監禁玄室6F-2
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セリカはならず者達に散々に凌辱されていた・・・
セリカ:(うぅぅ……… いやぁ… も、もう)
なぜこんなことになったのだろう。
………理由はわかっている。
『おれはヤミ商人だ。金次第で誰とでも取引してる。もちろんギルドともな、けけけ』
暗闇の中に現れたあの商人の取引………
仲間一人と暗闇の中を見通すアイテムとの交換。
あの時PT一行は 堅実に 思案し、フリーデリケは、取引に乗る事にした。
(「犠牲」発動)
そしてそれならば自分が行こう、と申し出た。
セリカ:(…………)
…………一緒にPTを組んでいて、そして放逐されたキャティのことを思い出す。
放逐した時の強がった、でも少し泣きそうだったあのキャティの顔―――
セリカ:(あの時……… 私はどんな顔をしていただろう………?)
暗くて良く見えなかったが、ラフィちゃんは泣きそうな顔で、アヤカさんは困惑した顔で、そしてフリーデリケさんは
セリカ:(――――――あぁ)
………『SOUL OUT』と書かれた、キャティが売られたという、ギルドの広告ポスター。
それを見て混乱した自分にフリーデリケが投げかけた言葉。
『それにね。生き物なんて、人間もエルフも獣人も、神様じゃないんだから、先の事なんてわからないものだよ。
進んででた結果は後悔を生むものだったかもしれないけど、立ち止まっちゃだーめ。セリカちゃんは今、立ち止まってるよ』
セリカ:(―――あの時と、同じ顔を)
涙がこぼれた。
セリカ:(・・・・・・・・・でも・・・ わ、わたし・・・ ・ ・・ ・・・・ ・・)
立ち止まらず進みたい、ダケドモウススメナイ。
セリカ:(あ、・・・ ・・ ラフィ、にあさん。・・ アヤかさん、。。。 フリーデリケs)
彼女達には進んで欲しい、あの手に入れた仮面を使って。
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セリカは嬲られながら、己の僧侶としての自負が急速に削り取られてゆくのを感じた・・・
(実力レベル5→0)
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「……あぁ、嘘……あふ……(息も絶えだえ喘ぐのみ)」
セリカは激しい凌辱に耐え切れず、ついに冒険者としての全ての気概を失った
そして女である己はしょせん男達の性奴隷に過ぎないことを悟ると、虚ろな目で男達にそう宣言した
男達はそれを聞いて満足げに頷くと、セリカを連れて玄室を後にした・・・
同日同時刻同階層
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フリーデリケ達は 龍神の迷宮 地下5階 を 堅実 に進んでいる・・・
*真っ暗闇だ!*
フリーデリケ:…………
ラフィニア:…………
アヤカ:…………
フィル:え? あ、あのもしかして魔法の明かりつけちゃ駄目でしたか?
ラフィニア:い、いや別に構わないよ!?
アヤカ:なんていうか〜 神様の意地の悪さを見た感じかも……
フィル:えっ? えっ?
混乱したり沈痛な顔したりしているPTの中、フリーデリケはコソッと仮面を被る。
フリーデリケ:………まぁ、過ぎたことはしゃーないですし先に進みましょうか〜
ラフィニア:……うん
アヤカ:はぁ〜
フィル:はい。 あ、フリーデリケさん仮面つけなくても『光源』で魔法あるんで大丈夫ですよ。
フリーデリケ:イアイア! 大丈夫じゃなかったりもするのデスヨ、これが。
仮面で表情は判らないが、いつもと同じ明るい口調で言うフリーデリケ。
フィル:? その仮面には他にも効果が?
フリーデリケ:うっふっふ〜♪ そう、全ての仮面にあるヒミチュの効果があるディスヨ!
フィル:全ての仮面に? …………それってなんですか?
フリーデリケ:顔を隠す
―――デスヨ♪
………仮面で表情は判らない。だが口調だけはいつもと同じ明るく言うフリーデリケだった。