チェのお姉・・、さん?)・・・・・・・(掛ける言葉も見つからず・・、ただ呆
然と見る・・)
少 女:・・・・・・・・・・・・・・(無言で周囲を見渡し・・、小さな溜息を一つ吐く)
業 火:・・・・・・・(すでに消え去り、闇が全てを静寂で包み込もうとしていた・・・)