マジェステック・アサルト―――ミリア・最後の賭け―――


「あぐううっ!」
涙ぐみ、激しくうめく長身の女。
身体を守っていたプレートや皮は、ことごとく毟り取られ、長身だが均整の取れた、美しい肉体の全てを晒し物にされていた。

艶やかな肌は、あらゆる暴行や陵辱に汚され、浴びせられ、突き入れられ続ける汚濁に、ぬらぬらと白く、濁った色を塗りたくられていた。

痙攣と共に、膣底へ撒き散らされる精液。
誰とも知れぬ、男の種を、情け容赦なく、膣内に出されていく。

それに抵抗するすべも、気力すらも、砕かれ尽くし、もう何も無い。

「ああ・・」
ただ、短い喘ぎを漏らし、されるままに注ぎ込まれるだけ。

野外の、戦塵の残る荒野。
無数の男たちが、欲望に目をぎらつかせ、美しい敵の指揮官を、思いつく限りの残酷さで輪姦していた。

傭兵ミリア。
百人の傭兵より貴重な戦士は、無数の敵兵のおもちゃにされ、嬲り尽くされていく。

後ろから交代したばかりの男が、突き入れ激しく掻き回す。
数十人に暴行されつづけたヴァギナは、ドロドロにあふれ、子宮の奥まで精液でパンパンにされていた。
それでも、鍛え上げた身体は、いまだ動きを止めず、男をしゃぶるようにうごめく。
意識も理性も無く、ただ、雌として動きを止める事は出来ない。
金銀妖瞳(ヘテロクロミア)の涙は、とめどなくこぼれていく。


『死ねない、まだ・・』
かすかな、意識の底にのたうつ、かすかな理性が、ミリアに死ぬ事を許さない。


「おばば殿」
ハスキーで、はっきりした声が、薄暗い洞窟に響いた。
精悍な美貌の中に、わずかに女を匂わせ、同時に、手ごわい戦士としての力も感じさせる。
だが、洞窟の主は、そんなものは気にもとめない。
普通の人なら、じりじりするような時間をかけ、ゆっくりと闇の奥から出てきた。
「何か御用かえ」
真っ黒いフードの奥から、せせら笑うような、妖しい甲高い声がした。
「ご無沙汰している、ミリアだよ」
「おうおう、ミリア嬢ちゃんかえ。3年ぶりじゃのう」
すでに歴戦の傭兵として、その名を轟かせていたミリアも、この女性にかかっては嬢ちゃんである。

「今日は、魔女として名高いおばば殿に、お願いがあってきた」
言うなり、重たげに下げていた袋をドンと置いた。中は金貨がぎっしりと詰まっていた。
「よほどの事だね。あんたの稼ぎの、ほとんどだろうに。」
魔女の長い人生の中でも、先に金を置くのは、生死か、それ以上の大事態に向かう相手だけだった。
『3代前の国王も、国を奪い返す前は、こんな目をしていたね。』

面白かった。
魔女の自分が、何かまた出来るのだ。
『こういう面白い事があると、まだまだ死ねないねえ。』


グラッセン軍事領には、敵味方を問わず、ある不文律があった。

『敵将は出来る限り殺さない』

この地には「かたきうち」に、非常に協力的な風土があり、へたに敵将を殺すと、その親族から暗殺や反乱などで、激しい反撃を覚悟しなければならない。

皇帝や、騎士団長グリューネの斬首は、特例中の特例であり、万一生かしておいて奪い返されれば、それで全てがひっくり返される恐れがあった。
特に、グリューネへの恐怖は、共和革命軍全軍の一兵卒にまで染み込んでおり、彼女を全員に犯させる事で、ようやく落ち着かせる事が出来たと言われている。

だが、生かされている敵将がどう扱われようと、それは問われなかった。
まして、憎み抜かれていたグリューネワルド騎士団の、美貌の敵将たちは・・。


「あぐっ!、ひっ!、あひっ!、あぐっ、うっ!、うっ!、あううっ!」

ぼろぼろになったミリアに、共和国兵士は容赦なかった。
ミリアを、裸のまま首都へ連行する。
馬につながれ、引きずられるようにして裸足で歩かされ、首都で夜に、辻に杭を打ち、毛布一枚を与えて鎖でつなぎ、そこで見張りを立ててほおっておいた。
殺そうとしたり、逃がそうとしない限り、誰が、何をしようと、見ているだけだった。

四つん這いにされ、男たちに挟まれて、勃起した男根が次々に押し込まれた。
美しく豊かな乳房に、いくつもの歯型が刻まれ、つままれ、もみくちゃにされた。
広げられ、たいまつをいくつも持ち寄り、明々と照らされて晒し者になった。

ぎりぎりと押し込まれる男根、
悲鳴を上げまいとしても、裂けるような痛みは、こらえようが無かった。
「あぐううううっ!!」
のけぞり、震える裸身が、たいまつの火に淫靡に照らし出される。

無理やりに射精し、ぬるぬるにされたアヌスに、ヴァギナに、棍棒のように猛々しいペニスが突き刺し、えぐりこむ。
「あうっ!、あぐっ!、んっ!、んううっ!」
好色そうな唇を、無理やりにこじ開け、喉まで押し込み、むせさせる。
髪を引っ張り、締まった尻を突き上げ、腸の奥を掻き回す。
割り広げた腰を、激しく突き上げ、膣をえぐり、子宮口を小突き上げる。

首都のおびただしい兵士や、欲望だけに忠実なならず者、チンピラなど、見知らぬ男たちの欲望が、ミリアの脚を広げ、アヌスを犯し、口を汚し、乳房を嬲り、膣を陵辱していく。
「んうっ!、んっ!、んっ!、ううっ!、ひっ!、んうっ!、うっ!」
ありとあらゆる欲望が、ミリアの全てをずたずたに汚し、晒し、嬲りぬいていく。

「んうーーーっ!!」
のけぞる媚態を、痙攣する胎内に注ぎ込まれるさまを、無情なたいまつの群れが、あからさまに照らし、滴り落ちる雫を光らせて、視姦されていくミリア。

美貌をゆがめ、しなやかな手足が痙攣し、優美で形の良い腰が跳ね上がるのは、嗜虐心をあおり、征服欲を掻きたて、さらなる陵辱をあおった。
交代する男たち、欲望に狂った獣に、ミリアには抵抗するすべも無く、なすがままに強姦されつづけるしかない。

敗者を嬲りぬく事で、その抵抗心をへし折り、臆病な負け犬にする。
残酷な仕打ちは、ミリアの身体を容赦なく陵辱し尽くしていく。


一晩中嬲りぬかれ、ようやく王城へ連行されたミリアは、地下牢に放り込まれた。
地下牢は何ヶ所も作られていて、敵将同士が出会わぬよう、慎重に分散される。
しかも、生かしておくように、戦地で捕虜にした女医までつながれていた。

『ようやく、ようやくついた・・、レティー・・』
女医の看護を受け、気を失うミリアの脳裏に、レティシアの姿が映った。

ミリアは平民だが、その父親は帝国貴族だった。
母親の美貌に目をつけ、平然と犯し、身ごもらせ、ほったらかしにした無責任な男。
年老いた母が重病を患い、必死にすがりに入ったミリアを、平然と追い出した。
だが、そこへ駆けつけ、自分の手で必死に看病し、救ってくれたのが、次女のレティシアだった。
そのときから、二人は本当の姉妹よりも仲良くなった。


暗い石牢の奥で、ミリアは目を覚ました。
身体はふかれ、キズや暴行の後処置も、十分にされたようだ。
何より、看病してくれた女医は、ずいぶん昔だが、お世話になった事のあるミューラ先生だった。
ミリアは、最後の賭けに打って出た。


牢屋番の兵士たちが、ぞろぞろと入ってきた。
牢屋番は普段は数名だが、こういうときは、交代制になる。
今回はくじ引きで決めなければならないほどだった。
名高い傭兵のミリアを、したい放題に陵辱していいのだ。

だが、期待していた屈強の女傭兵はいなかった。
「ひっ!、やっ、いやあっ!、」
ミリアは、兵士たちの顔を見ただけで怯え、パニックを起こした。
まるで、幼女のように泣きじゃくり、哀願する。
「お願い、殺さないで、なんでもします、痛いことしないで、おねがい、痛いこといやなの、殺さないで、」
「な、なんでえ、あれ、ほんとうにミリアかよ。」
「ちっ、戦場の連中が壊しやがったな。」
激烈な戦場で、恐怖から“壊れて”しまう兵士は多い。

それでも、半裸のミリアの肉感は、見とれるほどに芳醇で、首都でもめったに見られないぐらい美しい。
脅されれば、ミリアはそれこそ何でも従った。
言われるままに、おどおどと咥え、しゃぶり、飲み干した。
自分から広げ、濡らし、犬のように尻を振った。
奴隷のようにまたがり、後ろからも前からも、手にも口にも、従順に咥え、しごき、受け入れる。
一時はがっかりした兵士たちも、新たな肉奴隷の奉仕に満足し、嬲り始めた。
そのとき、まるで童女のような口調で、尋ねた。
「ねえ、レティーを知らない?。」

3日目の古参兵は、レティシアの名前に顔を上げた。
「あのレティシアか?」
そそり立つ裏筋をちろちろと嘗めながら、ミリアはあどけなく言った。
「ええ、私のレティー、姉さんなの。知ってるの?。」
「おうっ、いいぜ、そこは。ああ、まだ生きてるはずだ。」
ミリアは、しわの多い玉袋を咥えると、舌で転がし、唇でもてあそんだ。
「会いたい、会いたいよお、ねえ、レティーに会いたいよお、会わせてよお。」
絶妙な攻めに、男は悲鳴を上げた。
「おおっ、そんなことっ、すげえっ、あうっ、」

翌日、首輪をつけられたミリアは、犬のように鎖でつながれて、四つんばいではって行く。
5人の男に服従し、肉奴隷同然に従い、さんざんに輪姦されて、濡れた秘所を晒したまま、盲従する。
さほど離れていない地下牢、そのすえた匂いのする最奥の牢に、骨と皮にやせ細った、白髪の老婆がいた。
いや、老婆ではなく、その口ずさむかすれた声は、懐かしい歌、二人で歌った遠い記憶の歌だった。
目は濁り、物も見えない。
足は萎え、右手は皮膚病にただれていた。
だが、その声、その歌はレティシアだった。

「レティー、レティー!」
従順な犬のように従っていたミリアが、急に猛獣になったかのように、鎖を振り切り、レティシアに抱きついた。
「ミリア?・・、ミリア・・」
レティーの名に、レティシアはミリアの名を思い起こし、見えぬ目でミリアの名を呼んだ。

「ちっ、しんきくせえ。さあ、行くぞ雌犬。」
ミリアの目がギラリと光った。



「おまえさんの目は、金銀妖瞳(ヘテロクロミア)と言っての、特にその金と銀の目を持つ者は、特別な力を授けられておる。修行をすれば邪眼の力も得られようがの。」
邪眼とは、力をこめて睨むだけで、人を呪い殺せる魔力である。

「そんな時間は無いの。知ってるのよ、あたしの目を犠牲にすれば、何が出来るのか。」
魔女はため息をつくと、あきらめて秘術を教え込んだ。
「その金の目を犠牲にすれば、千の兵を瞬時に呪殺できる。だが、使えば二度とその目は戻らぬぞ。」

秘術を覚え、礼を言って立ち去ろうとするミリアに、魔女はもう一言つけくわえた。
「ついでに言っとく、もう一つの銀の目は、生命の目、命を救い力を戻す。必要になるかどうかは知らぬがな。」



ミリアはゆっくりと、金の目のほうに、指を伸ばした。
そのとき、騒然とした声があがった。

「おいっ、こんな所で何をしてやがる。急いで持ち場へ戻れ!」
「なっ、なんだ?。何かあったのか。」
「ばかやろう、皇女軍がいきなり復活したんだ!。城下は大騒動になってる。」
兵たちは、急いで扉を閉めて、二人を閉じ込めたまま、持ち場へ向かった。

ミリアは知らなかったが、この時、傭兵や旅の戦士など、ミリアの親しい友人たちが、彼女に加えられた暴行に激怒し、城下で騒乱を巻き起こしていた。
そして、突然現れた最強傭兵による皇女の奪還と、皇女軍の再出現。
まるで呼吸を計ったかのような、首都の内外で同時に起こった騒乱に、共和国側の首脳陣はパニックを引き起こした。

「皇女軍が・・、復活?!」
ミリアは目に伸ばしていた指を下ろした。
レティシアの呼吸は浅く、潤んだ目からは行く筋も涙がこぼれ、脈も小さく、早かった。
「もう、思い残す事はないわ・・、ミリア、ミリア・・」
かすかなつぶやきは、命が今まさに消えようとして、またたくようだ。

「おばば殿、感謝する」
ミリアは躊躇なく銀の目に指を伸ばした。

艶やかな髪が伸び、やせ細った身体がみずみずしく蘇り、輝きを取り戻していく。
ほとんど抜け落ちた恥毛が、ふさふさと生え、茂り、しなびた乳房が膨らみ、美しい紡錘形を描いて震えた。
ぱちりと開いた目が、美しいブラウンの輝きを取り戻していた。
「ミリア、ミリアなの?!」
銀の瞳は閉じ、血を流しながら、凄絶な笑みを浮かべ、涙を金の目から、とめどなく流していた。
「やっと、会えたね・・。」


FIN