かごめ かごめ

by MORIGUMA



か〜ごめ かごめ
か〜ごのな〜かのとりは
いつ いつ であう
よ あ け のば んに
つ〜るとか〜めがす〜べった〜
うしろの しょうめん だ〜あれ〜



真っ暗闇
背中を向けた父と母、
石を投げるは兄弟たち、
メイドや執事もさげすんで、

私はどこにいればいい?。

「う・・ぐ・・あううっ」
「シャム、シャム、だいじょぶだ、しっかりしろ」
暖かい腕、髪をなでる優しい手、
暗黒の闇から、静かに引き上げられていく。
暖かい光の中に。

「あ・・ゲイル・・」
静かな灰色の目が、シャムの青ざめた顔を見つめていた。
月光に青白く光る涙が、この上も無く美しかった。
「ごめんなさい・・」
トラウマが、彼女を瞬時、幼女の時の目をさせる。
「ばか、何を言ってるんだ、おちつけ。」
裸のたくましい胸に抱かれていると、
まるで赤子に返ったかのような安らぎに包まれる。

『魔力の無いできそこない』
『我が家の恥』
『ぐずでのろまで、とてもノルン家のお嬢様とは思えませんわ』
歴代、宮廷魔術師を務める名門貴族の家に生まれ、
ほとんど魔力を持たぬ娘は、
まるで汚物のように扱われた。

利発で感受性も高い、賢い娘でありながら、
ただ一つ『魔力が無い』ということ、
それは、あの家において、
許しがたい最悪の汚点であった。

実の親にすら疎まれる、
それが、どれほどの苦痛に満ちた幼少期であることか。

たった一人、
彼女を慈しんでくれた祖母も、5歳の時に亡くなり、
彼女は天涯孤独になった。

『これはね、東洋に伝えられていた、わらべ歌。ほんとはとても怖い怖い歌なんだよ。』

か〜ごめ か ご め、・・・

笑って祖母が歌ってくれたそれが、
今でもシャムは忘れられなかった。


魔法剣士ゲイルは、
犬の子同然に下げ渡された少女を温かく見守り、
育て、優しく包み込んだ。
彼女の唯一の救い、そしてこの世で最高の幸せ。

裸の胸に、かなり育ってきた乳房を密着させ、こすりつける。
「おいおい」
「いいの、忘れさせて・・」
1年前から、彼女が懇願してゲイルと肉の関係を結んだ。

たくましいゲイルに、己の細い足を開く時、
激しい悦びと喜悦が泡立つように湧き上がる。

濡れて喘ぐように震える秘所に、
灼熱する亀頭が押し当たり、
「ひっ!」
思わずのけぞってしまう。
彼とまた一体となれる。その喜びで。

「ひあっ!、あっ!、ああっ、すごいっ!、ゲイルっ!、あなたが、あなたがいるっ!」

狂乱し、責め狂う律動にもてあそばれながら、
草のしとねも、冷たい風も、もう気にならない。
世界はあたたかいよろこびにあふれていた。



馬車を降りた時、
そこは、昔の記憶のままだった。

『母親が明日おも知れぬ病気になり、死ぬ前に一目シャムに会いたがっている』

どこで探し当てたか、
魔法探査でも行ったのか、
二人の下に、あのノルン家から早馬が届いた。

懐かしさより恐れをまとう少女に、
ゲイルは静かに手を握ってやった。

ゲイルは主に呼ばれ、
シャムだけが、母親の下へ急いだ。

広大な屋敷の中で、二人はひそかに分けられていた。

「ゲイル君、よびたててすまなかったね。」
立派な髭を生やしたノルン家の主は、
傲慢な口調で、少しもすまなそうな風でもなくしゃべりだした。
ゲイルは何も言わず、ただ黙って会釈をした。

当主はそうとう傲慢な人間で、下手に口を開かない方がいい。

主が部屋の隅にいる執事に顎をしゃくると、
重そうな袋を持ってきた。
ジャラ・・
音からして、かなり大量の金貨が入っているようだった。

「これは面倒をかけた詫びと、足代と思ってくれたまえ。」
落ちつかなげにパイプをふかし、こちらをまともに見ようとしない。
「君もいいかげん、厭きた所だろう。」
「どういう意味ですか?」
意味は瞬時に理解できた。だが、考えたくなかった。



シャムは、西の離れに通された。
ビシイイッ
椅子とテーブルとベッドの無人の部屋、
そこで後ろから麻痺の魔法が襲い掛かった。

「ひ・・っ!」
幼い頃、意地悪で何度もかけられ、味わってきた感触が、
容赦なく全身の動きを奪い、痺れさせた。

「まったく、面倒かけやがる」
細面で意地悪げな目をした次兄のラグが、
魔法の杖をもてあそびながら、
ドアの影から出てきた。
「ら・・ラグ、にい、さ・・」
「おい、さっさと縛り付けろ。」
下僕らしい大柄な男たちが、
うっそりとシャムの両手足を掴み、ベッドへ引き上げた。
痺れた身体は、まだピクリとも動かせない。
そのまま麻縄を両手足に縛り、四隅に縛り付けられてしまった。

「おわったか?」
白いドレスシャツと細い鼻ひげを生やした長兄のグラルが、
にやにや笑いながら入ってきた。
「グラ、ル、にい、さ、なにを・・」
「ち、まだ口がきけるじゃないか、お前の力じゃそんなものだな。」
「ぐ、ぐ、ちくしょう!」
ラグはいきなりシャムの頬を叩いた。
「で、できそこないのくせしやがって、このこの」
痛みと衝撃で気が遠くなる、口の中に血の味が広がる。

「おい、できそこないでも、血を流すんじゃない。不吉だろうが。」

あまりのことに、シャムは何が起こっているのかすら分からなかった。
グラルは細い銀細工のナイフを取り出すと、
ビビィィッ
いきなりスカートを裂き始めた。
「ひ・・っ!」
「まったく、こんな出来そこないの血にたよらにゃならんとはなあ。」
にやにやしながら、シャムを剥いていく。



「なんだ、まだ不服かね?。まあ長く世話をかけたから仕方ないだろうなぁ。」
ゲイルの態度を不服と見たのか、
さらに金を持ってこさせようとする

「厭きた?、世話?、どういう意味ですか。」
魔法剣士とはいえ、見くびっていた当主は、
激しい気合に、ふと怯えを感じた。
「いや、その、なんだ、君ももう新しい女がいいだろう?。あんな出来そこないにいつま
でも世話を焼かされるより、いくらでもいい女がいるではないか。」

穏やかだった灰色の目が、獰猛な光を帯びた。

「うちの、息子たちはどうも出来が悪くてね、孫たちもあまり力が無いようなのだよ。
そしたら、200年ほど昔の記録で、魔力の無い娘の孫に、血が寄ったように強い力の孫が出来た
と書いてあったのを見つけたのだよ。わかるだろう?。」
汗をかきながら、下卑た追従の笑いを浮かべる当主に、
瞬時に剣を抜いていた。

当主も執事も剣の横腹で殴りつけたので、
死んでこそいないが、肋骨ぐらいは折れているかもしれない。
本気で首を切り落としてやりたかった。
「シャム・・シャム――!」



「ひいっ!、ひいいっ!」
濡れてもいない膣に、
うすのろたちの棍棒のような陰茎が、
無理やり押し込まれていく。

今にも裂けそうな痛みと、
獣じみた欲望だけの行為、
『なんでっ、私がなにをしたっていうの?!』
痛みと嫌悪、悲しみと混乱、言葉が出てこない。

根元まで入りきれぬそれを、無理にこすり、こねまわし、突き上げる。
「ひいっ!、ひいっ!、」
泣き叫ぶシャムも、
女としての機能と本能が、
自己防衛のために濡れだしてくる。

すべりがよくなってきた若い身体に、
下僕の男は貪るように腰を突きまくる。
横でも別の数人の下僕が、待ちきれずしごき始める。

何本もの異臭のするそれが、シャムの目に入り、
怯えが膣を締めた。
「う、ぐぐおおおっ!」
「ひっ、あっ、い、いやああああああっ!!」
必死で逃れようとするシャム、
だが、それは男を興奮させ、
さらにねじ込み、痙攣が突きぬけた。
ドッブウウウウッ、ドブウウッ、ドブウウッ、ドブウッ、ドブウッ、
「ひいいいいいいいいっ!」
汚辱そのもののような感触が、
下腹いっぱいに注ぎこまれた。

涙を流し、泣き叫ぶ妹に、
ラグもグラルも、げらげら笑いながら、酒を飲みはじめていた。

「俺らの種で、万が一また力の無いのが出来たら、大恥だからなあ。」
「第一、あんなの抱くのもいやだぜ」

顔に、胸に、汚辱の汁がおびただしく飛んだ。
美しい乳房に指の跡がつき、利発そうな美貌は、汚濁に汚され、
入れ代わる男の物が、
あふれる膣をさらにこねまわす。

「いやああ・・、いやああ・・、やめてええっ!」
若い甘美な秘洞に、獣じみた勢いで、無理やりに突きまくり、えぐりつづける。

ドガン

扉がぶち破られ、
ゲイルが飛び込んできたとき、
のしかかった下僕がうめきながら腰を突き上げていた。
「いやあああ、いやあああ・・!!」
泣きながら弱々しく喘ぐシャムに、数回目の汚辱が、猛烈な勢いで射精されていた。


どれほどの怒りが渦巻いたか、
ゲイルをなめていた兄弟も、
シャムを汚しぬいた下僕たちも、
ただの肉片と化して寸断されていた。

綱を解かれたシャムはうずくまった。
すすり泣き、怯え、ゲイルに抱き上げられる事を拒んだ。

『汚された、汚された、ヨゴサレタ、よごされた・・』

湖に飛び込み、皮膚が血が出るほどこすり、身体中を洗いつづけた。



憎悪が渦巻いていた、
嫌悪が煮えたぎっていた、
憎しみが、呪いが、心を満たしていた。

シャムは泣きながら、月の光る方へただ、歩きつづけた。
ゲイルをこっそりと置いて、
一人山の中を歩きつづけた。



か〜ごめ かごめ
か〜ごのな〜かのとりは
いつ いつ であう
よ あ け のば んに
つ〜るとか〜めがす〜べった〜
うしろの しょうめん だ〜あれ〜



親族への憎しみ、
凌辱への憎悪、
引き裂かれめちゃくちゃにされた貞操、
単なる物として扱われた悲しみ、
魔力のある子供のためだけに。

そして、絶望が来た。

『もし、私に魔力のある子供が生まれたら?。』

びくっ、
シャムは全身を震わせて立ちすくんだ。

自分は・・・女・・・。

それは、真っ暗な絶望だった。

心の中の憎悪のバケモノが、
子供の方を向いて舌なめずりをしていた。

「ひっ・・、ひ・・・っ、」
シャムはすすり泣いた。


元気に育った子が、
無邪気に笑いながら光を放つ指先を見つめ、
冷たく凍った心が刃を向けていた。


成長した息子が、
冷たい蔑みの目を向けた。
『魔力も無い女(ひと)が、母親面しないでくれ』

憎悪の連鎖が、シャムの心をがんじがらめにした。
いつしか、シャムは鎖の篭の中で泣いていた。



か・・ごめ、か・ご・め、
篭女、篭女、

かごの・・なかの・・とりは
篭の中の女は、

い・・つい・・つ、で・ら・りゅ
どこにも出口はみつからぬ

よ・・あ・・けの、ば・・んに
朝のこない夜の中、真っ暗闇の底にいる

つ・・ると、か・・めが、す・・べっ・・た、
夢も、希望も、死に果てて、

うし・・ろの、しょう・・め・ん、だ・・あ・れ、
逃げても、逃げても、後ろには・・・



『おばあさま、あなたは、知っていたのですが・・?!』
血の涙を流しながら、
シャムは闇の中で、慟哭を続けていた。



ドン、ドン、

「なんじゃね?」
醜悪な老人が、黄色い目を向けた。
「あなたが、魔力増幅の秘儀を見つけたと聞きました。」
黄色い濁りかけた目がギラリと光った。

あれから一年、シャムは己の身体を刻むようにして、
魔力を、力を求めてさまよいつづけた。

心の中の憎悪のバケモノを消す為に、
この身と引き換えにでも消えるように、
それしか、方法は無かった。

「ああ、確かにな。だが、その代償はちと高いぞ。」
シャムを嘗めまわすように見ながら。

幸か不幸か、シャムはますます美しくなっていた。
あの日、女として踏みにじられたとき、
同時に女として目覚めさせられていた。

まつげは長く妖しく、
魔力を求める目は不思議な妖しさとけだるさをあらわし、
白い抜けるような肌に、ほんのりと狂気が頬を染め、
肢体は女の艶と美しい曲線をえがき、
何より、淫らな、どこか捨て鉢の隙が妖しく誘っていた。


か・・ごめ、か・・ご・め、


「ひあっ!、あっ、ああ〜っ!」
老人の異様に長い一物が、
シャムの子宮を突き上げる。
素裸の身体に、醜悪なシワだらけの身体を乗せ、
愛らしい乳房にむしゃぶりつくそれを抱きしめ、
己の快感だけを追い、
指を立て、足を絡めていた。


か・・ごの、な、か、のとり、は、


うめき声と共に、長いペニスがブルリと震えた。
ドビュッ、ドビュッ、ドビュッ、
粘つく鈍い音、身体に染み込むおぞましい感触、
乾いた心は、それに何の感慨もなく、
機械的に締め付ける膣に、
何度もそれが注ぎ込まれていく。


い・・つ、い・・つ、で・・ら・りゅ


「んむ、はむ・・、んんっ、」
己の愛液と精液にまみれたそれを、
赤い唇に含み、這わせ、飲み込んでいく。
皺くれた陰嚢も、醜い下腹も、
シャムの空ろな目には写らない。


よ・・あ・・け・・の、ばん・・に、


犬のように這わされ、
白い小ぶりな尻が、広げられる。
ビクビクするペニスが、当てられ、一気に貫かれた。
「ひうっ!」
ずぶりと押し通ったそれを、
シャムの女が、幾重にも締め付ける。
シーツにあえぐ女体に、
老魔術師はさらに興奮し、腰を激しく振った。
細い裸身が、激しく揺らされ、
ベッドが軋み続ける。
「ひっ!、あっ!、ああっ!、あひっ!、ひっ!、
まるで獣のようだった。
顔も見ず、理性も失い、
ただ、そのほうが楽だった。


つ・・ると、か・・めが、す・・べっ・・た、


美しい尻を貪りながら、
ほっそりと美しい脚を割り開きながら、
噴き上がる性欲が、ペニスを突き上げた。
片足を担ぎ上げ、根元までつっこむ。
「ひあああぁぁぁぁぁ!!」
濡れた秘所が、ぎゅうぎゅうと締め上げた。
従順な雌奴隷に、ためらいも無く解き放った。
ビュクウウウウッ、ビュクウッ、ビュクッ、ビュクッ、ビュクッ、
「ひいっ、ひいいっ、あああぁぁぁ・・・」

放出される感触に溺れながら、
シャムはただ、盲従と追従のままに、
己の全てを投げ出していた。


うし・・ろ、の、しょう・・め・ん、だ・・あ・れ・・


あえぐ顔から乳房に、
黄色い汚濁が、撒き散らされた。

長らく女に飢えていた老人は、
思いつく限りの嬲り方で、
シャムをもてあそんだ。

「ぐふふふ、なかなか具合がいいではないか。お前がそう素直なら、ワシも鬼ではないか
らの、そのうち、たんと教えてやるぞ。」

満足げにため息をつくと、
月光に身を投げ出し、汚れきったシャムを置いて部屋を出た。

「うし・・ろ、の、しょう・・め・ん、だ・・あ・れ・・」

まだ祖母が生きていたころ、
魔力も何も関係なかったころ、
あの時のわらべ歌を、
シャムは空ろな目で、
静かにつぶやき続けた。


FIN