1/30  緑森高校 PM4:00  校門から一人の少女が出てくる。  いや、少女と言うのは正確では無いだろう。170cmを超える長身はモデルと 言っても通用しそうなほどで、スラリと伸びた細い手足が引き締まった肢体を想像さ せ、風に揺れる長く艶やかな黒髪の、その隙間から覗く物憂げな表情の中で強固なま での意志を宿した瞳が輝いている。儚さと気高さと、そして強さが同居した―― 「待てぇいっ!」  スパコーンと、まるでスニーカーで後頭部を力任せに引っ叩いたような音が響い た。っていうか……痛い。 「アンタ、いくら自分の好きなキャラだからって"人様の描写そのまま持って"くるっ てどういう神経してんのよっ!」  いやだって、狩摩たん可愛いし。そもそも、俺自身の手でこういう描写してもカッ コよくならないし。 「……負け犬。それはそうと読む人が混乱するでしょ、これじゃ」  ぐ、前半部分はともかく至極もっともな意見。明後日からは考え直すよ。だから今 は自分で自己紹介よろしく。 「アンタね、少しは考えなさいよ。少ない脳ミソますます萎縮してんじゃない?」  うるさい黙れ。作者様に逆らうと凌辱妊娠中絶世を儚んで自殺コースに行かすぞ。 「え〜っと、このバカは放っておいて。遠藤絆です、こんにちわ。緑森高校に通って ます。勉強するより体動かす方が好きですかね。ウチの高校全国レベルの身体能力 持ってる人が普通だからあんま威張れないですけど。え〜っと、他に何喋ればいいん だっけ」  年齢。あとはチャームポイント? 「今年の2月14日で18歳になります。ちょっと日にちが日にちだけにあんま良い思 い出ないですけど。チャームポイントは、笑顔ですかねぇ」  よし。これで児ポ法の問題は無しっと。将来文書も規制するーとか知能指数は正常 な阿呆が現れそうだしな。 「は? ち、ちょっと待ちなさいよ、何それっ。私をそういう目に遭わす気?」  バカだな、絆は俺の生み出したキャラクターだぞ。愛してるに決まってる。 「そ、そうよね。それじゃ――」 だからヒドイ目に遭わすに決まってるじゃないか。 「……それさ、人間としてどうかと思わない?」  ちょっと思う。  ま、まあそんな事は置いておいてだ。いよいよ池ブクr……げふぅっ! 「何スカ、何言おうとしたんすか、ポンドサックですよ、此処は? ぽーんどさっ く」  いや、悪かった悪かったから。その麗智が持ってるようなバットでの殴打は止めて くれ。あぁ、何かピンク色の半熟状の固形物が頭から零れてきてるし……ぱ、パト ラッシュ。 「えーっと、そんな訳で、今更ながらにポンドサック・バンギャングのリプレイもど きを進めていく訳です。ポンドサック・バンギャングが分からない方は企画ページを 見て概要を頭の中に叩き込んでから参加して下さいね。見ないと意味ワカリマセンか ら」  そんな事を爽やかな笑顔で言われても……何でもありません。だからバットを下ろ してください。 「うるさい。まあでもさ、これってバランス的に問題あるよねー、用兵やら肉欲、行 動力相殺の使い勝手の良さとは反比例して、治癒なんて一回も発動すらしなかったわ けだし。流石アンサガにハマった男の作るゲームって感じ?」  ……頼む、俺はまだ死にたくないからその辺りの毒は控えてくれ。あと茶髪とかも 言うなよ、バイクに轢かれるから。  まあそんな訳で、自己満足全開リプレイもどきを進めていくわけでございます。